目覚めれば、自作小説の悪女になっておりました

結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売

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第2章 1 決闘

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1

目覚めの良い朝だ—。
ベッドから起き上がると私は思い切り伸びをした。今日するべき事は決まっている。
床に置かれたトランクケースを持って、朝一番でセント・レイズシティへ売りに行くのだ。早目に学院を出ないと誰かに見つかった時厄介だ。
そしてそのまま町で時間を潰し・・・夜7時にジョセフ先生と合流。
一緒に夜ご飯を食べて、二人で流星群を見る・・・。流星群か・・・日本にいた時もたまに見に行ったことがあったっけ。でも結局その辺で済ませたので星があまり見えなかったのは残念だった。けど、この世界はまるでプラネタリウムのように素敵な夜空が見える。きっと流星群も素敵なんだろうな・・・。

 所で問題なのはグレイの方だ。大丈夫だったかな?昨夜は少々飲ませ過ぎてしまったかもしれない。まさか、グレイがあのような行動に出るとは思いもしなかったが、あれはお酒のせい、つまり私のせいでもある。

 後で様子を伺いに・・・あ、でもどうやって連絡を取ればいいのだ?マリウスに等絶対に頼むわけには行かないし・・・。偶然出会うのを待つしか無いかな?

 私はベッドから起き上がると、外出着に着替えた。
窓の外を見ると、うっすらと木々に雪が積もっている。昨夜眠っている間に降ったのだろう。寒そうだ・・・・外に出るのが億劫だけど、そうも言っていられない。

防寒着のコートを羽織ると、自分を奮い立たせるために言った。
「よし、行こうっ!」


 朝早くに学院を出たので、誰にも知り合いに会うことなく町に入る事が出来た。
う~ん・・少々早く来すぎたかな?まだお店は開いていない様だ・・・。お腹も空いたし、よし。カフェに入って朝食を食べよう!
 トランクケースを引きずりながら歩き回る事約10分。中々空いてるカフェが見つからない。ふう・・・疲れた。
私はトランクケースを椅子がわりにし、町の光景を見ていた。
大勢の人々が行き交いしている。人々の会話で今日は流星群が降って来るので、どうもお祭りが開催されるらしい事を知る。それを聞いた私のテンションは益々上がって来る。暫くの間、そうしていたがじっとしていると寒さが応えて来る。
仕方が無い・・・ここに居ても寒いだけだ。
私は再び立ち上がり、カフェを目指して歩いていると・・・・。

「ジェシカお嬢様。」
ヒイイッ!ま、まさかその声は・・・・っ!
恐る恐る後ろを振り返る私。案の定、そこには無駄に笑みをたたえたマリウスが立っていたのだ。悔しい事に相変わらずのイケメンぶりだ。しかし私は知っている。この男はどうしようもないM男の上、内面には恐ろしい狂気を秘めていると言う事を!

「お、おはよう・・・マリウス。」
私は引きつりながら笑みを浮かべて朝の挨拶をした。

「おはようございます、ジェシカお嬢様。こんなに朝早くから町へ出てこられて一体何をされるおつもりなのですか?おや?それにしては随分と大きな荷物をお持ちですね?私がお持ち致します。何、当然の事です。私はお嬢様の下僕なのですから。」

言うが早いか、私の手からトランクケースをサッと取ると空いてる左手で私が逃げられないように右手をしっかりホールドする。

「あの、ねえ?マリウスっ!」
けれども私の呼びかけに耳を貸さないマリウス。

「お嬢様、朝食はまだ召し上がっていらっしゃいませんよね?私もです。一緒にここで朝食を食べに参りましょう。この近くで良い店を知っております。そこは営業時間が早いので、もう開店しておりますよ?」

そして有無を言わさず、私の手を引いてどんどん歩いて行く。これではまるで拉致だ。それにしてもこんな広い町でよくも私を見つけられたものだ。やはりこれも例のマーキングのせいなのだろうか・・・?
そんな私の心の内を読み取ったのかマリウスが振り返ると話しかけてきた。

「お嬢様、何故私がすぐに探し出せたのか気になっていらっしゃいますね?」

「ま、まあそれは確かに・・・。」

「そんなのは簡単ですよ。前にも言ったでしょう?お嬢様にマーキングをしてあるからだと・・・。でも時間が大分経過してしまったので、見つけるのに少々時間がかかってしまいましたけどね。」

そしてマリウスは色気たっぷりの目で私を見つめながら、何と自分の指先で私の唇をなぞるでは無いか。

「な・・・何するのよっ!」
私は真っ赤になってマリウスの手を振り離した。こ、この男は・・・とんだ獣だっ!
本当にこれ以上一緒にいると、今度こそ私のて、貞操の危機が・・っ!

「フフフ・・・。やはりお嬢様はとても可愛らしいお方ですね・・。さあ、もっと私を侮蔑する目で睨み付けて、罵りの言葉をぶつけて下さい。」

「マ・・・マリウス・・・。貴方、まさかそれが目的で私をからかってる訳・・?」
私は距離を置きながらマリウスに言った。

「いいえ、まさか。」

マリウスは肩をすくめて言った。

「お嬢様が愛しくてたまらないからですよ?」

含み笑いしながら言うマリウス。ゾゾゾゾッ!いやだ、鳥肌が立つ、悪寒が走る。気持ち悪い、気持ち悪い!どうしてこんな変態に付きまとわれ、振り回されなければならないのだ。よし、決めたっ!冬の休暇で帰省したらジェシカの父親に頼んで、マリウスを解雇してもらおうっ!

 そんな私の考えを他所に、再びマリウスは私の右手を握りしめると歩き出す。
誰か助けてくれないかなあ・・・。辺りをキョロキョロ見回しても生憎知り合いは誰も居ない。こうなったらカフェで朝食を食べた後、何とかしてマリウスを学院へと追い返さなければジョセフ先生と流星群すら見れなくなってしまう―!

「あ、着きましたよ。お嬢様。」

マリウスがある1軒のカフェの前で足を止めた。

「さ、中へ入りましょう。」

マリウスがドアを開けて先に私を中へと通す。

「温かい・・・。」
店内は大きな暖炉が置かれ、温かな空気で溢れている。


 そして私とマリウスはモーニングセットを注文した。
店内には品の良いレコードの音楽がかかっている。お客は私を含めて数人、同じ学院の数名の女生徒達が座っており、こちらをチラチラ見ては何か囁いている。
女生徒達が見つめているのは恐らくマリウスなのだろう。全員頬を赤らめているのだから一目瞭然だ。
本当に、こんな男で良ければ熨斗を付けて渡してやりたい。誰か受け取ってくれないかなあ・・・。
 そんな事をボンヤリ考えているとマリウスは声をかけてきた。

「ところで、お嬢様。昨夜はどちらへいらしていたのですか?」

その質問きたーっ!
つ、ついに私の恐れていた質問が来てしまった。どうしよう、グレイと一緒に町でお酒を飲んできたと伝えても良いのだろうか??

その時だ。

「お待たせいたしました。」

店員が2人分のモーニングセットを運んできた。おおっ!なんてラッキーなの!
「ほ、ほらマリウス。冷めないうちに食べちゃおうよ。ね?うわ~美味しそう!」
私はわざとらしく大袈裟に言うと、食事に没頭し始めた。
マリウスもそんな私を見て渋々、食事を始める。よし、よし、このまま何事も無く・・・。


「ああ、美味しかった。」
私はテーブルナプキンで口元を拭きながら言った。

「それで、先程の続きを教えて頂けますか?」

ああっ!やっぱり忘れていなかったのね?どうしよう、どうしよう・・・。私は頭をめまぐるしくフル活動させ、思い立った。
ごめんね、グレイ・・・。貴方には悪いけど・・・犠牲になって頂きます・・・っ!

「実はね・・昨夜はグレイと一緒にお酒を飲んでいたのよ。」

「ほう・・・グレイ様とですか・・・?」

マリウスの眉がピクリと動く。

「うん、それでね・・・。お酒を私が勧めすぎちゃったのよ・・・ね。」
上目づかいでマリウスの様子を見ながら慎重に言葉を選んで話す。

「その内にグレイの酔いが回って来てしまったようで・・・実は、個室で飲んでいたんだけど、酔ってしまったグレイが心配になって、近くによって様子を見ようとしたら・・・。」
そこで私は言葉を切る。グレイ・・・頑張ってね・・・っ!

「突然グレイがキスしてきて、そのままソファの上に押し倒されて・・。」

「な・・・何ですって?!」

ガタンッ!!マリウスが椅子から激しく立ち上がる。
こ、これはかなりま、まずいかも・・・。私は慌てて言葉を続ける。

「それでそのままグレイは酔っぱらって、眠っちゃったから、丁度お店の上が宿屋になっていたから、そこにグレイを置いてきて私は寮へ戻って来たのよ。だけど、あの後のグレイがどうなったか知りたいから・・・マリウス、様子を見に行って貰えないかな~なんて・・・。」
私は立ち上がったままのマリウスを上目遣いに見る。
マリウスは怒りのあまり、ブルブルと震えている。

「あ、あの男・・・。そんな汚らわしい手でお嬢様に触れるなど・・・断じて許せませんっ!」
マリウスが怒りに満ちた目で呟いている。・・・こ・・・怖っ!怖すぎる・・。
でもね、マリウス。私にとっては一番危険人物なのは貴方なんですけど?!

