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第7章 6 ガラスのように砕け散る私の心
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森に私の絶叫が響き渡り・・・奇跡が起こった。
私の身体から光が溢れ出し・・・マシューの身体の中に流れ込む。すると見る見るうちに彼の背中の傷が塞がっていく。
「き・・・傷が・・・。」
私は涙を拭うのも忘れ、マシューの傷が魔法のように治っていく様を見ていた。
そして・・・光が止んだ時、そこにはあれ程切り裂かれていた痕跡すら残されていない、綺麗なマシューの背中があった。
そして・・・。
「ジェシカッ!!」
突然マシューが飛び起きると・・・強く強く私を抱きしめて来た。
「こ・・・声が・・・?」
するとマシューは私を抱きしめたまま言った。
「ああ、そうだよ。ジェシカ・・・。俺・・声が出せるようになった・・・。それだけじゃない・・。全部・・・全部・・思い出したんだ・・・。自分の事も・・・そして・・ジェシカ。君の事も全て・・・!」
その声は・・・その優しい声は・・・紛れもない・・・懐かしいマシューの声だった。
「マ・・・マシューッ!」
溢れる涙を抑えきれず・・私は子供のように泣きじゃくりながらマシューの胸に顔を埋めた。
懐かしいマシューの香り・・・私はこの香りが大好きだ・・・!
もうすぐ・・・もうすぐマシューとの悲しい別れがやってくる。
だから・・・私は彼の名前を呼ぶことを今迄躊躇していたのだ。だけど・・こんな事で呪いがマシューの記憶が・・・言葉が戻るなら、もっと早くに名前を呼んであげれば良かった・・・!
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・。」
私はマシューの胸の中で泣きながら謝り続けた。
「ジェシカ・・何を謝っているんだい?」
マシューは私の頭を優しくなでながら尋ねて来た。
「い、今までの事・・・色々・・。私のせいで・・・貴方を酷い目に沢山遭わせてしまって・・・。」
「俺は一度だって・・・君に酷い目に遭わされたとは思った事は無いよ?」
マシューは何処までも優しい声で語り掛けてくれる。
だけど・・・。
私の存在は・・・マシューを不幸にするだけなんだ。だから・・・・私はマシューの為にも彼から離れて・・本物の聖女、ソフィーに全てを託す。
「マシュー。その仮面・・・外れそう?」
マシューの顔を見上げて尋ねた。
「うん・・・もう仮面から怖ろしい声は聞こえてこないけど・・・ちょっと外れそうにないな。けど・・・剣を使えば・・・壊せるかもしれない。」
マシューは仮面に手をやりながら言う。
私にはわかる。この仮面を外す事が出来る人物は・・この城にいるって事が。
「大丈夫、マシュー。私・・・この仮面を外す事が出来る人を知ってるの。その人は・・・このお城の一番高い塔に・・・閉じ込められている。・・一緒に・・助けに行こう?マシュー。」
「うん、分かった。ジェシカ。一緒に行こう。」
マシューは私に手を差し伸べ・・・私は彼の手をしっかり握りしめた。
城の中へ入ると、目も眩むほどの長い螺旋階段が続いている。こ・・これを今から登らないといけないなんて・・・。
するとマシューが私を抱き寄せると言った。
「ジェシカ。俺にしっかり掴まっていて。」
「え?う、うん・・・」
言われた通り私はマシューの首に腕を回す。するとマシューが突然私を抱き上げると、ふわりと空中に浮かび上がった。
「え?キャアッ!」
慌ててマシューの首にしがみ付くと彼が笑った。
「アハハハ・・・。だいじょうぶ、浮遊魔法だよ。この階段を上るのは・・・流石に無理だから、このまま最上階まで行こう。」
そして、私達は上を目指しながら言葉を交わした。
「ねえ。マシュー。仮面を被らされていた時の記憶はあるの?」
「う~ん・・・。それが・・実はあまりその辺りの記憶があやふやなんだよね・・。何だか頭に靄がかかっていたかのようで・・・。はっきり分かるのは『ワールズ・エンド』での出来事と・・・魔族が今溢れかえっていてたって事位で・・・・。後は・・・誰かを助けにここに来たんだよね?」
