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おまけの話
おまけの話【共に堕ちる】〜聖女の護衛視点〜
「ロレンシア様、手は痛みますか?」
馬車に揺られながら窓のほうに顔を向けたままのロレンシア・パールから返事はなかった。
景色に夢中になっているわけではないだろう。
なぜなら窓は板で塞がれており外から中が見えない仕様になっているからだ――この馬車は罪人を移送するためのもの。
そして、これに乗っている俺も同様に罪人だ。
本来なら重罪人である彼女だけを乗せて王都へ向かう予定だった。しかし、彼女の罪に加担していた者が予想以上に多くいたため馬車が足りなくなり、俺は彼女と同じ馬車に乗せられている。
俺――ジェジは侯爵家に雇われた彼女の専属護衛だった。つまり、彼女の悪事のすべてに俺は関わっていたのだ。
いつかこうなる日が来ると思っていたから動揺はしていない。
王都で裁かれたら、俺は死罪になるだろう。そして、それはロレンシアも同じだ。いくら侯爵家の力を以てしても揉み消せやしない。限界はとうに越えているのだ。
俺は斜め前の席に座っている彼女の様子を窺うが、その表情からはなにを考えているか分からない。こんな状況にも関わらず、まるで普通に旅をしているように座っている。鉄の手枷を嵌められ、その重みで赤くなった手首だけが、彼女が重罪人だと示しているが……。
悪事が露見しても彼女から笑みは消えなかった。
それはどうにかなると思っているからではないだろう。あのお付きの侍女の証言によって追い詰められているのは自覚しているはずだ。
では、なぜ今も彼女は平静を保っているのか。
――答えは簡単だ、もうだいぶ前からロレンシアは壊れているからだ。
本物のロレンシア・パールは幼少の頃に病で死んでいる。
父であるパール侯爵はその事実を隠蔽して、娘にそっくりな少女を身代わりにした。それが今のロレンシアだ。
亡くなった娘恋しさに身代わりを求めたのではない。パール侯爵は王子に年齢の近い手駒を欲したのだ。
今のロレンシアは家族と一緒にパール侯爵家に身売りした。薬物中毒の親だったから『良い話じゃないか? みんな一緒に暮らせてこの貧民街から抜け出せるんだぞ』というパール侯爵の甘言に詳しい話も聞かずに飛びついたのだ。
『おいっ! リリを離せよ、おっさん』
『助けて、ジェジっ!』
幼馴染だった俺は彼女を助けようとした。だが、まだ餓鬼だった俺に止めることなんて出来やしなかった。
『おい、小僧。お前の親はどこだ?』
『はっ? 母親はいない、男を作って出ていった。今頃はその男にどこかの娼館に売り飛ばされているさ。親父は家で薬をやってハイになってる』
パール侯爵は俺の言葉に満足そうに頷くと、俺のことも父親から二束三文で買い取り侯爵家へと連れて行った。
ろくでもない父親だったから未練などなかった。そもそも我が子を金で売る親なんていらない。
それよりも俺はリリと離れ離れにならずに済むことが嬉しかった。
俺と彼女はお互いに子供で、将来を誓い合っているわけではなかった。だが、お互いに最低の親という共通点があったせいか、挫けそうな時は励まし合い頑張ってきたからだ。
『私ね、ずっとジェジと一緒にいたいな』
『この町で生まれた奴はここで死んでいく運命だから、心配しなくともずっとそばにいるさ』
それは決まりのようなものだった。貧しい者は貧しいまま死んでいく。抜け出そうと足掻いても、厳しい現実に負けてこの町に戻ってきてしまうのだ。
『ここは嫌いだけど、私、ジェジがいるなら頑張れる』
『俺もここは大嫌いだ。だが、リリがいる』
――それは、子供同士の他愛もない約束だった。
だから、俺は抵抗せずに侯爵家へと行った。
そして、なぜ平民の小汚い餓鬼を買ったのか、その理由を俺はすぐに知ることになった。
パール侯爵が欲しいのは完璧な身代わりだった。リリは容姿は完璧だったが、中身は教養もないただの平民の子供だった。
連日の厳しい指導に、リリは早々に音を上げた。
『……無理です、侯爵様』
『違う、お父様だ。ロレンシア』
『……リリです。ロレンシアはもうやめます』
『そうか、分かった』
最初にリリの父親が殺された。
それから、彼女が失敗するたびに妹が、弟が減っていった。
リリの家族は貧乏人の子沢山の典型だったが、それでも足りない可能性を考えたのだろう――俺は予備だったのだ。
リリは侯爵の怒りを買わないように――これ以上自分のせいで誰かが殺されないように――必死に頑張った。
それから数ヶ月経つと、リリの顔からは表情がなくなった。
最後に残ったのは薬の快楽に溺れる最低の母親だったが、それでも彼女にとって唯一の家族だった。
だが、ある日彼女は母親を殺した。
彼女は、母親が庭師と肌を重ねながら話しているのを聞いてしまったのだ。
『ねえ、一緒に逃げましょうよ?』
『いいけどよ。母親であるお前が逃げたら、娘はやばい立場になるんじゃないのか?』
『別に構いやしないさ。あの疫病神のせいでこんな目にあっているんだから。あっ、でも、あんたに会えたことには感謝してるわよ。ふふ、一緒に人生をやり直しましょうよ~』
ケラケラと笑う女の声は、もう母親であることをやめていた。リリが一生懸命に守っていたものなど、とっくの昔になくなっていたのだ。
『…………私はいらな……い……』
『リリ、聞くな』
俺が止める間もなく、ロレンシアはまず庭師を刺し殺した。……信じられなかった。
『いやー、やめて! リリ、母親になんてことをするんだいっ』
『私はロレンシア・パールよ。母はいないわ。そして、お前達は仕事をサボっていたから、もう要らない』
『リリ、やめろっ』
血塗れになりながら彼女は『私はロレン…ア。リリじゃない、ロレンシア』とぶつぶつと呟きながら母親も刺した。
俺の叫びは聞こえていないようだった。
『ねえ、お前。私はロレンシアよね?』
返り血を浴びて真っ赤に染まった顔は、今まで見たこともないくらいに優雅に微笑んでいた。
『はい、そうです。あなたはロレンシア様です』
俺は命が惜しかったからそう答えたじゃない。そう言わなければ、彼女が壊れてしまうと思った。
――その日からリリは消えた。
ロレンシアはパール侯爵が求める以上の成果を出し、悪そのもののような存在へと変貌していった。
俺は彼女の命令にただ従っていた。どうでも良かったのだ、ロレンシア以外は。
他人の心配をする奴は優しいからじゃない、余裕があるからだ。
俺はロレンシアがロレンシアのままでいて欲しかった。
なあ、リリ。そこは居心地がいいか? 大丈夫だ、俺がお前を守ってやるからな。
消えたリリは、ロレンシアという悪に守られて心の奥深くで眠っているのだ。もう俺に出来ることは、彼女の眠りを妨げないように守るだけだ。
――他人がどうなろうが、どうでもいい。
自分のことを正真正銘の屑だと思ったが、心は痛まなかった。もともと、俺は貧民街育ちで屑の親から生まれた屑なのだ。もし、あの時親に売られなくとも、まともな人生など歩んではいなかっただろう。
俺はロレンシア・パールと共に堕ちる道を歩んだ――後悔なんてしていない。
ロレンシアは相変わらずなにも見えない窓を見続けながら微笑んでいる。
それは淑女の笑みだった。
人を殺める指示を出す時も、喜劇を観る時も、同じように優雅に微笑んで生きてきた。
残酷で不気味なのに、とても綺麗だ。今の彼女は完璧なロレンシア・パールだ。
――それでいい。
最期の一瞬までリリは眠っていればいいのだ。すべてをロレンシアに任せればいい。そのために彼女という人格が生まれたんだ。
あと少しですべては終わる。死によって俺も彼女も解放されるのだ。その日が来るのが待ち遠しくて堪らない。
俺も彼女も天国に行くことはない、地獄行きはもうすでに確定している。だが、重要なのは救われることじゃない、ずっと一緒にいることだ。
……なあ、リリ。早くお前に会いたいよ。
馬車に揺られながら窓のほうに顔を向けたままのロレンシア・パールから返事はなかった。
景色に夢中になっているわけではないだろう。
なぜなら窓は板で塞がれており外から中が見えない仕様になっているからだ――この馬車は罪人を移送するためのもの。
そして、これに乗っている俺も同様に罪人だ。
本来なら重罪人である彼女だけを乗せて王都へ向かう予定だった。しかし、彼女の罪に加担していた者が予想以上に多くいたため馬車が足りなくなり、俺は彼女と同じ馬車に乗せられている。
俺――ジェジは侯爵家に雇われた彼女の専属護衛だった。つまり、彼女の悪事のすべてに俺は関わっていたのだ。
いつかこうなる日が来ると思っていたから動揺はしていない。
王都で裁かれたら、俺は死罪になるだろう。そして、それはロレンシアも同じだ。いくら侯爵家の力を以てしても揉み消せやしない。限界はとうに越えているのだ。
俺は斜め前の席に座っている彼女の様子を窺うが、その表情からはなにを考えているか分からない。こんな状況にも関わらず、まるで普通に旅をしているように座っている。鉄の手枷を嵌められ、その重みで赤くなった手首だけが、彼女が重罪人だと示しているが……。
悪事が露見しても彼女から笑みは消えなかった。
それはどうにかなると思っているからではないだろう。あのお付きの侍女の証言によって追い詰められているのは自覚しているはずだ。
では、なぜ今も彼女は平静を保っているのか。
――答えは簡単だ、もうだいぶ前からロレンシアは壊れているからだ。
本物のロレンシア・パールは幼少の頃に病で死んでいる。
父であるパール侯爵はその事実を隠蔽して、娘にそっくりな少女を身代わりにした。それが今のロレンシアだ。
亡くなった娘恋しさに身代わりを求めたのではない。パール侯爵は王子に年齢の近い手駒を欲したのだ。
今のロレンシアは家族と一緒にパール侯爵家に身売りした。薬物中毒の親だったから『良い話じゃないか? みんな一緒に暮らせてこの貧民街から抜け出せるんだぞ』というパール侯爵の甘言に詳しい話も聞かずに飛びついたのだ。
『おいっ! リリを離せよ、おっさん』
『助けて、ジェジっ!』
幼馴染だった俺は彼女を助けようとした。だが、まだ餓鬼だった俺に止めることなんて出来やしなかった。
『おい、小僧。お前の親はどこだ?』
『はっ? 母親はいない、男を作って出ていった。今頃はその男にどこかの娼館に売り飛ばされているさ。親父は家で薬をやってハイになってる』
パール侯爵は俺の言葉に満足そうに頷くと、俺のことも父親から二束三文で買い取り侯爵家へと連れて行った。
ろくでもない父親だったから未練などなかった。そもそも我が子を金で売る親なんていらない。
それよりも俺はリリと離れ離れにならずに済むことが嬉しかった。
俺と彼女はお互いに子供で、将来を誓い合っているわけではなかった。だが、お互いに最低の親という共通点があったせいか、挫けそうな時は励まし合い頑張ってきたからだ。
『私ね、ずっとジェジと一緒にいたいな』
『この町で生まれた奴はここで死んでいく運命だから、心配しなくともずっとそばにいるさ』
それは決まりのようなものだった。貧しい者は貧しいまま死んでいく。抜け出そうと足掻いても、厳しい現実に負けてこの町に戻ってきてしまうのだ。
『ここは嫌いだけど、私、ジェジがいるなら頑張れる』
『俺もここは大嫌いだ。だが、リリがいる』
――それは、子供同士の他愛もない約束だった。
だから、俺は抵抗せずに侯爵家へと行った。
そして、なぜ平民の小汚い餓鬼を買ったのか、その理由を俺はすぐに知ることになった。
パール侯爵が欲しいのは完璧な身代わりだった。リリは容姿は完璧だったが、中身は教養もないただの平民の子供だった。
連日の厳しい指導に、リリは早々に音を上げた。
『……無理です、侯爵様』
『違う、お父様だ。ロレンシア』
『……リリです。ロレンシアはもうやめます』
『そうか、分かった』
最初にリリの父親が殺された。
それから、彼女が失敗するたびに妹が、弟が減っていった。
リリの家族は貧乏人の子沢山の典型だったが、それでも足りない可能性を考えたのだろう――俺は予備だったのだ。
リリは侯爵の怒りを買わないように――これ以上自分のせいで誰かが殺されないように――必死に頑張った。
それから数ヶ月経つと、リリの顔からは表情がなくなった。
最後に残ったのは薬の快楽に溺れる最低の母親だったが、それでも彼女にとって唯一の家族だった。
だが、ある日彼女は母親を殺した。
彼女は、母親が庭師と肌を重ねながら話しているのを聞いてしまったのだ。
『ねえ、一緒に逃げましょうよ?』
『いいけどよ。母親であるお前が逃げたら、娘はやばい立場になるんじゃないのか?』
『別に構いやしないさ。あの疫病神のせいでこんな目にあっているんだから。あっ、でも、あんたに会えたことには感謝してるわよ。ふふ、一緒に人生をやり直しましょうよ~』
ケラケラと笑う女の声は、もう母親であることをやめていた。リリが一生懸命に守っていたものなど、とっくの昔になくなっていたのだ。
『…………私はいらな……い……』
『リリ、聞くな』
俺が止める間もなく、ロレンシアはまず庭師を刺し殺した。……信じられなかった。
『いやー、やめて! リリ、母親になんてことをするんだいっ』
『私はロレンシア・パールよ。母はいないわ。そして、お前達は仕事をサボっていたから、もう要らない』
『リリ、やめろっ』
血塗れになりながら彼女は『私はロレン…ア。リリじゃない、ロレンシア』とぶつぶつと呟きながら母親も刺した。
俺の叫びは聞こえていないようだった。
『ねえ、お前。私はロレンシアよね?』
返り血を浴びて真っ赤に染まった顔は、今まで見たこともないくらいに優雅に微笑んでいた。
『はい、そうです。あなたはロレンシア様です』
俺は命が惜しかったからそう答えたじゃない。そう言わなければ、彼女が壊れてしまうと思った。
――その日からリリは消えた。
ロレンシアはパール侯爵が求める以上の成果を出し、悪そのもののような存在へと変貌していった。
俺は彼女の命令にただ従っていた。どうでも良かったのだ、ロレンシア以外は。
他人の心配をする奴は優しいからじゃない、余裕があるからだ。
俺はロレンシアがロレンシアのままでいて欲しかった。
なあ、リリ。そこは居心地がいいか? 大丈夫だ、俺がお前を守ってやるからな。
消えたリリは、ロレンシアという悪に守られて心の奥深くで眠っているのだ。もう俺に出来ることは、彼女の眠りを妨げないように守るだけだ。
――他人がどうなろうが、どうでもいい。
自分のことを正真正銘の屑だと思ったが、心は痛まなかった。もともと、俺は貧民街育ちで屑の親から生まれた屑なのだ。もし、あの時親に売られなくとも、まともな人生など歩んではいなかっただろう。
俺はロレンシア・パールと共に堕ちる道を歩んだ――後悔なんてしていない。
ロレンシアは相変わらずなにも見えない窓を見続けながら微笑んでいる。
それは淑女の笑みだった。
人を殺める指示を出す時も、喜劇を観る時も、同じように優雅に微笑んで生きてきた。
残酷で不気味なのに、とても綺麗だ。今の彼女は完璧なロレンシア・パールだ。
――それでいい。
最期の一瞬までリリは眠っていればいいのだ。すべてをロレンシアに任せればいい。そのために彼女という人格が生まれたんだ。
あと少しですべては終わる。死によって俺も彼女も解放されるのだ。その日が来るのが待ち遠しくて堪らない。
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