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第47話 生じる疑念
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昼休みも終わりに近づき、僕とエディットはAクラスの前に戻ってきていた。
「あの、それではアドルフ様。放課後、校舎の出入り口で待ち合わせで宜しいですよね?」
「うん、そうしよう。ほら、エディットは……もう、Cクラスには来ないほうがいいからさ?また他の学生に難癖つけられるかもしれないだろう?エディットを辛い目に遭わせたくはないからさ」
そう、ついに原作のヒーローがエディットの前に現れてしまった。
しかもどうやら出会ったときから?エディットに執着しているようだし。
僕が彼女を傷つけるような真似をしようものなら、途端に目をつけられて追放の末路は免れないだろう。
自分の身の保全の為にもエディットが少しでも傷つけられたり嫌な目に遭わされるのは全力で防がないと。
そんな僕の言葉をエディットは好意的に取ってくれたようだ。
「アドルフ様……ありがとうございます。私、すごく嬉しいです。そんな風に仰って下さるなんて」
エディットは顔を真っ赤にさせながら俯いた。
うん、やっぱりシャイなエディットはとても可愛らしいな。
「アハハハ…お礼なんて言わなくていいって。そんなのは当然のことだから」
そしてつい癖?でエディットの頭を撫でたその時……何やら視線を感じた。
「?」
思わずエディットの頭から手を引っ込めて視線を追うと、エディットの教室の中からこちらをじっと見つめている人物がいた。
その人物は……。
「王子……」
視線の主はこの世界のヒロインである王子だった。彼は僕と目が合うと視線をそらせて窓の方を向いてしまった。
一体今のは……?
「あの、アドルフ様?」
「あ、な、何?」
エディットに声を掛けられ、我に返った。
「今、王子とおっしゃいましたか?」
「い、いや。言ってないよ。ところで、今日転校してきた男子学生だけど、名前は何て言うのかな?」
「はい、セドリック・ジョンソンと言う名前です」
「セドリック……」
やはりそうだ。
確か原作でもセドリックと言う名前は実名だった。けれど、ラストネームは身元を隠す為にありきたりな名字を使っていたはずだ。
「どうかされましたか?」
「ううん、いい名前だなって思っただけだよ。それじゃ、僕はそろそろ教室へ戻るね。また放課後に会おう」
「はい、ではまた」
そして僕達は笑顔で手を振りあった。
……その時も王子…セドリックの視線を感じながら――。
****
教室へ戻ると、早速僕は悪友たちに取り囲まれた。
「おい!アドルフッ!お前一体何処へ行ってたんだよ!」
肩をガシッと掴んできたのはブラッドリーだ。
「どこって……エディットと2人で食事をしてきただけだよ」
「お前なぁ…あの後、大変だったんだぞ?」
呆れた様子で声を掛けてきたのはラモンだった。
「大変て…何が?」
首を傾げると、エミリオがため息をついた。
「あの後、エレナたちが俺たちに文句を言ってきたんだよ。アドルフは一体どういうつもりだって」
「どういうつもりって……」
「いつの間にあんなにエディットと親しくなったんだって俺たちを責めてくるんだぜ?あれ程エディットの悪口を言っていたのに、どういうつもりだってな」
ブラッドリーが説明してくれた。
「どういうつもりも何も……何度も言ってるじゃないか。馬に蹴られてから生まれ変わったんだって。今までの自分はどうかしていたんだよ。やっぱり女性には親切にしてあげないといけないってね。ましてやエディットは僕の(まだ)婚約者なんだから」
すると僕の言葉にラモンとエミリオが驚きの声を上げた。
「げっ!」
「マジかよっ!」
「な?俺の言ったとおりだろ?」
そこへ何故かしたり顔のブラッドリー。
「それじゃお前、やっぱり来月の創立記念パーティーのパートナーはエディットにするんだな?」
エミリオが尋ねてきた。
「そうだよ、もうエディットには申し込んであるからね」
すると、ラモンが頭を抱えた。
「あ~もう!何て事してくれたんだよっ!お前がエレナたちを怒らせてしまったから、彼女たちにパートナーの誘いを断られてしまったんだよっ!」
「え?まさか彼女たちを誘う気だったのかい?」
「何言ってるんだアドルフ。元はと言えばお前が先に言い出したことだろうがっ!」
ブラッドリーに言われるも、僕にはその記憶がさっぱり無いからどうしても他人事にしか感じられない。
でも僕のせいだというなら、謝らなければ。
「ごめん、悪かったよ。許してくれ無いかな?」
「「「……」」」
すると何故か冷めた目でこちらを見る悪友たち。
「な、何?」
「謝られてもなぁ……」
「ああ、全くだ」
「少しも誠意を感じられない」
ブラッドリー、ラモン、エミリオが不満そうに僕を見る。
「まぁまぁ、パーティーまで後一月あるわけだし…今からパートナーを探せば見つかるんじゃないかな?」
すると僕の言葉にブラッドリーが反論した。
「何、脳天気なこと言ってるんだよ。いいか?女子学生たちはなぁ…あっという間に今日転校してきたAクラスの転校生に夢中なんだよ!」
「え?」
「ああ、そうさ。全く驚いたよ。学食に10人近い女子学生を引き連れてやってきた時は」
エミリオがふてくされている。
「顔がいい男は得だよな」
最後にラモンはため息をついた。
嘘だろう?
あの王子が…大勢の女子学生を引き連れて?
何故なら漫画の中の彼は誠実な人物で、大勢の女子学生を引き連れて歩くようなことは一度も無かった。
逆にエディットという婚約者がいながら多くの女子学生を引き連れていた僕……アドルフを軽蔑していたのに?
一体、王子はどうしてしまったのだろう……?
僕の中で、王子への違和感がまた少し大きくなった――。
「あの、それではアドルフ様。放課後、校舎の出入り口で待ち合わせで宜しいですよね?」
「うん、そうしよう。ほら、エディットは……もう、Cクラスには来ないほうがいいからさ?また他の学生に難癖つけられるかもしれないだろう?エディットを辛い目に遭わせたくはないからさ」
そう、ついに原作のヒーローがエディットの前に現れてしまった。
しかもどうやら出会ったときから?エディットに執着しているようだし。
僕が彼女を傷つけるような真似をしようものなら、途端に目をつけられて追放の末路は免れないだろう。
自分の身の保全の為にもエディットが少しでも傷つけられたり嫌な目に遭わされるのは全力で防がないと。
そんな僕の言葉をエディットは好意的に取ってくれたようだ。
「アドルフ様……ありがとうございます。私、すごく嬉しいです。そんな風に仰って下さるなんて」
エディットは顔を真っ赤にさせながら俯いた。
うん、やっぱりシャイなエディットはとても可愛らしいな。
「アハハハ…お礼なんて言わなくていいって。そんなのは当然のことだから」
そしてつい癖?でエディットの頭を撫でたその時……何やら視線を感じた。
「?」
思わずエディットの頭から手を引っ込めて視線を追うと、エディットの教室の中からこちらをじっと見つめている人物がいた。
その人物は……。
「王子……」
視線の主はこの世界のヒロインである王子だった。彼は僕と目が合うと視線をそらせて窓の方を向いてしまった。
一体今のは……?
「あの、アドルフ様?」
「あ、な、何?」
エディットに声を掛けられ、我に返った。
「今、王子とおっしゃいましたか?」
「い、いや。言ってないよ。ところで、今日転校してきた男子学生だけど、名前は何て言うのかな?」
「はい、セドリック・ジョンソンと言う名前です」
「セドリック……」
やはりそうだ。
確か原作でもセドリックと言う名前は実名だった。けれど、ラストネームは身元を隠す為にありきたりな名字を使っていたはずだ。
「どうかされましたか?」
「ううん、いい名前だなって思っただけだよ。それじゃ、僕はそろそろ教室へ戻るね。また放課後に会おう」
「はい、ではまた」
そして僕達は笑顔で手を振りあった。
……その時も王子…セドリックの視線を感じながら――。
****
教室へ戻ると、早速僕は悪友たちに取り囲まれた。
「おい!アドルフッ!お前一体何処へ行ってたんだよ!」
肩をガシッと掴んできたのはブラッドリーだ。
「どこって……エディットと2人で食事をしてきただけだよ」
「お前なぁ…あの後、大変だったんだぞ?」
呆れた様子で声を掛けてきたのはラモンだった。
「大変て…何が?」
首を傾げると、エミリオがため息をついた。
「あの後、エレナたちが俺たちに文句を言ってきたんだよ。アドルフは一体どういうつもりだって」
「どういうつもりって……」
「いつの間にあんなにエディットと親しくなったんだって俺たちを責めてくるんだぜ?あれ程エディットの悪口を言っていたのに、どういうつもりだってな」
ブラッドリーが説明してくれた。
「どういうつもりも何も……何度も言ってるじゃないか。馬に蹴られてから生まれ変わったんだって。今までの自分はどうかしていたんだよ。やっぱり女性には親切にしてあげないといけないってね。ましてやエディットは僕の(まだ)婚約者なんだから」
すると僕の言葉にラモンとエミリオが驚きの声を上げた。
「げっ!」
「マジかよっ!」
「な?俺の言ったとおりだろ?」
そこへ何故かしたり顔のブラッドリー。
「それじゃお前、やっぱり来月の創立記念パーティーのパートナーはエディットにするんだな?」
エミリオが尋ねてきた。
「そうだよ、もうエディットには申し込んであるからね」
すると、ラモンが頭を抱えた。
「あ~もう!何て事してくれたんだよっ!お前がエレナたちを怒らせてしまったから、彼女たちにパートナーの誘いを断られてしまったんだよっ!」
「え?まさか彼女たちを誘う気だったのかい?」
「何言ってるんだアドルフ。元はと言えばお前が先に言い出したことだろうがっ!」
ブラッドリーに言われるも、僕にはその記憶がさっぱり無いからどうしても他人事にしか感じられない。
でも僕のせいだというなら、謝らなければ。
「ごめん、悪かったよ。許してくれ無いかな?」
「「「……」」」
すると何故か冷めた目でこちらを見る悪友たち。
「な、何?」
「謝られてもなぁ……」
「ああ、全くだ」
「少しも誠意を感じられない」
ブラッドリー、ラモン、エミリオが不満そうに僕を見る。
「まぁまぁ、パーティーまで後一月あるわけだし…今からパートナーを探せば見つかるんじゃないかな?」
すると僕の言葉にブラッドリーが反論した。
「何、脳天気なこと言ってるんだよ。いいか?女子学生たちはなぁ…あっという間に今日転校してきたAクラスの転校生に夢中なんだよ!」
「え?」
「ああ、そうさ。全く驚いたよ。学食に10人近い女子学生を引き連れてやってきた時は」
エミリオがふてくされている。
「顔がいい男は得だよな」
最後にラモンはため息をついた。
嘘だろう?
あの王子が…大勢の女子学生を引き連れて?
何故なら漫画の中の彼は誠実な人物で、大勢の女子学生を引き連れて歩くようなことは一度も無かった。
逆にエディットという婚約者がいながら多くの女子学生を引き連れていた僕……アドルフを軽蔑していたのに?
一体、王子はどうしてしまったのだろう……?
僕の中で、王子への違和感がまた少し大きくなった――。
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