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第三章
切り落とした髪と世界で一番安全な場所
浴室を出たクラリスは扉をそっと開き、部屋を覗く。大きなベッドの上にちょこんと座る弟は、暇つぶしにと渡された本を読んでいたようだ。安堵の吐息を漏らしたクラリスに気づいたヴィクターはパッと顔を上げた。
「姉さま!」
さほど大きな声ではなかったが、クラリスは口のに前に人差し指を立て目で窘めた。慌てて両手で口を覆ったヴィクターに頷くと、弟の横に座り小さな頭を撫でる。ついさっき、今日二回目の風呂を済ませたところだ。入浴したての匂いがふんわりと漂う。今朝までのことが嘘のようで、改めて自分たちがいかに幸運だったかとしみじみ思った。
一生分の驚きを一度に詰め込んだような日だった。そんな怒涛の一日もようやく終わろうとしている。
「……姉さま、よかったね」
弟がぽつりとつぶやく。本当に、と言おうとして、言葉を発せないことに気づいて苦笑した。国を出てから一月になるというのに、自分が喋れないことに未だに慣れない。
クラリスは身体を離し、弟の目を見つめながらゆっくりと唇を動かした。
「よ、く、が……んば、った……? ぼく、頑張った?」
姉の口を読んで嬉しそうに言葉をなぞっていたヴィクターは、すぐに屈託を残した上目遣いになった。
「でも、名前もごまかせなかったよ」
ヴィクターの愛称をそのまま伝えてしまったことを気に病んでいるのだ。クラリスはまた口を動かそうとして思い直すと、弟の手を取り開かせた。
――大丈夫 それに 私の名前はちゃんと「フレディ」だったわ
クラリスのミドルネームはウィニフレッドで、その愛称を男名にしようと提案したのはヴィクターだ。姉に少しでも馴染みのある名にしたかったのだろう。
――ありがとう 大好きよ ヴィク
弟の柔らかな手のひらに、ここ一カ月で少し荒れた指先で文字を書く。六歳と伝えたヴィクターの本当の年齢は八歳だが、小柄なために不自然ではない。それはクラリスも同じことで、十六歳という少年期の終わりの年齢だからギリギリ誤魔化せたものの、口がきけたなら高い声を怪しまれていたことだろう。到底本当の年齢である十八歳だとは伝えられないのだから、ヴィクターは驚くほど機転が利いたのだと褒めてやりたかった。
――今ここにいられるのも ヴィクのおかげよ
ふと、男爵の手にも同じように文字を書いたことを思い出す。弟の小さく柔らかな手とは違う、ごつごつとした大きな手だった。
あの時は必死だったけれど、今思えば恥ずかしいことをしてしまった。クラリスの頬がかすかに赤くなる。
一方、褒めてやったにもかかわらずヴィクターは憂い顔だ。その気持ちはクラリスにもよく分かった。命の危険や飢えといった差し迫った危機を逃れたら、今まで意識の片隅に追いやっていたことが気にかかるのだ。だがクラリスは敢えて明るい顔で弟のふっくらとした頬を両手で包んだ。
――きっと 迎えに来てくれる それまで私たちはここで待っていましょう ヴィクのことだから心配していないけれど お勉強もちゃんとして ジュリアナ様のお手伝いをしましょうね 姉さまもお仕事頑張るわ
自分とよく似た菫色の瞳を見ながら、ゆっくりと口を動かした。ヴィクターに、というよりむしろ自分に言い聞かせるような言葉だったのだが、弟は目尻に浮かんだ涙を手の甲で拭い、姉の気持ちを慮って笑顔を見せた。
「そうだね。いつ迎えに来てくれても大丈夫なようにしておかないと」
誰が、とは互いに言えなかった。クラリスは健気な弟を抱きしめる。伝わる体温がたまらなく愛おしくてぎゅうぎゅうと力を込めた。
「くるしいよ、姉さま」
ようやく子供らしい顔になった弟の両頬に、わざと音を立ててキスをする。悲鳴をあげたヴィクターが上掛けの下に潜りこむから、クラリスも一緒になって横たわった。ベッドは二つ用意されているが、離れて眠れるほど二人の心の傷は癒えていない。ジュリアナの気遣いを申し訳なく思いながらも、今夜は弟の側で眠りたかった。
ヴィクターの手が上掛けの下からのびてきて、枕の上に広がるクラリスの髪を触った。クラリスは小さな手が髪を弄ぶのに任せ、そして弟と目を見合わせる。腰まであった長い髪は自分で切り落とした。騎士たちは痛ましそうにそれを見ていたが、手入れの行き届いたプラチナブロンドの髪は目立ちすぎるのだ。道中に入手した平民の服に着替える時、誰にも相談せずに切った髪を惜しんだ弟は涙ぐんでいた。それでも後悔はしていない。そうしなければ叔父の手の者にたちまち見つけられるか、柄の悪い連中の慰み者になっていただろうから。
王家の特徴である菫色の瞳が陰るのを見て、クラリスは弟の手をそっと握った。目を見ながら唇を動かす。
――すぐに伸びるわ だから 気にしないで
ヴィクターはただ微笑んで、クラリスが広げた腕の中に顔を埋めた。
髪になんて未練はない。だがそれを何度言っても、この聡く優しい弟は悲しむだけだろう。クラリスは小さなつむじにキスをして、自分の目の端に入る髪を眺めた。
プラチナブロンドの長い髪は、クラリスの母が大切にしていたものだ。
家族の中で母だけが金髪で、後は皆同じプラチナブロンドだった。瞳も母以外は全員鮮やかな紫色で、父方の――シエルハーン王家の特徴を色濃く伝えていた。
建国の物語の中の、エーベルとシエルハーンの関係。王権神授説と神の恩寵を受け継いだ者たちの話は、母国では子供でも知っている有名な話だ。その中で、叔父一人だけが黒に近い茶の髪と琥珀色の瞳を持っていた。
ズキ……と胸が痛んだ。
両親は目の前で叔父の手にかかってしまったが、兄は……もしかしたら無事かもしれない。奇跡が起きて、いつか自分たちを迎えに来てくれる。そんな夢のようなことを信じていたかった。
腕の中の弟を見れば、いつの間にか眠っていたようだ。クラリスは寝息を立てる弟の額に口づけてから、首元が寒くないよう上掛けで包んだ。そして、太陽と月を描いた天蓋の絵をぼんやりと見上げる。
ジュリアナから性別を見破られた時はどうしようかと思ったが、今思えばよかったのかもしれない。
国を出てからずっと、ふくらみを隠すため胸にきつく布を巻いていた。苦しかったが、そんな不満を抱く暇も余裕もなかった。だからジュリアナから渡された着替えの中に胸当てを見つけた時、本当に驚いたのだ。
男爵家で雇っている女の護衛から分けてもらったのだという。つけてみれば動きやすく苦しさもない。今までは布が解けてしまわないかとヒヤヒヤすることがあったのだが、これなら何の心配もなさそうだった。ジュリアナからは新品ではないことを謝罪されたが、逆に恐縮してしまった。何せ、それがなければ汚れたままの布を巻くつもりだったのだから十分すぎるほどだ。
思考が緩慢になり、髪と同じ色の睫毛がゆっくりと落ちていく。
一月ぶりのベッドだ。寝心地は雲に横たわるようで、肌に触れるリネンは極上の手触りだ。何より自分からもベッドからも心休まるいい香りが漂っている。クラリスは全身から力を抜いた。
――よかった ほんとうに。 ありがとう
とろとろと眠りに引き込まれながら、クラリスは感謝の言葉を呟いた。
世界中のどこよりも安全な場所で、飢えることもなく、弟を抱きしめながら眠れるなんて。
それも全部あの人のおかげだ。あの、彫像のように恐ろしく顔の整ったハリントン男爵アレクシス・ハーヴェイの。
人買いに攫われ、クーパー商会に連れて来られた二人はバックヤードで震えていた。風呂に入れと命じられていたが体が動かせない。周囲を取り囲むのは見上げるほど大柄な男たちだったし、裸になれば自分が女だとばれてしまう。
いや。もはや自分の身がどうなっても構わないから、弟にだけは手を出さないでくれと頼むつもりだった。しかし口がきけないために訴える手段もなく、筆話などできる状況でもない。絶望感に押しつぶされそうになっていた正にその時、舞台に引き出され出会ったのがアレクシスだった。
どれだけ感謝しても足りない、ハリントン男爵には。……アレクシス様には。
厳しい顔で、しばらく休養するように命じられた。威圧感たっぷりの物言いだが、ちっとも怖くなかった。それどころかもっと側にいたいと思ったほどだ。だってあの人の側が一番安全で、安心できると信じられたから。
クラリスは深く息を吐いた。
明日からさっそく仕事を始めよう。クラリスはもちろん従者などしたことはないが、精一杯務めようと決めていた。受けた恩が大きすぎて返すことは到底できそうにないが、自分にできることを少しだけでもやっていこう。兄が……誰かが、自分と弟を迎えに来てくれるまで。
広いベッドの上で抱き合って眠る姉と弟は小さく頼りなげで、それでも心から安らいでいるように見えた。
「姉さま!」
さほど大きな声ではなかったが、クラリスは口のに前に人差し指を立て目で窘めた。慌てて両手で口を覆ったヴィクターに頷くと、弟の横に座り小さな頭を撫でる。ついさっき、今日二回目の風呂を済ませたところだ。入浴したての匂いがふんわりと漂う。今朝までのことが嘘のようで、改めて自分たちがいかに幸運だったかとしみじみ思った。
一生分の驚きを一度に詰め込んだような日だった。そんな怒涛の一日もようやく終わろうとしている。
「……姉さま、よかったね」
弟がぽつりとつぶやく。本当に、と言おうとして、言葉を発せないことに気づいて苦笑した。国を出てから一月になるというのに、自分が喋れないことに未だに慣れない。
クラリスは身体を離し、弟の目を見つめながらゆっくりと唇を動かした。
「よ、く、が……んば、った……? ぼく、頑張った?」
姉の口を読んで嬉しそうに言葉をなぞっていたヴィクターは、すぐに屈託を残した上目遣いになった。
「でも、名前もごまかせなかったよ」
ヴィクターの愛称をそのまま伝えてしまったことを気に病んでいるのだ。クラリスはまた口を動かそうとして思い直すと、弟の手を取り開かせた。
――大丈夫 それに 私の名前はちゃんと「フレディ」だったわ
クラリスのミドルネームはウィニフレッドで、その愛称を男名にしようと提案したのはヴィクターだ。姉に少しでも馴染みのある名にしたかったのだろう。
――ありがとう 大好きよ ヴィク
弟の柔らかな手のひらに、ここ一カ月で少し荒れた指先で文字を書く。六歳と伝えたヴィクターの本当の年齢は八歳だが、小柄なために不自然ではない。それはクラリスも同じことで、十六歳という少年期の終わりの年齢だからギリギリ誤魔化せたものの、口がきけたなら高い声を怪しまれていたことだろう。到底本当の年齢である十八歳だとは伝えられないのだから、ヴィクターは驚くほど機転が利いたのだと褒めてやりたかった。
――今ここにいられるのも ヴィクのおかげよ
ふと、男爵の手にも同じように文字を書いたことを思い出す。弟の小さく柔らかな手とは違う、ごつごつとした大きな手だった。
あの時は必死だったけれど、今思えば恥ずかしいことをしてしまった。クラリスの頬がかすかに赤くなる。
一方、褒めてやったにもかかわらずヴィクターは憂い顔だ。その気持ちはクラリスにもよく分かった。命の危険や飢えといった差し迫った危機を逃れたら、今まで意識の片隅に追いやっていたことが気にかかるのだ。だがクラリスは敢えて明るい顔で弟のふっくらとした頬を両手で包んだ。
――きっと 迎えに来てくれる それまで私たちはここで待っていましょう ヴィクのことだから心配していないけれど お勉強もちゃんとして ジュリアナ様のお手伝いをしましょうね 姉さまもお仕事頑張るわ
自分とよく似た菫色の瞳を見ながら、ゆっくりと口を動かした。ヴィクターに、というよりむしろ自分に言い聞かせるような言葉だったのだが、弟は目尻に浮かんだ涙を手の甲で拭い、姉の気持ちを慮って笑顔を見せた。
「そうだね。いつ迎えに来てくれても大丈夫なようにしておかないと」
誰が、とは互いに言えなかった。クラリスは健気な弟を抱きしめる。伝わる体温がたまらなく愛おしくてぎゅうぎゅうと力を込めた。
「くるしいよ、姉さま」
ようやく子供らしい顔になった弟の両頬に、わざと音を立ててキスをする。悲鳴をあげたヴィクターが上掛けの下に潜りこむから、クラリスも一緒になって横たわった。ベッドは二つ用意されているが、離れて眠れるほど二人の心の傷は癒えていない。ジュリアナの気遣いを申し訳なく思いながらも、今夜は弟の側で眠りたかった。
ヴィクターの手が上掛けの下からのびてきて、枕の上に広がるクラリスの髪を触った。クラリスは小さな手が髪を弄ぶのに任せ、そして弟と目を見合わせる。腰まであった長い髪は自分で切り落とした。騎士たちは痛ましそうにそれを見ていたが、手入れの行き届いたプラチナブロンドの髪は目立ちすぎるのだ。道中に入手した平民の服に着替える時、誰にも相談せずに切った髪を惜しんだ弟は涙ぐんでいた。それでも後悔はしていない。そうしなければ叔父の手の者にたちまち見つけられるか、柄の悪い連中の慰み者になっていただろうから。
