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33.二度目の結婚式~入場~
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ガヤガヤガヤ。王宮内にある教会の周りは人で溢れかえっている。
今日は国王と正妃の二度目の結婚式が行われるのだ。王宮の臣下達の参列は自由とあって多くの者達が押しかけていた、王宮の警護に当たっている者以外全員集まっているといっていいほどである。
教会に入れなかった者達も、一目だけでも結婚式を見たいと外で待っているのだ。
何もかも一回目の結婚式とは大違いであった。
一回目は、新郎は代理だし参列者はまばらであった。そもそも人族のお飾り正妃など歓迎されてなかった。針の筵の状態でシルビアは花婿代理の王宮コック長とともに式に臨んだのだ。
二回目の今日は、新郎は本人だし、参列者は希望者殺到で入りきらないほどだ。それに何よりシルビアを歓迎してくれている。みんなに祝福されて結婚式に臨むのだ。
---花嫁控室---
シルビアは前回のことを思い出しながら教会の控室で化粧をしてもらっている。
(前回はドレスの着付けをした後、お化粧が出来る侍女が誰もいなかったのよね。フフフ、侍女達は新人ちゃんばかりで出来なくて泣き始めるんだもん。おもわず自分でお化粧やってたな…)
侍女サーサは突然の結婚式に時間が足りないと文句を言っていたが、今は嬉々として花嫁を飾り立てている。サーサによって仕度を整えたシルビアは前回以上に輝いて見える。
「やっぱりサーサの腕は確かよね。前回と同じ衣装なのに私じゃないみたい、フフフ」
「違いますよ。今回がより一層輝いているのは、シルビア様が幸せだからです、本当におめでとうございます!」
サーサの心からの祝福の言葉が嬉しくて堪らない。おもわずシルビアの目に嬉し涙が浮かんでしまうと、懐かしい声が後ろから聞こえてきた。
「まぁまぁ、せっかくのお化粧が崩れてしまいますよ。シルビア姫様♪」
「ドーマ!ドーマなのね!また会えるなんて思ってもなかったわ。本当に無事で良かった!暗殺に巻き込んでごめんなさい」
「こうして姫様にまた会うことが出来たのだから、巻き込まれた事などへっちゃらですよ。それより、お顔をしかっり見せてくださいな。まぁまぁ、より一層お綺麗になりましたね。姫様は本当にオーサン国で幸せなんですね、これなら、ばあやはいつ死んでもいいですよ」
「フフフ、長生きしてちょうだい、ドーマは私の母代わりなのだから。今回の縁は政略結婚が始まりだったけど、私はギルア様を愛しているの幸せよ」
「まぁまぁ、いつの間にか姫様は立派な女性になっていたんですね、本当に嬉しい限りです」
ドーマはシルビアの背中を優しく撫でながら泣いている、ニギ国でのシルビアを知っているからこそ余計に今のシルビアが眩しく見えるのだろう。
お互い懐かしく話題が尽きる事はない、シルビアの昔話をドーマが暴露し、侍女のサーサも交えて話が盛り上がっていると、
「さぁ、もう少しで花嫁の入場ですよ。ドーマさんには教会内の前列にお席を用意してありますからそちらへご案内します」
侍女頭のメリーが声を掛けに来た、ドーマはメリーに案内され花嫁控室から出ていく。
シルビアも等身大の鏡を前に最終チェックをしていると、花嫁の父代理であるトト爺がシルビアを迎えに来てくれた。
「シルビア様、そろそろ時間じゃの。入口に移動じゃ、一緒にバージンロードを歩くの~ホッホッホ」
「ええ分かったわ。今日はよろしくお願いします、トト爺」
トト爺の右腕にシルビアは自分の腕を絡ませ、二人で笑い合いながら歩いて行く。
教会の扉前にはフラワーガールのチビウサギちゃん達五人がキャッキャッとはしゃぎながら待機している。母であるノアに『前を見てちゃんと歩くのよ』と言われて、『はーい!』と元気に返事をしている。
新郎ギルアとリングボーイ三人はもうすでに教会に入場済みだ。
これからフラワーガールが花びらをバージンロードに撒きながら歩き、その後をトト爺と花嫁がゆっくりと歩くのだ。
教会の扉の前で入場するのを待っている花嫁シルビアは、嬉しそうに自然に微笑んでいる。前回の微笑みは鎧であったが、今日は幸せの絶頂にいる花嫁だ。
リーンゴーン♬リーンゴーン♬
教会の鐘が鳴り響き、それを合図に教会の扉がバンっと勢いよく開かれる。
花嫁の入場である。参列者達は立ち上がり、一斉に花嫁に祝福の視線を注ぎ、拍手で迎える。
純白のウエディングドレスに生花で作ったティアラを被り、新緑の髪を綺麗に結い上げ、真紅の瞳を潤ませながら入場してくるシルビアに感嘆の声があがる。みんな今日一番の幸せな花嫁の姿に釘付けである。
そんな花嫁の前を五匹の可愛いチビウサギ達が、一生懸命花びらを撒いてぴょんぴょんと歩いて行く。その愛らしい姿におもわず参列者達から笑みがこぼれる。
だが、そんな可愛いチビウサギ達を驚愕の表情で見つめるものがいた。
新郎ギルアである!いきなりバージンロードを逆走し始め、ズンズンと入口に向かって歩いてくる。
参列者達は、呆気にとられて動けない。何が起こっているのか分からず、ザワザワし始める。
チビウサギ達の父ガーザは、異変に気付き、フラワーガールである娘達に近づくギルアを止めようとした。けれどもリングボーイである息子達の近くに控えていたため、間に合わない!
あと少しでギルアがフラワーガール達の前にというところで、白い影が両者の間に飛び出した。
トォウ!という掛け声と共に、強烈なキックがギルアの腹に炸裂する。
「何しとんじゃ、われ!」
フラワーガール達の母ノアが自慢の足で強烈なウサギ飛び蹴りをお見舞いしたのである。
不意打ちをくらいギルアは倒れこんでいるが、必死に何かを呟いている。
「俺の…、つ・が・い、見つけ…た…」
今日は国王と正妃の二度目の結婚式が行われるのだ。王宮の臣下達の参列は自由とあって多くの者達が押しかけていた、王宮の警護に当たっている者以外全員集まっているといっていいほどである。
教会に入れなかった者達も、一目だけでも結婚式を見たいと外で待っているのだ。
何もかも一回目の結婚式とは大違いであった。
一回目は、新郎は代理だし参列者はまばらであった。そもそも人族のお飾り正妃など歓迎されてなかった。針の筵の状態でシルビアは花婿代理の王宮コック長とともに式に臨んだのだ。
二回目の今日は、新郎は本人だし、参列者は希望者殺到で入りきらないほどだ。それに何よりシルビアを歓迎してくれている。みんなに祝福されて結婚式に臨むのだ。
---花嫁控室---
シルビアは前回のことを思い出しながら教会の控室で化粧をしてもらっている。
(前回はドレスの着付けをした後、お化粧が出来る侍女が誰もいなかったのよね。フフフ、侍女達は新人ちゃんばかりで出来なくて泣き始めるんだもん。おもわず自分でお化粧やってたな…)
侍女サーサは突然の結婚式に時間が足りないと文句を言っていたが、今は嬉々として花嫁を飾り立てている。サーサによって仕度を整えたシルビアは前回以上に輝いて見える。
「やっぱりサーサの腕は確かよね。前回と同じ衣装なのに私じゃないみたい、フフフ」
「違いますよ。今回がより一層輝いているのは、シルビア様が幸せだからです、本当におめでとうございます!」
サーサの心からの祝福の言葉が嬉しくて堪らない。おもわずシルビアの目に嬉し涙が浮かんでしまうと、懐かしい声が後ろから聞こえてきた。
「まぁまぁ、せっかくのお化粧が崩れてしまいますよ。シルビア姫様♪」
