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34.二度目の結婚式~番~
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花婿ギルアの呟きは、獣人である参列者達の耳には届いていた。
祝福ムードが一転、結婚式真っ最中の花婿の『番』発言に、教会内がシーンと静まり返ってしまった。
ギルアはキックのダメージが強くまだ立ち上がること事が出来ないが、『つ・が・い』と呟きながら這ってでも前に進もうとしている。
そのギルアの背に飛び乗り、両足でギシギシと踏みつける者がいた、花嫁父代理のトト爺である。
「ギル坊、無様だな。お前、何やっているか分かっているんだろうな…」
口調が完全に本気モードになっている、本気の『仏のトト』登場に、教会内の空気は一瞬で凍り付いた。そんな雰囲気に耐えきれずチビウサギ達はシクシクと泣き出してしまっている。ノアが必死に『大丈夫よ、悪い奴を懲らしめているだけだからね』と慰めている。※悪い奴=ギルア、懲らしめている正義の味方=トト爺 byノア視点
「トト爺止めてください。うちの子達が怯えています。それは私が処分しますので、渡してください」
(((宰相が国王様をそれって言ったしーー!
処分って殺るのか…???まさか本気…)))
参列者達はトト爺と宰相の発言に、どうしたらいいか分からないが、あの二人を止める勇気はない。
唯一止められる可能性がある側近ガロンも動かない。…『小児性愛者は許さん』byガロン…とんだ勘違い野郎がここにいる。
「ガーザこれは儂の獲物だ。シルビア様を悲しませたんだ、儂が始末する」
「それが娘達の誰かの『番』なんて、私は認めません。だから父である私が処分します」
(((もう殺ること前提で話が進んでいるよ。これって謀反?教会内にいる私達は共犯??…なのか)))
教会内に入れたラッキーな参列者達は、参列するために朝早くから並んだことを激しく後悔している。こっそり抜け出したいが、動いたら最後、どちらかに殺られる気がしてならない…。
(((う、動けない)))
参列者達はこっそりと今日のもう一人の主役である花嫁を見てみると、こんな悲惨な状況なのになぜか微笑んでいる。本当なら、花嫁は泣き崩れる場面である。
何かが変だ?
シルビアは怯えるフラワーガール達の側に行き、
「大丈夫!おじさん達はちょっと運動しているだけなの。中年の運動不足は深刻だから、頑張り過ぎているのよ♪」
クスクスと笑いながら言い、トト爺が上に乗ったままのギルアに声を掛けようとする。
これは修羅場第二弾か!と、周りの者が固唾を飲んで見守る。
「やっと分かったのね♪ギルア様気づくのが遅いわ、フフフ」
「シルビア!俺の『番』!」
((((ハァー!シルビア様?『番』?)))
みんな口をポカーンと開けたまま、意味が分からず二人のやり取りを見つめている。
トト爺は慌ててトンとギルアの背中から飛び降りる。だが、ギルアの背中には小さな足跡がしっかりと刻まれている。トト爺はパタパタと背中を叩いて消そうとするが、ギシギシと力強く踏みつけていたのでまったく消えない…。
「な、なんじゃ?シルビア様が『番』なのかの~?ギル坊よ!どうなのじゃ?」
「そうだ、シルビアが俺の大切な『番』だ」
「ではどうして、うちの娘達に迫っていったのですか?」
「俺はシルビアが入場して来た時に初めて『番』だと感じたんだ。嬉しくてシルビアに駆け寄って行ったら、いきなりノアに飛び蹴りをされ、トト爺に乗っかられ、ガーザに処分されそうになったんだ。
俺はチビウサギ達は目に入ってなかったし、一言もチビウサギ達を『番』だと言ってない!」
「「「「エッ………」」」」一同絶句である。
そうである、ギルアは一言も言ってなかった。
獣人は初めて『番』を認識すると基本『番』しか目に入らない。
だからギルアはフラワーガール達の後ろを歩いているシルビアの元に急いで行こうとしただけだ。勝手に周りが勘違いしたのである。
「ホッホッホ、すまんの~。儂も年かの~。最近調子が悪くての~ゴホ、ゴホ」
トト爺はギルアを起こすべく手を差し出しながら、誤魔化そうとする。トト爺よ、年は全然関係ない!
