29 / 36
28.つかの間の休息②
しおりを挟む
「この三ヶ月、辛くて仕方がなかった。仕事とはいえ、キャッシーに何も話さず一方的に傷つけていた。
社交の場でも君が周りから謂れの無い中傷を受けている事も知っていた。
君が辛い思いをしているのを知っていて…でも俺は助けてもあげなかった。
それどころか俺の態度で更に傷つけた。
…すまない。
すべて俺が不甲斐ないばかりに起きた事だ。
そして大切な家族を傷つけ、危険に晒してしまった。
本当にごめん。
こんな目に合わせて…君とルイを守れなくて…。
でも…愛しているんだ、君を失いたくない。
こんな自分勝手な男の言うことは、信じてもらえないかもしれないけど、この気持ちに…嘘は…ないんだ。
もう遅いかい…キャッシー。
俺は君に許してもらえない…のかな……。
このまま君とルイを失ってしまう…のか…。
もう君は俺の事を愛していない…?」
彼が言葉を発するたびに、私の胸元は彼の目から零れ落ちているだろう涙により濡れていった。
そして私の目からも流れる涙が彼の震える肩を濡らしていく。
彼は何を言っているのだろう。自分の非を謝るだけで、一切言い訳をしていない。
---仕事だったって言い訳しなくていいの?
ちゃんと理由があるんでしょう?
きっと王子やお兄様が絡んでいるのなら、断れない状況に追い込まれていたんではないの?
望んで三か月間あんな状況にいたのではないのでしょう?
だって、あなたは王女の傍で辛そうな表情をしていた。
私はまだ何も知らされてなかったけど、今回の件や王子、騎士団長、兄の登場で大きな何かにエディも巻き込まれていたのだろうと想像出来ていた。
きっと彼は後ろめたいことは何もないはずなのに…。自分を責めてばかりいる。
「今回の事、私はとても悲しかったわ。
最初は噂や周りの言葉に振り回されて、あなたを信じることも出来なかった。
本当に馬鹿よね。大切な人の言葉より悪意に満ちた言葉に耳を傾けて…。
私、エディにも酷い態度を取っていたでしょう?
ごめんなさい」
「そんな事はない!キャッシーの態度は当然だ、何も悪くない!悪いのは俺だ」
やっぱり彼は私を一言も責めずに、自分を悪者にする。そう、エディはそういう人だった。
「でもね、お兄様と話したあと少し冷静になれて、あなたのことをちゃんと見ることが出来たのよ。
それが夜会の時なの。
あの夜会の時のこと、ちゃんと覚えている?」
ハッとして顔を上げたエディは眉を寄せ、夜会の事を思い出したくもない顔をしている。
社交の場でも君が周りから謂れの無い中傷を受けている事も知っていた。
君が辛い思いをしているのを知っていて…でも俺は助けてもあげなかった。
それどころか俺の態度で更に傷つけた。
…すまない。
すべて俺が不甲斐ないばかりに起きた事だ。
そして大切な家族を傷つけ、危険に晒してしまった。
本当にごめん。
こんな目に合わせて…君とルイを守れなくて…。
でも…愛しているんだ、君を失いたくない。
こんな自分勝手な男の言うことは、信じてもらえないかもしれないけど、この気持ちに…嘘は…ないんだ。
もう遅いかい…キャッシー。
俺は君に許してもらえない…のかな……。
このまま君とルイを失ってしまう…のか…。
もう君は俺の事を愛していない…?」
彼が言葉を発するたびに、私の胸元は彼の目から零れ落ちているだろう涙により濡れていった。
そして私の目からも流れる涙が彼の震える肩を濡らしていく。
彼は何を言っているのだろう。自分の非を謝るだけで、一切言い訳をしていない。
---仕事だったって言い訳しなくていいの?
ちゃんと理由があるんでしょう?
きっと王子やお兄様が絡んでいるのなら、断れない状況に追い込まれていたんではないの?
望んで三か月間あんな状況にいたのではないのでしょう?
だって、あなたは王女の傍で辛そうな表情をしていた。
私はまだ何も知らされてなかったけど、今回の件や王子、騎士団長、兄の登場で大きな何かにエディも巻き込まれていたのだろうと想像出来ていた。
きっと彼は後ろめたいことは何もないはずなのに…。自分を責めてばかりいる。
「今回の事、私はとても悲しかったわ。
最初は噂や周りの言葉に振り回されて、あなたを信じることも出来なかった。
本当に馬鹿よね。大切な人の言葉より悪意に満ちた言葉に耳を傾けて…。
私、エディにも酷い態度を取っていたでしょう?
ごめんなさい」
「そんな事はない!キャッシーの態度は当然だ、何も悪くない!悪いのは俺だ」
やっぱり彼は私を一言も責めずに、自分を悪者にする。そう、エディはそういう人だった。
「でもね、お兄様と話したあと少し冷静になれて、あなたのことをちゃんと見ることが出来たのよ。
それが夜会の時なの。
あの夜会の時のこと、ちゃんと覚えている?」
ハッとして顔を上げたエディは眉を寄せ、夜会の事を思い出したくもない顔をしている。
168
あなたにおすすめの小説
騎士の妻ではいられない
Rj
恋愛
騎士の娘として育ったリンダは騎士とは結婚しないと決めていた。しかし幼馴染みで騎士のイーサンと結婚したリンダ。結婚した日に新郎は非常召集され、新婦のリンダは結婚を祝う宴に一人残された。二年目の結婚記念日に戻らない夫を待つリンダはもう騎士の妻ではいられないと心を決める。
全23話。
2024/1/29 全体的な加筆修正をしました。話の内容に変わりはありません。
イーサンが主人公の続編『騎士の妻でいてほしい 』(https://www.alphapolis.co.jp/novel/96163257/36727666)があります。
おしどり夫婦の茶番
Rj
恋愛
夫がまた口紅をつけて帰ってきた。お互い初恋の相手でおしどり夫婦として知られるナタリアとブライアン。
おしどり夫婦にも人にはいえない事情がある。
一話完結。『一番でなくとも』に登場したナタリアの話です。未読でも問題なく読んでいただけます。
貴方の知る私はもういない
藍田ひびき
恋愛
「ローゼマリー。婚約を解消して欲しい」
ファインベルグ公爵令嬢ローゼマリーは、婚約者のヘンリック王子から婚約解消を言い渡される。
表向きはエルヴィラ・ボーデ子爵令嬢を愛してしまったからという理由だが、彼には別の目的があった。
ローゼマリーが承諾したことで速やかに婚約は解消されたが、事態はヘンリック王子の想定しない方向へと進んでいく――。
※ 他サイトにも投稿しています。
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる