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第六章
クラリスの決断③
「……さま、姫様!」
ぼんやりと霞のかかっていた頭が、じわじわと覚醒していく。クラリスは重たい睫毛をやっとの思いで持ち上げ、薄暗い部屋を見回した。
「ああ、よかった……! 姫様に何かあれば、私はルーク殿下に死んでも詫びきれません」
はらはらと涙を流すノエルは、腕だけではなく足まで縛られている状態だ。クラリスは勢いよく起き上がったが、薬の影響か頭がグラグラして吐き気がする。痛むこめかみを両手で押さえた。
「姫様!」
ノエルは芋虫のように這いながら近寄ってくる。目を開けたクラリスは自分が拘束されていないこと、そしてここが地下牢のような場所であることを見て取った。
石造りの壁は三方のみで窓はなく、正面は鉄格子がはめられている。ごつごつとした天井と床はじっとりと湿っており、壁にも雫の伝った跡がある。その床の上に横たえられていたクラリスは冷え切っていたが、衣類の湿り具合からまだそう時間は経っていないと思われた。
クラリスは頭を振ってから、ノエルへにじり寄る。鉄格子の向こう側に置かれているランプの弱々しい光の中で、ノエルの顔にいくつもの傷が見えた。ここに運ばれた際に床にこすれてできた傷と、おそらくは拘束されるのに抵抗して、殴られたときのものだろう。
「……! ひ、姫様。私のことはいいのです。御身がご無事でさえあれば」
ノエルの背後にまわったクラリスは、がっちりと固く結ばれた紐を解こうと結び目に爪を立てた。慌てるノエルはクラリスの手を逃れるように身体を揺すり、そして自嘲するように口を歪めた。
「本当に、本当に申し訳ございません。たとえルーク殿下をお助けするためだとはいえ、このような……」
声を上擦らせ、涙を堪えようと唇を噛む。呼吸を整えてから声を絞り出した。
「姫様を傷つけるつもりはなかったと、今の私が言っても信じてはいただけないでしょうが……こんな、こんな場所に、姫様を……ッ」
クラリスはふらつく身体を起こし、嗚咽を漏らしはじめたノエルの顔の横に膝をついた。尖った石が膝を刺すが、構わず身をよじる護衛騎士の頭に手を伸ばす。
「ひ、姫様……」
自分の仕える王家の姫から頭を撫でられたノエルは、涙で汚れた顔のまま硬直している。確か年齢はクラリスより十歳ほども年上だったはずだが、その顔はまるで子供のようだ。クラリスは寂しい笑みを浮かべながら、短く切り揃えられた栗色の巻き毛を撫で続けた。
思えば、シエルハーンにいた頃からフルトグランデへの亡命中、そしてはぐれてしまうまで、ノエルとこんなに近しく接したことは一度もない。ノエルは兄である王太子づきの騎士で、母国シエルハーンではクラリスと距離があったし、そもそも護衛騎士が王族へ馴れ馴れしく振る舞うことは許されていないのだ。
驚きすぎて涙がとまったノエルは、クラリスの顔をじっと見つめている。だがやがて目に理解の色を浮かべ、また顔をくしゃくしゃにした。
「……姫様はお分かりだったのですね。初めから、こうなると」
クラリスは困ったように首を傾げ、唇の端を少しだけ持ち上げる。床に頬をつけたままのノエルは大きく震える息を吐き、観念したように話し始めた。
クラリスたちとはぐれ、王弟の差し向けた刺客と剣を斬り結びながらノエルも仲間を見失ってしまったこと。
飲み屋の用心棒をして日銭を稼ぎ、クラリスたちを探していたこと。
探す場所を下町から王都の中心街にしようと考えていたとき、とある貴族家の庭師の職を得たこと。その貴族家は資金繰りが上手くいっていないようで人の入れ替わりが激しく、見知らぬ者が雇われていても怪しまれなかったこと。
そして、仕事中に思いもよらない人物と出会い正体を見破られたこと。その人から王太子は生きており、またクラリスとヴィクターの二人は有名なハリントン男爵家に引き取られて無事であることを聞かされ、王太子の命を助けたくば王女と第二王子を呼びだすようにと脅されたこと。
涙ながらに聞かされた話は全て、クラリスの予想していたとおりだった。
「姫様、このように罪深い私のことは、どうかお捨ておきください。姫様の指を痛めてしまいます」
固く結ばれた紐を解こうとしたクラリスに、ノエルは首をひねって必死に訴える。屈強な護衛騎士を拘束するための紐はクラリスの細い指を拒み、緩む気配はない。グッと力を込めると、薄い爪の先が欠けた。それでもクラリスはやめるつもりはない。今度は足を縛める紐の結び目に手を伸ばした。
そう、クラリスは初めから分かっていたのだ。
兄が生きているなら、クラリスへの手紙は兄の直筆であるべきだ。そして、ノエルの手紙にはある重要なことが抜けていた。それが、クラリスの疑いを確信にまで高めた理由である。
その重要なこととは、万が一互いの生死が分からない状況に陥った時、偽の情報に踊らされないようにと兄妹弟だけで決めた符丁だった。
文章の頭文字を繋げて意味のある言葉を作ること。
兄からそれを告げられた時は、なんて用心深い人なのだろうと呆れたものだ。だが練習と称して手紙を書くのはとても楽しく、三人で何度もこっそりと手紙を送り合った。
一見他愛もないはずの手紙に込められた言葉は『シエルハーン』『クラリスとルーク』『ルークとヴィクター』『てがみたのしいね』そして『きけんしんじるな』というものまで……。
場合によっては長い文章を書けないかもしれないが、ノエルからの手紙は十分な文字数があったにもかかわらず、その符丁は見られなかった。
小国とはいえ王族だ。国王である父や王太子を騙る者が出る可能性は常にあると、兄はいつも警戒を怠らなかった。そして今、兄の考えの正しさが最悪な形で証明されてしまった。
だからクラリスは、ノエルが苦境に陥った中で自分たちを呼びだそうとしているのだと、これは嘘の情報なのだと全部全部分かっていたのだ。ただそれでも、心のどこかで信じたいと、これが本当であればいいと願ってもいた。
懸命に紐を解こうとするクラリスに、ノエルは堪えきれずに叫んだ。
「おやめください! もう、本当にこれ以上は私が……私が、辛いのです」
クラリスは縄にかけていた手をとめた。ノエルは顔をくしゃくしゃにして泣いている。
兄を一番近くで護っていたノエルだ。あの日もその場に留まりたかっただろうに、兄からの命令に従い、私と弟に付き従ってくれた。
――じぶんを せめないで
ノエルの顔を見ながら唇を動かした。逃亡生活で読唇術を身につけていたノエルだから、きっと伝わっただろう。しかし、彼はますます激しく泣きじゃくった。
「姫様を欺いた私のことなど、どうかもう放っておいてください! どうせ私は始末されます。だからどうぞ、私のことはもう……」
「おお、自分の運命を逍遥として受け入れる。誠に気高い心映えだ。王家に仕える騎士に相応しい」
ランプの眩い灯りが暗闇に慣れた二人の目を刺した。手で光を遮りながら顔を上げたクラリスは、ゆっくりと立ち上がる。そこにいたのはクーパー商会の会頭と、その用心棒たち。そして美々しく着飾った小柄な男性が一人いた。この人物こそクラリスがアレクシスを裏切り、弟に黙ったまま邸を出てまで対面したかった人だ。
「おお、クラリス。しばらく見ない間に可愛らしい格好になって。あの邪魔な長い髪は切ったのか。よく似合うじゃないか」
五十を過ぎているようには見えない、張りのある肌をしている。整った容姿はシエルハーンの王族故だろうが、髪は黒に近い茶で瞳は琥珀色だ。そのため、昔は祖母の不義の子であるという噂が絶えなかったと聞いていた。
ダントン公爵グレッグ・オニール・シエルハーン。国王の弟。クーデターの首謀者。
この叔父に会うために、クラリスは偽りであると知りながらわざとおびき出され、ここまでやってきたのだ。
ぼんやりと霞のかかっていた頭が、じわじわと覚醒していく。クラリスは重たい睫毛をやっとの思いで持ち上げ、薄暗い部屋を見回した。
「ああ、よかった……! 姫様に何かあれば、私はルーク殿下に死んでも詫びきれません」
はらはらと涙を流すノエルは、腕だけではなく足まで縛られている状態だ。クラリスは勢いよく起き上がったが、薬の影響か頭がグラグラして吐き気がする。痛むこめかみを両手で押さえた。
「姫様!」
ノエルは芋虫のように這いながら近寄ってくる。目を開けたクラリスは自分が拘束されていないこと、そしてここが地下牢のような場所であることを見て取った。
石造りの壁は三方のみで窓はなく、正面は鉄格子がはめられている。ごつごつとした天井と床はじっとりと湿っており、壁にも雫の伝った跡がある。その床の上に横たえられていたクラリスは冷え切っていたが、衣類の湿り具合からまだそう時間は経っていないと思われた。
クラリスは頭を振ってから、ノエルへにじり寄る。鉄格子の向こう側に置かれているランプの弱々しい光の中で、ノエルの顔にいくつもの傷が見えた。ここに運ばれた際に床にこすれてできた傷と、おそらくは拘束されるのに抵抗して、殴られたときのものだろう。
「……! ひ、姫様。私のことはいいのです。御身がご無事でさえあれば」
ノエルの背後にまわったクラリスは、がっちりと固く結ばれた紐を解こうと結び目に爪を立てた。慌てるノエルはクラリスの手を逃れるように身体を揺すり、そして自嘲するように口を歪めた。
「本当に、本当に申し訳ございません。たとえルーク殿下をお助けするためだとはいえ、このような……」
声を上擦らせ、涙を堪えようと唇を噛む。呼吸を整えてから声を絞り出した。
「姫様を傷つけるつもりはなかったと、今の私が言っても信じてはいただけないでしょうが……こんな、こんな場所に、姫様を……ッ」
クラリスはふらつく身体を起こし、嗚咽を漏らしはじめたノエルの顔の横に膝をついた。尖った石が膝を刺すが、構わず身をよじる護衛騎士の頭に手を伸ばす。
「ひ、姫様……」
自分の仕える王家の姫から頭を撫でられたノエルは、涙で汚れた顔のまま硬直している。確か年齢はクラリスより十歳ほども年上だったはずだが、その顔はまるで子供のようだ。クラリスは寂しい笑みを浮かべながら、短く切り揃えられた栗色の巻き毛を撫で続けた。
思えば、シエルハーンにいた頃からフルトグランデへの亡命中、そしてはぐれてしまうまで、ノエルとこんなに近しく接したことは一度もない。ノエルは兄である王太子づきの騎士で、母国シエルハーンではクラリスと距離があったし、そもそも護衛騎士が王族へ馴れ馴れしく振る舞うことは許されていないのだ。
驚きすぎて涙がとまったノエルは、クラリスの顔をじっと見つめている。だがやがて目に理解の色を浮かべ、また顔をくしゃくしゃにした。
「……姫様はお分かりだったのですね。初めから、こうなると」
クラリスは困ったように首を傾げ、唇の端を少しだけ持ち上げる。床に頬をつけたままのノエルは大きく震える息を吐き、観念したように話し始めた。
クラリスたちとはぐれ、王弟の差し向けた刺客と剣を斬り結びながらノエルも仲間を見失ってしまったこと。
飲み屋の用心棒をして日銭を稼ぎ、クラリスたちを探していたこと。
探す場所を下町から王都の中心街にしようと考えていたとき、とある貴族家の庭師の職を得たこと。その貴族家は資金繰りが上手くいっていないようで人の入れ替わりが激しく、見知らぬ者が雇われていても怪しまれなかったこと。
そして、仕事中に思いもよらない人物と出会い正体を見破られたこと。その人から王太子は生きており、またクラリスとヴィクターの二人は有名なハリントン男爵家に引き取られて無事であることを聞かされ、王太子の命を助けたくば王女と第二王子を呼びだすようにと脅されたこと。