飛び蹴りをしたノアも声を震わせながら必死で謝っているし、ガーザに至っては腰を90度に折り曲げ頭を下げている。
そんな様子を楽しそうにシルビアは笑いながら見ている。
「フフフ、ギルア様。ちょっとしたハプニングは思い出の良いスパイスになるわ。ね、そうでしょう♪」
国王に対するいきなり飛び蹴り&飛び乗り&処分云々は簡単に許せる事ではないが、ギルアは『番』の初めてのお願いを叶える事を優先する。---獣人の番至上主義半端ない。
「シルビアがそういうなら、不問とする。さぁ、結婚式の続きを始めるぞ!」
ワァーと一斉に喜びの声が上がり、拍手が巻き起こる。
涙を拭いたフラワーガール達は、元気にぴょんぴょん花びらを撒き始め、花嫁がその後をゆっくりと進んでいく。だが隣はトト爺ではなく待ち切れずに迎えに来てしまった花婿がデレデレしながら一緒に歩いている。尻尾がブンブンと振れているので、せっかく撒いてある花びらが客席に舞い上がって、椅子の通路側にいる参列者達は花びらまみれになっている。
歩きながら、ギルアは疑問に思ったことをシルビアに尋ねている。
「なんで俺は今までシルビアが『番』だと分からなかったんだ?」
「私がアルビー石の腕輪を着けていたからでしょ♪」
「うんん?だが俺がアルビー石の腕輪を送ったのはプロポーズの時だ。プロポーズから今日リングボーイに預けるまではお互いに身に着けていた。しかし、それ以前に何度も会っているのになぜ分からなかった?」
「私はオーサン国に到着すると直ぐに、宰相から腕輪を渡されたわ『常に身に着ける様に』と。万が一にも正妃が他の獣人に『番』認定されたら問題だからと言われて、それからずっと着けていたの」
「知らなかった…。つまりシルビアは今日リングボーイに渡すまで常にアルビー石を着けていたのか…」
「側妃との結婚式で不在だったから、自業自得よ♪」
「……すまん。そういえば『やっと分かったのね♪ギルア様遅いわ』ってどういう意味だ?」
そう獣人は『番』が分かるが、人族は『番』の認識はない。シルビアに『番』は分からないはずである。
「実はね、嫁ぐ前に有名な人族の占い師に視てもらったのよ。『結婚相手にとってあなたは『番』です。これは運命です』と言われたわ♪だから私は自分がギルア様の『番』って知ったの」
「なんで最初に会った時に言ってくれなかったんだ!」
「だって、運命は決められたものでなく自分の手で掴むものよ。『番』という決められた運命ではなく、私自身を選んでくれなければ意味はないわ。ね、そうでしょう?」
「そうだな。俺は『番』ではなく、シルビアに惚れたんだ!」
チビウサギ達をは花びらを撒きを終わり、ぴょんぴょんとガーザとノアの席に戻っていく。
花婿と花嫁は手をしっかりと握りあい、司祭の前に並んで立っているがお互いを見つめて司祭の方を向こうとしない。ウォホン!というわざとらしい咳払いを司祭がすると、やっと身体を前に向けた。
「では、今から二度目の結婚式を始めます。二度目なんて神への冒涜ですよ!前代未聞ですから、チャチャっとやりますよ!」
いきなりの結婚式でそれも二度目とあって、司祭は怒り気味だ。だが『チャチャっと』は宰相の依頼に違いない。『番』誤解の件もあって、宰相の耳が申し訳なさそうに少し垂れている。
「ギルア・オーサンとシルビア・オーサンは、生涯を共にすることを改めて誓いますか?」
「「はい、誓います!♪」」
リングボーイ三名が、やっと出番だとはりきって腕輪を持って来ようとするが、ガーザに行かなくていいと止められている。『番』であるギルア達には無用のものだから。
「これにて、二度目の婚姻の誓いは無事終わりました。これから末永くお幸せに、三度目はご免です!」
わぁっと拍手が起こり、ギルアとシルビアに祝福の言葉が降り注いでいる。
そんな言葉があふれる中、二人はお互いを見つめ合い微笑んでいる。
そしてギルアがシルビアを強く抱き寄せ、熱烈な口づけを始めた。周りからは囃し立てる口笛が続く。『ヒューヒュー♡』
政略結婚の相手に見向きもされなかったし、しなかった二人が、真に愛する人を見つけ出して運命を自力で作り出した話は、『番』至上主義のオーサン国でも語り継がれていくのである。
『愛しているよ、シルビア。俺が惚れた最愛の人が『番』だったなんて、運命だな!』
『そうね、私達で掴み取った運命だわ。ギルア様、私の愛しい人♪』
*****************************
---初夜---
シルビアの準備が侍女達の手により念入りになされ、夫婦の寝室で待機している。
そこにギルアが照れながら入ってくる。
「待たせたな、シルビア。緊張をほぐす為に少しで酒でも飲むか?」
「私は飲んでも大丈夫ですが、ギルア様は駄目なのでは?」
「俺は強いぞ、大丈夫だ」
「お酒に強くても、男性機能が働かなくなるのでは?」
冗談ではなく、シルビアは本気で心配しているようだ。
誰かが純粋なシルビアに余計な情報を与えているらしい。
「そんな心配はいらん。誰がそんなことを言っていたのだ」
(誰だ!シルビアに余計な事を吹き込んだのは!)
「結婚式のあと大広間で宴会をしている臣下達が話してました。ギルア様が飲み過ぎて勃たなくては大変だと。心配してましたよ、愛されてますね♪」
(それは心配ではなく、初夜に失敗しろと面白がって話していたんだ。臣下達…必ず殺る)
「ああ、そうかもな。そんな事よりこっちにおいで!シルビアを早く愛したい」
「分かりました♪はい、ギルア様どうぞ。え、え、そんな、やー、だ…め………」
耳年増で知識豊富なシルビアであったが、実際の経験値はゼロ。
実体験は知識より格段に凄い事をギルアと確認し合った初夜でした♪
『シルビアはどんな果実よりも甘いぞ』by満足している狼
ーーーーーーーーーーーーーーーー
本編はこれにて完結です。
読んでくださり大変有り難うございました。
ポツポツと番外編も書いていくつもりなので、よろしくお願いいたします。
祝福ムードが一転、結婚式真っ最中の花婿の『番』発言に、教会内がシーンと静まり返ってしまった。
ギルアはキックのダメージが強くまだ立ち上がること事が出来ないが、『つ・が・い』と呟きながら這ってでも前に進もうとしている。
そのギルアの背に飛び乗り、両足でギシギシと踏みつける者がいた、花嫁父代理のトト爺である。
「ギル坊、無様だな。お前、何やっているか分かっているんだろうな…」
口調が完全に本気モードになっている、本気の『仏のトト』登場に、教会内の空気は一瞬で凍り付いた。そんな雰囲気に耐えきれずチビウサギ達はシクシクと泣き出してしまっている。ノアが必死に『大丈夫よ、悪い奴を懲らしめているだけだからね』と慰めている。※悪い奴=ギルア、懲らしめている正義の味方=トト爺 byノア視点
「トト爺止めてください。うちの子達が怯えています。それは私が処分しますので、渡してください」
(((宰相が国王様をそれって言ったしーー!
処分って殺るのか…???まさか本気…)))
参列者達はトト爺と宰相の発言に、どうしたらいいか分からないが、あの二人を止める勇気はない。
唯一止められる可能性がある側近ガロンも動かない。…『小児性愛者は許さん』byガロン…とんだ勘違い野郎がここにいる。
「ガーザこれは儂の獲物だ。シルビア様を悲しませたんだ、儂が始末する」
「それが娘達の誰かの『番』なんて、私は認めません。だから父である私が処分します」
(((もう殺ること前提で話が進んでいるよ。これって謀反?教会内にいる私達は共犯??…なのか)))
教会内に入れたラッキーな参列者達は、参列するために朝早くから並んだことを激しく後悔している。こっそり抜け出したいが、動いたら最後、どちらかに殺られる気がしてならない…。
(((う、動けない)))
参列者達はこっそりと今日のもう一人の主役である花嫁を見てみると、こんな悲惨な状況なのになぜか微笑んでいる。本当なら、花嫁は泣き崩れる場面である。
何かが変だ?
シルビアは怯えるフラワーガール達の側に行き、
「大丈夫!おじさん達はちょっと運動しているだけなの。中年の運動不足は深刻だから、頑張り過ぎているのよ♪」
クスクスと笑いながら言い、トト爺が上に乗ったままのギルアに声を掛けようとする。
これは修羅場第二弾か!と、周りの者が固唾を飲んで見守る。
「やっと分かったのね♪ギルア様気づくのが遅いわ、フフフ」
「シルビア!俺の『番』!」
((((ハァー!シルビア様?『番』?)))
みんな口をポカーンと開けたまま、意味が分からず二人のやり取りを見つめている。
トト爺は慌ててトンとギルアの背中から飛び降りる。だが、ギルアの背中には小さな足跡がしっかりと刻まれている。トト爺はパタパタと背中を叩いて消そうとするが、ギシギシと力強く踏みつけていたのでまったく消えない…。
「な、なんじゃ?シルビア様が『番』なのかの~?ギル坊よ!どうなのじゃ?」
「そうだ、シルビアが俺の大切な『番』だ」
「ではどうして、うちの娘達に迫っていったのですか?」
「俺はシルビアが入場して来た時に初めて『番』だと感じたんだ。嬉しくてシルビアに駆け寄って行ったら、いきなりノアに飛び蹴りをされ、トト爺に乗っかられ、ガーザに処分されそうになったんだ。
俺はチビウサギ達は目に入ってなかったし、一言もチビウサギ達を『番』だと言ってない!」
「「「「エッ………」」」」一同絶句である。
そうである、ギルアは一言も言ってなかった。
獣人は初めて『番』を認識すると基本『番』しか目に入らない。
だからギルアはフラワーガール達の後ろを歩いているシルビアの元に急いで行こうとしただけだ。勝手に周りが勘違いしたのである。
「ホッホッホ、すまんの~。儂も年かの~。最近調子が悪くての~ゴホ、ゴホ」
トト爺はギルアを起こすべく手を差し出しながら、誤魔化そうとする。トト爺よ、年は全然関係ない!
飛び蹴りをしたノアも声を震わせながら必死で謝っているし、ガーザに至っては腰を90度に折り曲げ頭を下げている。
そんな様子を楽しそうにシルビアは笑いながら見ている。
「フフフ、ギルア様。ちょっとしたハプニングは思い出の良いスパイスになるわ。ね、そうでしょう♪」
国王に対するいきなり飛び蹴り&飛び乗り&処分云々は簡単に許せる事ではないが、ギルアは『番』の初めてのお願いを叶える事を優先する。---獣人の番至上主義半端ない。
「シルビアがそういうなら、不問とする。さぁ、結婚式の続きを始めるぞ!」
ワァーと一斉に喜びの声が上がり、拍手が巻き起こる。
涙を拭いたフラワーガール達は、元気にぴょんぴょん花びらを撒き始め、花嫁がその後をゆっくりと進んでいく。だが隣はトト爺ではなく待ち切れずに迎えに来てしまった花婿がデレデレしながら一緒に歩いている。尻尾がブンブンと振れているので、せっかく撒いてある花びらが客席に舞い上がって、椅子の通路側にいる参列者達は花びらまみれになっている。
歩きながら、ギルアは疑問に思ったことをシルビアに尋ねている。
「なんで俺は今までシルビアが『番』だと分からなかったんだ?」
「私がアルビー石の腕輪を着けていたからでしょ♪」
「うんん?だが俺がアルビー石の腕輪を送ったのはプロポーズの時だ。プロポーズから今日リングボーイに預けるまではお互いに身に着けていた。しかし、それ以前に何度も会っているのになぜ分からなかった?」
「私はオーサン国に到着すると直ぐに、宰相から腕輪を渡されたわ『常に身に着ける様に』と。万が一にも正妃が他の獣人に『番』認定されたら問題だからと言われて、それからずっと着けていたの」
「知らなかった…。つまりシルビアは今日リングボーイに渡すまで常にアルビー石を着けていたのか…」
「側妃との結婚式で不在だったから、自業自得よ♪」
「……すまん。そういえば『やっと分かったのね♪ギルア様遅いわ』ってどういう意味だ?」
そう獣人は『番』が分かるが、人族は『番』の認識はない。シルビアに『番』は分からないはずである。
「実はね、嫁ぐ前に有名な人族の占い師に視てもらったのよ。『結婚相手にとってあなたは『番』です。これは運命です』と言われたわ♪だから私は自分がギルア様の『番』って知ったの」
「なんで最初に会った時に言ってくれなかったんだ!」
「だって、運命は決められたものでなく自分の手で掴むものよ。『番』という決められた運命ではなく、私自身を選んでくれなければ意味はないわ。ね、そうでしょう?」
「そうだな。俺は『番』ではなく、シルビアに惚れたんだ!」
チビウサギ達をは花びらを撒きを終わり、ぴょんぴょんとガーザとノアの席に戻っていく。
花婿と花嫁は手をしっかりと握りあい、司祭の前に並んで立っているがお互いを見つめて司祭の方を向こうとしない。ウォホン!というわざとらしい咳払いを司祭がすると、やっと身体を前に向けた。
「では、今から二度目の結婚式を始めます。二度目なんて神への冒涜ですよ!前代未聞ですから、チャチャっとやりますよ!」
いきなりの結婚式でそれも二度目とあって、司祭は怒り気味だ。だが『チャチャっと』は宰相の依頼に違いない。『番』誤解の件もあって、宰相の耳が申し訳なさそうに少し垂れている。
「ギルア・オーサンとシルビア・オーサンは、生涯を共にすることを改めて誓いますか?」
「「はい、誓います!♪」」
リングボーイ三名が、やっと出番だとはりきって腕輪を持って来ようとするが、ガーザに行かなくていいと止められている。『番』であるギルア達には無用のものだから。
「これにて、二度目の婚姻の誓いは無事終わりました。これから末永くお幸せに、三度目はご免です!」
わぁっと拍手が起こり、ギルアとシルビアに祝福の言葉が降り注いでいる。
そんな言葉があふれる中、二人はお互いを見つめ合い微笑んでいる。
そしてギルアがシルビアを強く抱き寄せ、熱烈な口づけを始めた。周りからは囃し立てる口笛が続く。『ヒューヒュー♡』
政略結婚の相手に見向きもされなかったし、しなかった二人が、真に愛する人を見つけ出して運命を自力で作り出した話は、『番』至上主義のオーサン国でも語り継がれていくのである。
『愛しているよ、シルビア。俺が惚れた最愛の人が『番』だったなんて、運命だな!』
『そうね、私達で掴み取った運命だわ。ギルア様、私の愛しい人♪』
*****************************
---初夜---
シルビアの準備が侍女達の手により念入りになされ、夫婦の寝室で待機している。
そこにギルアが照れながら入ってくる。
「待たせたな、シルビア。緊張をほぐす為に少しで酒でも飲むか?」
「私は飲んでも大丈夫ですが、ギルア様は駄目なのでは?」
「俺は強いぞ、大丈夫だ」
「お酒に強くても、男性機能が働かなくなるのでは?」
冗談ではなく、シルビアは本気で心配しているようだ。
誰かが純粋なシルビアに余計な情報を与えているらしい。
「そんな心配はいらん。誰がそんなことを言っていたのだ」
(誰だ!シルビアに余計な事を吹き込んだのは!)
「結婚式のあと大広間で宴会をしている臣下達が話してました。ギルア様が飲み過ぎて勃たなくては大変だと。心配してましたよ、愛されてますね♪」
(それは心配ではなく、初夜に失敗しろと面白がって話していたんだ。臣下達…必ず殺る)
「ああ、そうかもな。そんな事よりこっちにおいで!シルビアを早く愛したい」
「分かりました♪はい、ギルア様どうぞ。え、え、そんな、やー、だ…め………」
耳年増で知識豊富なシルビアであったが、実際の経験値はゼロ。
実体験は知識より格段に凄い事をギルアと確認し合った初夜でした♪
『シルビアはどんな果実よりも甘いぞ』by満足している狼
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本編はこれにて完結です。
読んでくださり大変有り難うございました。
ポツポツと番外編も書いていくつもりなので、よろしくお願いいたします。
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