私が蛙にされた悪役令嬢になるなんて、何かの冗談ですよね?

結城芙由奈@コミカライズ連載中

文字の大きさ
13 / 99

1−12 魔法使いとの再会

しおりを挟む
 でも人の言葉が喋れるようになったのなら、これはチャンス!自分は本当は人間で、呪いにかけられて蛙にされたことを伝えなければ!ついでに沢山感謝してもらえれば、いずれ元の姿に戻れることも……!

「あ、あの……ケロケロッ‼」

 言葉を話そうとした途端、またしても蛙の鳴き声に変わってしまった。

「ケローッ‼」

(そんなーっ‼)

「ケロケロ?!ケロケロケロケロ!ケロケローッ‼」

(嘘でしょう?!何でなのよ!どうしてよーっ‼)

 再びケロケロとしか鳴けなくなった私を見て首を傾げるのはクロードと庭師さん。

「あれ?おかしいな……ついさっき人の言葉を話していたと思ったけど……」

「はい、私も人の言葉を聞いた気がします」

クロードと庭師さんが相談を始めた。

「でも今はケロケロとしか鳴かないなぁ」

「ええ、妙ですよね。空耳かも知れませんね」

『空耳のはず無いでしょう?!ほんとに人の言葉を話したでしょう?!」

「うん、やっぱりベンの言う通り空耳だったんだ。大体人の言葉を話せる蛙がこの世にいるはずないしね」

 庭師さんの話に納得してしまうクロード。

『ええっ!嘘でしょうっ!何で空耳でまとめちゃうのよーっ‼』

 半ば怒りを込めてケロケロと鳴くと、再び余計なことを言う庭師さん。

「クロード様。蛙さんが餌を欲しがっているようですよ?」

「あ、そうだ。ペンダントを見つけてくれたら、とびきりの餌をあげるよと約束していたっけね。よし、それじゃ白蛙さん。ここで待っていてくれるかな?餌を持ってきてあげるよ」

『確かに餌は欲しいけど、私はそんな事言ってないってば‼」

「クロード様、私も行きましょう」

「うん、そうだね。2人で行こう。それじゃまたね。白蛙さん」


「ケロッ‼ケロケロケロッ‼」

(ちょっと‼それより感謝してよ‼)

 しかし私の願いも虚しく、クロードと庭師さんは私に背を向けると談笑しながら去っていく。

『こらーっ‼勝手に行かないでよーっ!!』

 思わずケロケロと叫んだ時――。


「やぁ、サファイア。元気そうだね?」

 突然真上から声が降ってきて、気づけば目の前の景色が一瞬で変わった。



「え?」

 気づけば私は高い木の枝の上に乗っており、目の前にはあの怪しげな魔法使いが同じく枝の上に乗っていた。
 そのあまりの高さに身の毛がよだつ。

「きゃーっ‼高いっ!怖いっ!って……あれ?!」

 何と驚くべきことに、今私の口からは人の言葉が発せられているではないか。

「良かったね?サファイア。ようやく人の言葉が話せる蛙になれたんだね?」

 黒マント姿の胡散臭い魔法使いは私を見て、口元に笑みを浮かべた――。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

幽霊じゃありません!足だってありますから‼

かな
恋愛
私はトバルズ国の公爵令嬢アーリス・イソラ。8歳の時に木の根に引っかかって頭をぶつけたことにより、前世に流行った乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまったことに気づいた。だが、婚約破棄しても国外追放か修道院行きという緩い断罪だった為、自立する為のスキルを学びつつ、国外追放後のスローライフを夢見ていた。 断罪イベントを終えた数日後、目覚めたら幽霊と騒がれてしまい困惑することに…。えっ?私、生きてますけど ※ご都合主義はご愛嬌ということで見逃してください(*・ω・)*_ _)ペコリ ※遅筆なので、ゆっくり更新になるかもしれません。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

乙女ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
恋愛
「イザベラ、お前との婚約を破棄する!」「はい?」悪役令嬢のイザベラは、婚約者のエドワード王子から婚約の破棄を言い渡されてしまった。男爵家令嬢のアリシアとの真実の愛に目覚めたという理由でだ。さらには義弟のフレッド、騎士見習いのカイン、氷魔法士のオスカーまでもがエドワード王子に同調し、イザベラを責める。そして正義感が暴走した彼らにより、イザベラは殺害されてしまった。「……はっ! ここは……」イザベラが次に目覚めたとき、彼女は七歳に若返っていた。そして、この世界が乙女ゲームだということに気づく。予知夢で見た十年後のバッドエンドを回避するため、七歳の彼女は動き出すのであった。

悪役令嬢アンジェリカの最後の悪あがき

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【追放決定の悪役令嬢に転生したので、最後に悪あがきをしてみよう】 乙女ゲームのシナリオライターとして活躍していた私。ハードワークで意識を失い、次に目覚めた場所は自分のシナリオの乙女ゲームの世界の中。しかも悪役令嬢アンジェリカ・デーゼナーとして断罪されている真っ最中だった。そして下された罰は爵位を取られ、へき地への追放。けれど、ここは私の書き上げたシナリオのゲーム世界。なので作者として、最後の悪あがきをしてみることにした――。 ※他サイトでも投稿中

森に捨てられた令嬢、本当の幸せを見つけました。

玖保ひかる
恋愛
[完結] 北の大国ナバランドの貴族、ヴァンダーウォール伯爵家の令嬢アリステルは、継母に冷遇され一人別棟で生活していた。 ある日、継母から仲直りをしたいとお茶会に誘われ、勧められたお茶を口にしたところ意識を失ってしまう。 アリステルが目を覚ましたのは、魔の森と人々が恐れる深い森の中。 森に捨てられてしまったのだ。 南の隣国を目指して歩き出したアリステル。腕利きの冒険者レオンと出会い、新天地での新しい人生を始めるのだが…。 苦難を乗り越えて、愛する人と本当の幸せを見つける物語。 ※小説家になろうで公開した作品を改編した物です。 ※完結しました。

処刑された悪役令嬢、二周目は「ぼっち」を卒業して最強チームを作ります!

みかぼう。
恋愛
地方を救おうとして『反逆者』に仕立て上げられ、断頭台で散ったエリアナ・ヴァルドレイン。 彼女の失敗は、有能すぎるがゆえに「独りで背負いすぎたこと」だった。 ループから始まった二周目。 彼女はこれまで周囲との間に引いていた「線」を、踏み越えることを決意した。 「お父様、私に『線を引け』と教えた貴方に、処刑台から見た真実をお話しします」 「殿下、私が貴方の『目』となります。王国に張り巡らされた謀略の糸を、共に断ち切りましょう」 淑女の仮面を脱ぎ捨て、父と王太子を「共闘者」へと変貌させる政争の道。 未来知識という『目』を使い、一歩ずつ確実に、破滅への先手を取っていく。 これは、独りで戦い、独りで死んだ令嬢が、信頼と連帯によって王国の未来を塗り替える――緻密かつ大胆なリベンジ政争劇。 「私を神輿にするのなら、覚悟してくださいませ。……その行き先は、貴方の破滅ですわ」 (※カクヨムにも掲載中です。)

悪役令嬢が行方不明!?

mimiaizu
恋愛
乙女ゲームの設定では悪役令嬢だった公爵令嬢サエナリア・ヴァン・ソノーザ。そんな彼女が行方不明になるというゲームになかった事件(イベント)が起こる。彼女を見つけ出そうと捜索が始まる。そして、次々と明かされることになる真実に、妹が両親が、婚約者の王太子が、ヒロインの男爵令嬢が、皆が驚愕することになる。全てのカギを握るのは、一体誰なのだろう。 ※初めての悪役令嬢物です。

【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい

宇水涼麻
恋愛
 ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。 「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」  呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。  王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。  その意味することとは?  慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?  なぜこのような状況になったのだろうか?  ご指摘いただき一部変更いたしました。  みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。 今後ともよろしくお願いします。 たくさんのお気に入り嬉しいです! 大変励みになります。 ありがとうございます。 おかげさまで160万pt達成! ↓これよりネタバレあらすじ 第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。 親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。 ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。

処理中です...