「ドーマ!ドーマなのね!また会えるなんて思ってもなかったわ。本当に無事で良かった!暗殺に巻き込んでごめんなさい」
「こうして姫様にまた会うことが出来たのだから、巻き込まれた事などへっちゃらですよ。それより、お顔をしかっり見せてくださいな。まぁまぁ、より一層お綺麗になりましたね。姫様は本当にオーサン国で幸せなんですね、これなら、ばあやはいつ死んでもいいですよ」
「フフフ、長生きしてちょうだい、ドーマは私の母代わりなのだから。今回の縁は政略結婚が始まりだったけど、私はギルア様を愛しているの幸せよ」
「まぁまぁ、いつの間にか姫様は立派な女性になっていたんですね、本当に嬉しい限りです」
ドーマはシルビアの背中を優しく撫でながら泣いている、ニギ国でのシルビアを知っているからこそ余計に今のシルビアが眩しく見えるのだろう。
お互い懐かしく話題が尽きる事はない、シルビアの昔話をドーマが暴露し、侍女のサーサも交えて話が盛り上がっていると、
「さぁ、もう少しで花嫁の入場ですよ。ドーマさんには教会内の前列にお席を用意してありますからそちらへご案内します」
侍女頭のメリーが声を掛けに来た、ドーマはメリーに案内され花嫁控室から出ていく。
シルビアも等身大の鏡を前に最終チェックをしていると、花嫁の父代理であるトト爺がシルビアを迎えに来てくれた。
「シルビア様、そろそろ時間じゃの。入口に移動じゃ、一緒にバージンロードを歩くの~ホッホッホ」
「ええ分かったわ。今日はよろしくお願いします、トト爺」
トト爺の右腕にシルビアは自分の腕を絡ませ、二人で笑い合いながら歩いて行く。
教会の扉前にはフラワーガールのチビウサギちゃん達五人がキャッキャッとはしゃぎながら待機している。母であるノアに『前を見てちゃんと歩くのよ』と言われて、『はーい!』と元気に返事をしている。
新郎ギルアとリングボーイ三人はもうすでに教会に入場済みだ。
これからフラワーガールが花びらをバージンロードに撒きながら歩き、その後をトト爺と花嫁がゆっくりと歩くのだ。
教会の扉の前で入場するのを待っている花嫁シルビアは、嬉しそうに自然に微笑んでいる。前回の微笑みは鎧であったが、今日は幸せの絶頂にいる花嫁だ。
リーンゴーン♬リーンゴーン♬
教会の鐘が鳴り響き、それを合図に教会の扉がバンっと勢いよく開かれる。
花嫁の入場である。参列者達は立ち上がり、一斉に花嫁に祝福の視線を注ぎ、拍手で迎える。
純白のウエディングドレスに生花で作ったティアラを被り、新緑の髪を綺麗に結い上げ、真紅の瞳を潤ませながら入場してくるシルビアに感嘆の声があがる。みんな今日一番の幸せな花嫁の姿に釘付けである。
そんな花嫁の前を五匹の可愛いチビウサギ達が、一生懸命花びらを撒いてぴょんぴょんと歩いて行く。その愛らしい姿におもわず参列者達から笑みがこぼれる。
だが、そんな可愛いチビウサギ達を驚愕の表情で見つめるものがいた。
新郎ギルアである!いきなりバージンロードを逆走し始め、ズンズンと入口に向かって歩いてくる。
参列者達は、呆気にとられて動けない。何が起こっているのか分からず、ザワザワし始める。
チビウサギ達の父ガーザは、異変に気付き、フラワーガールである娘達に近づくギルアを止めようとした。けれどもリングボーイである息子達の近くに控えていたため、間に合わない!
あと少しでギルアがフラワーガール達の前にというところで、白い影が両者の間に飛び出した。
トォウ!という掛け声と共に、強烈なキックがギルアの腹に炸裂する。
「何しとんじゃ、われ!」
フラワーガール達の母ノアが自慢の足で強烈なウサギ飛び蹴りをお見舞いしたのである。
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