23 / 61
第2章 2 美容のうんちく
しおりを挟む
ダイエットの基本はまずサラダから。ゆっくり時間をかけて咀嚼して食べ終わると、次にフルーツの上にヨーグルトをかけてこちらもゆっくり食べているうちにだんだんお腹が満たされて来た。そして最後に牛乳を飲んだ時には、もうお腹は一杯になっていた。
「よし、満足、満足。」
時計を見ると時刻は7時半をさしている。
「そう言えば、何時に学校へ着けばいいんだろう・・。それに学校の場所が分らないな・・。まあ、いいか。道を覚えるまでは仕方が無いから馬車で送迎をして貰おう。その分、学校から帰ってきたら運動しなくちゃね。それよりも・・顔を洗って準備しなくちゃ。」
そう言って私は重要な事を思い出した。
「そうだ・・・洗顔するのに、泡立てネットかスポンジが欲しいな・・・・。よし、メイドさんに聞いてみるか。廊下に出れば誰かしらに会うでしょう。」
ガチャリとドアノブを回して廊下へ出ると、おお~いるいる。メイドさんや男性使用人さんたちが忙しそうに働いている。そして丁度近くで床の掃除をしているメイドさんと目が合った。
「おはようございます、ロザリア様。」
メイドさんは掃除の手を止めると、頭を下げてきた。
「うん、おはよー。」
手を挙げて挨拶をすると、何故かギョッとした顔をされる。
「な、何?」
「ま、まさか・・・ロザリア様が挨拶を返して下さるなんて・・・。」
感動に打ち震えて?メイドさんはプルプル震えている。いやいや・・・そんなに大げさな態度を取られても・・。
「あの・・ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・いいかな?」
「はい、何でございましょう!」
メイドさんは直立不動で返事をした。
「顔を洗いたいんだけど・・洗顔ネットか、洗顔スポンジ無いかなぁ?」
「はい・・?あの・・一体何に使われるのでしょう?」
ポカンとした顔で私を見ている。
「あのさあ、顔を洗う時に石鹸を泡立てるでしょう?」
「いいえ、そんな事はしませんが?」
「え?しないの?」
「はい。しません。」
「それじゃ・・直接石鹸を手の平に塗って・・洗うわけ?泡立てないで。」
「はい、そうです。」
「そうなのね・・・。」
何て事だろう。やはりこの世界は・・・私が住んでいる世界よりも時代が遅れた世界なのだ。だって馬車なんて・・今の日本じゃ考えられない。全ての文化や技術が劣った世界なのだ。
「何て不便な世界なの・・・。私の快適なライフスタイルが・・・。」
思わず頭を抱えていると、メイドさんが心配そうに声をかけてきた。
「いえ・・いいの。気にしないで・・・・こうなったら自分で工夫するしかないわね・・・。」
そうだ、いつ私は元の世界に戻れるのか分からない。だから自分でこの世界の環境を作り変えていかなければいけないのだ。洗顔ネットが無いなら・・・。
「あ、あの・・・食器はどうやって洗ってるの?」
「え・・・スポンジで洗っていますが・・・?」
「それだっ!お願い!厨房に行って新しいスポンジが無いか聞いて来て。そしてもしあったら1つ貰ってきて!」
「はいっ!分かりましたっ!」
私の鬼気迫る?様子にびっくりしたのか、メイドさんは手にしていた雑巾を放り出すと、長いワンピースの裾をつまんで、一目散に厨房目指して走り去って行った。
「余ったスポンジ・・・あればいいな・・・。」
私はメイドさんが走り去って行った廊下を見つめていると、物の5分もたたないうちにこちらに向かって走って来る。
「ロザリア様ーっ!スポンジッ!スポンジを持ってまいりましたーっ!」
そしてメイドさんが持ってきたのは・・・。
「おおっ!こ、これは・・・ひょっとしてへちまスポンジッ!」
「はい、そうですが・・・?」
「へえ~へちまスポンジ・・何か感動だわ・・。いいねえ~エコで。よし、今日からこれを使いましょう!」
「あの、それでロザリア様。これをどうするのですか?」
不思議そうに首を傾げるメイドさんに教えてあげた。
「いい?皮膚の汚れを落とすにはね・・・石鹸を泡立てて使うのよ。泡が立っていると洗浄力があるんだから。それにね・・・泡には皮膚の汚れをはがし取って包み込んでくれるし、泡がクッションのようになって摩擦による皮膚の刺激を少なくしてくれるんだからね?これが美肌になるコツよ。」
私は自分の知ってるうんちくを述べると、メイドさんはキラキラした目で私を見つめていた。うん、きっとこの屋敷ではへちまスポンジが流行するだろう・・・・。
そう確信した瞬間であった―。
「よし、満足、満足。」
時計を見ると時刻は7時半をさしている。
「そう言えば、何時に学校へ着けばいいんだろう・・。それに学校の場所が分らないな・・。まあ、いいか。道を覚えるまでは仕方が無いから馬車で送迎をして貰おう。その分、学校から帰ってきたら運動しなくちゃね。それよりも・・顔を洗って準備しなくちゃ。」
そう言って私は重要な事を思い出した。
「そうだ・・・洗顔するのに、泡立てネットかスポンジが欲しいな・・・・。よし、メイドさんに聞いてみるか。廊下に出れば誰かしらに会うでしょう。」
ガチャリとドアノブを回して廊下へ出ると、おお~いるいる。メイドさんや男性使用人さんたちが忙しそうに働いている。そして丁度近くで床の掃除をしているメイドさんと目が合った。
「おはようございます、ロザリア様。」
メイドさんは掃除の手を止めると、頭を下げてきた。
「うん、おはよー。」
手を挙げて挨拶をすると、何故かギョッとした顔をされる。
「な、何?」
「ま、まさか・・・ロザリア様が挨拶を返して下さるなんて・・・。」
感動に打ち震えて?メイドさんはプルプル震えている。いやいや・・・そんなに大げさな態度を取られても・・。
「あの・・ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・いいかな?」
「はい、何でございましょう!」
メイドさんは直立不動で返事をした。
「顔を洗いたいんだけど・・洗顔ネットか、洗顔スポンジ無いかなぁ?」
「はい・・?あの・・一体何に使われるのでしょう?」
ポカンとした顔で私を見ている。
「あのさあ、顔を洗う時に石鹸を泡立てるでしょう?」
「いいえ、そんな事はしませんが?」
「え?しないの?」
「はい。しません。」
「それじゃ・・直接石鹸を手の平に塗って・・洗うわけ?泡立てないで。」
「はい、そうです。」
「そうなのね・・・。」
何て事だろう。やはりこの世界は・・・私が住んでいる世界よりも時代が遅れた世界なのだ。だって馬車なんて・・今の日本じゃ考えられない。全ての文化や技術が劣った世界なのだ。
「何て不便な世界なの・・・。私の快適なライフスタイルが・・・。」
思わず頭を抱えていると、メイドさんが心配そうに声をかけてきた。
「いえ・・いいの。気にしないで・・・・こうなったら自分で工夫するしかないわね・・・。」
そうだ、いつ私は元の世界に戻れるのか分からない。だから自分でこの世界の環境を作り変えていかなければいけないのだ。洗顔ネットが無いなら・・・。
「あ、あの・・・食器はどうやって洗ってるの?」
「え・・・スポンジで洗っていますが・・・?」
「それだっ!お願い!厨房に行って新しいスポンジが無いか聞いて来て。そしてもしあったら1つ貰ってきて!」
「はいっ!分かりましたっ!」
私の鬼気迫る?様子にびっくりしたのか、メイドさんは手にしていた雑巾を放り出すと、長いワンピースの裾をつまんで、一目散に厨房目指して走り去って行った。
「余ったスポンジ・・・あればいいな・・・。」
私はメイドさんが走り去って行った廊下を見つめていると、物の5分もたたないうちにこちらに向かって走って来る。
「ロザリア様ーっ!スポンジッ!スポンジを持ってまいりましたーっ!」
そしてメイドさんが持ってきたのは・・・。
「おおっ!こ、これは・・・ひょっとしてへちまスポンジッ!」
「はい、そうですが・・・?」
「へえ~へちまスポンジ・・何か感動だわ・・。いいねえ~エコで。よし、今日からこれを使いましょう!」
「あの、それでロザリア様。これをどうするのですか?」
不思議そうに首を傾げるメイドさんに教えてあげた。
「いい?皮膚の汚れを落とすにはね・・・石鹸を泡立てて使うのよ。泡が立っていると洗浄力があるんだから。それにね・・・泡には皮膚の汚れをはがし取って包み込んでくれるし、泡がクッションのようになって摩擦による皮膚の刺激を少なくしてくれるんだからね?これが美肌になるコツよ。」
私は自分の知ってるうんちくを述べると、メイドさんはキラキラした目で私を見つめていた。うん、きっとこの屋敷ではへちまスポンジが流行するだろう・・・・。
そう確信した瞬間であった―。
24
あなたにおすすめの小説
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です
山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」
ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる