嫌われた令嬢、ヒルダ・フィールズは終止符を打つ

結城芙由奈@コミカライズ連載中

文字の大きさ
47 / 566

第4章 8 勝手な言い分

しおりを挟む
「そうだよ、さっきルドルフが転校するって話はしたけど・・グレース!全てはお前のせいなんだからなっ?!」

コリンはグレースを指さすと言った。

「な・・何よっ!この私にそんな口叩いていいの?今だって私が出したお菓子を平気で食べているくせに・・・っ!」

グレースに指摘され、コリンは黙ってしまった。それを見たノラがグレースに言う。

「ねえ、グレース。落ち着いて聞いてね。実は私達皆で今日ヒルダさんの屋敷に行ったのよ。どうしても話がしてくて・・・そしたら偶然庭に出てきた姿を見たのよ。そしたらあの事故から1カ月以上たつのにまだ左足をギプスで固定していたのよ。それも車椅子に乗って・・・。」

「そ、そう。随分大袈裟にしているのね。」

グレースはツンとそっぽを向いた。

「それは違うよ。グレースの足の怪我はもう一生治らないらしいんだよ!」

イワンが泣きそうな顔で言った。

「え・・?何ですって・・?」

流石にグレースの顔色が変わった。

「それだけじゃ無いわ。メイドさん達に聞いた話なんだけど・・・ルドルフはヒルダに一生治らない傷を負わせた責任を取らせる為にヒルダさんの両親が婚約させたらしいのよっ!」

ノラの言葉にグレースはブルブル震え出した。

「な・・何よそれ・・・。それじゃルドルフはヒルダさんの犠牲になったわけね・・・?」

「え・・?お、おい・・グレース。お前・・・本気でそんな事言ってるのか?そもそもヒルダの足の怪我の責任はお前にあるんだろう?!」

コリンは我慢が出来ずに再びグレースに文句を言った。

「私は何もしてないっ!」

グレースは叫ぶと、イワンを睨み付けた。

「私は蜂の巣が危ないと思ったから親切心で蜂の巣の駆除をイワンに頼んだだけよ。そして実際に蜂の巣を叩き落して、あんな事故に遭わせたのはイワンでしょう?!」

「ヒッ!」

イワンは顔を青ざめさせた。

「それに・・・元はと言えばヒルダさんが馬をきちんと乗りこなせなかったのがそもそもの原因なんじゃないの?彼女は馬に乗るのが下手だったから振り落とされたのよ。上手だったら、そんなへまはしなかったんじゃないの?自業自得よ。」

「グレース・・・あ、貴女・・本気で言ってるの?」

ノラはグレースの恐ろしさに心底ゾッとしながら言った。

「ええ、そうよ・・・。それに私に罪があるって言うなら、あなた達全員罪があるわよ。だって事故の原因を作ったのに、あの場で私達は全員で逃げて、ルドルフが犠牲になってしまったんだから。」

「「「!」」」

3人はその言葉にビクリとなった。

「いい・・・?この事を誰かに言おうものなら・・・私はあなた達の事も村中にばらすからね?分かった?」

3人はグレースの言葉に頷くしかなった。それを見るとグレースは満足げに言った。

「それじゃ・・まずは何とかして可哀そうなルドルフを助けてあげなくちゃ。何て可哀そうなルドルフなの・・・。ヒルダ様は酷いわ。きっと彼女が両親に言って無理矢理ルドルフと婚約させたのかもしれない・・・。」

ヒルダは指を噛みながらブツブツと独り言のように呟いてくる。そしてコリン達に向き直ると言った。

「何とかルドルフを助けてあげなくちゃ。ヒルダ様との婚約を破棄させるのよ!あな達にも当然協力してもらうからね?だって私とルドルフは恋人同士だったんだから・・。」


グレースの言葉に3人はぞっとした。そして思った。

本当にグレースとルドルフは恋人同士だったのだろうかと―。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

彼女にも愛する人がいた

まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。 「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」 そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。 餓死だと? この王宮で?  彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。 俺の背中を嫌な汗が流れた。 では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…? そんな馬鹿な…。信じられなかった。 だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。 「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。 彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。 俺はその報告に愕然とした。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

【完結】お世話になりました

⚪︎
恋愛
わたしがいなくなっても、きっとあなたは気付きもしないでしょう。 ✴︎書き上げ済み。 お話が合わない場合は静かに閉じてください。

白い結婚の行方

宵森みなと
恋愛
「この結婚は、形式だけ。三年経ったら、離縁して養子縁組みをして欲しい。」 そう告げられたのは、まだ十二歳だった。 名門マイラス侯爵家の跡取りと、書面上だけの「夫婦」になるという取り決め。 愛もなく、未来も誓わず、ただ家と家の都合で交わされた契約だが、彼女にも目的はあった。 この白い結婚の意味を誰より彼女は、知っていた。自らの運命をどう選択するのか、彼女自身に委ねられていた。 冷静で、理知的で、どこか人を寄せつけない彼女。 誰もが「大人びている」と評した少女の胸の奥には、小さな祈りが宿っていた。 結婚に興味などなかったはずの青年も、少女との出会いと別れ、後悔を経て、再び運命を掴もうと足掻く。 これは、名ばかりの「夫婦」から始まった二人の物語。 偽りの契りが、やがて確かな絆へと変わるまで。 交差する記憶、巻き戻る時間、二度目の選択――。 真実の愛とは何かを、問いかける静かなる運命の物語。 ──三年後、彼女の選択は、彼らは本当に“夫婦”になれるのだろうか?  

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ? 王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。 国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから! 12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

お飾り王妃の死後~王の後悔~

ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。 王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。 ウィルベルト王国では周知の事実だった。 しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。 最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。 小説家になろう様にも投稿しています。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

処理中です...