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4章2 トラブル 1
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大学へ行く準備をしていると、扉がノックされた。
――コンコン
「きっとエイダね」
朝食後、エイダが部屋に迎えに来てくれることになっていたのだ。扉を開けると、案の定エイダがいた。
「クラリス、準備は終わったかしら?」
「ええ、終わったわ。ありがとう、迎えに来てくれて」
「いいのよ、それじゃ行きましょう」
「ええ」
部屋の扉に鍵をかけると、早速2人で会話をしながらエントランスへ向かった。
エイダは何も言わないけれど、私は彼女の心遣いに感謝していた。私が寮内で1人にならないように気を使ってくれていることは分かっていた。
その原因は勿論ブレンダ。
彼女は友人たちと食事をしている間、私を鋭い視線で見ていたからだ。
初等部の頃は私の方が大人だったけれども、この6年でエイダはすっかり大人の女性に変わっていた。
「そう言えば、クラリスは何の魔法を使えるの? 私の属性は『風』なの。だから風魔法を習得する授業を選択するつもりなのよ」
不意にエイダが尋ねてきた。
「え、ええ。私は……まだそれほど使えこなせないけど、治癒魔法が少し使えるの。だから治癒魔法を習得できる授業を受けたいのだけど……」
治癒魔法と時を操る禁忌魔法はどこか似ている。考えてみれば、治癒魔法は怪我を負った身体を元の状態に戻すようなものだ。
だから私はまだまだ微力ではあるけれども、治癒魔法を使えるのかもしれない。
するとエイダが目を見開いた。
「え? 治癒魔法を使えるの! 驚きだわ。あの魔法を使える人は殆どいないのよ? ここ100年程現れていないと言われていたのに」
「そんなに大袈裟な物じゃないのよ? まだほんの小さな傷しか治すことが出来ないのだから」
「それでもすごいわよ! だけど治癒魔法の授業なんて、無いわよ?」
「ええ、分かっているわ。だからどうしようかと思っているの。他に何か別の魔法学を選択するしかないかも……」
そもそも治癒魔法を使える人物が存在しない。その為、習得できる授業すら無いのだ。
「ねぇ、だったら私と同じ風魔法の授業を選択してみない……あら? 何かしら」
エントランスにやってくると、女子寮の外で女子学生たちが集まっている姿が見えた。
「一体あんなところで何をしているのかしらね?」
エイダが不思議そうに首を傾げたその時、人だかりの中心にセシルとフレッドの姿を発見した。
ひょっとして私の迎えに来て、取り囲まれてしまったのだろうか?
彼らは女子学生たちに質問攻めにあい、困り切っている。特にフレッドは露骨に嫌そうな顔を浮かべていた。
「まさか……」
私の言葉にエイダが振り向いた。
「ねぇ、あの人達。ひょっとして……」
その時、たまたまこちらを振り向いたセシルと目が合った。
「あ! クラリス!」
全員がこちらを振り向き、たちまち私に視線が集中する。
「ごめん! 通してくれ!」
「通せよ!」
2人は女子学生たちを掻き分けて私の方に駆け寄って来た。
「おはよう、クラリス」
「迎えに来たぞ」
セシルとフレッドの言葉に女子学生たちから騒めきが起こる。
「見た? またあの人よ……」
「迎えに来させたのかしら」
「もしかして見せつけているつもり?」
するとフレッドが女子学生たちを睨みつけた。
「何だよ! 見世物じゃないんだぞ!」
その言葉に女子学生たちは怯えた様子で、去って行った。
「全く……うるさい女どもだ」
吐き捨てるように言うフレッドにセシルは咎めた。
「お、おい。フレッド。何もそんな言い方しなくても……」
「何だよ。それじゃ、お前はクラリスがあんな言われ方されても黙ってろって言うのか?」
「いや、別にそういう訳では……」
するとエイダがフレッドに話しかけてきた。
「ありがとう。あなた口は悪いけど、いい人みたいですね」
「あんたは誰だ?」
「私はエイダです。クラリスの親友です」
「…‥‥へぇ……入学してすぐに親友ねぇ」
フレッドがエイダを意味深な目で見つめる。ひょっとして何か疑っているのだろうか?
するとセシルが会話に入ってきた。
「初めまして、俺はセシル。そして彼はフレッドだよ。クラリスの友人なんだ。学園に不案内な彼女を迎えに来たんだよ」
「そうですか。なら、4人で一緒に大学へ行きましょう。いいわよね? クラリス」
エイダが私を見つめる。
「あのなぁ、勝手にそんなこと……」
フレッドが言いかける前に私は頷いた。
「ええ。行きましょう」
「そうだね、皆で行こうか」
セシルも私に同意する。フレッドはどこか不満気だったが、特に文句を言わない。
こうして奇妙な組み合わせで私たちは大学へ向かうことになった。
「…‥ねぇ、あのフレッドって人。随分横柄な人ね。セシルという人は優しそうに見えるけど」
大学へ向かいながら、エイダが私に小声で話しかけてきた。
「そ、そう? でもさっき私を庇ってくれたし……」
フレッドとセシルは私たちから少し距離を空けて歩いている。気のせいか、フレッドの目つきが険しく見える。
エイダを良く思っていないのだろうか?
「だけど、あんな言い方をすれば又クラリスに風当たりが強くなるんじゃないかしら?」
「それは……」
「でも安心して。私がついているから」
「フフ。ありがとう」
とりあえず、トラブルを避ける為にも後でフレッドとセシルには今後送り迎えは遠慮してもらうように伝えよう。
けれど、更なるトラブルが私を待ち受けていた――
――コンコン
「きっとエイダね」
朝食後、エイダが部屋に迎えに来てくれることになっていたのだ。扉を開けると、案の定エイダがいた。
「クラリス、準備は終わったかしら?」
「ええ、終わったわ。ありがとう、迎えに来てくれて」
「いいのよ、それじゃ行きましょう」
「ええ」
部屋の扉に鍵をかけると、早速2人で会話をしながらエントランスへ向かった。
エイダは何も言わないけれど、私は彼女の心遣いに感謝していた。私が寮内で1人にならないように気を使ってくれていることは分かっていた。
その原因は勿論ブレンダ。
彼女は友人たちと食事をしている間、私を鋭い視線で見ていたからだ。
初等部の頃は私の方が大人だったけれども、この6年でエイダはすっかり大人の女性に変わっていた。
「そう言えば、クラリスは何の魔法を使えるの? 私の属性は『風』なの。だから風魔法を習得する授業を選択するつもりなのよ」
不意にエイダが尋ねてきた。
「え、ええ。私は……まだそれほど使えこなせないけど、治癒魔法が少し使えるの。だから治癒魔法を習得できる授業を受けたいのだけど……」
治癒魔法と時を操る禁忌魔法はどこか似ている。考えてみれば、治癒魔法は怪我を負った身体を元の状態に戻すようなものだ。
だから私はまだまだ微力ではあるけれども、治癒魔法を使えるのかもしれない。
するとエイダが目を見開いた。
「え? 治癒魔法を使えるの! 驚きだわ。あの魔法を使える人は殆どいないのよ? ここ100年程現れていないと言われていたのに」
「そんなに大袈裟な物じゃないのよ? まだほんの小さな傷しか治すことが出来ないのだから」
「それでもすごいわよ! だけど治癒魔法の授業なんて、無いわよ?」
「ええ、分かっているわ。だからどうしようかと思っているの。他に何か別の魔法学を選択するしかないかも……」
そもそも治癒魔法を使える人物が存在しない。その為、習得できる授業すら無いのだ。
「ねぇ、だったら私と同じ風魔法の授業を選択してみない……あら? 何かしら」
エントランスにやってくると、女子寮の外で女子学生たちが集まっている姿が見えた。
「一体あんなところで何をしているのかしらね?」
エイダが不思議そうに首を傾げたその時、人だかりの中心にセシルとフレッドの姿を発見した。
ひょっとして私の迎えに来て、取り囲まれてしまったのだろうか?
彼らは女子学生たちに質問攻めにあい、困り切っている。特にフレッドは露骨に嫌そうな顔を浮かべていた。
「まさか……」
私の言葉にエイダが振り向いた。
「ねぇ、あの人達。ひょっとして……」
その時、たまたまこちらを振り向いたセシルと目が合った。
「あ! クラリス!」
全員がこちらを振り向き、たちまち私に視線が集中する。
「ごめん! 通してくれ!」
「通せよ!」
2人は女子学生たちを掻き分けて私の方に駆け寄って来た。
「おはよう、クラリス」
「迎えに来たぞ」
セシルとフレッドの言葉に女子学生たちから騒めきが起こる。
「見た? またあの人よ……」
「迎えに来させたのかしら」
「もしかして見せつけているつもり?」
するとフレッドが女子学生たちを睨みつけた。
「何だよ! 見世物じゃないんだぞ!」
その言葉に女子学生たちは怯えた様子で、去って行った。
「全く……うるさい女どもだ」
吐き捨てるように言うフレッドにセシルは咎めた。
「お、おい。フレッド。何もそんな言い方しなくても……」
「何だよ。それじゃ、お前はクラリスがあんな言われ方されても黙ってろって言うのか?」
「いや、別にそういう訳では……」
するとエイダがフレッドに話しかけてきた。
「ありがとう。あなた口は悪いけど、いい人みたいですね」
「あんたは誰だ?」
「私はエイダです。クラリスの親友です」
「…‥‥へぇ……入学してすぐに親友ねぇ」
フレッドがエイダを意味深な目で見つめる。ひょっとして何か疑っているのだろうか?
するとセシルが会話に入ってきた。
「初めまして、俺はセシル。そして彼はフレッドだよ。クラリスの友人なんだ。学園に不案内な彼女を迎えに来たんだよ」
「そうですか。なら、4人で一緒に大学へ行きましょう。いいわよね? クラリス」
エイダが私を見つめる。
「あのなぁ、勝手にそんなこと……」
フレッドが言いかける前に私は頷いた。
「ええ。行きましょう」
「そうだね、皆で行こうか」
セシルも私に同意する。フレッドはどこか不満気だったが、特に文句を言わない。
こうして奇妙な組み合わせで私たちは大学へ向かうことになった。
「…‥ねぇ、あのフレッドって人。随分横柄な人ね。セシルという人は優しそうに見えるけど」
大学へ向かいながら、エイダが私に小声で話しかけてきた。
「そ、そう? でもさっき私を庇ってくれたし……」
フレッドとセシルは私たちから少し距離を空けて歩いている。気のせいか、フレッドの目つきが険しく見える。
エイダを良く思っていないのだろうか?
「だけど、あんな言い方をすれば又クラリスに風当たりが強くなるんじゃないかしら?」
「それは……」
「でも安心して。私がついているから」
「フフ。ありがとう」
とりあえず、トラブルを避ける為にも後でフレッドとセシルには今後送り迎えは遠慮してもらうように伝えよう。
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