<番外編>政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います

結城芙由奈@コミカライズ連載中

文字の大きさ
166 / 194

レベッカ一行の世界漫遊の旅 5 (ついに…再会?! 4 ) 

しおりを挟む

 船員が連れてきてくれたのは3本のマストが着いた中型サイズの帆船だった。

港に降ろされた梯子から船に乗り込むと、10名前後の船員たちが思い思いに過ごしていた。
カードゲームをしている船員や、食事をしている船員…中には昼寝をしている船員までいた。

「あ!船長!お帰りなさい!」

するとカードゲームをしていた1人の船員が声を掛けてきた。

えっ?!船長だったのっ?!てっきりただの乗組員だと思っていたのに。
何故、私がそう思ったかというと…この人物の着ていた服があまりにもしょぼかったからだ。

筋肉マッチョで浅黒い肌はいいけれども、身なりがよろしく無かった。
薄汚れたシャツに擦り切れた麻のズボン…。
普通、船長と言えばもっと身なりの良い服を着るものだとばかり思っていたからだ。

「ああ!ちょっと町で会ったコイツラに連れて行って貰いたいと言われている場所があるから相談に乗ってやろうかと思ってな!」

船長はそれだけ言うと、背後にいる私達に声を掛けた。

「ようこそ、客人。俺の船『オケアノス』号へ!歓迎するぜ?」

そして、私達に…と言うよりは、セネカさんに向ってウィンクをした。
その表情が何とも言えず妖艶?で…思わず私は背筋に鳥肌が立ってしまった―。



****

「よし、まずは海図を見てみるか!」

船長室に通された私達の前で船長は大きな海図を机の上にバサッと広げた。

「え~…と場所は確か…」

「何ですの?まさかもう忘れてしまったのですか?船長のくせに」

ミラージュは先程私に向ってタバコの煙を吹きかけた船長が余程気に入らないのか、どこか喧嘩腰に口を開いた。

「あぁんっ?!何だ?姉ちゃん、俺に文句あるのか?ひょっとしてやる気か?」

「望むところですわ」

ああっ!ミラージュッ!煽らないいで頂戴っ!これ以上船に乗せてもらうのを断られるわけにはいかないのだからっ!

するとそこへすかさずセネカさんが割って入って来た。

「南海洋に浮かぶ陸の孤島、南緯21度40分、東経165度40分だよ、船長」

スマイリーな表情を浮かべながら船長に教えた。
おおっ!流石は父親、娘の危機?の前に自ら立ちはだかるとは!

「あ?ああ、そうだったな。悪いな。ど忘れしちまってさ」

船長は何故かポッと顔を赤らめる。

あ…マズイ、これは…完璧にアレだ。

するとナージャさんも気付いたのか、私に耳打ちしてきた。

「どうやら彼は男色家で間違いないようですね。それでレベッカ様はあの船長は『受け』だと思いますか?それとも『責め』だと思いますか?」

「はぁ?」

そんな専門用語?的な言葉を使われても、私は何も分からないのですけど…。
それにサミュエル王子は背後で「良かった…俺は眼中にないようで…」等と何やら呟いている。

そうか…サミュエル王子も船長が男色家であることに気付いていたのか。
全くそのことに気付いていないのはどうやらミラージュとセネカさんのようだ。

流石は親子。

そう思った矢先…。

「よし!分かったぞっ!」

海図を見ていた男色家船長が声を上げた―。
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

【完結】悪の尋問令嬢、″捨てられ王子″の妻になる。

Y(ワイ)
ファンタジー
尋問を生業にする侯爵家に婿入りしたのは、恋愛戦略に敗れた腹黒王子。 白い結婚から始まる、腹黒VS腹黒の執着恋愛コメディ(シリアス有り)です。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...