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閑話~スズの家出~
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竜王の王妃スズは只今家出三年目、美肌効果があると評判の温泉巡りの旅を一人で続けている。毎日美肌効果がある温泉につかっているので、スズは美貌に磨きがかかったようだ。今は某秘境温泉に滞在七日目である。
チャポン、パシャパシャ。
「うーん。この温泉、美肌効果はあるけど毎日入浴しているとピリピリしてくるわ。刺激が強いのね、評判は断トツだったけど、やっぱり実際に確認しないと分からないものね」
スズは独り言を言いながら、乳白色の温泉から出てきた。脱衣所に置いといた温泉宿の部屋着を自分で身にまとい、髪を乾かし無造作に一つに纏める。王宮にいる時はすべて侍女達がやっていた事だが、一人旅でお供はいないので自分でやっている。だがスズは基本なんでも一人で出来るので問題はない。
滞在七日目になる部屋に戻ると机に向かい手紙を書き始めた。
【愛しのミアへ
今回の温泉はハズレでした。美肌効果はありますが刺激が強く、繊細なララルーアの肌には合わないと思います。なので、この温泉の粉末は送りません。だけど知り合いになった温泉療養をしている人から良いことを聞きました。無名だけど効果絶大の温泉がこの先にあるそうです。『知る人ぞ知る、幻の温泉』だそうですよ。今度はそこに行ってきますね。良い効果があるようだったら、すぐに温泉の粉末を送るので期待していてください。
スズより】
スズはララルーアが虚弱体質なのはミアからの手紙で知っていた。自分の子の過ちで、ミアの子が苦しい思いをしているのに何も出来ずに悔しかった。家族であるミアの助けになりたかったのだ。
二年前、偶然手に入った評判の温泉の粉末をミアに送ったらララルーアの肌にとても良い効果があったとお礼の手紙を受け取った。
『これだわ!』とスズは自分の出来る事を実行に移すことにした。ララの肌に合う温泉を見つける事である。
『番』であるバイザルに言えば、スズと一緒に行こうとするだろう。それでは大切なトカタオが一人になってしまうので絶対に駄目だ。『番』を失ったあの子には無条件で愛する人が必ず側にいるべきなのだ。
だが他人に温泉の効果を確認する旅を頼む事はどうしてもしたくなかった。自分の目で確かめた信用出来るものだけを届けたかったのだ。愛する家族の為に。
なので『プリン家出』を仕掛けたのである。
これなら家族を助ける事も出来るし、大切なトカの側にバイザルがいてくれる。
もし全てが上手くいけばトカも大切なものを取り戻すチャンスが出来るかもしれない。
『騙してごめんね、バイザル。私の我が儘を許して欲しい。でもこれだけはどうしても譲れないの』
********************************
---王妃スズの過去---
私は実の両親に抱卵して貰えなかった。母は竜人なのに身体が弱くて卵を産むと同時に亡くなり、『番』亡くした父は忘れ形見である『卵』の抱卵を放棄した。見兼ねた父の友人夫婦がちょうど自分達の『卵』を抱卵しているから一個も二個も一緒だと言って、その『卵』を抱卵してくれた。それにより私はこの世に誕生する事が出来た。
孵化した私は白髪白目の女の子だった。亡き母にそっくりなので父も大切に育てるだろうと友人夫婦は父に連絡を入れてくれた。
亡き『番』にそっくりな娘を前にして父は『お前が彼女の命を奪ったのか』と言って私の首を絞めた。友人夫婦と先に孵化したミアが止めなかったら死んでいただろう、そして私は父に捨てられた。
それから友人夫婦が義父母となりミアが姉そして親友となり、私は育った。義父母はミアと私を同じ様に愛情を注いで育ててくれた。ただ年頃になりお洒落に興味を持つ年頃になるとその愛情に不信感を持つようになった。
ミアには淡い色のふわふわしたドレスを作ってくれるのに、私には濃い色のシンプルなドレスしかくれなかった。
『ああ、やっぱり…』と思ったが、決して口には出さなかった。実の父に捨てられた子だから仕方がないと納得もしていた、ただ心は辛かった。
一人でいる時はこっそりと泣いていた。
ミアが『私もスズみたいなドレスを着てみたいのに~』と言っていた時も『じゃあ交換してあげる』なんて絶対に言わなかった。本当の娘には可愛いドレスを着せたいのだと分かっていたから。
町で毎年開催されるお祭りに竜王様も来る噂が流れ、その年はいつも以上に町は盛り上がっていた。
義父母は新しいドレスを仕立ててくれた、ミアには淡いピンクのシフォンドレス、私にはやはり血のような赤のシンプルなドレスだった。
義父はそのドレスを着た私を見て顔をしかめていた、やはり血のような色を纏った私は変なのだろう。反対に義母は私達のドレス姿を見て『完璧!』と言って送り出した。義父は何か言いたそうだったが、黙って送り出した。
お祭りでは血のようなドレスが恥ずかしくって、ミアと離れ会場の隅で佇んでいた。私だって会場の真ん中で華やかに踊りたかったけど、この格好ではそんな勇気は持てなかった。
気づいたら私の目の前には金髪金目の竜人がいた。
私の『番』だった。愛されない私を愛してくれる『番』と出会えた!