「ゆ、許せません・・・っ!今すぐ学院へ戻って成敗してきますっ!」

せ、成敗って・・・マリウス。一体貴方は何をするつもりなの・・?
「お、落ち着いて、あまり過激な事はしないでよね?」

「ええ、大丈夫です。病院送り一歩手前までにしておきますから。それではお嬢様!行ってまいりますっ!」

物騒な台詞を残してマリウスは風のように素早く店を飛び出して行ったのだった。

グレイ・・・健闘を祈ります・・・!



2

マリウスが怒涛の勢いで学院へと向かった後、私は静かに食後のコーヒータイムを味わっていた。
グレイ、頑張ってね。・・・骨は拾ってあげるから!マリウスは強い。グレイの実力は知らないが、二日酔いで体調不良ならマリウスに勝つのは難しいだろう。
でもルークやアラン王子が一緒なら何とかなるかな?最も彼等が手を貸してくれるかどうかは怪しいけれども・・。
私が今日ジョセフ先生と約束していなければ、こんな事にはならなかったのかもしれない。しかし、今回は申し訳ないがグレイに犠牲になってもらうしかない。
でもやはり心配だから明日様子を見に行く事にしよう。


 私はコーヒーを飲み終えると立ち上がった。
時刻は午前10時を少し過ぎた所だ。この時間なら恐らく店も開いているだろう。
重いトランクケースを引きずるように、私はカフェをでると昨日とは別のリサイクルショップへと向かった—。


約1時間後—私はリサイクルショップの店を出た。

「どうもありがとうございました。またのご利用をお待ちしております。」

 店員たちが私の事を見送る為に全員外に出て、頭を下げている。
いやいや、そんな事迄されるとかえって恐縮してしまうのですが・・・。
どうも私は上客だったらしく、お金に換金したところ大金貨8枚に金貨6枚と言う値段が付いた。おお~今日は220万円になったよ。昨日はグレイとお酒を飲みに行ったりして金貨を3枚程使ったけど、それでも残金は日本円で397万円。
す、素晴らしすぎる・・っ!

 明日、残りのトランクを全て売ってしまえば500万円はくだらないだろう。
これだけあれば逃亡資金はおろか、1年位は何とか暮らしていけるかもしれない。

 ウキウキする気持ちを押さえて、私は町を散策する事にした。
雑貨屋さんを覗いたり、本屋さんに立ち寄ってロマンス小説を立ち読みして、何冊かお気に入りの本を見つけて購入したり・・・。

 気付いてみると、もうお昼を過ぎていた。
「う~ん・・。今日はどうしようかな?何食べようかな?」

ポツリと呟くと、背後から声をかけられた。

「そこのお嬢さん、ラフトはいかがかな?」

え?聞き覚えのある声に振り向くと、そこに立っていたのはラフトの屋台のお兄さんだった。

「あ、ラフト屋さん!」

「こんにちは、お嬢さん。」

ラフト屋さんは帽子を取ると、笑顔で私に挨拶をした。

彼はいつものエプロン姿では無く、普段着を着ている。おまけにこの時間なら屋台で働いているはずだ。なので気になって尋ねてみた。
「どうしたんですか?今日はお仕事休みなんですか?」

「ほら、今夜は流星群が降る日だろう?だから夜中まで祭りが行われるから今日の仕事は夕方から夜中までなのさ。」

「え?それじゃ仮眠取らなくちゃならないんじゃいですか?」

「アハハハ。大丈夫さ。何も一晩中仕事をするわけじゃ無いから。所でお嬢さんはセント・レイズ学院の生徒さんなんだろう?」

お兄さんは笑いながら言う。

「はい、今年入学したんです。」

「ふ~ん。そうなのか。どうりであんまり見かけたことが無いって思っていたよ。お嬢さん程の美人はそうそう見ないからね。」

「いえいえ、そんな事は無いですが・・・。」
このお兄さん、どこまで本気で言ってるのだろう?

「ところで、今日は1人なのかい?この間一緒にラフトを食べに来ていた彼氏は一緒じゃ無いのかな?」

ああ・・・このお兄さん、私とアラン王子が彼氏彼女の関係だと思っている様だ。
「私と彼は単なるクラスメイトですよ。」
そう、もはや友人とも呼べない・・・ね。

「え~?そうなの?ただの友人が2人で屋台に来るかなあ?しかも俺とお嬢さんが話してた時、彼物凄い目付きで俺の事睨みつけていたし。流石にあれには殺気を感じたよ。」

「それはとんだご迷惑を・・・。」
私は代わりに頭を下げた。

「いいって、いいって。お嬢さんが謝らなくても。」

お兄さんは笑いながら手を振って言った。

「ところで、お嬢さんはこんなところで1人で何をしていたんだい?」

「えっと、今から何処かでお昼にしようかと思っておりまして。」

「ふ~ん、そうなのかい?俺でよければおすすめの店を案内してもいいけど?実は、今からそこに食事に行くつもりだったんだ。あ、でも仮にもセント・レイズ学院のお嬢さんを連れて行くような場所じゃないかな?」

お兄さんは考え込むように言った。
「ちなみにどんなメニューなんですか?」

「それはね、串に刺した分厚い肉や、シーフード等を食べられる屋台なのさ。あんまりお嬢様が好むような場所じゃないかもね。」

なんと!もしや・・・それはいわゆる串焼きのようなものでは?!串焼きは私に好物のメニューの1つでもある。よく仕事帰りに串焼き屋さんでお酒を飲んで帰った事もあったし・・。

「い、行きたいです!連れて行って下さいっ!」

「ええ?いいの?そんな場所で?」

お兄さんは私の気迫に押された様子ではあったが、快く承諾してくれた。
そして、歩く事約5分。私達は串焼きの屋台へとやってきたのだ。


「う~ん・・・!おいしいっ!この肉汁たっぷりのお肉・・・!」
私は顔をほころばせながら無心で食べていた。

「ははは・・・お嬢さん、いい食べっぷりだね。この町の女性だってあまり来ないような屋台なのに。」

お兄さんは私の様子を見ながら笑って言った。
確かに見渡してもこの屋台で食べている人達は皆男性ばかりだ。明らかに私の姿は周囲から浮きまくっているかもしれない。
「どうしてなんでしょうね?こんなに美味しいのに・・・女の人達だって食べに来るべきですよ。」
串に刺した大きなウィンナーを手に私は言った。

するとそこの屋台のおじさんが私に声をかけてきた。

「嬉しいね~っ!あんたみたいな若くて別嬪さんが俺の屋台に来てくれて、こんなに喜んでくれるなんて・・!おいっ!兄ちゃん、感謝してるぜ!」

そしておじさんはラフトのお兄さんの手をむんずと掴んで握手して来た。
思わず苦笑するお兄さん。
それにしても・・・
「こんなに美味しいと、思わずお酒を飲みたくなってしまいますよ~。」
冗談めかして言ったのだが、店主のおじさんがそれを聞きつけると、私にお酒を注いだグラスをグイッとよこした。

「お嬢ちゃん、これは俺の奢りだ!飲んでくんな!俺の店で唯一若い女の子に出せるお酒ってこれぐらいしか無いが・・・!ご当地限定の果実酒だ。」

「えええっ!そんな、ご馳走してもらう訳にはいかないですよ!お金なら支払いますから。」
私は慌てた。そんなつもりでお酒が飲みたくなるなどといったつもりではないのに!

「まあ、いいから。ここの店主さんの言う通り、ご馳走になった方がいいよ。」

お兄さんは笑いながら言う。
「あの・・・お兄さんは飲まないんですか?」

「ああ、俺はこの後仕事だから飲むわけにはいかないさ。でも俺の事は気にせず飲むといいよ。」

「・・・ありがとうございます。」
ここはお兄さんの言う通り素直にお酒を頂く事にしよう。

 それにしても・・・私はお兄さんの横顔をちらりと伺った。この人、何歳ぐらいなんだろう?もしかすると実際の私の年とあまり違いが無いかもしれない。妙に落ち着いているし・・・。

二人で食事をしながら会話をしていると、ふいにお兄さんが言った。

「そう言えば、俺の友人がセント・レイズ学院の教師をしているんだよ。」

「ええっ?そうなんですか?」
私はお兄さんの発言に驚いた。

「うん。年齢も俺と変わらないし・・・すごくいい奴なんだよ。頭が良くて、あまり学問の知識が無い俺にも色々な事を教えてくれるんだ。」

お兄さんの話しぶりから、相手の男性に尊敬の念を抱いている事を感じられた。

「そうなんですか、それじゃきっと良い先生なんでしょうね。」

「ああ、勿論さ!だけど、あいつ寂しい人間なんだよ。ちょっと昔色々あってね。でも最近は明るくなってきたんだ。何かいい事でもあったのかなあ?」

「ちなみにその先生の名前は何と言うんですか?」

「ああ、お嬢さんは知ってるかい?ジョセフ・ハワードっていう名前なんだけど。」

え?
私は思わず手に持っていた串焼きを落しそうになってしまった・・・。



3

「どうしたんだい?お嬢さん?」

急に私の動きが止まったのを不思議に思ったのか、お兄さんが声をかけてきた。

「い、いえ。何でもありません・・・。」
いやいや何でもない事では無いだろう。別に隠す必要はないしなあ・・・。
私は顔を上げて言った。
「実は、今夜ジョセフ先生と流星群を見る約束してるんですよ。」

「え・・ええっ?!」

お兄さんは余程驚いたのか、危うく椅子から転げ落ちそうになった。
「だ、大丈夫ですか?」

「ああ・・・大丈夫・・・。」

お兄さんは帽子を被りなおすと、改めて私の顔をじ~っと見つめて頷く。

「うん、うん、分かる気がする。だってお嬢さん美人な割に気さくで話しやすいタイプだもんなあ。そうか~だから最近アイツは明るかったんだな。」

お兄さんは納得したように頷く。そして頬杖をついて、私の方を見ながら言った。

「アイツの事・・・よろしく頼むな。」

え・・・えっと。そんな風に言われても・・。私が返事に困っていると、突然背後から声をかけられた。

「おい、マイケル。あまり彼女を困らせないでくれないか?」

「「え?」」
同時に振り向くと何とそこに立っていたのはジョセフ先生だった。

「ジョセフじゃないか・・っ!」

「せ、先生・・・偶然ですね。」

「珍しい組み合わせだね。マイケルとリッジウェイさんが一緒に屋台でお昼を食べているなんて。2人は知り合い同士だったの?」

先生はのんびりした口調で問いかけた。

「知り合いって程の物じゃ無いさ。彼女は俺の屋台の常連さんなんだ。」

あの・・・常連と言われるほどは行っておりませんけど・・?

「何だ。リッジウェイさんはマイケルの店のお客さんだったのか。マイケルの作るラフトは美味しいから、僕も大好きなんだよ。」

「はい!確かにとっても美味しいです。」

私も頷くと、途端に少し照れた素振りをみせるマイケルさん。

「そっか・・・ありがとう。2人とも。」

「でも、本当に偶然ですね、先生。私町で用事があって早目に来ていたんです。もう今日は流星群を見るまで学院には戻らないでおこうと思っているんですよ。」

「いや・・・その事なんだけどね・・。」

何故か言い淀むジョセフ先生。

「先生?どうかしたのですか?」

「リッジウェイさん・・・実は君を探していたんだよ。今すぐ、学院に戻った方がいい。」

え・・・?何だかすごーく嫌な予感がするんですけど・・・。



 マイケルさんとお別れして、ジョセフ先生と一緒に学院へ向かう私達。

「先生、一体何があったんですか?」

「うん、実はね・・・君の従者のグラント君が物凄い剣幕でモリス君に決闘をしかけて、大分酷くモリス君がやられてしまったんだよ。それでもまだ納得がいかないとグラント君が騒いで止めを刺すと言って聞かないんだ。それをアラン王子やハンター君が必死に止めようとして、大騒ぎになってるんだよ。」

のんびりとした口調のジョセフ先生だが、内容はただ事では無い。
「ええええっ?!」
馬鹿ッ!馬鹿マリウスめっ!何てことしてくれてるのよっ!グレイにとどめを刺す?冗談じゃ無いっ!て言うかマリウスがグレイを責める資格なんかはっきり言って1ミリも無いんだからねっ!

「だからもう彼を止める事が出来るのはリッジウェイさんしかいないと思って学院の中を学生達が探したけど見つからないから、もしかすると僕との約束の為にセント・レイズシティに来てるんじゃ無いかと思って僕が探しに来たんだよ。」

「先生、マリウスがとんだご迷惑を・・・。」
小走りに門を目指す私とジョセフ先生。

「いや、いいんだよ。元はと言えば僕が君を今夜流星群に誘ったせいだから。」

そんなっ!先生のせいじゃないのにっ!ああ・・やっぱりあの馬鹿マリウスに余計な事を話すべきでは無かった・・・。私は激しく後悔するのだった。

 やがて門を潜り抜け、学院内に戻って来ると広場から騒ぎ声が起こっているのが聞こえてきた。
きっと、あそこで馬鹿マリウスが騒いでいるのだろう。

 私は急いで現場へ駆けつけ、前方を見た私は慌てて建物の陰に隠れて、様子を伺い、その光景を見て息を飲んだ。
そこにはグレイが地面に倒れていた。そしてグレイの衣類はあちこちボロボロに破れている。
グレイを庇うように立っていたのがアラン王子だ。ルークはグレイの怪我の様子でも看ているのだろうか?

そしてアラン王子と対峙しているのは、やはり狂気のマリウスだ。いや、もはや狂犬と呼ぶべきだろう。


 風に乗ってマリウスの声が聞こえてきた。

「そこをどいていただけますか?アラン王子にルーク様。」

「断る!お前に俺の大事な従者をこれ以上傷つけさせるものか。」

アラン王子は今にも剣を抜きそうな勢いだ。って言うか、何故剣を持っているかな?!

「アラン王子・・・私と戦うつもりですか?いくら王子と言えど、手加減はしませんよ?」

マリウスも剣の柄を握りしめている。ち、ちょっとっ!何故マリウスも剣をもっているのよ!!
一種即発の今の状況・・・・このままではまずいっ!

「ジョセフ先生・・・。私・・行ってきますっ!」
魔法も使えない、剣だって振るえない私だけど、これは全て私が原因だ。何としてでも止めなければ・・と言うか、グレイの怪我が心配でたまらない。

「あ、ああ・・。気を付けて、リッジウェイさん。」

私は頷くと、建物の陰から走り出た。

「やめてっ!マリウスっ!!」

私はマリウスの前に飛び出して両手を広げた。

「ジェ、ジェシカッ?!」

アラン王子の驚いた声が背後から聞こえた。

「お嬢様・・・っ!何故止めるのですか?!全てはお嬢様の為に行っているのですよ?」

「何故、止めるかですって?当り前でしょう!私はこんな事一切頼んでいないし、マリウスがグレイを傷つける権利はないわっ!」
言うと、私はアラン王子の背後で倒れているグレイに駆け寄った。ルークは驚いた様に身を引く。
何て酷い・・・っ!近くで見るとグレイの怪我は相当ひどいものだった。身体中は痣
だらけで、あちこちに擦り傷が見られる。意識はあるのだろうか?

「グレイ?グレイ?」
私はグレイの頭を持ち上げて膝の上に抱えると、必死で名前を呼んだ。

「お嬢様っ!そんな男からは離れてくださいっ!」

マリウスは非難の声を上げているが、私は耳を貸さない。

「う・・・。」

グレイは私の呼びかけにゆっくりと目を開けた。

グレイは無事だったっ!
「良かった・・・っ!グレイっ!」
私は思わずグレイの頭を抱きしめた。

「ジェ、ジェシカ・・・・。」

グレイの戸惑う声が聞こえる。

「ごめんね、グレイ。」
私はグレイの頭を地面に降ろすと、そっと傷付いた頬を撫でた。

「ジェ、ジェシカ・・・。」

何故か半分泣きそうな目で私を見つめるグレイ。そしてアラン王子とルークは口をぽかんと開けてこちらを見ている。

私はマリウスをチラリと見ると、どうやら怒りで身体を震わせている様だ。

「アラン王子!ルークッ!どうしてグレイがこんなになるまでマリウスを止めなかったのですか?!」
私は非難の声を上げた。

「そ、それは・・・。」

アラン王子が言い淀む。

「それは彼が私の決闘を受けたからですよ。」

マリウスが代わりに返事をする。

「決闘?」

「ええ、私がグレイの足元に白い手袋を投げ、彼がそれを拾い上げたからですよ。」

な、何と古典的な・・・。まさか、それで本当に決闘を始めたと言う事なのか?
「こんな・・決闘は無効よっ!私が認めないから!マリウス・・・二度と決闘しないでよね?」
私は思い切り冷たい瞳で睨み付けると、マリウスは身体をビクリとさせて私を見つめる。

「アラン王子、ルーク。グレイを医務室に運ぶのを手伝って頂けますか?」

私は2人を振り向くと言った。

「あ、ああ。」

私から目を伏せて返事をするアラン王子。

「分かった。」

ルークは傷ついたグレイを背中に背負った。
「行きましょう。」
そして私達は医務室へと向かう。

後には悔しそうに下を向くマリウスがたった1人残された・・。



4

医務室は開いていたが、誰もいなかった。
ルークは傷だらけのグレイをベッドに横たわらせると私に言った。

「ありがとう、ジェシカ。お前が来てくれなかったら、マリウスを止める事が出来なかったよ。グレイの奴・・・体調が悪いのに何故マリウスとの決闘を受けたのか訳が分からない。」

ごめんなさい、それは全部私のせいです。グレイの体調が悪かったのも昨晩無理やりお酒を飲ませたからで、マリウスが決闘を申し込んだのも私がマリウスに余計な事を言ってしまったから・・・それが原因ですっ!もうこうなったら謝るしかない。
「ごめんなさい!私のせいなんです!」

「え?何故ジェシカが、謝るんだ?」

ルークは訳が分からないと言わんばかりの顔つきだ。

「それは・・・。」
そこまで言いかけた時、アラン王子が咳払いした。

「アラン王子・・・。」
私は声をかけたが、アラン王子は何故か視線を合わそうとしない。ああ、きっとあの日の夜の事を気にしているのか。もう終わった事だからいいのに。

「?」
ルークは不思議そうな顔で私とアラン王子を交互に見ている。そうか、ルークは何も事情を知らないのだな。

「ルーク、ありがとう。グレイをここまで運んでくれて・・・。そしてアラン王子。」

ビクリと肩を震わせてアラン王子は恐る恐る私を見た。う~ん・・・何もそんなにビクビクしなくてもいいのに。でもマリウスの魔の手からグレイを守ってくれようとしたのだからお礼を言わなくては。
「アラン王子、グレイを守ろうとして下さってありがとうございました。」

「え?」
アラン王子は意外そうな表情で私を見た。

「ジェシカ、俺は・・・。」

アラン王子が何か言いかけた時、グレイがうめき声を上げて、薄目を開けた。

「グレイ?!」
私は声をかけた。

「気がついたのか?」
ルークが覗き込む。

「おい、大丈夫か?」
アラン王子も心配そうに話かけた。

「アラン王子、ルーク、それにジェシカ・・・?」

グレイは私達の顔を見渡した。そして私を見ると言った。

「ジェシカ、お、俺は・・・。」

「待って。グレイ。」
私はグレイに言うと、アラン王子とルークに言った。
「すみません、私とグレイの2人きりにさせて頂けますか?」

「え・・・?」
ルークは何か言いかけたが、アラン王子に止められた。

「行くぞ、ルーク。」 

おや?俺様王子が珍しい事だ。少しは大人になれたのかな?

「ありがとうございます。」
私は2人に礼を言った。アラン王子とルークが医務室を出ると、私とグレイの2人きりとなった。

「待ってね、今傷の手当をするから。」
私は消毒薬や打撲用の軟膏等を探して持ってくると、無言で怪我の治療を始めた。
それにしても酷い怪我だ。骨が折られていないのは幸いだ。マリウスめ・・・ここまでグレイを痛めつける必要があったのだろうか?
 グレイも黙ったまま傷の手当てを受けている。
カチカチと時計の音だけが静かな部屋に響き渡っていた。
一応、一通り怪我の治療を終えると私はグレイを見つめるが、何故か視線を逸らしている。
私はグレイの右手にそっと手を置くと言った。
「ごめんなさい、グレイ・・・。」

「え?」

グレイは驚いた様に私の顔を見る。
「昨晩、あんなにお酒を飲ませて体調が悪かったのに・・・私がマリウスに余計な事を言ってしまったばかりに決闘を申し込まれたんでしょう?私のせいでグレイを傷つけてしまう事になって、本当にごめんなさい。」

グレイは少しの間、黙ってベッドのシーツを握りしめていたが・・・やがて言った。

「ジェシカ・・・何故謝るんだ?謝らなきゃならないのはむしろ俺の方だ。俺は酒に酔った勢いでお前に無理やりキスをして、ソファに押し倒してしまったんだぞ?」

酷く憔悴しきった顔で私にポツリと言うグレイ。
え?もしかして昨夜の事・・・そんなに気にしていたの?
だから私は言った。
「あれは、全部私が悪いんだから貴方が何故謝る必要があるの?だってグレイを酔い潰してしまったんだから。あれは・・・そう、お酒のせいよ。だから気にしないで。そんな事より。」
私は傷だらけになったグレイの頬にそっと触れた。一瞬ビクリと身体を強張らせるグレイ。
「ねえ、どうしてマリウスの決闘を受けたりしたの?マリウスの事なんか放って置けば良かったのに。こんなに傷ついてまで・・・。」

「お、俺は・・・。」

グレイは顔を伏せると言った。

「マリウスに言われたんだ。俺みたいな男にはジェシカは相応しくないって。二度とおかしな真似をしないように徹底的に痛い目に遭わせてやるって・・・。」

私はグレイの言葉を聞いて、ますますマリウスに対して怒りが湧いて来た。私にとってはマリウスの方が一番危険人物だ。あのM男の出る幕では無い。

「私に相手が相応しいか相応しくないかは、私自身が決める事だから。マリウスの言った事なんて全然気にしなくていいからね?」

「え・・?それじゃジェシカは俺の事怒っていないのか?」

グレイは真剣な表情で私に問い詰めてきたので、黙って頷く。

「それじゃ・・・嫌っても・・いない・・?」

「勿論、嫌う訳無いでしょう?」
でも、もうすぐお別れだけどね・・・。とは口に出せなかったが。

「ごめん、ちょっといいかな?」

そこへ突然ジョセフ先生が医務室へと入ってきた。

「あ、貴方は・・・。」

グレイはジョセフ先生を見て少し意外そうな顔をした。

「ジョセフ先生・・・っ!ごめんなさい、流星群ですよね?」

私は椅子から立ち上がると言った。

「流星群?」
グレイは首を傾げている。

「そうか、君は知らなかったのかな?今夜は流星群が見れるんだよ。」

先生は穏やかに言う。でも・・・こんな大怪我を負ったグレイを置いて先生と流星群を見に行く事は出来ない。

「先生・・すみません。折角流星群を見る約束していたのに・・・私、グレイを置いて行けません。」

私は頭を下げた。そして驚くグレイ。

「え?え?ええっ?!ジェ、ジェシカッ!お・お前・・・この目の前にいる教師と一緒に流星群を見る約束をしていたのか?!」

う~ん・・・やっぱり驚くよね、普通は。

「うん、そうだよ。僕はリッジウェイさんが好きだから彼女を誘ったんだ。」

ニコリとほほ笑みながら言う先生。
ああああっ!ついに言っちゃったよ!私はグレイをチラリと見た。
グレイは顔色が真っ青になっている。完全にドン引きされている様だ。

「あ、でも安心していいよ。リッジウェイさんからの返事は貰っていないし、僕は一緒にいられれば、それで十分だからさ。」

グレイは打ち上げられた魚のように口をパクパクさせている。

「でも・・・。」

ジョセフ先生は私の方をチラリと見ると言った。

「出来れば僕を選んで欲しいかなとは思っているけどね。」

「な・・・何だってえ~っ?!」

医務室にグレイの声が響き渡った・・・。


 その後、グレイを車椅子に乗せ、ルーク、アラン王子、ジョセフ先生、そして私の計5人で学院の屋上に登り、そこから皆で流星群を見る事にしたのだ。

 流石にこの段階でアラン王子もルークもジョセフ先生の事を怪しみ始め、グレイがアラン王子達に先生が私に好意を寄せている事を暴露してしまったらしい・・・。
そんなわけで、私は3人の痛い位の視線を流星群が始まるまで向けられていた。

 今、私はアラン王子達とは少し離れた場所でジョセフ先生と流星群を見ている。
どうも私と2人きりで大事な話があるらしい。
満天の星空の下で、時折放射状に落下していく星々の天体ショーに私は見惚れていた。

「先生・・・とっても綺麗ですね!こんな感動初めてです。」
私は白い息を吐きながら寒さも気にせず、流星群に見惚れていると、突然ジョセフ先生が私の方を見た。

「リッジウェイさん。もうすぐ帰省するよね?グラント君と一緒に帰るのなら・・・どうか、彼には気を付けて―。絶対に気を抜かないようにね。いいかい?これは忠告だよ。」

いつになく真剣な表情でジョセフ先生は言う。

「え?先生、それは・・・どういう意味ですか・・?」

けれどジョセフ先生はそれには答えずにポケットからイヤリングを取り出して私に差し出した。

「いいかい?これはリッジウェイさんの身を守ってくれるマジックアイテムだよ。何か危険を感じたら、このイヤリングを外して床に投げつけるんだ。1つ目で閃光を放つ。2つ目で自分以外の時間を5分だけ止める事が出来る。きっとこのイヤリングが君を助けてくれるはずだよ。」

「先生、一体どういう事ですか?マリウスが・・・何をすると言うのですか?」
私は先生に掴みかかるように尋ねた。

「それは・・・。」

そこまで先生が言いかけた時、マリウスが屋上に現れた。

「皆さん。こんばんは。今夜はとても素敵な夜ですね。」

そして美しい笑みを浮かべて私達を見つめた—。

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