72 / 194
レベッカ一行の世界漫遊の旅 3 (ノマード王国の旅 17 )
しおりを挟む
「何か用ですか?」
私の父親と左程年齢が変わらな男の人がこちらを振り向いた。このおじさんもやはり露出が激しい服を着ている。…いや、今の言い方は少し語弊があったかもしれない。マントの下は布地の少ない涼し気な服と言い換えて置こう。
「コホン。えっと、これは何の行列ですか?」
「ああ、この行列は『ナージャの占いの館』の行列だよ」
「まあ、館ですか?私の目にはどう見えてもテントの様に見えますが…ハッ!ひょっとしてあのテントの奥は亜空間になっているのでは?!」
レベッカが真面目に考え込んでしまった。
「あの…この方は何を言っておられるのでしょう?」
おじさんが私に尋ねて来る。
「あ、どうぞ気にしないで下さい。ではおじさんが一番最後の列なのですね?」
にこやかに尋ねると、何故かおじさんは悲し気な目で私を見る。
「おじさん…」
「え?」
「ううう…こ、これでもまだ俺は32歳だ!おじさんと呼ばれる年齢じゃない!」
「「ええええっ?!」」
驚きのあまり、私とミラージュの声がハモってしまった。まさかまだ32歳だったとは…。目の前のおじさん…もとい、男性をじっと見た。顔に薄っすら刻まれた皺‥‥頭頂部がかなり薄くなった髪の毛…とてもではないが32歳には見えない。良くて40
歳、軽く見積もって50歳…というところだろうか?
「す、すみません。落ち着いている様に見えたので…年齢が…あの、少々高く見えてしまったんです」
「ああ、そうか。別にいいよ、いろんな人に年齢の事で驚かれるから」
急に砕けた話し方になるおじさん‥いや、男の人。
「それじゃ、ミラージュ。私達も並んで待ちましょう」
「ええ、そうですね」
私達はおじさんの後ろに並ぶと、何故か私達の方を向いて話しかけてきた。
「君達もナージャに占ってもらいたいんだね?」
「ええ、そうですわ。その為に『ノマード王国』からラクダ酔いに耐えながら砂漠を超えて来たのですから」
「え?そうなのかい?でも残念だったな。お嬢さんたちじゃ恐らく占って貰えないんじゃないか?」
「え?それはどういう意味なのでしょう?」
ミラージュは首を傾けた。
「知らないのかい?ああ…でも『ノマード王国』からやって来たなら分からないか。この占い師はとても気まぐれでね、自分が占いたいと思った客しか占いしてくれないんだよ。俺はもう2週間も通い続けている」
「ええっ?!2週間もっ?!絶望的じゃないですかっ!そこまで拒否されたら普通諦めませんかっ?!」
「ええ。そうですわ。あまりしつこい男は嫌われますよ。引き際と言う物があるのですから」
私とミラージュは思わず本音を口走ってしまった。
すると…。
「な、何だよ…き、君たち迄そうやって俺を馬鹿にするのか…?!」
何と目にうっすら涙を浮かべているではないか!
「まあっ!大の大人が‥しかも男性のくせに泣いていますわ!気持ち悪い!」
思ったことをすぐに口走るミラージュを慌てて私は止めた。
「シーッ!駄目よ、ミラージュ!それ以上言っては。それは確かに私だっていきなりおじさんが泣いたら気色わるいって思うけど、それを本人の前で言うなんて」
「おい…誰が、おじさんだ?おれはまだ32歳だと言ってるだろう?!」
おじさんの顔が赤くなっていく。ああっ!口が滑っておじさんを怒らせてしまった。
その時―
「次の方どうぞ」
テントの中から女性の声が聞こえた。気付いてみればいつのまにか列に並ぶのは私達のみだった。
「はい!」
おじさんは涙を拭いながらテントの中へ入り…。
「何よっ!しつこい男ねっ!二度と来るなって言ったでしょ?!」
次の瞬間、テントの外に蹴り飛ばされていた。
「ウウウ…またしても視てくれなかった・…」
おじさんは私達に目もくれず、とぼとぼと帰って行く。
「 コホン…では次の方どうぞ」
つ、ついに私達が呼ばれた…!
緊張する思いで私達はテントの中へ入って行った―。
私の父親と左程年齢が変わらな男の人がこちらを振り向いた。このおじさんもやはり露出が激しい服を着ている。…いや、今の言い方は少し語弊があったかもしれない。マントの下は布地の少ない涼し気な服と言い換えて置こう。
「コホン。えっと、これは何の行列ですか?」
「ああ、この行列は『ナージャの占いの館』の行列だよ」
「まあ、館ですか?私の目にはどう見えてもテントの様に見えますが…ハッ!ひょっとしてあのテントの奥は亜空間になっているのでは?!」
レベッカが真面目に考え込んでしまった。
「あの…この方は何を言っておられるのでしょう?」
おじさんが私に尋ねて来る。
「あ、どうぞ気にしないで下さい。ではおじさんが一番最後の列なのですね?」
にこやかに尋ねると、何故かおじさんは悲し気な目で私を見る。
「おじさん…」
「え?」
「ううう…こ、これでもまだ俺は32歳だ!おじさんと呼ばれる年齢じゃない!」
「「ええええっ?!」」
驚きのあまり、私とミラージュの声がハモってしまった。まさかまだ32歳だったとは…。目の前のおじさん…もとい、男性をじっと見た。顔に薄っすら刻まれた皺‥‥頭頂部がかなり薄くなった髪の毛…とてもではないが32歳には見えない。良くて40
歳、軽く見積もって50歳…というところだろうか?
「す、すみません。落ち着いている様に見えたので…年齢が…あの、少々高く見えてしまったんです」
「ああ、そうか。別にいいよ、いろんな人に年齢の事で驚かれるから」
急に砕けた話し方になるおじさん‥いや、男の人。
「それじゃ、ミラージュ。私達も並んで待ちましょう」
「ええ、そうですね」
私達はおじさんの後ろに並ぶと、何故か私達の方を向いて話しかけてきた。
「君達もナージャに占ってもらいたいんだね?」
「ええ、そうですわ。その為に『ノマード王国』からラクダ酔いに耐えながら砂漠を超えて来たのですから」
「え?そうなのかい?でも残念だったな。お嬢さんたちじゃ恐らく占って貰えないんじゃないか?」
「え?それはどういう意味なのでしょう?」
ミラージュは首を傾けた。
「知らないのかい?ああ…でも『ノマード王国』からやって来たなら分からないか。この占い師はとても気まぐれでね、自分が占いたいと思った客しか占いしてくれないんだよ。俺はもう2週間も通い続けている」
「ええっ?!2週間もっ?!絶望的じゃないですかっ!そこまで拒否されたら普通諦めませんかっ?!」
「ええ。そうですわ。あまりしつこい男は嫌われますよ。引き際と言う物があるのですから」
私とミラージュは思わず本音を口走ってしまった。
すると…。
「な、何だよ…き、君たち迄そうやって俺を馬鹿にするのか…?!」
何と目にうっすら涙を浮かべているではないか!
「まあっ!大の大人が‥しかも男性のくせに泣いていますわ!気持ち悪い!」
思ったことをすぐに口走るミラージュを慌てて私は止めた。
「シーッ!駄目よ、ミラージュ!それ以上言っては。それは確かに私だっていきなりおじさんが泣いたら気色わるいって思うけど、それを本人の前で言うなんて」
「おい…誰が、おじさんだ?おれはまだ32歳だと言ってるだろう?!」
おじさんの顔が赤くなっていく。ああっ!口が滑っておじさんを怒らせてしまった。
その時―
「次の方どうぞ」
テントの中から女性の声が聞こえた。気付いてみればいつのまにか列に並ぶのは私達のみだった。
「はい!」
おじさんは涙を拭いながらテントの中へ入り…。
「何よっ!しつこい男ねっ!二度と来るなって言ったでしょ?!」
次の瞬間、テントの外に蹴り飛ばされていた。
「ウウウ…またしても視てくれなかった・…」
おじさんは私達に目もくれず、とぼとぼと帰って行く。
「 コホン…では次の方どうぞ」
つ、ついに私達が呼ばれた…!
緊張する思いで私達はテントの中へ入って行った―。
0
あなたにおすすめの小説
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
【完結】悪の尋問令嬢、″捨てられ王子″の妻になる。
Y(ワイ)
ファンタジー
尋問を生業にする侯爵家に婿入りしたのは、恋愛戦略に敗れた腹黒王子。
白い結婚から始まる、腹黒VS腹黒の執着恋愛コメディ(シリアス有り)です。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
余命六年の幼妻の願い~旦那様は私に興味が無い様なので自由気ままに過ごさせて頂きます。~
流雲青人
恋愛
商人と商品。そんな関係の伯爵家に生まれたアンジェは、十二歳の誕生日を迎えた日に医師から余命六年を言い渡された。
しかし、既に公爵家へと嫁ぐことが決まっていたアンジェは、公爵へは病気の存在を明かさずに嫁ぐ事を余儀なくされる。
けれど、幼いアンジェに公爵が興味を抱く訳もなく…余命だけが過ぎる毎日を過ごしていく。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
【完結】緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
五城楼スケ(デコスケ)
ファンタジー
※本編を加筆修正しますので、一旦一部公開とさせていただいています。
〜花が良く育つので「緑の手」だと思っていたら「癒しの手」だったようです〜
王都の隅っこで両親から受け継いだ花屋「ブルーメ」を経営するアンネリーエ。
彼女のお店で売っている花は、色鮮やかで花持ちが良いと評判だ。
自分で花を育て、売っているアンネリーエの店に、ある日イケメンの騎士が現れる。
アンネリーエの作る花束を気に入ったイケメン騎士は、一週間に一度花束を買いに来るようになって──?
どうやらアンネリーエが育てている花は、普通の花と違うらしい。
イケメン騎士が買っていく花束を切っ掛けに、アンネリーエの隠されていた力が明かされる、異世界お仕事ファンタジーです。
※本編を加筆修正する予定ですので、一旦一部公開とさせていただいています。
*HOTランキング1位、エールに感想有難うございました!とても励みになっています!
※花の名前にルビで解説入れてみました。読みやすくなっていたら良いのですが。(;´Д`)
話の最後にも花の名前の解説を入れてますが、間違ってる可能性大です。
雰囲気を味わってもらえたら嬉しいです。
※完結しました。全41話。
お読みいただいた皆様に感謝です!(人´∀`).☆.。.:*・゚
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる