5 / 99
1−4 聞いてない!
しおりを挟む
魔法使いが呪文を詠唱し始めると、途端に私の身体が光りに包まれ始めた。
おおっ?!こ、これは……何だか身体に力がみなぎってくる気がする。ひょっとしてなにか特別な力が身についたのだろうか?
一方の魔法使いは真剣な表情で呪文を唱え続け……やがてピタリと口を閉ざした。そしてそれと同時に私の身体から光も消える。
「ふ~……少々手間取ったけど、これで大丈夫だろう」
魔法使いは再びメガネを掛けてしまった。
あ~あ……もったいない。せっかくのイケメンがまた牛乳瓶底メガネを掛けちゃったよ。
「うん?何だか不満そうな顔してるね……?だけど、いいかい?これで君はただの呪われた蛙から、明るい未来が見えてきた呪われた蛙に生まれ変わったんだよ?」
『結局呪いはついて回るわけね?何だか気分が悪いんだけど』
どうせ通じないのは分かっていたけれども、ケロケロと私は訴えた。
「いいかい?これから君は人に感謝される行動を取っていくんだよ?誰かが心から君に感謝の言葉を伝えるほどに、呪いの鍵が解除されていく。そうすればいずれ元の姿に戻れるさ。塵も積もれば……という言葉があるだろう?」
『言葉が通じないのに、どうやって人に感謝してもらえるのよ!』
酷い!これではあんまりだ!何か特別な力をつけてくれるかと思っただけに、落胆も激しい。
そんな私の気持ちを他所に魔法使いは言葉を続ける。……まぁ、意思疎通が出来ないのだから無理もないだろう。
「時々、君の様子を見に来るよ。良いことをして徳を積んでいけば、やがて人の言葉も話せるようになる……はずさ。分かったね?」
魔法使いの言葉の間が気になるけれども、ここは彼を信じて頷く私。
「よし、理解してくれたようだね。それじゃ僕はそろそろ行くよ。この森には危険生物はいないはずだから快適な蛙生活を過ごせるはずだよ」
はい?今……この魔法使い、何と言った?
危険生物はいない?快適な蛙生活を過ごせるはずだぁ?!
『ちょっと‼ふざけないでよ‼私はさっき、蛇に食べられそうになったのよ?! どこが快適なカエル生活よ!』
しかし、私の訴えも虚しく魔法使いはふわりと宙に浮かんだ。
「それじゃあね、サファイア。次に会うときは別の姿になれているといいね。出来れば今度は可愛らしい小動物姿で会いたいな」
は……?
魔法使いの言葉に凍りついた。
『え?!ちょと待ってよ蛙からいきなり人間に戻れるんじゃなかったの?!』
ケロケロと鳴いて訴えるも、時既に遅し。
魔法使いは私に笑みを浮かべると残酷?な言葉を述べた。
「またね、サファイア。次に会えるのを楽しみにしているよ」
そして彼は指をパチンと鳴らし、あっという間にかき消えてしまった。
『こらーっ‼話はまだ終わっていないのよ‼戻ってこーい‼』
ケロケロと私の鳴き声が森に響き渡った――。
おおっ?!こ、これは……何だか身体に力がみなぎってくる気がする。ひょっとしてなにか特別な力が身についたのだろうか?
一方の魔法使いは真剣な表情で呪文を唱え続け……やがてピタリと口を閉ざした。そしてそれと同時に私の身体から光も消える。
「ふ~……少々手間取ったけど、これで大丈夫だろう」
魔法使いは再びメガネを掛けてしまった。
あ~あ……もったいない。せっかくのイケメンがまた牛乳瓶底メガネを掛けちゃったよ。
「うん?何だか不満そうな顔してるね……?だけど、いいかい?これで君はただの呪われた蛙から、明るい未来が見えてきた呪われた蛙に生まれ変わったんだよ?」
『結局呪いはついて回るわけね?何だか気分が悪いんだけど』
どうせ通じないのは分かっていたけれども、ケロケロと私は訴えた。
「いいかい?これから君は人に感謝される行動を取っていくんだよ?誰かが心から君に感謝の言葉を伝えるほどに、呪いの鍵が解除されていく。そうすればいずれ元の姿に戻れるさ。塵も積もれば……という言葉があるだろう?」
『言葉が通じないのに、どうやって人に感謝してもらえるのよ!』
酷い!これではあんまりだ!何か特別な力をつけてくれるかと思っただけに、落胆も激しい。
そんな私の気持ちを他所に魔法使いは言葉を続ける。……まぁ、意思疎通が出来ないのだから無理もないだろう。
「時々、君の様子を見に来るよ。良いことをして徳を積んでいけば、やがて人の言葉も話せるようになる……はずさ。分かったね?」
魔法使いの言葉の間が気になるけれども、ここは彼を信じて頷く私。
「よし、理解してくれたようだね。それじゃ僕はそろそろ行くよ。この森には危険生物はいないはずだから快適な蛙生活を過ごせるはずだよ」
はい?今……この魔法使い、何と言った?
危険生物はいない?快適な蛙生活を過ごせるはずだぁ?!
『ちょっと‼ふざけないでよ‼私はさっき、蛇に食べられそうになったのよ?! どこが快適なカエル生活よ!』
しかし、私の訴えも虚しく魔法使いはふわりと宙に浮かんだ。
「それじゃあね、サファイア。次に会うときは別の姿になれているといいね。出来れば今度は可愛らしい小動物姿で会いたいな」
は……?
魔法使いの言葉に凍りついた。
『え?!ちょと待ってよ蛙からいきなり人間に戻れるんじゃなかったの?!』
ケロケロと鳴いて訴えるも、時既に遅し。
魔法使いは私に笑みを浮かべると残酷?な言葉を述べた。
「またね、サファイア。次に会えるのを楽しみにしているよ」
そして彼は指をパチンと鳴らし、あっという間にかき消えてしまった。
『こらーっ‼話はまだ終わっていないのよ‼戻ってこーい‼』
ケロケロと私の鳴き声が森に響き渡った――。
12
あなたにおすすめの小説
幽霊じゃありません!足だってありますから‼
かな
恋愛
私はトバルズ国の公爵令嬢アーリス・イソラ。8歳の時に木の根に引っかかって頭をぶつけたことにより、前世に流行った乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまったことに気づいた。だが、婚約破棄しても国外追放か修道院行きという緩い断罪だった為、自立する為のスキルを学びつつ、国外追放後のスローライフを夢見ていた。
断罪イベントを終えた数日後、目覚めたら幽霊と騒がれてしまい困惑することに…。えっ?私、生きてますけど
※ご都合主義はご愛嬌ということで見逃してください(*・ω・)*_ _)ペコリ
※遅筆なので、ゆっくり更新になるかもしれません。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
乙女ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
恋愛
「イザベラ、お前との婚約を破棄する!」「はい?」悪役令嬢のイザベラは、婚約者のエドワード王子から婚約の破棄を言い渡されてしまった。男爵家令嬢のアリシアとの真実の愛に目覚めたという理由でだ。さらには義弟のフレッド、騎士見習いのカイン、氷魔法士のオスカーまでもがエドワード王子に同調し、イザベラを責める。そして正義感が暴走した彼らにより、イザベラは殺害されてしまった。「……はっ! ここは……」イザベラが次に目覚めたとき、彼女は七歳に若返っていた。そして、この世界が乙女ゲームだということに気づく。予知夢で見た十年後のバッドエンドを回避するため、七歳の彼女は動き出すのであった。
悪役令嬢アンジェリカの最後の悪あがき
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【追放決定の悪役令嬢に転生したので、最後に悪あがきをしてみよう】
乙女ゲームのシナリオライターとして活躍していた私。ハードワークで意識を失い、次に目覚めた場所は自分のシナリオの乙女ゲームの世界の中。しかも悪役令嬢アンジェリカ・デーゼナーとして断罪されている真っ最中だった。そして下された罰は爵位を取られ、へき地への追放。けれど、ここは私の書き上げたシナリオのゲーム世界。なので作者として、最後の悪あがきをしてみることにした――。
※他サイトでも投稿中
悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません
れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。
「…私、間違ってませんわね」
曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話
…だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている…
5/13
ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます
5/22
修正完了しました。明日から通常更新に戻ります
9/21
完結しました
また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います
処刑された悪役令嬢、二周目は「ぼっち」を卒業して最強チームを作ります!
みかぼう。
恋愛
地方を救おうとして『反逆者』に仕立て上げられ、断頭台で散ったエリアナ・ヴァルドレイン。
彼女の失敗は、有能すぎるがゆえに「独りで背負いすぎたこと」だった。
ループから始まった二周目。
彼女はこれまで周囲との間に引いていた「線」を、踏み越えることを決意した。
「お父様、私に『線を引け』と教えた貴方に、処刑台から見た真実をお話しします」
「殿下、私が貴方の『目』となります。王国に張り巡らされた謀略の糸を、共に断ち切りましょう」
淑女の仮面を脱ぎ捨て、父と王太子を「共闘者」へと変貌させる政争の道。
未来知識という『目』を使い、一歩ずつ確実に、破滅への先手を取っていく。
これは、独りで戦い、独りで死んだ令嬢が、信頼と連帯によって王国の未来を塗り替える――緻密かつ大胆なリベンジ政争劇。
「私を神輿にするのなら、覚悟してくださいませ。……その行き先は、貴方の破滅ですわ」
(※カクヨムにも掲載中です。)
悪役令嬢が行方不明!?
mimiaizu
恋愛
乙女ゲームの設定では悪役令嬢だった公爵令嬢サエナリア・ヴァン・ソノーザ。そんな彼女が行方不明になるというゲームになかった事件(イベント)が起こる。彼女を見つけ出そうと捜索が始まる。そして、次々と明かされることになる真実に、妹が両親が、婚約者の王太子が、ヒロインの男爵令嬢が、皆が驚愕することになる。全てのカギを握るのは、一体誰なのだろう。
※初めての悪役令嬢物です。
ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされ
古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
恋愛
第二回ドリコムメディア大賞一次選考通過作品。
ドジな公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間、前世の記憶を取り戻したのだ。
そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強騎士の恋愛物語になるはずです。でも、その騎士も訳アリで…。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。
皆様のお陰でHOTランキング第4位になりました。有難うございます。
小説家になろう、カクヨムでも連載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる