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第177話 あの時はごめん
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「え?これを僕に……?」
まさか、あの時手芸店に行ったのは僕のセーターを編む為だったなんて……。
「はい。アドルフ様は青がお好きなので、青いセータを編みました」
良く見ると、このセーターは複雑な模様が編みこまれている。
「大変だったんじゃないの?こんなに模様が編みこまれているんだから」
サチは編み物が好きでよく色々な物を編んでいたから分かる。模様編みあがどれ程大変かということを。
「はい。それでお休みの間、ずっと部屋に籠って編んでいました。今夜はアドルフ様のパートナーとして初めてパーティーに出席する記念日だったので」
恥ずかしそうに頬を染めるエディット。
「ありがとう……。宝物のように大切に着るよ」
本当は部屋に飾っておきたいくらいだけど、エディットが編んでくれたセーターだ。大切に着よう。
そう言えば思い出した。原作の世界でもエディットがセドリックにセーターを編んでプレゼントするシーンがあった。
確か常磐色《ときわいろ》だった気がする。
「でも……これでようやくアドルフ様にセーターを渡すことが出来ました」
笑みを浮かべるエディット。
「アハハ……。ようやくだなんて、随分大袈裟な言い方をするんだね。でも、本当に嬉しいよ。色も素敵だし、何よりとても暖かいし」
「私もこの花束……。とても嬉しいです。帰宅したら部屋に飾りますね?」
エディットはバラの花束を抱えて僕を見つめた――。
****
馬車が学院の正門を潜り抜ける頃――
太陽が沈み、空は赤と青の美しいグラデーションに染まっていた。
「アドルフ様、マジックアワーの空ですね」
エディットが窓の空を眺めた。
「うん、そうだね。綺麗なマジックアワーだよ」
パーティー会場として使われる建物は学院の別館にある大ホールだった。すでにくの馬車が集まり、ドレスアップした学生たちがそれぞれペアになって降りて来る。
中には1人で降りて来る男子学生も何人かはいたけれども、今の所、1人で馬車から降りる女子学生は誰もいない。
良かった……。エディットを1人にさせないで。
原作のエディットは1人きりでパーティーに出席したから、どんなにか辛かっただろう。
「アドルフ様」
不意に向かい側に座っていたエディットが声を掛けて来た。
「何?」
「今夜は、私と一緒にパーティーに参加して下さって本当にありがとうございます」
「お礼なんて言わなくていいよ。それより謝らせてくれないかな?」
「謝る……?」
首を傾げるエディット。
「うん。僕以外に一緒に参加してくれそうな相手はいないのかなって言ったことだよ。あの時はどうかしていたんだと思う。本当にごめんね」
頭を下げるとエディットは首を振った。
「いえ、いいんです。だって、今は私をパートナーにして下さったではありませんか」
「エディット……」
その時、馬車が止まって男性御者が「到着致しました」と言って扉を開けてくれた。
「うん、ありがとう」
男性御者にお礼を述べて、エディットの方を向くと、手を差し出した。
「それじゃ、エディット。行こうか?」
「はい」
そしてこの世界のヒロインは僕の手を取り、笑みを浮かべた――。
まさか、あの時手芸店に行ったのは僕のセーターを編む為だったなんて……。
「はい。アドルフ様は青がお好きなので、青いセータを編みました」
良く見ると、このセーターは複雑な模様が編みこまれている。
「大変だったんじゃないの?こんなに模様が編みこまれているんだから」
サチは編み物が好きでよく色々な物を編んでいたから分かる。模様編みあがどれ程大変かということを。
「はい。それでお休みの間、ずっと部屋に籠って編んでいました。今夜はアドルフ様のパートナーとして初めてパーティーに出席する記念日だったので」
恥ずかしそうに頬を染めるエディット。
「ありがとう……。宝物のように大切に着るよ」
本当は部屋に飾っておきたいくらいだけど、エディットが編んでくれたセーターだ。大切に着よう。
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確か常磐色《ときわいろ》だった気がする。
「でも……これでようやくアドルフ様にセーターを渡すことが出来ました」
笑みを浮かべるエディット。
「アハハ……。ようやくだなんて、随分大袈裟な言い方をするんだね。でも、本当に嬉しいよ。色も素敵だし、何よりとても暖かいし」
「私もこの花束……。とても嬉しいです。帰宅したら部屋に飾りますね?」
エディットはバラの花束を抱えて僕を見つめた――。
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馬車が学院の正門を潜り抜ける頃――
太陽が沈み、空は赤と青の美しいグラデーションに染まっていた。
「アドルフ様、マジックアワーの空ですね」
エディットが窓の空を眺めた。
「うん、そうだね。綺麗なマジックアワーだよ」
パーティー会場として使われる建物は学院の別館にある大ホールだった。すでにくの馬車が集まり、ドレスアップした学生たちがそれぞれペアになって降りて来る。
中には1人で降りて来る男子学生も何人かはいたけれども、今の所、1人で馬車から降りる女子学生は誰もいない。
良かった……。エディットを1人にさせないで。
原作のエディットは1人きりでパーティーに出席したから、どんなにか辛かっただろう。
「アドルフ様」
不意に向かい側に座っていたエディットが声を掛けて来た。
「何?」
「今夜は、私と一緒にパーティーに参加して下さって本当にありがとうございます」
「お礼なんて言わなくていいよ。それより謝らせてくれないかな?」
「謝る……?」
首を傾げるエディット。
「うん。僕以外に一緒に参加してくれそうな相手はいないのかなって言ったことだよ。あの時はどうかしていたんだと思う。本当にごめんね」
頭を下げるとエディットは首を振った。
「いえ、いいんです。だって、今は私をパートナーにして下さったではありませんか」
「エディット……」
その時、馬車が止まって男性御者が「到着致しました」と言って扉を開けてくれた。
「うん、ありがとう」
男性御者にお礼を述べて、エディットの方を向くと、手を差し出した。
「それじゃ、エディット。行こうか?」
「はい」
そしてこの世界のヒロインは僕の手を取り、笑みを浮かべた――。
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