そうか・・・それじゃ、きっとマシューは。私を優しく抱いてくれた記憶も・・・私が愛してると叫んだ言葉も・・・記憶に無いのだろう。でも、もうすぐマシューは確実に私の元を去っていく。最後に・・・最後に自分の気持ちを彼に・・伝えておきたい・・・。
「ジェシカ、着いたよ。どうやらここが・・最上階みたいだね。」
マシューの声に我に返る。私は扉を見た。・・・そうだ、確かに・・ここだ。ここにほんもののソフィー・・アメリアが幽閉されているんだ。
最期に扉を開ける前に・・・。
「どうしたの?ジェシカ・・・。扉・・開けないの?」
不思議そうな顔でマシューが尋ねて来る。
「今・・・今開ける。その前に・・。」
私はマシューを振り返ると言った。
「マシュー。聞いて・・・・。どうしても今貴方に伝えておかないといけない事があるの・・。」
「え?う・うん・・・。何?ジェシカ。」
「私・・・私はマシュー。貴方の事が・・・好きです。・・・愛しています。」
「!」
マシューの肩がピクリとする。
ついに言ってしまった・・・。もうすぐ・・辛い別れが来るのに・・・。
次の瞬間—
私はマシューの腕の中にいた。彼は私を胸に埋め込まんばかりの強さで私を抱きしめて来る。
「本当に・・・?ジェシカ・・・・。これは・・・夢じゃないんだよね・・・?」
切なげで・・・何処か甘みのある声でマシューが私に囁いてくる。
「うん、夢じゃ・・・ないよ。」
「信じられないよ・・・。本当に俺の事を・・・?ノア先輩でも無く、アラン王子でも・・・他の誰でも無く・・俺を・・・選んでくれたの・・?」
「うん・・・。他の誰でもない・・・貴方が好き。・・・愛してる。」
「!」
マシューの身体がビクリと動き・・・さらに抱擁が強まった。
「ジェシカ・・・ジェシカ・・・。俺も君が大好きだ・・・・愛してる・・・っ!」
<愛してる>
その言葉を・・・貰えただけで、十分だ。マシューにこうしてまた会えた。そして・・<愛してる>と言って貰えた。その言葉だけで・・・私はこの先も生きていけるだろう。
「マシュー。それじゃ・・・扉を開けるから・・少しだけ、貴方はここで待っていてくれる?」
「うん、分かったよ。・・・待ってる。」
待ってる―。
多分今の言葉はもう二度と彼の口からは聞けることは・・・無いだろう。
私は彼から離れ、深呼吸すると鍵穴に鍵を回しいれて・・扉を開けた—。
「誰っ?!」
中で人の気配がする。
その部屋は・・・夢で見た通り、花で溢れ変えっていた。
「アメリア・・・?」
そっと声を掛けると、息を飲む女性の気配を感じた。
「ま・・・まさか・・・ジェシカ・・・さん・・?」
ゆっくりと私の前に姿を現した女性は・・やはり彼女だった。
「・・・久しぶり。アメリアさん。ごめんなさい。助けに来るのが・・遅くなって。」
「!」
アメリアがピクリと身体を震わせた。
「ジェシカさん・・・。やっぱり・・・全て・・知ってるの・?」
ああ・・。もう、今の言葉を聞いただけで、答えは明白だ。
「うん。夢で・・全て見てきたから。貴女が・・本物のソフィー・ローラン・・でしょう?」
するとアメリア・・・もとい、ソフィーは頷いた。
「貴女の偽物を名乗るソフィーは・・・多分魔界へ行ってしまった。貴女と偽物の間で・・何があったかは分からないけど・・・全てが終わったら・・私に教えてくれる?だから・・今すぐ私の力を・・・全部持っていって。」
私はソフィーに両手を差し出した。
「ジェシカさん・・・。貴女・・そこまで知ってたの?私が力を奪われた事も・・。貴女の持つ力なら・・・私が元の姿に戻れる事も・・?だけど・・・本当にいいの?私が貴女の魔力を全て受け取れば・・・・。」
ソフィーは泣きそうな顔で私を見た。何故・・彼女がそんな顔をするのだろう?
「うううん、いいの。だって・・・この力は本来は・・・全て貴女の持つべき力だったんだから。さあ、時間がないから・・お願い、ソフィーさん。」
「わ・・わかったわ・・・。ジェシカさん・・・。」
そしてソフィーは私の両手をしっかり握りしめ・・・目を閉じた。
すると途端に私とソフィーの身体は温かい光に包まれ・・・どんどん私の中から光がソフィーの中に吸収されていく・・・。
私は急速に自分の魔力が消えていくのが分かり・・・それと同時に大切な何かが失われていくのを感じた。
ガクッ!
突然立っていられなくなり膝をつくと、ソフィーに助け起こされた。
見上げたその姿は・・・正に本物の聖女の・・・ソフィー・ローランだった。
ああ・・ついに・・・本物の聖女が・・・この世界に戻って来たんだ—。
2
ああ・・・ついに、本物の聖女が現れた。これで・・・私の役目も終わり。
「ソフィーさん。この部屋の外で・・・偽物のソフィーに・・・呪いの仮面を付けられた聖剣士がいるんです。貴女なら・・・助けられますよね?」
「え、ええ・・・。多分・・・。」
ソフィーは躊躇いがちに頷いた。
「それじゃ・・・今連れてきますね。」
私は部屋のドアを開けると・・そこにはマシューが立っていた。
「あ・・・。」
マシューは私を見ると、言葉を詰まらせた。・・・この瞬間私には分かった。
もう・・・マシューの気持ちは私に向いていない・・・。
「え・・えっと・・・ジェシカ・・?もう中へ入ってもいいのかな?」
マシューは戸惑っているようだった。それは当然だろう。だって、さっきまで私を想ってくれていた気持ちが・・突然その気が失せてしまったのだから。
そしてマシューは中へ入り・・・ソフィーの姿を見て息を飲んだ。
ああ・・・今、この瞬間、彼は・・マシューはソフィーに恋をしたんだ・・・。
今はまだマシューの顔は仮面に隠れて見えないけれども・・・仮面が外れて、今まで私に向けてくれていた視線が・・・ソフィーにだけ向けられるんだ。その瞬間を・・・私はじきに目の当たりにする。
「き・・・君は・・・もしかしてソフィー・・?で、でも何故・・・君は・・・今までとはまるきり違って見える・・・。」
マシューはソフィーに語り掛けた。
「ええ。今まで皆がソフィーだと思っていたのは・・・私の偽物なの。ジェシカさんのお陰で、本来の自分を取り戻す事が出来たの。さあ、そこのベッドに横になって。仮面を外すから。」
「あ、ああ。」
マシューはソフィーに言われた通りにベッドに横たわった。・・ソフィーは美しい声で歌を歌い始めた。すると・・夢で見た通り、ソフィーの部屋に飾られた無数のしおれた花々が見る見るうちに蘇り、ソフィーの身体が光り輝くと、マシューの身体も光を放ち始める・・。そうだった。小説に書いたっけ・・・ソフィーの不思議な力はその歌声に宿るって・・・。
そして・・ついにマシューの仮面が外れ、ゆっくりと彼は起き上がった。
ああ・・マシューだ。私が大好きなマシューにやっと会えた・・。
だけど、彼が私を見る事はもう無い。その瞳はソフィーを捕らえて離さない。
愛し気な目で・・・薄っすら頬を染めてじっと本物の聖女ソフィーを見つめている。
ソフィーもマシューを見つめているが・・・彼女は多分・・・マシューに対して特別な思いを抱いていないのはその目で分かった。
そう、きっと・・ソフィーが選ぶ相手はアラン王子なのだから。
見つめ合う2人を見て、思わず目じりに涙が浮かぶ。私はその涙を見られないように背中を向けて目を擦り・・涙がこぼれないように上を向いた。
駄目だ、自分の心を殺すんだ・・・。何も考えては駄目、こうなる事は覚悟していたでしょう?
私はこの世界の住人では無いのだから、マシューの事は諦めるのよ・・・。
そして一つ深呼吸すると2人の方を振り向いて言った。
「そろそろ・・この城を出ましょう。そして、神殿に行って、本物の聖女が現れた事を宣言しましょう。きっと・・・聖剣士達は戻ってくれるはずだから。」
「そうね。ジェシカさん。学院が・・・町の人達が心配です。3人で戻りましょう。」
するとマシューが言った。
「あの・・・ソフィーと呼んでも・・いいかな?」
「ええ。いいわ。」
「それじゃ・・・俺の転移魔法で神殿に戻ろう、ソフィー。君も・・・来るだろう?」
マシューはチラリと私を見ると言った。その瞳には何の感情も籠っていない。
ズキリと私の胸は痛んだが・・・無理に笑顔を作って返事をした。
「うん。戻るわ。・・・お願いします。一緒に連れ帰って下さい。」
そして頭を下げる。
「よし、それじゃ・・ソフィー。俺にしっかり掴まって。あ、君もだよ。」
手招きをしてマシューは私を呼ぶ。・・・馬鹿だ、私は。これっぽっちの事でも・・涙が出そうになる程に嬉しいなんて。
思わず目頭が熱くなりかけ・・・。
「・・・どうしたの、ジェシカさん・・・。」
ソフィーが気遣って声を掛けてきた。
「い、いえ、もうすぐ皆の前に本物の聖女を紹介できると思うと、嬉しくて・・。」
咄嗟に胡麻化す。
するとマシューが言った。
「・・君みたいな素敵な女性が・・やっぱり真の聖女なんだね・・・。」
そしてうっとりとした目つきでソフィーを見つめる。その度に私の心は・・ナイフで抉られたように傷付いていく。でも、駄目だ。ここで泣いては。ソフィーに私のマシューに対する気持ちが気付かれて、気にさせてしまう。マシューに知られたら・・・きっと迷惑がられてしまうに決まってる。
だから、心を強く持たなくては・・・!
そしてマシューは私達を連れて、神殿へと飛んだ―。
神殿へ着くと、そこには大勢の傷付いたソフィーの兵士が床に転がっていた。
そしてソフィーを見つけると声をあげた。
「あ!聖女・・ソフィー様だっ!」
そして、ソフィーに何人かが駆け寄ってきた時・・マシューがソフィーを自分の腕に囲い込むと言った。
「やめろ、ソフィーが怖がるじゃ無いか。」
「!」
その姿は正に愛しい聖女を守る・・・聖剣士の姿だった。
もうマシューの目にはソフィーしか映らない。・・二度と私にその目を向けてくれることは・・・無いのだ。
これ以上・・今の2人を見続ける事は私には出来そうに無かった。きっと今の私は恐ろしいくらい青ざめた顔をしていただろう。これ以上・・あの2人の側にいたら・・きっと私の心はガラスのように砕け散ってしまうだろう。
ほんの少しでも・・・1人になりたい・・・。
私は彼等から離れて、その場を後にした。・・・この時の私はすっかり忘れていたのだ。
絶対に・・・神殿内では1人にならないようにと仮面をつけていたマシューに言われていた事を・・・。
兵士たちが大勢集まっているホールの前の廊下を通り抜け、私は中庭に面した神殿の椅子に腰かけて・・・・ついに我慢していた涙がぽたぽたと頬を伝って落ちて来た。
死んでしまったと思っていたマシューにやっと会えたのに・・・。自分の気持ちを正直に伝え・・・両思いになれたのに・・・それがたった一瞬で壊れてしまった。
私の目の前で、私ではない他の女性を愛し気に見つめるマシュー。そして・・・それを傍で見ていなくてはならない私。
好きになんて・・・ならなければ良かった。あれ程・・・この世界に来てしまった時、誰も好きになっては駄目だと自分をいさめてきたのに・・。
マシューの側にいる事は・・・とても耐えられない。私はそれ程強くはない。
決めた・・・。彼等とは距離を取るのだ。勿論アラン王子も・・・デヴイットさん、ダニエル先輩にノア先輩・・グレイにルークからも距離を取らなければ。
だって彼等と関われば・・・嫌でもマシューとも関わってしまう・・!
彼等から離れれば私はまた・・・一人ぼっちになってしまうだろう。でも心が傷付くくらいなら1人になった方が・・・まだずっとマシに思えた。
この世界が・・・平和になるのを見届けたら、私はここを去ろう。
そして・・当初の予定通り、誰も知らない土地で・・・暮していくのだ。
私の手元にはまだ『狭間の世界』の鍵と『魔界』の鍵・・両方持っている。
まだ・・・・門は残っているのだろうか?鍵穴は・・残ってる?
『ワールズ・エンド』へ行ってみよう。
私は立ち上がり・・・その時、突然後ろから誰かに羽交い絞めにされた。
「きゃああっ!だ、誰っ?!」
必死で振りほどこうと振り向くと、そこには全く見た事が無いソフィーの兵士の姿があった。
「へへへ・・・こいつはいい。お前・・・えらく美人じゃ無いか・・・正に俺の好みだ。」
下卑た笑いをした兵士が舌なめずりしながら私の身体をまさぐって来た。
嫌だ、怖い!気持ち悪い!
「だ、誰か!助けてっ!マ・・・!」
マシューの名前を口に出しかけ・・・私は口を閉ざした。そうだ、彼は・・・もう私の聖剣士では無い。マシューはソフィーの・・・っ!
急に私が叫ぶのをやめると、調子に乗った兵士は私を床に押し倒してきた。
だ、誰かーっ!!
恐怖で目に涙が浮かぶ。その時・・・・
「貴様・・・・!何してるんだっ!!」
聞き覚えのある声が突然頭上から聞こえ、男を殴り飛ばした。
「おい、大丈夫だったか?!」
そして私を助け起こし・・・。
「あ・・・れ・・・。おまえ・・・ひょっとしてジェシカか・・・?!」
不意に名前を呼ばれて私は顔を上げた。
そこに驚いた顔で立っていた男性は—。
森に私の絶叫が響き渡り・・・奇跡が起こった。
私の身体から光が溢れ出し・・・マシューの身体の中に流れ込む。すると見る見るうちに彼の背中の傷が塞がっていく。
「き・・・傷が・・・。」
私は涙を拭うのも忘れ、マシューの傷が魔法のように治っていく様を見ていた。
そして・・・光が止んだ時、そこにはあれ程切り裂かれていた痕跡すら残されていない、綺麗なマシューの背中があった。
そして・・・。
「ジェシカッ!!」
突然マシューが飛び起きると・・・強く強く私を抱きしめて来た。
「こ・・・声が・・・?」
するとマシューは私を抱きしめたまま言った。
「ああ、そうだよ。ジェシカ・・・。俺・・声が出せるようになった・・・。それだけじゃない・・。全部・・・全部・・思い出したんだ・・・。自分の事も・・・そして・・ジェシカ。君の事も全て・・・!」
その声は・・・その優しい声は・・・紛れもない・・・懐かしいマシューの声だった。
「マ・・・マシューッ!」
溢れる涙を抑えきれず・・私は子供のように泣きじゃくりながらマシューの胸に顔を埋めた。
懐かしいマシューの香り・・・私はこの香りが大好きだ・・・!
もうすぐ・・・もうすぐマシューとの悲しい別れがやってくる。
だから・・・私は彼の名前を呼ぶことを今迄躊躇していたのだ。だけど・・こんな事で呪いがマシューの記憶が・・・言葉が戻るなら、もっと早くに名前を呼んであげれば良かった・・・!
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・。」
私はマシューの胸の中で泣きながら謝り続けた。
「ジェシカ・・何を謝っているんだい?」
マシューは私の頭を優しくなでながら尋ねて来た。
「い、今までの事・・・色々・・。私のせいで・・・貴方を酷い目に沢山遭わせてしまって・・・。」
「俺は一度だって・・・君に酷い目に遭わされたとは思った事は無いよ?」
マシューは何処までも優しい声で語り掛けてくれる。
だけど・・・。
私の存在は・・・マシューを不幸にするだけなんだ。だから・・・・私はマシューの為にも彼から離れて・・本物の聖女、ソフィーに全てを託す。
「マシュー。その仮面・・・外れそう?」
マシューの顔を見上げて尋ねた。
「うん・・・もう仮面から怖ろしい声は聞こえてこないけど・・・ちょっと外れそうにないな。けど・・・剣を使えば・・・壊せるかもしれない。」
マシューは仮面に手をやりながら言う。
私にはわかる。この仮面を外す事が出来る人物は・・この城にいるって事が。
「大丈夫、マシュー。私・・・この仮面を外す事が出来る人を知ってるの。その人は・・・このお城の一番高い塔に・・・閉じ込められている。・・一緒に・・助けに行こう?マシュー。」
「うん、分かった。ジェシカ。一緒に行こう。」
マシューは私に手を差し伸べ・・・私は彼の手をしっかり握りしめた。
城の中へ入ると、目も眩むほどの長い螺旋階段が続いている。こ・・これを今から登らないといけないなんて・・・。
するとマシューが私を抱き寄せると言った。
「ジェシカ。俺にしっかり掴まっていて。」
「え?う、うん・・・」
言われた通り私はマシューの首に腕を回す。するとマシューが突然私を抱き上げると、ふわりと空中に浮かび上がった。
「え?キャアッ!」
慌ててマシューの首にしがみ付くと彼が笑った。
「アハハハ・・・。だいじょうぶ、浮遊魔法だよ。この階段を上るのは・・・流石に無理だから、このまま最上階まで行こう。」
そして、私達は上を目指しながら言葉を交わした。
「ねえ。マシュー。仮面を被らされていた時の記憶はあるの?」
「う~ん・・・。それが・・実はあまりその辺りの記憶があやふやなんだよね・・。何だか頭に靄がかかっていたかのようで・・・。はっきり分かるのは『ワールズ・エンド』での出来事と・・・魔族が今溢れかえっていてたって事位で・・・・。後は・・・誰かを助けにここに来たんだよね?」
