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1-11 宿命の姫 2
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屋敷の中では侍女と執事、男女の使用人が並んでユリアナを出迎えた。
「お帰りなさいませ。奥方様。コートをお預かりいたします」
初老の男性執事――ジェイムズがユリアナのコートを預かり、フードで顔を隠したレイリアを見つめると尋ねてきた。
「こちらのお嬢様がレイリア姫でございますな?」
馬車から降りる時にレイリアはユリアナからひと言も口を利かないように言い含められていたので黙って頷いた。
「ジェイムズ、実はレイリアは喉の調子が悪くて話す事が出来なくなっているの。その事を理解しておいて頂戴ね」
ジェイムズに説明するユリアナ。
「はい、承知いたしました。この館の者全員に伝えておきます」
ジェイムズは恭しく頭を下げて、さらに首を傾げた。
「ところでレイリア様はコートをお預かりしなくてよろしいのですか?」
「ええ、風邪気味で寒気がするそうなのでこのコートは着たままでいいのよ。あ、そうだわ。アメリ、レイリアの部屋の用意は出来ているかしら?」
「はい、奥様。用意は出来ております」
アメリと呼ばれた侍女が前に進み出て来た。
「ご苦労様、ではレイリア。部屋に行きますよ」
ユリアナはレイリアを連れて行こうとすると、アメリは慌てた。
「あ、奥様。姫様のお部屋の案内でしたら、この私が致しますが」
「いえ、いいのよ。少しレイリアと話があるから。いらっしゃい、レイリア」
レイリアは黙って頷くとユリアナの後をついて行った。
ユリアナの館はレイリアが住んでいた城に比べると、とても小さく見えた。
けれども明るくて大きな窓、隅々まで掃除が行き届いた内部、何より調度品はとても温かみを感じる物で溢れていた。
レイリアは屋敷中をキョロキョロと見渡しながら思った。
(これがお婆様のお屋敷なのね。初めて来たけど、とても私気に入ったわ)
「ふふふ……レイリア。私の屋敷が気に入った様ね?」
前を歩くユリアナが振り返った。
「別に。ただ、随分小さな屋敷だなって思っただけよ!」
フンとそっぽを向いて答える。
(ああ、私ったらまた心にもない事を口走ってる……)
レイリアの胸はチクチク痛んでいた。
やがてユリアナは一つの部屋の前で立ち止まった。
「さあ、レイリア。今夜はこの部屋で休むのよ」
レイリアは部屋の中へ入った。
アーチ形の大きな出窓は明るい日差しを取り入れ、天蓋付きのベッドはたっぷりのフリル付きのレースで覆われている。部屋の壁紙は薄いブルーで、床も同色系で統一されていた。
「どう? 気に入ったかしら?」
ユリアナはレイリアの背後に立ってフードを外した。
「フン。まあまあいいんじゃないの?」
でも内心では、とてもこの部屋が気に入りウキウキしていた。
「食事もこの部屋に運ばせます。私と一緒に夕食を取りましょう。貴女がこの部屋にいる間は誰も入らないよう言い聞かせていますからね」
「そうね、黒髪の人間を見たら皆怖がってしまうものね?どうせ厄介なお荷物を背負い込んでしまったと思っているのでしょうね」
そう言いながらレイリアの心はますます深く傷ついていくのだった――
「お帰りなさいませ。奥方様。コートをお預かりいたします」
初老の男性執事――ジェイムズがユリアナのコートを預かり、フードで顔を隠したレイリアを見つめると尋ねてきた。
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ユリアナはレイリアを連れて行こうとすると、アメリは慌てた。
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レイリアは黙って頷くとユリアナの後をついて行った。
ユリアナの館はレイリアが住んでいた城に比べると、とても小さく見えた。
けれども明るくて大きな窓、隅々まで掃除が行き届いた内部、何より調度品はとても温かみを感じる物で溢れていた。
レイリアは屋敷中をキョロキョロと見渡しながら思った。
(これがお婆様のお屋敷なのね。初めて来たけど、とても私気に入ったわ)
「ふふふ……レイリア。私の屋敷が気に入った様ね?」
前を歩くユリアナが振り返った。
「別に。ただ、随分小さな屋敷だなって思っただけよ!」
フンとそっぽを向いて答える。
(ああ、私ったらまた心にもない事を口走ってる……)
レイリアの胸はチクチク痛んでいた。
やがてユリアナは一つの部屋の前で立ち止まった。
「さあ、レイリア。今夜はこの部屋で休むのよ」
レイリアは部屋の中へ入った。
アーチ形の大きな出窓は明るい日差しを取り入れ、天蓋付きのベッドはたっぷりのフリル付きのレースで覆われている。部屋の壁紙は薄いブルーで、床も同色系で統一されていた。
「どう? 気に入ったかしら?」
ユリアナはレイリアの背後に立ってフードを外した。
「フン。まあまあいいんじゃないの?」
でも内心では、とてもこの部屋が気に入りウキウキしていた。
「食事もこの部屋に運ばせます。私と一緒に夕食を取りましょう。貴女がこの部屋にいる間は誰も入らないよう言い聞かせていますからね」
「そうね、黒髪の人間を見たら皆怖がってしまうものね?どうせ厄介なお荷物を背負い込んでしまったと思っているのでしょうね」
そう言いながらレイリアの心はますます深く傷ついていくのだった――
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