31 / 62
30.孤立無援
しおりを挟む
前方は見えない何かで弾かれると悟った狼竜は、左に右にと攻撃を仕掛けてくる。でも、唐突に真正面から突進してくることもあった。一瞬たりとも気が抜けない。
後ろを振り向くことなく狼竜の動きに集中していると、護衛騎士が私の真横につく。ふたりとも息が上がっていた。もう十五分以上経っているだろうに、応援が来る気配はない。
「魔法士殿、あとどれくらい持つ?」
「分かりません。ですが、この大きさを維持できるのは長くないと思います」
私の返事を聞いた騎士は顎で右横を指す。
「あちらの方角に小さな岩洞がある。入り口の大きさは人ふたり分くらいだ。その大きさの防御の盾ならどうだ?」
「それなら、今よりは長く保ちます。騎士様、その血っ……」
彼を見れば、だらりと下がった左手から血が滴り落ちている。攻撃を防いだときに狼竜の爪で抉られたのだ。彼は荒い息の合間に「平気だ」と告げる。……全然大丈夫じゃない。
移動には当然リスクが伴う。でも、それを選択しなければいけないほど差し迫った状況なのだ。
「では、そちらに移動しよう。応援を待つ余裕はない。ちなみに移動中に防御の盾はどうなる?」
「弱まると思ってください」
水を入れたコップを持って全力で走れば水が溢れる。感覚としては、そんなふうに盾も揺らぐのだ。
「分かった、全力で援護する。それと、片手では使えないから魔法士殿がこれを持ってくれ。応援の声が微かでも聞こえたら迷わず打ち上げて欲しい」
騎士は腰に携帯している発煙弾を取るように促してきた。私は頷くとすぐさま、それを空になった自分の発煙弾入れに差す。
騎士の顔は真っ青だ。余計なことを話している時間はない。
彼は振り向くことなく、今の状況を簡潔に説明し岩洞に移動することを後ろに伝えた。
「ここからは見えませんが生い茂った先にあります。何も考えず全力で走ってください。中に入れば、魔法士殿が防御の盾で入口を守ってくれます。最後尾は私です。質問はありますか?」
ただ息を飲む音だけが聞こえてくる。あの王女でさえ黙ったままだった。騎士の腕から流れる夥しい血が、説明に説得力を与えたのだ。
彼は私を横目で見る。私が頷くと同時に「走れ!」と彼が叫んだ。
走り出すと同時に、私は防御の盾を後ろに向かって発動する。正直どれくらい揺らいでしまっているのか分からない。こんな状況で出すのは初めてだから。
この時になって初めてザラ王女以外に誰がいたのか認識する。
ザラ王女とシャロンとあの侍女のうちのふたりが並ぶように走っている。その後ろに兄と私と騎士が続く。
「ギャインッ」
狼竜の悲鳴が後ろから聞こえる。私達の動きにつられて思いっきり防御の盾にぶつかったんだろう。ダメージが大きいことを祈りながら一心不乱に走っていたその時、前を走る侍女のひとりが転んでしまった。
「た、助けて、誰か……」
狼竜は弱い獲物に狙いを定め迫っていく。
ノアと騎士が侍女のもとに駆け寄った。
前方にいる私達と、後方にいる彼らの間に割り込む形で狼竜が入ってきた。分断される形となってしまったのだ。……私は複数の防御の盾を発動できないのに。
ノアが彼女を助け起こし、騎士は狼竜が繰り出す爪を剣で弾いている。でも、怪我を追っている騎士はどう見ても劣勢だった。
このままではやられてしまうわ……。
私は咄嗟に持っていた発煙弾を狼竜に打ち込んだ。「ググッ……」という唸り声とともに辺りに煙が充満する。たぶん、命中したのだ。
でも、後方にいた騎士達の姿も見えなくなってしまった。
「騎士様、お兄様!」
「シャロン、先に行け。そっちにはいけない。私達は煙に紛れて別の方角に逃げる」
「魔法士殿、どうか王女様をお願いします」
三人分の足音と共に、泣きじゃくる侍女の声がどんどん小さくなっていく。彼らは無事なのだ。私は踵を返して、岩洞がある方角に向かって走り出した。
「シャロン、絶対に……助け、……待ってろ……」
兄の声が切れ切れに聞こえてくる。その声音は妹を心から案じるものだった。
マーコック公爵家を出る半年ほど前から兄と話す時間はほとんどなかった。彼が領地へ行くことが多かったからだ。 彼の言うシャロンはひとりなのか、それともふたりなのか。
……会って聞けばいい、きっと会えるから。お兄様、どうかご無事で。
微かな希望が私の足を前に動かしてくれた。
岩洞に着くと、中ではザラ王女とシャロンとひとりの侍女が身を寄せ合って震えている。私はすぐさま入口に防御の盾を発動した。頬を伝う涙を拭っていると、シャロンがふらふらと私に近づいてくる。
「まだ、お兄様が来てないわ……」