そうか・・・それじゃ、きっとマシューは。私を優しく抱いてくれた記憶も・・・私が愛してると叫んだ言葉も・・・記憶に無いのだろう。でも、もうすぐマシューは確実に私の元を去っていく。最後に・・・最後に自分の気持ちを彼に・・伝えておきたい・・・。
「ジェシカ、着いたよ。どうやらここが・・最上階みたいだね。」
マシューの声に我に返る。私は扉を見た。・・・そうだ、確かに・・ここだ。ここにほんもののソフィー・・アメリアが幽閉されているんだ。
最期に扉を開ける前に・・・。
「どうしたの?ジェシカ・・・。扉・・開けないの?」
不思議そうな顔でマシューが尋ねて来る。
「今・・・今開ける。その前に・・。」
私はマシューを振り返ると言った。
「マシュー。聞いて・・・・。どうしても今貴方に伝えておかないといけない事があるの・・。」
「え?う・うん・・・。何?ジェシカ。」
「私・・・私はマシュー。貴方の事が・・・好きです。・・・愛しています。」
「!」
マシューの肩がピクリとする。
ついに言ってしまった・・・。もうすぐ・・辛い別れが来るのに・・・。
次の瞬間—
私はマシューの腕の中にいた。彼は私を胸に埋め込まんばかりの強さで私を抱きしめて来る。
「本当に・・・?ジェシカ・・・・。これは・・・夢じゃないんだよね・・・?」
切なげで・・・何処か甘みのある声でマシューが私に囁いてくる。
「うん、夢じゃ・・・ないよ。」
「信じられないよ・・・。本当に俺の事を・・・?ノア先輩でも無く、アラン王子でも・・・他の誰でも無く・・俺を・・・選んでくれたの・・?」
「うん・・・。他の誰でもない・・・貴方が好き。・・・愛してる。」
「!」
マシューの身体がビクリと動き・・・さらに抱擁が強まった。
「ジェシカ・・・ジェシカ・・・。俺も君が大好きだ・・・・愛してる・・・っ!」
<愛してる>
その言葉を・・・貰えただけで、十分だ。マシューにこうしてまた会えた。そして・・<愛してる>と言って貰えた。その言葉だけで・・・私はこの先も生きていけるだろう。
「マシュー。それじゃ・・・扉を開けるから・・少しだけ、貴方はここで待っていてくれる?」
「うん、分かったよ。・・・待ってる。」
待ってる―。
多分今の言葉はもう二度と彼の口からは聞けることは・・・無いだろう。
私は彼から離れ、深呼吸すると鍵穴に鍵を回しいれて・・扉を開けた—。
「誰っ?!」
中で人の気配がする。
その部屋は・・・夢で見た通り、花で溢れ変えっていた。
「アメリア・・・?」
そっと声を掛けると、息を飲む女性の気配を感じた。
「ま・・・まさか・・・ジェシカ・・・さん・・?」
ゆっくりと私の前に姿を現した女性は・・やはり彼女だった。
「・・・久しぶり。アメリアさん。ごめんなさい。助けに来るのが・・遅くなって。」
「!」
アメリアがピクリと身体を震わせた。
「ジェシカさん・・・。やっぱり・・・全て・・知ってるの・?」
ああ・・。もう、今の言葉を聞いただけで、答えは明白だ。
「うん。夢で・・全て見てきたから。貴女が・・本物のソフィー・ローラン・・でしょう?」
するとアメリア・・・もとい、ソフィーは頷いた。
「貴女の偽物を名乗るソフィーは・・・多分魔界へ行ってしまった。貴女と偽物の間で・・何があったかは分からないけど・・・全てが終わったら・・私に教えてくれる?だから・・今すぐ私の力を・・・全部持っていって。」
私はソフィーに両手を差し出した。
「ジェシカさん・・・。貴女・・そこまで知ってたの?私が力を奪われた事も・・。貴女の持つ力なら・・・私が元の姿に戻れる事も・・?だけど・・・本当にいいの?私が貴女の魔力を全て受け取れば・・・・。」
ソフィーは泣きそうな顔で私を見た。何故・・彼女がそんな顔をするのだろう?
「うううん、いいの。だって・・・この力は本来は・・・全て貴女の持つべき力だったんだから。さあ、時間がないから・・お願い、ソフィーさん。」
「わ・・わかったわ・・・。ジェシカさん・・・。」
そしてソフィーは私の両手をしっかり握りしめ・・・目を閉じた。
すると途端に私とソフィーの身体は温かい光に包まれ・・・どんどん私の中から光がソフィーの中に吸収されていく・・・。
私は急速に自分の魔力が消えていくのが分かり・・・それと同時に大切な何かが失われていくのを感じた。
ガクッ!
突然立っていられなくなり膝をつくと、ソフィーに助け起こされた。
見上げたその姿は・・・正に本物の聖女の・・・ソフィー・ローランだった。
ああ・・ついに・・・本物の聖女が・・・この世界に戻って来たんだ—。
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ああ・・・ついに、本物の聖女が現れた。これで・・・私の役目も終わり。
「ソフィーさん。この部屋の外で・・・偽物のソフィーに・・・呪いの仮面を付けられた聖剣士がいるんです。貴女なら・・・助けられますよね?」
「え、ええ・・・。多分・・・。」
ソフィーは躊躇いがちに頷いた。
「それじゃ・・・今連れてきますね。」
私は部屋のドアを開けると・・そこにはマシューが立っていた。
「あ・・・。」
マシューは私を見ると、言葉を詰まらせた。・・・この瞬間私には分かった。
もう・・・マシューの気持ちは私に向いていない・・・。
「え・・えっと・・・ジェシカ・・?もう中へ入ってもいいのかな?」
マシューは戸惑っているようだった。それは当然だろう。だって、さっきまで私を想ってくれていた気持ちが・・突然その気が失せてしまったのだから。
そしてマシューは中へ入り・・・ソフィーの姿を見て息を飲んだ。
ああ・・・今、この瞬間、彼は・・マシューはソフィーに恋をしたんだ・・・。
今はまだマシューの顔は仮面に隠れて見えないけれども・・・仮面が外れて、今まで私に向けてくれていた視線が・・・ソフィーにだけ向けられるんだ。その瞬間を・・・私はじきに目の当たりにする。
「き・・・君は・・・もしかしてソフィー・・?で、でも何故・・・君は・・・今までとはまるきり違って見える・・・。」
マシューはソフィーに語り掛けた。
「ええ。今まで皆がソフィーだと思っていたのは・・・私の偽物なの。ジェシカさんのお陰で、本来の自分を取り戻す事が出来たの。さあ、そこのベッドに横になって。仮面を外すから。」
「あ、ああ。」
マシューはソフィーに言われた通りにベッドに横たわった。・・ソフィーは美しい声で歌を歌い始めた。すると・・夢で見た通り、ソフィーの部屋に飾られた無数のしおれた花々が見る見るうちに蘇り、ソフィーの身体が光り輝くと、マシューの身体も光を放ち始める・・。そうだった。小説に書いたっけ・・・ソフィーの不思議な力はその歌声に宿るって・・・。
そして・・ついにマシューの仮面が外れ、ゆっくりと彼は起き上がった。
ああ・・マシューだ。私が大好きなマシューにやっと会えた・・。
だけど、彼が私を見る事はもう無い。その瞳はソフィーを捕らえて離さない。
愛し気な目で・・・薄っすら頬を染めてじっと本物の聖女ソフィーを見つめている。
ソフィーもマシューを見つめているが・・・彼女は多分・・・マシューに対して特別な思いを抱いていないのはその目で分かった。
そう、きっと・・ソフィーが選ぶ相手はアラン王子なのだから。
見つめ合う2人を見て、思わず目じりに涙が浮かぶ。私はその涙を見られないように背中を向けて目を擦り・・涙がこぼれないように上を向いた。
駄目だ、自分の心を殺すんだ・・・。何も考えては駄目、こうなる事は覚悟していたでしょう?
私はこの世界の住人では無いのだから、マシューの事は諦めるのよ・・・。
そして一つ深呼吸すると2人の方を振り向いて言った。
「そろそろ・・この城を出ましょう。そして、神殿に行って、本物の聖女が現れた事を宣言しましょう。きっと・・・聖剣士達は戻ってくれるはずだから。」
「そうね。ジェシカさん。学院が・・・町の人達が心配です。3人で戻りましょう。」
するとマシューが言った。
「あの・・・ソフィーと呼んでも・・いいかな?」
「ええ。いいわ。」
「それじゃ・・・俺の転移魔法で神殿に戻ろう、ソフィー。君も・・・来るだろう?」
マシューはチラリと私を見ると言った。その瞳には何の感情も籠っていない。
ズキリと私の胸は痛んだが・・・無理に笑顔を作って返事をした。
「うん。戻るわ。・・・お願いします。一緒に連れ帰って下さい。」
そして頭を下げる。
「よし、それじゃ・・ソフィー。俺にしっかり掴まって。あ、君もだよ。」
手招きをしてマシューは私を呼ぶ。・・・馬鹿だ、私は。これっぽっちの事でも・・涙が出そうになる程に嬉しいなんて。
思わず目頭が熱くなりかけ・・・。
「・・・どうしたの、ジェシカさん・・・。」
ソフィーが気遣って声を掛けてきた。
「い、いえ、もうすぐ皆の前に本物の聖女を紹介できると思うと、嬉しくて・・。」
咄嗟に胡麻化す。
するとマシューが言った。
「・・君みたいな素敵な女性が・・やっぱり真の聖女なんだね・・・。」
そしてうっとりとした目つきでソフィーを見つめる。その度に私の心は・・ナイフで抉られたように傷付いていく。でも、駄目だ。ここで泣いては。ソフィーに私のマシューに対する気持ちが気付かれて、気にさせてしまう。マシューに知られたら・・・きっと迷惑がられてしまうに決まってる。
だから、心を強く持たなくては・・・!
