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11.初めての口づけ その①
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翌朝ララルーアはベットから起きることが出来なかった。夜通し踊り続けての寝不足ではなく、竜力不足で身体が怠いのだ。竜力が不足するとまずは身体が鉛のように重く感じて、そのまま放っておくと次に発熱・眩暈などが起こる。そして最後には意識不明の状態になってしまい、最悪死亡する事になる。
ララルーアが両親から竜力をもらったのが二日前で、王宮に着いた昨日は『お世話係』から竜力を貰い忘れていた。
自分から頭を下げて竜力を貰うのは癪だが、自然に回復する事はないので、ドウリアにお世話係であるトカタオを呼んでくるように頼んだ。
「ララ様、大丈夫ですか?すぐにお世話係を呼んできますので、お待ちくださいね」
「ごめんね、こんな事頼んで。昨日のことがあるから行きずらいよね」
「大丈夫ですよ。私の主人はララ様ですから、それ以外は虫以下です。王子だろうと同じです」
笑顔で言い切るドウリアは、優しくララの身体を布団の上からポンポンと叩いて部屋を出ていった。
優しい父母と離れてホームシックになっていたララはドウリアの何気ない仕草に心が温かくなり、頑張れそうな気がしてきた。
****************************
トントン、トントン、トントン。
何度王子の部屋をノックしても返事はない。王子付きの控えの侍女によれば王子は部屋にいるはずだが、まったく反応がない。
朝7時は普通なら起きている時間帯だ、就寝中かしらと遠慮する時間でもない。ドウリアは主人の危機を優先するべく行動することにした。
ドンドンドン、ドンドンドン!
ゴンゴンゴン!ゴンゴンゴン!
ガサリと中から人が動く音がした。やっと王子が目覚めたようである。そして、扉がゆっくりと開けられ不機嫌そのもののトカタオ王子が顔を出した。
「うるさい!誰だ、扉を連打する奴は!俺はまだ寝ているんだ」
「おはようございます、トカタオ様。至急お世話係の仕事をお願いします」
ドウリアは王子にお願いをしているはずだが、その口調は威圧的で冷たく、王子に対するものではない。心の底では本当に虫扱いしているのかもしれない、人は思っていることが態度の端々に出てしまう生き物だからしょうがない。
こんな態度の侍女の言葉に従うつもりはないが、お世話係は王命であり正式に引き受けたのだから、行かないという選択肢はトカタオになかった。
洗顔し着替えてから、ララルーアの部屋に行くことにした。だが、中扉は使わずに一旦廊下に出てから隣の部屋に入っていく。
ララルーアはぐったりとベットに横たわっていた。相変わらずプクプクした身体をしているが元気がなくピンク色の肌もくすんで見える。トカタオにとって出会いが最悪な生意気でいけ好かないちびっこ竜人だが、こんな痛々しい姿を見たいわけではない。
(虚弱体質は本当だったようだな。竜力が圧倒的に足らんのか、可哀想に)
トカタオは父からララルーアが竜力不足だとは聞いていたがここまで深刻だと考えてなかった。
竜人なら屈強な身体は当たり前、その当たり前がないララルーアに同情を覚えた。
金竜であるトカタオは膨大な竜力を持っているので、ララルーアに竜力を与えてもなんの問題も無い。迷うことなくベットに近付き竜力を与えようとした。
ちょんちょん、ちょんちょん。
掛布団から出たララのピンクの小さな足がなにやら動いている。
(なんだこの足は?まさか、竜力不足による痙攣か?可哀想に)
「今から竜力を与えるから待ってろ、すぐに楽になるからな。口では抵抗があるだろう、額にするから安心しろ」
ちょんちょん、ちょんちょん。
トカタオの言葉に反応するかのようにまたしてもララの足が動いている。
竜力を与える時は肌に口づけをするので、トカタオはララルーアの額に優しく口づけをしようと顔に掛かっている布団をめくった。
するとピッヨンとララの尻尾が弱々しくトカタオの手を叩いた。
「何をする!人が竜力を与えようとしているのに」
「けっ!額への口づけなんて貴方にはまだ100万年早いわよ。これで十分よ、ほら」
ちょんちょんちょん!
ピンクの可愛い足の奇妙な動きは、なんと足への口づけの催促だったのだ。
それは危ない世界の女王様と下僕のやることであって、ちびっこ竜人と王子はしてはいけない行為だ。
トカタオは足への口づけの催促に切れた、普通そんなSMごっこを強要されたら誰だって切れるだろう。※極々稀に喜ぶ人もいます。
素のトカタオ全開でバトルを始める。もちろん竜力切れでぐったりしているララルーアも受けて立った。
「はんっ、お前何様だ。竜力を貰う立場のくせにどんだけ上から目線なんだ、このちびがっ」
「ふん、それって立派なDVよ。『誰のおかげで生活出来てるんだ~』てセリフを言う馬鹿ってまだにいたんだ」
「なにを!ちびのくせに生意気な奴め」
「ちびちびって馬鹿の一つ覚えね。ああ、王子は馬鹿だったから仕方が無いか~」
ララルーアが両親から竜力をもらったのが二日前で、王宮に着いた昨日は『お世話係』から竜力を貰い忘れていた。
自分から頭を下げて竜力を貰うのは癪だが、自然に回復する事はないので、ドウリアにお世話係であるトカタオを呼んでくるように頼んだ。
「ララ様、大丈夫ですか?すぐにお世話係を呼んできますので、お待ちくださいね」
「ごめんね、こんな事頼んで。昨日のことがあるから行きずらいよね」
「大丈夫ですよ。私の主人はララ様ですから、それ以外は虫以下です。王子だろうと同じです」
笑顔で言い切るドウリアは、優しくララの身体を布団の上からポンポンと叩いて部屋を出ていった。
優しい父母と離れてホームシックになっていたララはドウリアの何気ない仕草に心が温かくなり、頑張れそうな気がしてきた。
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トントン、トントン、トントン。
何度王子の部屋をノックしても返事はない。王子付きの控えの侍女によれば王子は部屋にいるはずだが、まったく反応がない。
朝7時は普通なら起きている時間帯だ、就寝中かしらと遠慮する時間でもない。ドウリアは主人の危機を優先するべく行動することにした。
ドンドンドン、ドンドンドン!
ゴンゴンゴン!ゴンゴンゴン!
ガサリと中から人が動く音がした。やっと王子が目覚めたようである。そして、扉がゆっくりと開けられ不機嫌そのもののトカタオ王子が顔を出した。
「うるさい!誰だ、扉を連打する奴は!俺はまだ寝ているんだ」
「おはようございます、トカタオ様。至急お世話係の仕事をお願いします」
ドウリアは王子にお願いをしているはずだが、その口調は威圧的で冷たく、王子に対するものではない。心の底では本当に虫扱いしているのかもしれない、人は思っていることが態度の端々に出てしまう生き物だからしょうがない。
こんな態度の侍女の言葉に従うつもりはないが、お世話係は王命であり正式に引き受けたのだから、行かないという選択肢はトカタオになかった。
洗顔し着替えてから、ララルーアの部屋に行くことにした。だが、中扉は使わずに一旦廊下に出てから隣の部屋に入っていく。
ララルーアはぐったりとベットに横たわっていた。相変わらずプクプクした身体をしているが元気がなくピンク色の肌もくすんで見える。トカタオにとって出会いが最悪な生意気でいけ好かないちびっこ竜人だが、こんな痛々しい姿を見たいわけではない。
(虚弱体質は本当だったようだな。竜力が圧倒的に足らんのか、可哀想に)
トカタオは父からララルーアが竜力不足だとは聞いていたがここまで深刻だと考えてなかった。
竜人なら屈強な身体は当たり前、その当たり前がないララルーアに同情を覚えた。
金竜であるトカタオは膨大な竜力を持っているので、ララルーアに竜力を与えてもなんの問題も無い。迷うことなくベットに近付き竜力を与えようとした。
ちょんちょん、ちょんちょん。
掛布団から出たララのピンクの小さな足がなにやら動いている。
(なんだこの足は?まさか、竜力不足による痙攣か?可哀想に)
「今から竜力を与えるから待ってろ、すぐに楽になるからな。口では抵抗があるだろう、額にするから安心しろ」
ちょんちょん、ちょんちょん。
トカタオの言葉に反応するかのようにまたしてもララの足が動いている。
竜力を与える時は肌に口づけをするので、トカタオはララルーアの額に優しく口づけをしようと顔に掛かっている布団をめくった。
するとピッヨンとララの尻尾が弱々しくトカタオの手を叩いた。
「何をする!人が竜力を与えようとしているのに」
「けっ!額への口づけなんて貴方にはまだ100万年早いわよ。これで十分よ、ほら」
ちょんちょんちょん!
ピンクの可愛い足の奇妙な動きは、なんと足への口づけの催促だったのだ。
それは危ない世界の女王様と下僕のやることであって、ちびっこ竜人と王子はしてはいけない行為だ。
トカタオは足への口づけの催促に切れた、普通そんなSMごっこを強要されたら誰だって切れるだろう。※極々稀に喜ぶ人もいます。
素のトカタオ全開でバトルを始める。もちろん竜力切れでぐったりしているララルーアも受けて立った。
「はんっ、お前何様だ。竜力を貰う立場のくせにどんだけ上から目線なんだ、このちびがっ」
「ふん、それって立派なDVよ。『誰のおかげで生活出来てるんだ~』てセリフを言う馬鹿ってまだにいたんだ」
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