「騎士様とお兄様ともうひとりは違う方角に逃げたの」
もうここには来られない。外ではあの狼竜がこちらの様子を窺っている。
「どうして見捨てたの……」
シャロンが泣きながら私を責め続ける。私は唇を噛み締めて彼女の声を無視した。これ以上動揺しては盾が揺らいでしまうから。
応援がいつ来るか分からない今、岩洞にいる三人の命は私ひとりに掛かっているのだ。
「どうして池に行かなかったの! そのせいでこんなことになったわ。全部あなたのせいよ」
シャロンに続き、私を責め始めたのはザラ王女だった。
でも、言っている意味が分からない。魔法士としての未熟さを責めてるのなら池という言葉は出てこないはずだ。私は桔梗の花を取り出してみせる。
「行きました。私のせいとはどういう意味でしょうか?」
「ザラ様!」
「……ザラ様?」
王女の名をふたりが同時に呼んだ。
シャロンの声は王女を止めるものに聞こえた。一方で、残った侍女のひとりは、私同様に答えを求める声だった。
後ろを振り向くことなく狼竜の動きに集中していると、護衛騎士が私の真横につく。ふたりとも息が上がっていた。もう十五分以上経っているだろうに、応援が来る気配はない。
「魔法士殿、あとどれくらい持つ?」
「分かりません。ですが、この大きさを維持できるのは長くないと思います」
私の返事を聞いた騎士は顎で右横を指す。
「あちらの方角に小さな岩洞がある。入り口の大きさは人ふたり分くらいだ。その大きさの防御の盾ならどうだ?」
「それなら、今よりは長く保ちます。騎士様、その血っ……」
彼を見れば、だらりと下がった左手から血が滴り落ちている。攻撃を防いだときに狼竜の爪で抉られたのだ。彼は荒い息の合間に「平気だ」と告げる。……全然大丈夫じゃない。
移動には当然リスクが伴う。でも、それを選択しなければいけないほど差し迫った状況なのだ。
「では、そちらに移動しよう。応援を待つ余裕はない。ちなみに移動中に防御の盾はどうなる?」
「弱まると思ってください」
水を入れたコップを持って全力で走れば水が溢れる。感覚としては、そんなふうに盾も揺らぐのだ。
「分かった、全力で援護する。それと、片手では使えないから魔法士殿がこれを持ってくれ。応援の声が微かでも聞こえたら迷わず打ち上げて欲しい」
騎士は腰に携帯している発煙弾を取るように促してきた。私は頷くとすぐさま、それを空になった自分の発煙弾入れに差す。
騎士の顔は真っ青だ。余計なことを話している時間はない。
彼は振り向くことなく、今の状況を簡潔に説明し岩洞に移動することを後ろに伝えた。
「ここからは見えませんが生い茂った先にあります。何も考えず全力で走ってください。中に入れば、魔法士殿が防御の盾で入口を守ってくれます。最後尾は私です。質問はありますか?」
ただ息を飲む音だけが聞こえてくる。あの王女でさえ黙ったままだった。騎士の腕から流れる夥しい血が、説明に説得力を与えたのだ。
彼は私を横目で見る。私が頷くと同時に「走れ!」と彼が叫んだ。
走り出すと同時に、私は防御の盾を後ろに向かって発動する。正直どれくらい揺らいでしまっているのか分からない。こんな状況で出すのは初めてだから。
この時になって初めてザラ王女以外に誰がいたのか認識する。
ザラ王女とシャロンとあの侍女のうちのふたりが並ぶように走っている。その後ろに兄と私と騎士が続く。
「ギャインッ」
狼竜の悲鳴が後ろから聞こえる。私達の動きにつられて思いっきり防御の盾にぶつかったんだろう。ダメージが大きいことを祈りながら一心不乱に走っていたその時、前を走る侍女のひとりが転んでしまった。
「た、助けて、誰か……」
狼竜は弱い獲物に狙いを定め迫っていく。
ノアと騎士が侍女のもとに駆け寄った。
前方にいる私達と、後方にいる彼らの間に割り込む形で狼竜が入ってきた。分断される形となってしまったのだ。……私は複数の防御の盾を発動できないのに。
ノアが彼女を助け起こし、騎士は狼竜が繰り出す爪を剣で弾いている。でも、怪我を追っている騎士はどう見ても劣勢だった。
このままではやられてしまうわ……。
私は咄嗟に持っていた発煙弾を狼竜に打ち込んだ。「ググッ……」という唸り声とともに辺りに煙が充満する。たぶん、命中したのだ。
でも、後方にいた騎士達の姿も見えなくなってしまった。
「騎士様、お兄様!」
「シャロン、先に行け。そっちにはいけない。私達は煙に紛れて別の方角に逃げる」
「魔法士殿、どうか王女様をお願いします」