そしてマシューは私達を連れて、神殿へと飛んだ―。
神殿へ着くと、そこには大勢の傷付いたソフィーの兵士が床に転がっていた。
そしてソフィーを見つけると声をあげた。
「あ!聖女・・ソフィー様だっ!」
そして、ソフィーに何人かが駆け寄ってきた時・・マシューがソフィーを自分の腕に囲い込むと言った。
「やめろ、ソフィーが怖がるじゃ無いか。」
「!」
その姿は正に愛しい聖女を守る・・・聖剣士の姿だった。
もうマシューの目にはソフィーしか映らない。・・二度と私にその目を向けてくれることは・・・無いのだ。
これ以上・・今の2人を見続ける事は私には出来そうに無かった。きっと今の私は恐ろしいくらい青ざめた顔をしていただろう。これ以上・・あの2人の側にいたら・・きっと私の心はガラスのように砕け散ってしまうだろう。
ほんの少しでも・・・1人になりたい・・・。
私は彼等から離れて、その場を後にした。・・・この時の私はすっかり忘れていたのだ。
絶対に・・・神殿内では1人にならないようにと仮面をつけていたマシューに言われていた事を・・・。
兵士たちが大勢集まっているホールの前の廊下を通り抜け、私は中庭に面した神殿の椅子に腰かけて・・・・ついに我慢していた涙がぽたぽたと頬を伝って落ちて来た。
死んでしまったと思っていたマシューにやっと会えたのに・・・。自分の気持ちを正直に伝え・・・両思いになれたのに・・・それがたった一瞬で壊れてしまった。
私の目の前で、私ではない他の女性を愛し気に見つめるマシュー。そして・・・それを傍で見ていなくてはならない私。
好きになんて・・・ならなければ良かった。あれ程・・・この世界に来てしまった時、誰も好きになっては駄目だと自分をいさめてきたのに・・。
マシューの側にいる事は・・・とても耐えられない。私はそれ程強くはない。
決めた・・・。彼等とは距離を取るのだ。勿論アラン王子も・・・デヴイットさん、ダニエル先輩にノア先輩・・グレイにルークからも距離を取らなければ。
だって彼等と関われば・・・嫌でもマシューとも関わってしまう・・!
彼等から離れれば私はまた・・・一人ぼっちになってしまうだろう。でも心が傷付くくらいなら1人になった方が・・・まだずっとマシに思えた。
この世界が・・・平和になるのを見届けたら、私はここを去ろう。
そして・・当初の予定通り、誰も知らない土地で・・・暮していくのだ。
私の手元にはまだ『狭間の世界』の鍵と『魔界』の鍵・・両方持っている。
まだ・・・・門は残っているのだろうか?鍵穴は・・残ってる?
『ワールズ・エンド』へ行ってみよう。
私は立ち上がり・・・その時、突然後ろから誰かに羽交い絞めにされた。
「きゃああっ!だ、誰っ?!」
必死で振りほどこうと振り向くと、そこには全く見た事が無いソフィーの兵士の姿があった。
「へへへ・・・こいつはいい。お前・・・えらく美人じゃ無いか・・・正に俺の好みだ。」
下卑た笑いをした兵士が舌なめずりしながら私の身体をまさぐって来た。
嫌だ、怖い!気持ち悪い!
「だ、誰か!助けてっ!マ・・・!」
マシューの名前を口に出しかけ・・・私は口を閉ざした。そうだ、彼は・・・もう私の聖剣士では無い。マシューはソフィーの・・・っ!
急に私が叫ぶのをやめると、調子に乗った兵士は私を床に押し倒してきた。
だ、誰かーっ!!
恐怖で目に涙が浮かぶ。その時・・・・
「貴様・・・・!何してるんだっ!!」
聞き覚えのある声が突然頭上から聞こえ、男を殴り飛ばした。
「おい、大丈夫だったか?!」
そして私を助け起こし・・・。
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不意に名前を呼ばれて私は顔を上げた。
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