それからの私は幸せだった。『番』との結婚の準備に追われ毎日があっという間だった。
結婚式当日、控室で思い切って義母に私のわだかまりをぶつけてみた。
「ねぇ、やっぱり私はミアと違って可愛くなかった?」
「なにを言ってるの。スズもミアも可愛い娘よ」
「でも私には淡い色の可愛いドレスは決して作ってくれなかったわ…」
「おかしなことを言うのね、フフフ。スズはスタイル抜群の美人で白髪白目でしょ。絶対に濃い色ですっきりしたドレスが貴方をより一層引き立てるのよ」
「えっ、でもあの日、血のようなドレスを着た私にお父さまは絶句していたわ…」
「まぁ、スズが誤解しているわよ。貴方がちゃんと言わないから!」
いつの間にか義父とミアがスズの後ろに来ていた。
「俺はあの日、スズにあのドレスを着せたくなかった。だが俺の反対も聞かずにお前が着せるからスズがこんなに早く出て行ってしまう事に…」
「お父様それではスズに全然伝わらないわ~」
「男親って本当に駄目ね。スズ、母親の私は貴女を一番美しく見せる深紅のドレスで着飾らせて素敵な相手を見つけて欲しかったの。反対に父親のこの人はね、真紅のドレスを着たスズがあまりに綺麗になってしまったので、変な虫がつかないかと心配して渋い顔をしてたのよ」
「現に虫がついただろうが!こんなに早くスズを手放す気なんてなかったんだぞ」
「あなた。スズの『番』を変な虫って、仮にも竜王よ」
「ふん、可愛い娘を奪う奴は虫だ虫!」
私は涙が溢れて止まらなかった。
愛情を注いでもらっていたのに、実父に捨てられた過去からその事実を信じられずに拒んでいたのは自分だった。義父母もミアも紛れもなく愛してくれていた。求め続けた愛を私は最初から持っていたのだ。
「ほらあなた、今日は絶対に伝えたい事があるんでしょ」
「ああ、なんていうか、スズ、いつでも帰って来い。もし結婚が嫌なら今から止めてもいいぞ!」
「お父様、ここは『スズ幸せになれ』でしょう。結婚前に離婚のすすめってどうなのよ。でもスズ嫌になったら帰って来なさいね♪」
「もう二人とも花嫁に変なこと言わないの!スズ、幸せになるのよ。私はいつでも貴女の味方よ」
「うんうん、有り難う。お父様、お母様、ミア」
「ああそれと、これだけは母として言わせて。スズのセンスは微妙だから、服選びは周りのアドバイスを聞くこと!」
「確かにね、【真紅】を【血の色】なんてスズのセンスは微妙だわ、アハハハ」
「あら私が選んだ淡い色のドレスを【ぼんやり色】と言って怒っていたミアも同じよ、ねぇスズ」
「【ぼんやり色】に【血の色】か。ミアとスズはセンスなし似た者姉妹だな、ハハハハ」
結婚式前の控室は家族の笑い声が響いた。私も泣きながら笑っていた。
私には愛があった、これからはそれがもっと増えていく。
私はこの愛を守り大切にする、絶対に…。
チャポン、パシャパシャ。
「うーん。この温泉、美肌効果はあるけど毎日入浴しているとピリピリしてくるわ。刺激が強いのね、評判は断トツだったけど、やっぱり実際に確認しないと分からないものね」
スズは独り言を言いながら、乳白色の温泉から出てきた。脱衣所に置いといた温泉宿の部屋着を自分で身にまとい、髪を乾かし無造作に一つに纏める。王宮にいる時はすべて侍女達がやっていた事だが、一人旅でお供はいないので自分でやっている。だがスズは基本なんでも一人で出来るので問題はない。
滞在七日目になる部屋に戻ると机に向かい手紙を書き始めた。
【愛しのミアへ
今回の温泉はハズレでした。美肌効果はありますが刺激が強く、繊細なララルーアの肌には合わないと思います。なので、この温泉の粉末は送りません。だけど知り合いになった温泉療養をしている人から良いことを聞きました。無名だけど効果絶大の温泉がこの先にあるそうです。『知る人ぞ知る、幻の温泉』だそうですよ。今度はそこに行ってきますね。良い効果があるようだったら、すぐに温泉の粉末を送るので期待していてください。
スズより】
スズはララルーアが虚弱体質なのはミアからの手紙で知っていた。自分の子の過ちで、ミアの子が苦しい思いをしているのに何も出来ずに悔しかった。家族であるミアの助けになりたかったのだ。
二年前、偶然手に入った評判の温泉の粉末をミアに送ったらララルーアの肌にとても良い効果があったとお礼の手紙を受け取った。
『これだわ!』とスズは自分の出来る事を実行に移すことにした。ララの肌に合う温泉を見つける事である。
『番』であるバイザルに言えば、スズと一緒に行こうとするだろう。それでは大切なトカタオが一人になってしまうので絶対に駄目だ。『番』を失ったあの子には無条件で愛する人が必ず側にいるべきなのだ。
だが他人に温泉の効果を確認する旅を頼む事はどうしてもしたくなかった。自分の目で確かめた信用出来るものだけを届けたかったのだ。愛する家族の為に。
なので『プリン家出』を仕掛けたのである。
これなら家族を助ける事も出来るし、大切なトカの側にバイザルがいてくれる。
もし全てが上手くいけばトカも大切なものを取り戻すチャンスが出来るかもしれない。
『騙してごめんね、バイザル。私の我が儘を許して欲しい。でもこれだけはどうしても譲れないの』
********************************
---王妃スズの過去---
私は実の両親に抱卵して貰えなかった。母は竜人なのに身体が弱くて卵を産むと同時に亡くなり、『番』亡くした父は忘れ形見である『卵』の抱卵を放棄した。見兼ねた父の友人夫婦がちょうど自分達の『卵』を抱卵しているから一個も二個も一緒だと言って、その『卵』を抱卵してくれた。それにより私はこの世に誕生する事が出来た。
孵化した私は白髪白目の女の子だった。亡き母にそっくりなので父も大切に育てるだろうと友人夫婦は父に連絡を入れてくれた。
亡き『番』にそっくりな娘を前にして父は『お前が彼女の命を奪ったのか』と言って私の首を絞めた。友人夫婦と先に孵化したミアが止めなかったら死んでいただろう、そして私は父に捨てられた。
それから友人夫婦が義父母となりミアが姉そして親友となり、私は育った。義父母はミアと私を同じ様に愛情を注いで育ててくれた。ただ年頃になりお洒落に興味を持つ年頃になるとその愛情に不信感を持つようになった。
ミアには淡い色のふわふわしたドレスを作ってくれるのに、私には濃い色のシンプルなドレスしかくれなかった。
『ああ、やっぱり…』と思ったが、決して口には出さなかった。実の父に捨てられた子だから仕方がないと納得もしていた、ただ心は辛かった。
一人でいる時はこっそりと泣いていた。
ミアが『私もスズみたいなドレスを着てみたいのに~』と言っていた時も『じゃあ交換してあげる』なんて絶対に言わなかった。本当の娘には可愛いドレスを着せたいのだと分かっていたから。
町で毎年開催されるお祭りに竜王様も来る噂が流れ、その年はいつも以上に町は盛り上がっていた。
義父母は新しいドレスを仕立ててくれた、ミアには淡いピンクのシフォンドレス、私にはやはり血のような赤のシンプルなドレスだった。
義父はそのドレスを着た私を見て顔をしかめていた、やはり血のような色を纏った私は変なのだろう。反対に義母は私達のドレス姿を見て『完璧!』と言って送り出した。義父は何か言いたそうだったが、黙って送り出した。
お祭りでは血のようなドレスが恥ずかしくって、ミアと離れ会場の隅で佇んでいた。私だって会場の真ん中で華やかに踊りたかったけど、この格好ではそんな勇気は持てなかった。
気づいたら私の目の前には金髪金目の竜人がいた。
私の『番』だった。愛されない私を愛してくれる『番』と出会えた!
それからの私は幸せだった。『番』との結婚の準備に追われ毎日があっという間だった。
結婚式当日、控室で思い切って義母に私のわだかまりをぶつけてみた。
「ねぇ、やっぱり私はミアと違って可愛くなかった?」
「なにを言ってるの。スズもミアも可愛い娘よ」
「でも私には淡い色の可愛いドレスは決して作ってくれなかったわ…」
「おかしなことを言うのね、フフフ。スズはスタイル抜群の美人で白髪白目でしょ。絶対に濃い色ですっきりしたドレスが貴方をより一層引き立てるのよ」
「えっ、でもあの日、血のようなドレスを着た私にお父さまは絶句していたわ…」
「まぁ、スズが誤解しているわよ。貴方がちゃんと言わないから!」
いつの間にか義父とミアがスズの後ろに来ていた。
「俺はあの日、スズにあのドレスを着せたくなかった。だが俺の反対も聞かずにお前が着せるからスズがこんなに早く出て行ってしまう事に…」
「お父様それではスズに全然伝わらないわ~」
「男親って本当に駄目ね。スズ、母親の私は貴女を一番美しく見せる深紅のドレスで着飾らせて素敵な相手を見つけて欲しかったの。反対に父親のこの人はね、真紅のドレスを着たスズがあまりに綺麗になってしまったので、変な虫がつかないかと心配して渋い顔をしてたのよ」
「現に虫がついただろうが!こんなに早くスズを手放す気なんてなかったんだぞ」
「あなた。スズの『番』を変な虫って、仮にも竜王よ」
「ふん、可愛い娘を奪う奴は虫だ虫!」
私は涙が溢れて止まらなかった。
愛情を注いでもらっていたのに、実父に捨てられた過去からその事実を信じられずに拒んでいたのは自分だった。義父母もミアも紛れもなく愛してくれていた。求め続けた愛を私は最初から持っていたのだ。
「ほらあなた、今日は絶対に伝えたい事があるんでしょ」
「ああ、なんていうか、スズ、いつでも帰って来い。もし結婚が嫌なら今から止めてもいいぞ!」
「お父様、ここは『スズ幸せになれ』でしょう。結婚前に離婚のすすめってどうなのよ。でもスズ嫌になったら帰って来なさいね♪」
「もう二人とも花嫁に変なこと言わないの!スズ、幸せになるのよ。私はいつでも貴女の味方よ」
「うんうん、有り難う。お父様、お母様、ミア」
「ああそれと、これだけは母として言わせて。スズのセンスは微妙だから、服選びは周りのアドバイスを聞くこと!」
「確かにね、【真紅】を【血の色】なんてスズのセンスは微妙だわ、アハハハ」
「あら私が選んだ淡い色のドレスを【ぼんやり色】と言って怒っていたミアも同じよ、ねぇスズ」
「【ぼんやり色】に【血の色】か。ミアとスズはセンスなし似た者姉妹だな、ハハハハ」
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私はこの愛を守り大切にする、絶対に…。
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