三人分の足音と共に、泣きじゃくる侍女の声がどんどん小さくなっていく。彼らは無事なのだ。私は踵を返して、岩洞がある方角に向かって走り出した。
「シャロン、絶対に……助け、……待ってろ……」
兄の声が切れ切れに聞こえてくる。その声音は妹を心から案じるものだった。
マーコック公爵家を出る半年ほど前から兄と話す時間はほとんどなかった。彼が領地へ行くことが多かったからだ。 彼の言うシャロンはひとりなのか、それともふたりなのか。
……会って聞けばいい、きっと会えるから。お兄様、どうかご無事で。
微かな希望が私の足を前に動かしてくれた。
岩洞に着くと、中ではザラ王女とシャロンとひとりの侍女が身を寄せ合って震えている。私はすぐさま入口に防御の盾を発動した。頬を伝う涙を拭っていると、シャロンがふらふらと私に近づいてくる。
「まだ、お兄様が来てないわ……」
「騎士様とお兄様ともうひとりは違う方角に逃げたの」
もうここには来られない。外ではあの狼竜がこちらの様子を窺っている。
「どうして見捨てたの……」
シャロンが泣きながら私を責め続ける。私は唇を噛み締めて彼女の声を無視した。これ以上動揺しては盾が揺らいでしまうから。
応援がいつ来るか分からない今、岩洞にいる三人の命は私ひとりに掛かっているのだ。
「どうして池に行かなかったの! そのせいでこんなことになったわ。全部あなたのせいよ」
シャロンに続き、私を責め始めたのはザラ王女だった。
でも、言っている意味が分からない。魔法士としての未熟さを責めてるのなら池という言葉は出てこないはずだ。私は桔梗の花を取り出してみせる。
「行きました。私のせいとはどういう意味でしょうか?」
「ザラ様!」
「……ザラ様?」
王女の名をふたりが同時に呼んだ。
シャロンの声は王女を止めるものに聞こえた。一方で、残った侍女のひとりは、私同様に答えを求める声だった。
1,876
あなたにおすすめの小説
病弱な幼馴染と婚約者の目の前で私は攫われました。
鍋
恋愛
フィオナ・ローレラは、ローレラ伯爵家の長女。
キリアン・ライアット侯爵令息と婚約中。
けれど、夜会ではいつもキリアンは美しく儚げな女性をエスコートし、仲睦まじくダンスを踊っている。キリアンがエスコートしている女性の名はセレニティー・トマンティノ伯爵令嬢。
セレニティーとキリアンとフィオナは幼馴染。
キリアンはセレニティーが好きだったが、セレニティーは病弱で婚約出来ず、キリアンの両親は健康なフィオナを婚約者に選んだ。
『ごめん。セレニティーの身体が心配だから……。』
キリアンはそう言って、夜会ではいつもセレニティーをエスコートしていた。
そんなある日、フィオナはキリアンとセレニティーが濃厚な口づけを交わしているのを目撃してしまう。
※ゆるふわ設定
※ご都合主義
※一話の長さがバラバラになりがち。
※お人好しヒロインと俺様ヒーローです。
※感想欄ネタバレ配慮ないのでお気をつけくださいませ。
婚約者様への逆襲です。
有栖川灯里
恋愛
王太子との婚約を、一方的な断罪と共に破棄された令嬢・アンネリーゼ=フォン=アイゼナッハ。
理由は“聖女を妬んだ悪役”という、ありふれた台本。
だが彼女は涙ひとつ見せずに微笑み、ただ静かに言い残した。
――「さようなら、婚約者様。二度と戻りませんわ」
すべてを捨て、王宮を去った“悪役令嬢”が辿り着いたのは、沈黙と再生の修道院。
そこで出会ったのは、聖女の奇跡に疑問を抱く神官、情報を操る傭兵、そしてかつて見逃された“真実”。
これは、少女が嘘を暴き、誇りを取り戻し、自らの手で未来を選び取る物語。
断罪は終わりではなく、始まりだった。
“信仰”に支配された王国を、静かに揺るがす――悪役令嬢の逆襲。
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。
私の頑張りは、とんだ無駄骨だったようです
風見ゆうみ
恋愛
私、リディア・トゥーラル男爵令嬢にはジッシー・アンダーソンという婚約者がいた。ある日、学園の中庭で彼が女子生徒に告白され、その生徒と抱き合っているシーンを大勢の生徒と一緒に見てしまった上に、その場で婚約破棄を要求されてしまう。
婚約破棄を要求されてすぐに、ミラン・ミーグス公爵令息から求婚され、ひそかに彼に思いを寄せていた私は、彼の申し出を受けるか迷ったけれど、彼の両親から身を引く様にお願いされ、ミランを諦める事に決める。
そんな私は、学園を辞めて遠くの街に引っ越し、平民として新しい生活を始めてみたんだけど、ん? 誰かからストーカーされてる? それだけじゃなく、ミランが私を見つけ出してしまい…!?
え、これじゃあ、私、何のために引っ越したの!?
※恋愛メインで書くつもりですが、ざまぁ必要のご意見があれば、微々たるものになりますが、ざまぁを入れるつもりです。
※ざまぁ希望をいただきましたので、タグを「ざまぁ」に変更いたしました。
※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定も緩くご都合主義です。魔法も存在します。作者の都合の良い世界観や設定であるとご了承いただいた上でお読み下さいませ。
『紅茶の香りが消えた午後に』
柴田はつみ
恋愛
穏やかで控えめな公爵令嬢リディアの唯一の楽しみは、幼なじみの公爵アーヴィンと過ごす午後の茶会だった。
けれど、近隣に越してきた伯爵令嬢ミレーユが明るく距離を詰めてくるたび、二人の時間は少しずつ失われていく。
誤解と沈黙、そして抑えた想いの裏で、すれ違う恋の行方は——。
私だけが家族じゃなかったのよ。だから放っておいてください。
鍋
恋愛
男爵令嬢のレオナは王立図書館で働いている。古い本に囲まれて働くことは好きだった。
実家を出てやっと手に入れた静かな日々。
そこへ妹のリリィがやって来て、レオナに助けを求めた。
※このお話は極端なざまぁは無いです。
※最後まで書いてあるので直しながらの投稿になります。←ストーリー修正中です。
※感想欄ネタバレ配慮無くてごめんなさい。
※SSから短編になりました。
【改稿版・完結】その瞳に魅入られて
おもち。
恋愛
「——君を愛してる」
そう悲鳴にも似た心からの叫びは、婚約者である私に向けたものではない。私の従姉妹へ向けられたものだった——
幼い頃に交わした婚約だったけれど私は彼を愛してたし、彼に愛されていると思っていた。
あの日、二人の胸を引き裂くような思いを聞くまでは……
『最初から愛されていなかった』
その事実に心が悲鳴を上げ、目の前が真っ白になった。
私は愛し合っている二人を引き裂く『邪魔者』でしかないのだと、その光景を見ながらひたすら現実を受け入れるしかなかった。
『このまま婚姻を結んでも、私は一生愛されない』
『私も一度でいいから、あんな風に愛されたい』
でも貴族令嬢である立場が、父が、それを許してはくれない。
必死で気持ちに蓋をして、淡々と日々を過ごしていたある日。偶然見つけた一冊の本によって、私の運命は大きく変わっていくのだった。
私も、貴方達のように自分の幸せを求めても許されますか……?
※後半、壊れてる人が登場します。苦手な方はご注意下さい。
※このお話は私独自の設定もあります、ご了承ください。ご都合主義な場面も多々あるかと思います。
※『幸せは人それぞれ』と、いうような作品になっています。苦手な方はご注意下さい。
※こちらの作品は小説家になろう様でも掲載しています。
親切なミザリー
みるみる
恋愛
第一王子アポロの婚約者ミザリーは、「親切なミザリー」としてまわりから慕われていました。
ところが、子爵家令嬢のアリスと偶然出会ってしまったアポロはアリスを好きになってしまい、ミザリーを蔑ろにするようになりました。アポロだけでなく、アポロのまわりの友人達もアリスを慕うようになりました。
ミザリーはアリスに嫉妬し、様々な嫌がらせをアリスにする様になりました。
こうしてミザリーは、いつしか親切なミザリーから悪女ミザリーへと変貌したのでした。
‥ですが、ミザリーの突然の死後、何故か再びミザリーの評価は上がり、「親切なミザリー」として人々に慕われるようになり、ミザリーが死後海に投げ落とされたという崖の上には沢山の花が、毎日絶やされる事なく人々により捧げられ続けるのでした。
※不定期更新です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる