私が蛙にされた悪役令嬢になるなんて、何かの冗談ですよね?

結城芙由奈@コミカライズ連載中

文字の大きさ
29 / 99

2-9 金色の瞳

しおりを挟む
「それにしても、今回も随分可愛らしい生き物になったね?白フクロウだなんて。もっとも白蛙の頃の君の姿もとても可愛かったけどね?」

 魔法使いの言葉にギョッとした。

「え?ちょぉ~っと待ってよ……。ひょっとして貴方は次に私が何の生き物に変化するのか……知らないの⁉」

「うん、生憎分知らないんだよ。あれ?でもそれらしいことを示唆したつもりだったんだけどな……?」

 腕組みして考え込む魔法使い。

 うん。確かに会話の要所要所で、それらしいことを言っていた気もするけれど……。

「そ、そんな!それじゃ次に私がどんな生き物になるかすら分からない呪いだっていうの⁉」

 ショックで身体が縮み込んで、半分くらいの細さになってしまう。

「な、何だい⁉そ、その姿は……!クッ……プハッ!アーハッハッハッ……‼」

 再び魔法使いは再びお腹を抑えて笑い始める。
 うん、こうなったらもう無駄だ。諦めて魔法使いが笑い止むのを待つしかあるまい……。

 ホウホウと鳴きながら私は魔法使いが笑い止むのを、月を眺めながら待つことにした――。



**

「ひぃ~……あ~く、苦しかった……」
 
 ひとしきり笑った魔法使いは眼鏡を外して、ハンカチを取り出した。

 ドッキーンッ‼

 再び現れる見目麗しい顔。うう……反則だ……こんなの絶対に反則だ……!
 こんな美形を拝んだら……お、怒れないじゃないの!

 魔法使いは涙を拭い……私の視線に気付いたのか、振り向いた。

「あれ?どうかした?サファイア」


 うわあ……!

 その時、私は気付いた。魔法使いの瞳が月の光に反射するかのように金色に光っていたことを。
 
「すごい……」

 思わず口に出していた。

「え?何が?」

「貴方の瞳って金色に輝いているのね?」

 すると何故か魔法使いは困った顔をする。

「あ……これは……」

 そして眼鏡をかけようとしたので、私は止めた。

「あ!待ってよ!」

「え?な、何?」

「もっと、その目を見せてよ」

「え?だ、だけど……」

「だって、そんなに綺麗な目を見るの……初めてなんだもの」

「え?この……僕の瞳が?綺麗?」

 魔法使いは驚いたように私を見る。

「うん、そうよ。まるで月みたいに光り輝いているじゃない。」

「サファイアは……僕の瞳が怖くないの……?」

「何で怖いの?こんなに素敵なのに?」

「そっか……君は怖くないのか……」

 魔法使いは嬉しそうに私を見て笑う。

「そ、そうよ!ぜーんぜん怖く無いんだから!」

 素敵過ぎる笑顔が眩しすぎて、私はそっぽを向いて返事をする。

「そっか~ありがとう、サファイア。でも君の瞳も青い宝石みたいで綺麗だよ。本当のサファイアみたいにね」

 そして魔法使いは私の頭をそっと撫でた。

 もしかして……この魔法使い、本当はいい人なのかも……。そう思った瞬間、何故か思わず身体がフワッと丸まった。

 すると……。

「な、何だい?そ、それ……ま、まるで風船みたいだ……アーハッハッハッ…‼」

 再び笑い転げる?魔法使い。

 う~前言撤回!やっぱり彼は嫌な最低魔法使いだ――!
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

幽霊じゃありません!足だってありますから‼

かな
恋愛
私はトバルズ国の公爵令嬢アーリス・イソラ。8歳の時に木の根に引っかかって頭をぶつけたことにより、前世に流行った乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまったことに気づいた。だが、婚約破棄しても国外追放か修道院行きという緩い断罪だった為、自立する為のスキルを学びつつ、国外追放後のスローライフを夢見ていた。 断罪イベントを終えた数日後、目覚めたら幽霊と騒がれてしまい困惑することに…。えっ?私、生きてますけど ※ご都合主義はご愛嬌ということで見逃してください(*・ω・)*_ _)ペコリ ※遅筆なので、ゆっくり更新になるかもしれません。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

