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3−10 いつもと違う姿
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11時―
部屋で身支度をしていると、ドアの向こうでノックの音が聞こえた。
コンコン
きっとユベールだ。立ち上がってドアに向かい、カチャリと開けるとやはりそこに立っていたのはユベールだった。けれど…。
「あ、あの…本当にユベール様ですよね?」
「何だ?当たり前だろう?何故そんな事を尋ねてくる?」
ユベールは首を傾げながら私を見る。
「だって…その格好…何か…」
思わずぞんざいな口の聞き方をしてしまい、慌てて口を押さえる!私ったら何て口を!私は伯爵家で相手は侯爵だと言うのに!
「も、申し訳ございませんでした!失礼な口の聞き方をしてしまって!」
慌てて頭を下げて謝罪する。
「まあ、いい。気にするな。それで俺の格好が何だ?」
「え、ええ。何というか…」
いつものユベールなら、濃紺の折り襟のダブルボタンのチュニックに腰にバックルを巻いている。濃紺のボトムスに真っ白なロングブーツ、そして黒いマントを羽織っている。けれど今、目の前に立つユベールは白いシャツに黒のダブルベストにボトムス、茶色の革靴という姿なのだ。
「い、いえ。服装がいつもと違うので…」
「城の外に出るのに、いつもと同じ王宮騎士の姿で出かけるわけにはいかないだろう?」
「言われてみればそうですね。でもいつもの騎士の姿も素敵ですが、その服装もお似合いです。格好いいですよ」
私は思った通りの感想を述べた。
ユベールは人目を引くほどの美青年だ。ただ無表情で常に仏頂面をしているので周囲から敬遠されがちだが、それさえなければさぞかし女性たちから人気が出るだろうう。
「…」
ユベールは何故か私の顔を凝視している。
「ユベール様?どうされましたか?」
「い、いや。何でも無い。ところで…お前はその格好で行くのか?」
「はい、そうですけど?」
何か変だろうか?今日の私の服装は薄水色の膝下丈のワンピースを着ている。
「それは普段着か?」
「いえ、一応外出着ですけど…」
ひょっとして地味過ぎたのだろうか?一応これでも持ってきた服の中では比較的おしゃれ着のつもりで持ってきたのだが、侯爵家のユベールから見れば冴えない服なのかもしれない。
「そうか、では行こう」
「はい、よろしくおねがいします」
こうして私とユベールは町へ向かうことになった。
「そう言えばここへ来る前に魔石探しをしている連中と鉢合わせした」
ユベールが話しかけてきた。
「まあ、そうなんですか?どうでしたか?皆さんの様子は?」
「ああ、全く魔石の場所が分からないのだろうな?闇雲に探しているようにしか見えなかった」
「そうなんですか…」
「その点、お前はすごいな」
ユベールがポツリと言った。
「え?」
「お前の魔力は本物だ。たいしたものだな」
信じられない。あのユベールが…誰かをほめるなんて…。思わずまじまじと彼を見つめてしまった。
「な、何だ?そんなにジロジロ見て…」
ユベールが視線をそらせた。
「す、すみません。不躾に見てしまって…」
そんな会話をしている内にいつの間にかもう私達は城の扉の前にきていた。扉を開けながらユベールが言った。
「シルビア、俺は馬車を持ってくるからお前はここで待っていろ」
「はい、分かりました」
そしてユベールは厩舎へと向かって歩いていく。そんな彼の後ろ姿を私は見守っていた―。
部屋で身支度をしていると、ドアの向こうでノックの音が聞こえた。
コンコン
きっとユベールだ。立ち上がってドアに向かい、カチャリと開けるとやはりそこに立っていたのはユベールだった。けれど…。
「あ、あの…本当にユベール様ですよね?」
「何だ?当たり前だろう?何故そんな事を尋ねてくる?」
ユベールは首を傾げながら私を見る。
「だって…その格好…何か…」
思わずぞんざいな口の聞き方をしてしまい、慌てて口を押さえる!私ったら何て口を!私は伯爵家で相手は侯爵だと言うのに!
「も、申し訳ございませんでした!失礼な口の聞き方をしてしまって!」
慌てて頭を下げて謝罪する。
「まあ、いい。気にするな。それで俺の格好が何だ?」
「え、ええ。何というか…」
いつものユベールなら、濃紺の折り襟のダブルボタンのチュニックに腰にバックルを巻いている。濃紺のボトムスに真っ白なロングブーツ、そして黒いマントを羽織っている。けれど今、目の前に立つユベールは白いシャツに黒のダブルベストにボトムス、茶色の革靴という姿なのだ。
「い、いえ。服装がいつもと違うので…」
「城の外に出るのに、いつもと同じ王宮騎士の姿で出かけるわけにはいかないだろう?」
「言われてみればそうですね。でもいつもの騎士の姿も素敵ですが、その服装もお似合いです。格好いいですよ」
私は思った通りの感想を述べた。
ユベールは人目を引くほどの美青年だ。ただ無表情で常に仏頂面をしているので周囲から敬遠されがちだが、それさえなければさぞかし女性たちから人気が出るだろうう。
「…」
ユベールは何故か私の顔を凝視している。
「ユベール様?どうされましたか?」
「い、いや。何でも無い。ところで…お前はその格好で行くのか?」
「はい、そうですけど?」
何か変だろうか?今日の私の服装は薄水色の膝下丈のワンピースを着ている。
「それは普段着か?」
「いえ、一応外出着ですけど…」
ひょっとして地味過ぎたのだろうか?一応これでも持ってきた服の中では比較的おしゃれ着のつもりで持ってきたのだが、侯爵家のユベールから見れば冴えない服なのかもしれない。
「そうか、では行こう」
「はい、よろしくおねがいします」
こうして私とユベールは町へ向かうことになった。
「そう言えばここへ来る前に魔石探しをしている連中と鉢合わせした」
ユベールが話しかけてきた。
「まあ、そうなんですか?どうでしたか?皆さんの様子は?」
「ああ、全く魔石の場所が分からないのだろうな?闇雲に探しているようにしか見えなかった」
「そうなんですか…」
「その点、お前はすごいな」
ユベールがポツリと言った。
「え?」
「お前の魔力は本物だ。たいしたものだな」
信じられない。あのユベールが…誰かをほめるなんて…。思わずまじまじと彼を見つめてしまった。
「な、何だ?そんなにジロジロ見て…」
ユベールが視線をそらせた。
「す、すみません。不躾に見てしまって…」
そんな会話をしている内にいつの間にかもう私達は城の扉の前にきていた。扉を開けながらユベールが言った。
「シルビア、俺は馬車を持ってくるからお前はここで待っていろ」
「はい、分かりました」
そしてユベールは厩舎へと向かって歩いていく。そんな彼の後ろ姿を私は見守っていた―。
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