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第45話 悪役令息、ヒロインと学食へ行く
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僕はエディットの手を引きながら長い廊下を歩いていた。
50m?程歩いたところでピタリと足を止めるとエディットを振り返った。
「よし、ここまで来れば大丈夫だろう?」
そしてエディットの手を離すと声を掛けた。
「エディット、大丈夫だったかい?」
「は、はい。私は……大丈夫です。アドルフ様が来て下さりましたから」
エディットは顔を赤らめながら僕を見上げた。
「なら良かった。あの子達の話していたことは絶対に真に受けないでくれるかな?僕はそんな人間じゃないからね?」
絶対にを強調してエディットに弁明する。
「はい、勿論です。アドルフ様がそんな方では無いことは十分分かっていますから」
エディットの言っている『そんな方』とはどんな方を意味しているのかは分からないけれど、少なくともビクトリアやエレナ達の言葉を真に受けてくれないようで一安心だ。
「ところでエディット、僕に何か用があったの?」
そう言えばまだエディットが何故僕のクラスに現れたのか理由を聞いていなかった。
「は、はい……。あ、あのアドルフ様と御一緒にお昼を……頂きたくて……。あの、ご迷惑でしたか?」
赤い顔で僕を見上げてくるエディットはとても可愛らしかった。
「アハハハ……迷惑なわけ無いだろう?」
エレナ達の様子で少し分かったけれども、どうやらこの学院は身分よりも学力を重視するようだ。現に彼女たちはAクラスのエディットに何だかコンプレックスを抱いているように感じた。
きっとAクラスとCクラスの学生たちは……仲が悪いんだろうな……。
僕はエディットをじっと見つめた。
「あ、あのアドルフ様?」
エディットはとても気が弱い女性だ。それなのにわざわざ僕とお昼を一緒に食べる為にCクラスまで迎えに来てくれたのか……。
さぞかし、勇気がいったに違いない。
「ありがとう、エディット」
エディットをねぎらう為、笑いながら頭を撫でてあげた。まるで、かつて妹にしてあげたように……。
「あ……」
途端にエディットが耳まで真っ赤になる。
しまった!あまりに子供っぽいことをしてしまったかもしれない。
「ご、ごめん。突然頭を撫でたりして……」
慌てて手を離して謝った。
「い、いえ。そんな……どうか、謝らないで下さい。そ、それでは食事に行きませんか?」
「うん、そうだね。ところでエディット。僕は……」
「記憶が無いから場所が分からないのですよね?ご案内しますね」
エディットは、はにかんだ笑顔で僕を見た――。
****
「こちらの学生食堂が私のおすすめなんです」
エディットが連れてきてくれた場所は学院の中庭に建てられたカフェテリアだった。赤いレンガ造りの大きな建物はオープンテラスも併設されていて、丸テーブルに向かい合って食事を楽しむ学生たちで溢れていた。
「へ~…素敵な場所だね。まるでおしゃれなカフェみたいだ」
「かふぇ…?かふぇとは何でしょう?」
首を傾げるエディット。
しまった!つい、いつもの癖で前世の知識を口にしてしまった。
けれど……うん、カフェの説明なら僕にも出来る。
「カフェっていうのはね、コーヒーや軽食を提供してくれるお店のことを言うんだよ」
「そうなのですか?でも学生食堂って言うよりはずっとお洒落な響きですね。では、カフェに入りませんか?」
「うん、行こう」
そして僕達は一緒に店内へ足を踏み入れた。
**
2人が選んだメニューは僕がAセットで、エディットはレディースセットだった。
ちなみにAセットはいわゆるカレーライスとサラダにコーヒーのセットで、レディースセットはグラタンとサラダにオレンジジュースのセットだった。
……この辺はどこか日本的なんだよなぁ…。流石漫画の世界だ。
2人でオープンテラスの丸テーブルに向かい合わせに座ると早速エディットに話しかけた。
「席が空いていて良かったね」
「アドルフ様のお陰です。私1人なら席を見つけられなかったかもしれません」
そしてエディットはオレンジジュースを一口飲んで笑みを浮かべた。
きっとオレンジジュースが好きなんだろうな。
「そう言えば、エディット。本当は友達と一緒に食事をするはずだったんじゃないのかい?」
「ええ、そうなんですけど……ただ、お友達がみんな新しく出来た恋人と一緒にお昼を食べに行ってしまって……。あ、でもだからと言ってアドルフ様をお誘いしたわけではありませんから。ただ…一緒にお昼を頂きたくて……」
エディットは顔を赤らめながら俯いた。
「そうだったんだね?そう思ってくれるなんて嬉しいよ」
よし、現段階では僕はエディットから嫌われていないことがこれで分かった。
このまま、エディットとの仲を良好に保っていけば万一のことがあっても僕は追放されなくて済みそうだ。
「それじゃ、冷めないうちに食べようか?」
「はい」
そして僕達は2人で仲良く食事を始めた――。
50m?程歩いたところでピタリと足を止めるとエディットを振り返った。
「よし、ここまで来れば大丈夫だろう?」
そしてエディットの手を離すと声を掛けた。
「エディット、大丈夫だったかい?」
「は、はい。私は……大丈夫です。アドルフ様が来て下さりましたから」
エディットは顔を赤らめながら僕を見上げた。
「なら良かった。あの子達の話していたことは絶対に真に受けないでくれるかな?僕はそんな人間じゃないからね?」
絶対にを強調してエディットに弁明する。
「はい、勿論です。アドルフ様がそんな方では無いことは十分分かっていますから」
エディットの言っている『そんな方』とはどんな方を意味しているのかは分からないけれど、少なくともビクトリアやエレナ達の言葉を真に受けてくれないようで一安心だ。
「ところでエディット、僕に何か用があったの?」
そう言えばまだエディットが何故僕のクラスに現れたのか理由を聞いていなかった。
「は、はい……。あ、あのアドルフ様と御一緒にお昼を……頂きたくて……。あの、ご迷惑でしたか?」
赤い顔で僕を見上げてくるエディットはとても可愛らしかった。
「アハハハ……迷惑なわけ無いだろう?」
エレナ達の様子で少し分かったけれども、どうやらこの学院は身分よりも学力を重視するようだ。現に彼女たちはAクラスのエディットに何だかコンプレックスを抱いているように感じた。
きっとAクラスとCクラスの学生たちは……仲が悪いんだろうな……。
僕はエディットをじっと見つめた。
「あ、あのアドルフ様?」
エディットはとても気が弱い女性だ。それなのにわざわざ僕とお昼を一緒に食べる為にCクラスまで迎えに来てくれたのか……。
さぞかし、勇気がいったに違いない。
「ありがとう、エディット」
エディットをねぎらう為、笑いながら頭を撫でてあげた。まるで、かつて妹にしてあげたように……。
「あ……」
途端にエディットが耳まで真っ赤になる。
しまった!あまりに子供っぽいことをしてしまったかもしれない。
「ご、ごめん。突然頭を撫でたりして……」
慌てて手を離して謝った。
「い、いえ。そんな……どうか、謝らないで下さい。そ、それでは食事に行きませんか?」
「うん、そうだね。ところでエディット。僕は……」
「記憶が無いから場所が分からないのですよね?ご案内しますね」
エディットは、はにかんだ笑顔で僕を見た――。
****
「こちらの学生食堂が私のおすすめなんです」
エディットが連れてきてくれた場所は学院の中庭に建てられたカフェテリアだった。赤いレンガ造りの大きな建物はオープンテラスも併設されていて、丸テーブルに向かい合って食事を楽しむ学生たちで溢れていた。
「へ~…素敵な場所だね。まるでおしゃれなカフェみたいだ」
「かふぇ…?かふぇとは何でしょう?」
首を傾げるエディット。
しまった!つい、いつもの癖で前世の知識を口にしてしまった。
けれど……うん、カフェの説明なら僕にも出来る。
「カフェっていうのはね、コーヒーや軽食を提供してくれるお店のことを言うんだよ」
「そうなのですか?でも学生食堂って言うよりはずっとお洒落な響きですね。では、カフェに入りませんか?」
「うん、行こう」
そして僕達は一緒に店内へ足を踏み入れた。
**
2人が選んだメニューは僕がAセットで、エディットはレディースセットだった。
ちなみにAセットはいわゆるカレーライスとサラダにコーヒーのセットで、レディースセットはグラタンとサラダにオレンジジュースのセットだった。
……この辺はどこか日本的なんだよなぁ…。流石漫画の世界だ。
2人でオープンテラスの丸テーブルに向かい合わせに座ると早速エディットに話しかけた。
「席が空いていて良かったね」
「アドルフ様のお陰です。私1人なら席を見つけられなかったかもしれません」
そしてエディットはオレンジジュースを一口飲んで笑みを浮かべた。
きっとオレンジジュースが好きなんだろうな。
「そう言えば、エディット。本当は友達と一緒に食事をするはずだったんじゃないのかい?」
「ええ、そうなんですけど……ただ、お友達がみんな新しく出来た恋人と一緒にお昼を食べに行ってしまって……。あ、でもだからと言ってアドルフ様をお誘いしたわけではありませんから。ただ…一緒にお昼を頂きたくて……」
エディットは顔を赤らめながら俯いた。
「そうだったんだね?そう思ってくれるなんて嬉しいよ」
よし、現段階では僕はエディットから嫌われていないことがこれで分かった。
このまま、エディットとの仲を良好に保っていけば万一のことがあっても僕は追放されなくて済みそうだ。
「それじゃ、冷めないうちに食べようか?」
「はい」
そして僕達は2人で仲良く食事を始めた――。
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