乙女ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
恋愛
「イザベラ、お前との婚約を破棄する!」「はい?」悪役令嬢のイザベラは、婚約者のエドワード王子から婚約の破棄を言い渡されてしまった。男爵家令嬢のアリシアとの真実の愛に目覚めたという理由でだ。さらには義弟のフレッド、騎士見習いのカイン、氷魔法士のオスカーまでもがエドワード王子に同調し、イザベラを責める。そして正義感が暴走した彼らにより、イザベラは殺害されてしまった。「……はっ! ここは……」イザベラが次に目覚めたとき、彼女は七歳に若返っていた。そして、この世界が乙女ゲームだということに気づく。予知夢で見た十年後のバッドエンドを回避するため、七歳の彼女は動き出すのであった。

悪役令嬢アンジェリカの最後の悪あがき

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【追放決定の悪役令嬢に転生したので、最後に悪あがきをしてみよう】 乙女ゲームのシナリオライターとして活躍していた私。ハードワークで意識を失い、次に目覚めた場所は自分のシナリオの乙女ゲームの世界の中。しかも悪役令嬢アンジェリカ・デーゼナーとして断罪されている真っ最中だった。そして下された罰は爵位を取られ、へき地への追放。けれど、ここは私の書き上げたシナリオのゲーム世界。なので作者として、最後の悪あがきをしてみることにした――。 ※他サイトでも投稿中

悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません

れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。 「…私、間違ってませんわね」 曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話 …だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている… 5/13 ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます 5/22 修正完了しました。明日から通常更新に戻ります 9/21 完結しました また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います

処刑された悪役令嬢、二周目は「ぼっち」を卒業して最強チームを作ります!

みかぼう。
恋愛
地方を救おうとして『反逆者』に仕立て上げられ、断頭台で散ったエリアナ・ヴァルドレイン。 彼女の失敗は、有能すぎるがゆえに「独りで背負いすぎたこと」だった。 ループから始まった二周目。 彼女はこれまで周囲との間に引いていた「線」を、踏み越えることを決意した。 「お父様、私に『線を引け』と教えた貴方に、処刑台から見た真実をお話しします」 「殿下、私が貴方の『目』となります。王国に張り巡らされた謀略の糸を、共に断ち切りましょう」 淑女の仮面を脱ぎ捨て、父と王太子を「共闘者」へと変貌させる政争の道。 未来知識という『目』を使い、一歩ずつ確実に、破滅への先手を取っていく。 これは、独りで戦い、独りで死んだ令嬢が、信頼と連帯によって王国の未来を塗り替える――緻密かつ大胆なリベンジ政争劇。 「私を神輿にするのなら、覚悟してくださいませ。……その行き先は、貴方の破滅ですわ」 (※カクヨムにも掲載中です。)

悪役令嬢が行方不明!?

mimiaizu
恋愛
乙女ゲームの設定では悪役令嬢だった公爵令嬢サエナリア・ヴァン・ソノーザ。そんな彼女が行方不明になるというゲームになかった事件(イベント)が起こる。彼女を見つけ出そうと捜索が始まる。そして、次々と明かされることになる真実に、妹が両親が、婚約者の王太子が、ヒロインの男爵令嬢が、皆が驚愕することになる。全てのカギを握るのは、一体誰なのだろう。 ※初めての悪役令嬢物です。

ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされ

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
恋愛
第二回ドリコムメディア大賞一次選考通過作品。 ドジな公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間、前世の記憶を取り戻したのだ。 そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。 「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。 冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強騎士の恋愛物語になるはずです。でも、その騎士も訳アリで…。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。 皆様のお陰でHOTランキング第4位になりました。有難うございます。 小説家になろう、カクヨムでも連載中です。

処理中です...