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第116話 きっと明日は大盛況
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パメラとニコラスが警察の馬車に乗せられて走り去って行くと、私はジムさんにお礼を述べた。
「ありがとう、ジムさん。警察を呼んできてくれて」
「いいえ、アンジェラ様のお役に立てて光栄です。それでは私は一旦ここで失礼させて頂きます」
ジムさんは頭を下げると、立ち去った。彼が去ると、次に私は駆けつけてきてくれたクラスメイト達に声を掛けた。
「皆、ありがとう。まさか来てくれるとは思わなかったわ。何てお礼を言えばいいのか…。本当にありがとう」
私は20名程のクラスメイト達に頭を下げた。
そう…クラスメイト達が駆けつけてきてくれるかどうかは…私の賭けだった。
ひょっとして1人もここへは来てくれない可能性があったけれども、私はクラスメイト達を信じた。
そして、女子学生たちは…全員来てくれたのだ。
するとクラス委員を務めている女子生徒が一歩進み出てくると私に言った。
「そんなのは当然じゃない?こんなに素晴らしい手作り品を私達にプレゼントしてくれたんだから」
彼女は私がプレゼントした、がまぐちポーチを手に笑みを浮かべた。
他のクラスメイト達もその言葉に頷く。
すると今迄呆気に取られていたお客様が私に声を掛けてきた。
「あの…本当にここに並んでいる品物も、あの人達が持っているのも全て貴女が1人で作ったのですか?」
「はい、そうです。でもこちらに並んでいる品物は…売りに出すほどの作品では無いのでお恥ずかしい限りです」
頭を下げると別のお客様が私に言った。
「そんな!ここにある品物だって…本当に素敵です!それなのに恥ずかしいなんて…絶対に自信を持って売るべきです!」
「本当に1人だけで作ったなんて…信じられません。こんなに沢山…」
そこで私はお客様達に言った。
「皆様にはご迷惑と、お見苦しい場面を見せてしまいまして、本当に申し訳ございませんでした。どうぞこれらの品物は私からの迷惑料として受け取って下さい」
するとお客様達が目を見開いて私を見た。
「ほ、本当に?!本当貰ってもいいの?!」
「嘘…信じられないわ…」
「貴女は…本当に先程の女とは比べ物にならない位、良い方ね」
「ええ。自分の商品を盗まれただけでなく、目の前で売りさばかれそうになっているのに冷静な態度を取れるのだから」
私はこの言葉に、自分の作戦が成功したと確証を得た。
まさに…これこそが私の狙いだったのだから。
ここに来てくれたお客達は、必ず私の常連客になってくれるはず。だからこそ、あの場で私はパメラや共犯者のニコラスに対して言いたい事は山程あったけれどもグッとこらえたのだ。
少しでも新規のお客様達が私と言う人間に対しての心象を良くする為に。
そして私の代わりにクラスメイト達がパメラを追い詰めてくれたのだ。
すると今まで事の成り行きを黙って見届けていたペリーヌがポケットから私のお店のビラを取り出すとお客様達に見せた。
「皆さん。こちらにいるアンジェラのお店が明日、10時にオープンします。是非足を運んで下さい!」
するとあちこちで騒ぎが起きた。
「あ!このビラ…昨日貰ったビラだわ」
「え?見せて見せて!」
「まぁ…『アンジュ』と言う名前のお店なのね?素敵だわ…」
終いにクラスメイト達まで巻き込み、噴水前広場は大賑わいになった。
そんな彼女たちの様子を見つめながらペリーヌが声を掛けてきた。
「やったわね、アンジェラ。宣伝効果、バッチリだったじゃない」
「ええ、そうね。こんなにうまくいくとは思わなかったわ」
「流石はアンジェラさんです。パメラの1枚も2枚も上手ですね」
グレタが感心したように言う。
「パメラは墓穴を掘っただけでなく、アンジェラさんの店の宣伝までしてくれたってわけですね」
「全く…二度と刑務所から出てこないでもらいたいわ」
最後にシビルが憎々しげに言う。
「本当ね…今度こそ、パメラは重い罰を受けて…反省してもらいたいわ」
私はシビルに同意した。
けれどパメラはどうしようもない位に愚か者だ。どんなに重い罰を受けても反省は出来ないだろう。
「パメラは馬鹿な女だから、反省なんかすると思えないわ。それなら一生刑務所から出てこなければいいのに。それよりも…この様子だと、明日は大盛況になるかもね?」
ペリーヌは未だにクラスメイトたちとお客様達が私の手作り品を見せ合いながら、盛り上がっている様子を眺めながら言った。
「ええ、そうね。」
楽しげに談笑しているクラスメイト達とお客様達を見つめながら、私は頷いた。
きっと…明日は大勢お客様達が来てくれるに違いない―と。
「ありがとう、ジムさん。警察を呼んできてくれて」
「いいえ、アンジェラ様のお役に立てて光栄です。それでは私は一旦ここで失礼させて頂きます」
ジムさんは頭を下げると、立ち去った。彼が去ると、次に私は駆けつけてきてくれたクラスメイト達に声を掛けた。
「皆、ありがとう。まさか来てくれるとは思わなかったわ。何てお礼を言えばいいのか…。本当にありがとう」
私は20名程のクラスメイト達に頭を下げた。
そう…クラスメイト達が駆けつけてきてくれるかどうかは…私の賭けだった。
ひょっとして1人もここへは来てくれない可能性があったけれども、私はクラスメイト達を信じた。
そして、女子学生たちは…全員来てくれたのだ。
するとクラス委員を務めている女子生徒が一歩進み出てくると私に言った。
「そんなのは当然じゃない?こんなに素晴らしい手作り品を私達にプレゼントしてくれたんだから」
彼女は私がプレゼントした、がまぐちポーチを手に笑みを浮かべた。
他のクラスメイト達もその言葉に頷く。
すると今迄呆気に取られていたお客様が私に声を掛けてきた。
「あの…本当にここに並んでいる品物も、あの人達が持っているのも全て貴女が1人で作ったのですか?」
「はい、そうです。でもこちらに並んでいる品物は…売りに出すほどの作品では無いのでお恥ずかしい限りです」
頭を下げると別のお客様が私に言った。
「そんな!ここにある品物だって…本当に素敵です!それなのに恥ずかしいなんて…絶対に自信を持って売るべきです!」
「本当に1人だけで作ったなんて…信じられません。こんなに沢山…」
そこで私はお客様達に言った。
「皆様にはご迷惑と、お見苦しい場面を見せてしまいまして、本当に申し訳ございませんでした。どうぞこれらの品物は私からの迷惑料として受け取って下さい」
するとお客様達が目を見開いて私を見た。
「ほ、本当に?!本当貰ってもいいの?!」
「嘘…信じられないわ…」
「貴女は…本当に先程の女とは比べ物にならない位、良い方ね」
「ええ。自分の商品を盗まれただけでなく、目の前で売りさばかれそうになっているのに冷静な態度を取れるのだから」
私はこの言葉に、自分の作戦が成功したと確証を得た。
まさに…これこそが私の狙いだったのだから。
ここに来てくれたお客達は、必ず私の常連客になってくれるはず。だからこそ、あの場で私はパメラや共犯者のニコラスに対して言いたい事は山程あったけれどもグッとこらえたのだ。
少しでも新規のお客様達が私と言う人間に対しての心象を良くする為に。
そして私の代わりにクラスメイト達がパメラを追い詰めてくれたのだ。
すると今まで事の成り行きを黙って見届けていたペリーヌがポケットから私のお店のビラを取り出すとお客様達に見せた。
「皆さん。こちらにいるアンジェラのお店が明日、10時にオープンします。是非足を運んで下さい!」
するとあちこちで騒ぎが起きた。
「あ!このビラ…昨日貰ったビラだわ」
「え?見せて見せて!」
「まぁ…『アンジュ』と言う名前のお店なのね?素敵だわ…」
終いにクラスメイト達まで巻き込み、噴水前広場は大賑わいになった。
そんな彼女たちの様子を見つめながらペリーヌが声を掛けてきた。
「やったわね、アンジェラ。宣伝効果、バッチリだったじゃない」
「ええ、そうね。こんなにうまくいくとは思わなかったわ」
「流石はアンジェラさんです。パメラの1枚も2枚も上手ですね」
グレタが感心したように言う。
「パメラは墓穴を掘っただけでなく、アンジェラさんの店の宣伝までしてくれたってわけですね」
「全く…二度と刑務所から出てこないでもらいたいわ」
最後にシビルが憎々しげに言う。
「本当ね…今度こそ、パメラは重い罰を受けて…反省してもらいたいわ」
私はシビルに同意した。
けれどパメラはどうしようもない位に愚か者だ。どんなに重い罰を受けても反省は出来ないだろう。
「パメラは馬鹿な女だから、反省なんかすると思えないわ。それなら一生刑務所から出てこなければいいのに。それよりも…この様子だと、明日は大盛況になるかもね?」
ペリーヌは未だにクラスメイトたちとお客様達が私の手作り品を見せ合いながら、盛り上がっている様子を眺めながら言った。
「ええ、そうね。」
楽しげに談笑しているクラスメイト達とお客様達を見つめながら、私は頷いた。
きっと…明日は大勢お客様達が来てくれるに違いない―と。
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