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4-9 悪女のドレス
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「さあ、ライザ。今日のカサンドラの誕生パーティーの為に様々なドレスを用意したよ。サイズはどれも君に合わせてあるけど、微妙な調整が必要かもしれないから仕立屋にも来てもらっている。なのでその辺の心配はしなくても良いからね?」
ジュリアン侯爵に案内された部屋には20着以上の美しいドレスがトルソーに着せられて並んでいる。そのドレスのどれもが素晴らしく、私は目を見張ってしまった。
「な、なんて・・・美しいデザインなんでしょう・・。こんなに素敵なドレス・・・生まれて初めて目にします。本当に・・・私なんかの為にありがとうございます。」
感動した私は両手を前に組み、ジュリアン侯爵を見上げた。するとジュリアン侯爵は目を細め、私の髪に触れると言った。
「いや、むしろ感謝するのは私の方だよ。君の存在があったからこそ、モンタナ家に入り込む事も出来たし。ライザをこの屋敷に招くまでは・・心配だった。伯爵家から君が虐待行為を受けないかどうか・・・そこで私はこの屋敷で腕の立つ女性騎士に見張りを頼んでいたのだよ。ライザに危険が及びそうな場合は助けるようにと。また、嫌がらせ行為があった場合は証拠を集めるように・・・と。」
私はそれを聞いて思い立った。
「あ・・もしかすると、以前ジュリアン侯爵様が見せてくださった写真・・。」
「ああ、2人のメイドに水を掛けられているところだよね?あの時はすまない事をしてしまったと思っている。」
ジュリアン侯爵は突然頭を下げてきた。
「え・・?何故謝るのですか?」
「本来なら・・・あの状況で水を掛けられるのは女性騎士には分かっていた。でも、ライザが嫌がらせを受けているという証拠も必要だったし・・・何より、相手はモンタナ伯爵では無かったから命にかかわるような嫌がらせ行為はしないだろうと思い、助ける道ではなく、証拠集めをさせたんだ。彼女にはそう命じておいたんだよ。」
「そうだったのですか・・。私の身を案じて・・・見張りの方までつけていて下さったなんて知りもしませんでした。」
「そうだね。内緒の護衛だったから・・・。それで、ライザ。気に入ったドレスはありそうかい?近くへ行って見てごらん。」
耳元でジュリアン侯爵に囁かれ、私は顔が真っ赤になってしまった。どうしよう・・私はどうやらジュリアン侯爵を好きになってしまったようだ。でも、彼は侯爵という立派な身分。しかもとても美しい顔立ちの青年・・とてもでは無いが、私とは不釣り合いなのは分かっている。だから私はこの先もジュリアン侯爵への恋心を封印して生きていくのだ。
私はドレスに近づくと、1着1着手に取って見て回る。どれも上質な手触り・・・そして美しいデザインのドレスたち。レースがふんだんに使われていたり、刺繡が施されいたり、中には細かいダイヤが縫い付けられたドレス迄ある。
私はそんなドレスを見て回り・・・ある1着のドレスの前で足を止めた。
「ライザ・・・このドレスが気に入ったのかい?」
隣に立つジュリアン侯爵が声を掛けてきた。
「ええ・・・このドレスが気に入りました。」
もはや私は目の前のドレスに釘付けとなっていた。そこに飾られていたドレスは目も覚めるようなベアトップの真紅のドレス。
「そうだね・・・。武装していくにはもってこいのドレスかもしれないね?」
またしてもどこか含みを持たせるかのような言い方をするジュリアン侯爵。
武装・・・。でも、まさにその言葉は今の私にはぴったりかもしれない。
私は今日、この真紅のドレスを着てカサンドラの誕生パーティーにジュリアン侯爵のパートナーとして・・モンタナ家の元家族の前に姿を見せる。
そして悪女らしいいで立ちで、モンタナ家のショーを見届けるのだ。
「ジュリアン侯爵様・・・早くこのドレスを着て誕生パーティーに行く時間が今から待ちどおしいです。」
私は笑みを浮かべながらジュリアン侯爵を見上げた―。
ジュリアン侯爵に案内された部屋には20着以上の美しいドレスがトルソーに着せられて並んでいる。そのドレスのどれもが素晴らしく、私は目を見張ってしまった。
「な、なんて・・・美しいデザインなんでしょう・・。こんなに素敵なドレス・・・生まれて初めて目にします。本当に・・・私なんかの為にありがとうございます。」
感動した私は両手を前に組み、ジュリアン侯爵を見上げた。するとジュリアン侯爵は目を細め、私の髪に触れると言った。
「いや、むしろ感謝するのは私の方だよ。君の存在があったからこそ、モンタナ家に入り込む事も出来たし。ライザをこの屋敷に招くまでは・・心配だった。伯爵家から君が虐待行為を受けないかどうか・・・そこで私はこの屋敷で腕の立つ女性騎士に見張りを頼んでいたのだよ。ライザに危険が及びそうな場合は助けるようにと。また、嫌がらせ行為があった場合は証拠を集めるように・・・と。」
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「あ・・もしかすると、以前ジュリアン侯爵様が見せてくださった写真・・。」
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ジュリアン侯爵は突然頭を下げてきた。
「え・・?何故謝るのですか?」
「本来なら・・・あの状況で水を掛けられるのは女性騎士には分かっていた。でも、ライザが嫌がらせを受けているという証拠も必要だったし・・・何より、相手はモンタナ伯爵では無かったから命にかかわるような嫌がらせ行為はしないだろうと思い、助ける道ではなく、証拠集めをさせたんだ。彼女にはそう命じておいたんだよ。」
「そうだったのですか・・。私の身を案じて・・・見張りの方までつけていて下さったなんて知りもしませんでした。」
「そうだね。内緒の護衛だったから・・・。それで、ライザ。気に入ったドレスはありそうかい?近くへ行って見てごらん。」
耳元でジュリアン侯爵に囁かれ、私は顔が真っ赤になってしまった。どうしよう・・私はどうやらジュリアン侯爵を好きになってしまったようだ。でも、彼は侯爵という立派な身分。しかもとても美しい顔立ちの青年・・とてもでは無いが、私とは不釣り合いなのは分かっている。だから私はこの先もジュリアン侯爵への恋心を封印して生きていくのだ。
私はドレスに近づくと、1着1着手に取って見て回る。どれも上質な手触り・・・そして美しいデザインのドレスたち。レースがふんだんに使われていたり、刺繡が施されいたり、中には細かいダイヤが縫い付けられたドレス迄ある。
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隣に立つジュリアン侯爵が声を掛けてきた。
「ええ・・・このドレスが気に入りました。」
もはや私は目の前のドレスに釘付けとなっていた。そこに飾られていたドレスは目も覚めるようなベアトップの真紅のドレス。
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私は今日、この真紅のドレスを着てカサンドラの誕生パーティーにジュリアン侯爵のパートナーとして・・モンタナ家の元家族の前に姿を見せる。
そして悪女らしいいで立ちで、モンタナ家のショーを見届けるのだ。
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私は笑みを浮かべながらジュリアン侯爵を見上げた―。
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