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2章28 2人への頼み
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「あの、魔力暴走っていうのは私が勝手に考えついたことだから気にしないで。ただリオンはあのとき突然身体の中が熱くなって、魔力が抑えられた無かったらしいの。だからひょっとして、大きすぎる魔力に比べて身体が追いつかなかったのじゃないかと思ったのよ」
まさか、この世界のゲームをプレイしたことがあるから知っている等言えるはずない。何とか理由付けて説明した。
「ふ~ん。でも、確かにそういう事があるかもしれない。俺も一度だけ、そんなことが起こったからな」
ザカリーが意外な話を口にした。
「え? その話、本当なの?」
「そうだよ、だけど俺の場合は水だからね。寮の花壇に水撒きしようと集中したら、抑えきれなくて辺りを水浸しにしてしまったよ」
「それで、翌日風邪を引いて学校を休んだんだよな」
アンディが教えてくれた。
「水浸しに……」
ザカリーの水魔法の力があれば、火災が起きても火を消し止めることが出来るかもしれない。
それにアンディもザカリーほどでは無くても、水魔法が出来る。
リオンが何と言うか分からないけれども、この2人を誕生パーティーに呼ぶことができれば……!
「あの……2人にお願いがあるのだけど、いいかしら?」
「お願い?」
「どんな?」
アンディとザカリーが私を見つめる。
「実は、もうすぐリオンの誕生パーティーがあるの。リオンはSS2クラスの人全員を招待することになってるの。それで……アンディとザカリーにも参加してもらいたいのだけど」
「え? 僕たちが?」
「何で?」
当然、思った通りの反応をされてしまった。
「この誕生パーティーの日は何だか嫌な予感がするの。ほら、私……SS2クラスの人たちから良く思われていないでしょう? だから、2人に参加してもらえると心強いのだけど」
「うん、確かにそうだね。ロザリンはユニスの試験結果にいいがかりをつけていたし」
頷くアンディ。
「でも、それならそもそもユニスは参加しなければいい話じゃないか?」
ザカリーは多分、私とリオンの関係を知らないのだろう。
「ザカリー。ユニスはね、リオンの婚約者なんだよ。だから誕生パーティーに参加するんだよね?」
「え!? そうだったのか!? 何だ、てっきり俺はロザリンと……あ! ご、ごめん!」
ザカリーが申し訳無さそうに謝ってきた。
「いいの。誰がそう思っても当然のことだし。それに私とリオンの婚約は親が決めたことだから」
どのみち彼からは婚約解消を言い渡されているし、ヒロインが現れれば私は身を引くつもりだった。
ただ……何故か未だにヒロインの顔は思い出せるのに、名前だけは思い出せない。
ゲーム中、デフォルト名はあるものの、ヒロインの名前は自分で好きに変えられたからなのかもしれない。
「そうか……」
「……」
ザカリーは頷き、アンディは黙っている。
「だけど、招待されてもいない俺達がリオンの誕生パーティに参加できるのか?」
ザカリーの疑問も尤もだ。
「それなら大丈夫、私からリオンに頼むわ。多分お願いすれば聞いてくれるはずよ」
リオンは私に貸しがある。きっと断れないはずだ。
「分かったよ。それで誕生パーティーはいつかな?」
アンディが尋ねてきた。
「来月の5月14日よ」
リオンからはまだ日程を聞いていないけれども、この日で間違いない。
ゲームをプレイしたことがある私は、良く知っている。
「分かった、その日は予定を開けておくよ。いいよな? ザカリー」
「……あまり、リオンとは関わりたくないけど……ユニスが気の毒だからな」
アンディもザカリーも親切だ。さすが、『ニルヴァーナ』のヒーローたちは違う。
この2人が参加してくれれば、きっと大丈夫だろう。
パーティー会場を屋内ではなく水場の近くでセッティングし、水魔法が使える2人のヒーローもいる。
絶対リオンの誕生パーティーでは、誰一人犠牲者を出させない。
私は自分に強く、言い聞かせた――
まさか、この世界のゲームをプレイしたことがあるから知っている等言えるはずない。何とか理由付けて説明した。
「ふ~ん。でも、確かにそういう事があるかもしれない。俺も一度だけ、そんなことが起こったからな」
ザカリーが意外な話を口にした。
「え? その話、本当なの?」
「そうだよ、だけど俺の場合は水だからね。寮の花壇に水撒きしようと集中したら、抑えきれなくて辺りを水浸しにしてしまったよ」
「それで、翌日風邪を引いて学校を休んだんだよな」
アンディが教えてくれた。
「水浸しに……」
ザカリーの水魔法の力があれば、火災が起きても火を消し止めることが出来るかもしれない。
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「実は、もうすぐリオンの誕生パーティーがあるの。リオンはSS2クラスの人全員を招待することになってるの。それで……アンディとザカリーにも参加してもらいたいのだけど」
「え? 僕たちが?」
「何で?」
当然、思った通りの反応をされてしまった。
「この誕生パーティーの日は何だか嫌な予感がするの。ほら、私……SS2クラスの人たちから良く思われていないでしょう? だから、2人に参加してもらえると心強いのだけど」
「うん、確かにそうだね。ロザリンはユニスの試験結果にいいがかりをつけていたし」
頷くアンディ。
「でも、それならそもそもユニスは参加しなければいい話じゃないか?」
ザカリーは多分、私とリオンの関係を知らないのだろう。
「ザカリー。ユニスはね、リオンの婚約者なんだよ。だから誕生パーティーに参加するんだよね?」
「え!? そうだったのか!? 何だ、てっきり俺はロザリンと……あ! ご、ごめん!」
ザカリーが申し訳無さそうに謝ってきた。
「いいの。誰がそう思っても当然のことだし。それに私とリオンの婚約は親が決めたことだから」
どのみち彼からは婚約解消を言い渡されているし、ヒロインが現れれば私は身を引くつもりだった。
ただ……何故か未だにヒロインの顔は思い出せるのに、名前だけは思い出せない。
ゲーム中、デフォルト名はあるものの、ヒロインの名前は自分で好きに変えられたからなのかもしれない。
「そうか……」
「……」
ザカリーは頷き、アンディは黙っている。
「だけど、招待されてもいない俺達がリオンの誕生パーティに参加できるのか?」
ザカリーの疑問も尤もだ。
「それなら大丈夫、私からリオンに頼むわ。多分お願いすれば聞いてくれるはずよ」
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「分かったよ。それで誕生パーティーはいつかな?」
アンディが尋ねてきた。
「来月の5月14日よ」
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「分かった、その日は予定を開けておくよ。いいよな? ザカリー」
「……あまり、リオンとは関わりたくないけど……ユニスが気の毒だからな」
アンディもザカリーも親切だ。さすが、『ニルヴァーナ』のヒーローたちは違う。
この2人が参加してくれれば、きっと大丈夫だろう。
パーティー会場を屋内ではなく水場の近くでセッティングし、水魔法が使える2人のヒーローもいる。
絶対リオンの誕生パーティーでは、誰一人犠牲者を出させない。
私は自分に強く、言い聞かせた――
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