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第82話 気になる視線?
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午前10時―
「それではアンジェラ様。今日も17時にお迎えでよろしいですか?」
アンリさんの手作りお弁当をさげ、大きなリュックを背負って店の前で馬車を降りた私にジムさんが尋ねてきた。
「ええ、それでお願いするわ、よろしくね」
「はい、ではまた後ほどお迎えにあがりますね」
そして私はジムさんに手を振ると、店の鍵を開けて店内へと入って行った。
「さて、今日も掃除から始めようかしら」
持参してきたエプロンをつけて袖まくりをすると、店内の窓を開けてハタキがけから掃除を開始した―。
「ふ~…それにしても1週間ぶりに来ると、いくら誰も普段使っていない場所だからと言ってもホコリって溜まるものなのね~」
パタパタとハタキをかけてホコリを払い終わると、次に扉を開けて箒で床を掃いていた時に扉の外から声を掛けられた。
「あの~…アンジェラさん」
「お手伝いに来ました」
「こんにちは…」
扉の外から店内を覗き込んでいたのはグレタとイレーヌ…そして…。
「え…?貴女はシビル?」
2人の友人たちに囲まれるように立っていたのはシビルだった。
「お久しぶりです。アンジェラさん」
シビルは少しだけ恥ずかしそうに私を見た。
「シビル、ひょっとしてもう停学処分が明けたの?」
「はい、また来週から登校します。それで…あの…」
シビルが私を見て恥ずかしそうにモジモジしている。
「どうしたの?シビル」
声を掛けるとグレタとイレーヌが交互にシビルに声を掛けた。
「ほら、シビル。どうしたの?」
「アンジェラさんに伝えるんでしょう?」
するとシビルは一瞬俯き、顔を上げると私に言った。
「あ、あの…!わ、私…アンジェラさんにあんな事をしてしまって…図々しいお願いなのは分かっているのですけど…ど、どうか私とお友達になって貰えませんかっ?!」
そして頭を下げてきた。
「え?シビル?」
するとグレタとイレーヌも頭を下げてきた。
「お願いします。シビルと友達になって下さい」
「私達からもお願いします」
3人とも頭を下げたままなので私は慌ててしまった。
「ちょ、ちょっと3人共頭を上げてよ」
「「「…」」」
無言で顔を上げる3人。
「私はね、もうシビルとも友達になっているつもりだったのだけど?」
するとシビルの顔にたちまち笑みが浮かぶ。
「ほ、本当ですかっ?!」
「ええ。勿論本当。私達は友達よ。ところで…」
私は3人を見渡すと言った。
「今日、ここに来てくれたってことは…来月のお店のオープンの手伝いをしてくれるって事よね?」
実は彼女たちにもし来月本当にお店の手伝いをしてくれる意思があるなら、今日お店に来てくれるように予め住所を書いたメモを手渡しておいたのだ。
「はい、勿論です!」
グレタが返事をする。
「私もお手伝いさせてもらってもいいですか?足手まといにならないように頑張るので」
シビルが尋ねてきた。
「勿論よ。アルバイト代は余り払って上げられないと思うけど…お弁当は持ってくるから」
すると彼女たちはキャアキャアと喜んだ。
「さて、それじゃ接客の仕方とラッピングの説明をするわよ」
リュックの中から持参してきたラッピング用の包装紙をテーブルの上に並べると、私は言った。
「「「はいっ!!!」」」
私の言葉に元気よく返事をする3人。
「それじゃ、まず接客の方法だけど…」
こうして私はシビル達に接客行について説明を初めた。お客様が来た時の挨拶の仕方やお金の受け渡し方法等私の前世の知る得る限りの知識を彼女たちに説明をしていたその時―。
「あら?」
不意にグレタが窓の方をチラリと見た。
「どうかしたの?」
私が尋ねるとグレタが首を傾げながら言った。
「いえ…今誰かが覗いていたような…」
「え?!本当っ?!」
イレーヌが窓に駆け寄って、ガラリと開けた。私達も見に行ったが、そこには誰もいない。
「誰もいないじゃない」
イレーヌがグレタに言う。
「そうね…。気のせいだったのかしら…?」
グレタが不思議そうに首を傾げる。
「そうねぇ…この店は大通りに面しているから、誰かが少しだけ覗いて行ったかもしれないわ」
私は少し考えながら言った。現にデリクさんもそうだったのだから。
「そうですね、きっとそうだったのかも」
グレタは納得したように頷いた。
「さて、それじゃ次はラッピングの方法を説明するわね」
