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5章 2 現れた人達
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私とエイダは『風属性』の魔法科の受講教室に到着した。
階段教室に入ると既に大勢の女子学生たちが集まり、あちこちでお喋りに花を咲かせていた。
中にはまだ友人がいないのか、1人で待機している女子学生たちの姿もある。
「すごい大人数ね……驚きだわ。一体何人ぐらいいるのかしら?」
「そうね、恐らく100人以上はいると思うわ」
「100人……」
エイダの言葉に何か胸騒ぎを感じて周囲を見渡してみた。
「クラリス、辺りを見渡してどうかしたの?」
「え? う、うん。空いてる席は無いかと思って探していたの」
「そうね……あ! あの席が空いているみたいよ」
エイダは真ん中の列の席を指さと、一列だけ空席になっている。
「エイダ、それじゃあの席に座らない?」
「ええ、いいわよ」
2人で空いている席に座ると、エイダが興奮した様子で話し始めた。
「やっと念願の授業を受けられるんだわ。この日をどんなに夢見てたことかしら」
「そんなに楽しみにしていたの?」
「当然よ。『ニルヴァーナ』大学がこの大陸一番魔術課の授業レベルが高いのだから。私ね、将来は魔術協会に就職したいのよ」
「え!? ど、どうして!?」
魔術協会という言葉に思わず動揺してしまう。
「そんなに驚くことかしら? 魔術協会に入れば……」
そのとき。
「あら? あなたは確か……クラリスさんじゃないの?」
不意に声をかけられ、振り向くと見知らぬ女子学生が私を見下ろしていた。彼女は
3人の女子学生を引き連れている。
「え、ええ。そうですけど……」
「私達に何か用かしら?」
エイダが女子学生に尋ねる。
「用という程のものではないけれど、この間魔術の属性検査で唯一光の属性だったでしょう? だから印象に残っていたのよ。でも……まさかこのクラスで一緒になるとは思わなかったわ」
何故か、この女子学生から敵意のようなものが感じられる。
「先生からは光の属性クラスは無いので、好きなクラスに入って良いと許可を貰えたの。だからこのクラスに入ったのだけど?」
「ふ~ん、そう。まぁ、どこのクラスに所属するのも構わないけれど……余り目立つようなことはしないでちょうだいね」
「え……?」
あまりにも突拍子もない言葉に戸惑ってしまう。
「何よ、それは一体どういう意味なのかしら?」
エイダが女子学生を睨みつけた。
「別に、言葉通りの意味よ。……行きましょう」
女子学生はフイッと向きを変えると3人の女子学生を連れて行ってしまった。
「……全く、入学早々男を引き連れて歩くなんて」
去り際、私に聞えよがしの言葉を残し……。
女子学生が私達から離れていくとエイダが口を開いた。
「何よ、今の人。感じ悪いわ。きっとクラリスに嫉妬しているのよ。あんなの気にする必要は無いわよ」
「え、ええ……」
頷くも、女子学生の言葉は納得できた。1人の女子学生に4人の男子学生が張り付いていれば、目立つのは当然だ。
あの人達はみんな、私を監視しているだけだと説明出来ればいいのに……。
その時、女子学生たちがざわめき始めた。
「突然どうしたのかしら……あ!」
出入り口の方を見つめていたエイダが突然驚きの声をあげた。
「どうしたの? エイダ」
「クラリス……落ち着いて扉の方を見て……」
「え?」
エイダに言われるまま、出入り口を振り向き……驚きで目を見開いた。
「そ、そんな……どうして……」
私の目に、リオンとロザリンが教室に入ってくる姿が映し出された――
階段教室に入ると既に大勢の女子学生たちが集まり、あちこちでお喋りに花を咲かせていた。
中にはまだ友人がいないのか、1人で待機している女子学生たちの姿もある。
「すごい大人数ね……驚きだわ。一体何人ぐらいいるのかしら?」
「そうね、恐らく100人以上はいると思うわ」
「100人……」
エイダの言葉に何か胸騒ぎを感じて周囲を見渡してみた。
「クラリス、辺りを見渡してどうかしたの?」
「え? う、うん。空いてる席は無いかと思って探していたの」
「そうね……あ! あの席が空いているみたいよ」
エイダは真ん中の列の席を指さと、一列だけ空席になっている。
「エイダ、それじゃあの席に座らない?」
「ええ、いいわよ」
2人で空いている席に座ると、エイダが興奮した様子で話し始めた。
「やっと念願の授業を受けられるんだわ。この日をどんなに夢見てたことかしら」
「そんなに楽しみにしていたの?」
「当然よ。『ニルヴァーナ』大学がこの大陸一番魔術課の授業レベルが高いのだから。私ね、将来は魔術協会に就職したいのよ」
「え!? ど、どうして!?」
魔術協会という言葉に思わず動揺してしまう。
「そんなに驚くことかしら? 魔術協会に入れば……」
そのとき。
「あら? あなたは確か……クラリスさんじゃないの?」
不意に声をかけられ、振り向くと見知らぬ女子学生が私を見下ろしていた。彼女は
3人の女子学生を引き連れている。
「え、ええ。そうですけど……」
「私達に何か用かしら?」
エイダが女子学生に尋ねる。
「用という程のものではないけれど、この間魔術の属性検査で唯一光の属性だったでしょう? だから印象に残っていたのよ。でも……まさかこのクラスで一緒になるとは思わなかったわ」
何故か、この女子学生から敵意のようなものが感じられる。
「先生からは光の属性クラスは無いので、好きなクラスに入って良いと許可を貰えたの。だからこのクラスに入ったのだけど?」
「ふ~ん、そう。まぁ、どこのクラスに所属するのも構わないけれど……余り目立つようなことはしないでちょうだいね」
「え……?」
あまりにも突拍子もない言葉に戸惑ってしまう。
「何よ、それは一体どういう意味なのかしら?」
エイダが女子学生を睨みつけた。
「別に、言葉通りの意味よ。……行きましょう」
女子学生はフイッと向きを変えると3人の女子学生を連れて行ってしまった。
「……全く、入学早々男を引き連れて歩くなんて」
去り際、私に聞えよがしの言葉を残し……。
女子学生が私達から離れていくとエイダが口を開いた。
「何よ、今の人。感じ悪いわ。きっとクラリスに嫉妬しているのよ。あんなの気にする必要は無いわよ」
「え、ええ……」
頷くも、女子学生の言葉は納得できた。1人の女子学生に4人の男子学生が張り付いていれば、目立つのは当然だ。
あの人達はみんな、私を監視しているだけだと説明出来ればいいのに……。
その時、女子学生たちがざわめき始めた。
「突然どうしたのかしら……あ!」
出入り口の方を見つめていたエイダが突然驚きの声をあげた。
「どうしたの? エイダ」
「クラリス……落ち着いて扉の方を見て……」
「え?」
エイダに言われるまま、出入り口を振り向き……驚きで目を見開いた。
「そ、そんな……どうして……」
私の目に、リオンとロザリンが教室に入ってくる姿が映し出された――
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