王家の特徴である菫色の瞳が陰るのを見て、クラリスは弟の手をそっと握った。目を見ながら唇を動かす。
――すぐに伸びるわ だから 気にしないで
ヴィクターはただ微笑んで、クラリスが広げた腕の中に顔を埋めた。
髪になんて未練はない。だがそれを何度言っても、この聡く優しい弟は悲しむだけだろう。クラリスは小さなつむじにキスをして、自分の目の端に入る髪を眺めた。
プラチナブロンドの長い髪は、クラリスの母が大切にしていたものだ。
家族の中で母だけが金髪で、後は皆同じプラチナブロンドだった。瞳も母以外は全員鮮やかな紫色で、父方の――シエルハーン王家の特徴を色濃く伝えていた。
建国の物語の中の、エーベルとシエルハーンの関係。王権神授説と神の恩寵を受け継いだ者たちの話は、母国では子供でも知っている有名な話だ。その中で、叔父一人だけが黒に近い茶の髪と琥珀色の瞳を持っていた。
ズキ……と胸が痛んだ。
両親は目の前で叔父の手にかかってしまったが、兄は……もしかしたら無事かもしれない。奇跡が起きて、いつか自分たちを迎えに来てくれる。そんな夢のようなことを信じていたかった。
腕の中の弟を見れば、いつの間にか眠っていたようだ。クラリスは寝息を立てる弟の額に口づけてから、首元が寒くないよう上掛けで包んだ。そして、太陽と月を描いた天蓋の絵をぼんやりと見上げる。
ジュリアナから性別を見破られた時はどうしようかと思ったが、今思えばよかったのかもしれない。
国を出てからずっと、ふくらみを隠すため胸にきつく布を巻いていた。苦しかったが、そんな不満を抱く暇も余裕もなかった。だからジュリアナから渡された着替えの中に胸当てを見つけた時、本当に驚いたのだ。
男爵家で雇っている女の護衛から分けてもらったのだという。つけてみれば動きやすく苦しさもない。今までは布が解けてしまわないかとヒヤヒヤすることがあったのだが、これなら何の心配もなさそうだった。ジュリアナからは新品ではないことを謝罪されたが、逆に恐縮してしまった。何せ、それがなければ汚れたままの布を巻くつもりだったのだから十分すぎるほどだ。
思考が緩慢になり、髪と同じ色の睫毛がゆっくりと落ちていく。
一月ぶりのベッドだ。寝心地は雲に横たわるようで、肌に触れるリネンは極上の手触りだ。何より自分からもベッドからも心休まるいい香りが漂っている。クラリスは全身から力を抜いた。
――よかった ほんとうに。 ありがとう
とろとろと眠りに引き込まれながら、クラリスは感謝の言葉を呟いた。
世界中のどこよりも安全な場所で、飢えることもなく、弟を抱きしめながら眠れるなんて。
それも全部あの人のおかげだ。あの、彫像のように恐ろしく顔の整ったハリントン男爵アレクシス・ハーヴェイの。
人買いに攫われ、クーパー商会に連れて来られた二人はバックヤードで震えていた。風呂に入れと命じられていたが体が動かせない。周囲を取り囲むのは見上げるほど大柄な男たちだったし、裸になれば自分が女だとばれてしまう。
いや。もはや自分の身がどうなっても構わないから、弟にだけは手を出さないでくれと頼むつもりだった。しかし口がきけないために訴える手段もなく、筆話などできる状況でもない。絶望感に押しつぶされそうになっていた正にその時、舞台に引き出され出会ったのがアレクシスだった。
どれだけ感謝しても足りない、ハリントン男爵には。……アレクシス様には。
厳しい顔で、しばらく休養するように命じられた。威圧感たっぷりの物言いだが、ちっとも怖くなかった。それどころかもっと側にいたいと思ったほどだ。だってあの人の側が一番安全で、安心できると信じられたから。
クラリスは深く息を吐いた。
明日からさっそく仕事を始めよう。クラリスはもちろん従者などしたことはないが、精一杯務めようと決めていた。受けた恩が大きすぎて返すことは到底できそうにないが、自分にできることを少しだけでもやっていこう。兄が……誰かが、自分と弟を迎えに来てくれるまで。
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