こうして私は3人にお昼すぎまで接客業についてレクチャーをした―。
「それではアンジェラ様。今日も17時にお迎えでよろしいですか?」
アンリさんの手作りお弁当をさげ、大きなリュックを背負って店の前で馬車を降りた私にジムさんが尋ねてきた。
「ええ、それでお願いするわ、よろしくね」
「はい、ではまた後ほどお迎えにあがりますね」
そして私はジムさんに手を振ると、店の鍵を開けて店内へと入って行った。
「さて、今日も掃除から始めようかしら」
持参してきたエプロンをつけて袖まくりをすると、店内の窓を開けてハタキがけから掃除を開始した―。
「ふ~…それにしても1週間ぶりに来ると、いくら誰も普段使っていない場所だからと言ってもホコリって溜まるものなのね~」
パタパタとハタキをかけてホコリを払い終わると、次に扉を開けて箒で床を掃いていた時に扉の外から声を掛けられた。
「あの~…アンジェラさん」
「お手伝いに来ました」
「こんにちは…」
扉の外から店内を覗き込んでいたのはグレタとイレーヌ…そして…。
「え…?貴女はシビル?」
2人の友人たちに囲まれるように立っていたのはシビルだった。
「お久しぶりです。アンジェラさん」
シビルは少しだけ恥ずかしそうに私を見た。
「シビル、ひょっとしてもう停学処分が明けたの?」
「はい、また来週から登校します。それで…あの…」
シビルが私を見て恥ずかしそうにモジモジしている。
「どうしたの?シビル」
声を掛けるとグレタとイレーヌが交互にシビルに声を掛けた。
「ほら、シビル。どうしたの?」
「アンジェラさんに伝えるんでしょう?」
するとシビルは一瞬俯き、顔を上げると私に言った。
「あ、あの…!わ、私…アンジェラさんにあんな事をしてしまって…図々しいお願いなのは分かっているのですけど…ど、どうか私とお友達になって貰えませんかっ?!」
そして頭を下げてきた。
「え?シビル?」
するとグレタとイレーヌも頭を下げてきた。
「お願いします。シビルと友達になって下さい」
「私達からもお願いします」
3人とも頭を下げたままなので私は慌ててしまった。
「ちょ、ちょっと3人共頭を上げてよ」
「「「…」」」
無言で顔を上げる3人。
「私はね、もうシビルとも友達になっているつもりだったのだけど?」
するとシビルの顔にたちまち笑みが浮かぶ。
「ほ、本当ですかっ?!」
「ええ。勿論本当。私達は友達よ。ところで…」
私は3人を見渡すと言った。
「今日、ここに来てくれたってことは…来月のお店のオープンの手伝いをしてくれるって事よね?」
実は彼女たちにもし来月本当にお店の手伝いをしてくれる意思があるなら、今日お店に来てくれるように予め住所を書いたメモを手渡しておいたのだ。
「はい、勿論です!」
グレタが返事をする。
「私もお手伝いさせてもらってもいいですか?足手まといにならないように頑張るので」
シビルが尋ねてきた。
「勿論よ。アルバイト代は余り払って上げられないと思うけど…お弁当は持ってくるから」
すると彼女たちはキャアキャアと喜んだ。
「さて、それじゃ接客の仕方とラッピングの説明をするわよ」
リュックの中から持参してきたラッピング用の包装紙をテーブルの上に並べると、私は言った。
「「「はいっ!!!」」」
私の言葉に元気よく返事をする3人。
「それじゃ、まず接客の方法だけど…」
こうして私はシビル達に接客行について説明を初めた。お客様が来た時の挨拶の仕方やお金の受け渡し方法等私の前世の知る得る限りの知識を彼女たちに説明をしていたその時―。
「あら?」
不意にグレタが窓の方をチラリと見た。
「どうかしたの?」
私が尋ねるとグレタが首を傾げながら言った。
「いえ…今誰かが覗いていたような…」
「え?!本当っ?!」
イレーヌが窓に駆け寄って、ガラリと開けた。私達も見に行ったが、そこには誰もいない。
「誰もいないじゃない」
イレーヌがグレタに言う。
「そうね…。気のせいだったのかしら…?」
グレタが不思議そうに首を傾げる。
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私は少し考えながら言った。現にデリクさんもそうだったのだから。
「そうですね、きっとそうだったのかも」
グレタは納得したように頷いた。
「さて、それじゃ次はラッピングの方法を説明するわね」
こうして私は3人にお昼すぎまで接客業についてレクチャーをした―。
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