涙ながらに聞かされた話は全て、クラリスの予想していたとおりだった。
「姫様、このように罪深い私のことは、どうかお捨ておきください。姫様の指を痛めてしまいます」
固く結ばれた紐を解こうとしたクラリスに、ノエルは首をひねって必死に訴える。屈強な護衛騎士を拘束するための紐はクラリスの細い指を拒み、緩む気配はない。グッと力を込めると、薄い爪の先が欠けた。それでもクラリスはやめるつもりはない。今度は足を縛める紐の結び目に手を伸ばした。
そう、クラリスは初めから分かっていたのだ。
兄が生きているなら、クラリスへの手紙は兄の直筆であるべきだ。そして、ノエルの手紙にはある重要なことが抜けていた。それが、クラリスの疑いを確信にまで高めた理由である。
その重要なこととは、万が一互いの生死が分からない状況に陥った時、偽の情報に踊らされないようにと兄妹弟だけで決めた符丁だった。
文章の頭文字を繋げて意味のある言葉を作ること。
兄からそれを告げられた時は、なんて用心深い人なのだろうと呆れたものだ。だが練習と称して手紙を書くのはとても楽しく、三人で何度もこっそりと手紙を送り合った。
一見他愛もないはずの手紙に込められた言葉は『シエルハーン』『クラリスとルーク』『ルークとヴィクター』『てがみたのしいね』そして『きけんしんじるな』というものまで……。
場合によっては長い文章を書けないかもしれないが、ノエルからの手紙は十分な文字数があったにもかかわらず、その符丁は見られなかった。
小国とはいえ王族だ。国王である父や王太子を騙る者が出る可能性は常にあると、兄はいつも警戒を怠らなかった。そして今、兄の考えの正しさが最悪な形で証明されてしまった。
だからクラリスは、ノエルが苦境に陥った中で自分たちを呼びだそうとしているのだと、これは嘘の情報なのだと全部全部分かっていたのだ。ただそれでも、心のどこかで信じたいと、これが本当であればいいと願ってもいた。
懸命に紐を解こうとするクラリスに、ノエルは堪えきれずに叫んだ。
「おやめください! もう、本当にこれ以上は私が……私が、辛いのです」
クラリスは縄にかけていた手をとめた。ノエルは顔をくしゃくしゃにして泣いている。
兄を一番近くで護っていたノエルだ。あの日もその場に留まりたかっただろうに、兄からの命令に従い、私と弟に付き従ってくれた。
――じぶんを せめないで
ノエルの顔を見ながら唇を動かした。逃亡生活で読唇術を身につけていたノエルだから、きっと伝わっただろう。しかし、彼はますます激しく泣きじゃくった。
「姫様を欺いた私のことなど、どうかもう放っておいてください! どうせ私は始末されます。だからどうぞ、私のことはもう……」
「おお、自分の運命を逍遥として受け入れる。誠に気高い心映えだ。王家に仕える騎士に相応しい」
ランプの眩い灯りが暗闇に慣れた二人の目を刺した。手で光を遮りながら顔を上げたクラリスは、ゆっくりと立ち上がる。そこにいたのはクーパー商会の会頭と、その用心棒たち。そして美々しく着飾った小柄な男性が一人いた。この人物こそクラリスがアレクシスを裏切り、弟に黙ったまま邸を出てまで対面したかった人だ。
「おお、クラリス。しばらく見ない間に可愛らしい格好になって。あの邪魔な長い髪は切ったのか。よく似合うじゃないか」
五十を過ぎているようには見えない、張りのある肌をしている。整った容姿はシエルハーンの王族故だろうが、髪は黒に近い茶で瞳は琥珀色だ。そのため、昔は祖母の不義の子であるという噂が絶えなかったと聞いていた。
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