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第3話
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――翌日8時半
「フッフッフッ。完璧な姿ね」
私は鏡の前でポーズを取った。カーキー色のチェックのジャケットにブラウンのボトムス。だてメガネに、長い髪はキャスケット帽の中に隠してある。
「何処からどう見ても、美少年にしか見えないわ!」
鏡の中に映る自分をビシッと指さした。
「お姉様……本当に、その姿で出掛けるつもりですか……? お母様が見たら卒倒しますよ?」
4つ年下の弟、デニスが心配そうに声をかけてくる。
「大丈夫よ。誰も私がロッテだと気づかないわ」
「だけど、その服は僕のです。すぐにバレてしまうのではありませんか?」
「ええ、だから……バレる前に出掛けるのよ!」
メッセンジャーバッグを肩から下げると、カメラをチェックする。
新し物好きな私は、最近巷で流行し始めたカメラを父に強請って強引に手に入れていたのだ。
「このカメラを使って、フリッツの浮気している決定的瞬間を収めてやるのだから」
「……でもそんな回りくどいことをしなくても、デートをしているフリッツ兄様を直撃すればよいのではありませんか?」
デニスはフリッツを慕っているので「フリッツ兄様」と呼んでいた。
「駄目よ、それでは意味がないの。直撃して話を聞くだけでは証拠として残せないでしょう? こうやってカメラに収めることでフリッツの弱みを握ることに繋がるのよ」
「……陰険だなぁ……」
「何? 今、何か言った?」
ジロリと睨むと、デニスが震える。
「い、いえ! 何でもありません! お姉様、どうぞお気をつけて言ってらっしゃいませ!」
「ええ。行ってくるわ!」
そして私は部屋を出ると、コソコソと物陰に隠れながら誰にも見られること無く脱出に成功したのだった……。
「確か、10時に噴水広場の前で待ち合わせだったわよね」
屋敷を出た私は懐中時計を取り出した。
「今は9時過ぎね……屋敷の馬車を使うわけにはいかないし……こうなったら辻馬車を拾って行くしか無いわね!」
慣れない革靴で私は辻馬車乗り場を目指した。
****
――9時半
辻馬車が噴水広場で停車した。
「どうもありがとうございました」
辻馬車を降りて御者に代金を支払うと、早速私はフリッツとメラニーの姿を探した。
「あの2人はどこかしら……? それにしてもすごい人だかりね。何かイベントでもあるのかしら? これじゃ探すのに手間が掛かりそうだわ。あら? あそこにいるのは……!」
その時私は人混みの間から、めかしこんだ姿でベンチに座るフリッツの姿を発見した。
「何? あの格好……ベストにジャケット……それに蝶ネクタイまでしてるじゃない! 随分気合を入れているのね……あ! 立ち上がって手を振っているわ! 誰か来たのね!」
すると、予想通り現れたのはメラニーだった。
彼女もまた気合を入れたワンピースドレス姿をしている。
「あの格好……間違いないわ。絶対これからデートをするつもりだわ!」
カバンからカメラを取り出すと首からぶら下げた。
「フッフッフッ……今日は1日あなた達に張り付いて、証拠写真を何枚も収めてやるんだから……あ、手を繋いで移動を始めたわ。追いかけなくちゃ!」
万一の為にキャスケット帽を目深にかぶると、私は仲よさげに手を繋いで歩く2人の尾行を探偵気分で開始した――
「フッフッフッ。完璧な姿ね」
私は鏡の前でポーズを取った。カーキー色のチェックのジャケットにブラウンのボトムス。だてメガネに、長い髪はキャスケット帽の中に隠してある。
「何処からどう見ても、美少年にしか見えないわ!」
鏡の中に映る自分をビシッと指さした。
「お姉様……本当に、その姿で出掛けるつもりですか……? お母様が見たら卒倒しますよ?」
4つ年下の弟、デニスが心配そうに声をかけてくる。
「大丈夫よ。誰も私がロッテだと気づかないわ」
「だけど、その服は僕のです。すぐにバレてしまうのではありませんか?」
「ええ、だから……バレる前に出掛けるのよ!」
メッセンジャーバッグを肩から下げると、カメラをチェックする。
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「……でもそんな回りくどいことをしなくても、デートをしているフリッツ兄様を直撃すればよいのではありませんか?」
デニスはフリッツを慕っているので「フリッツ兄様」と呼んでいた。
「駄目よ、それでは意味がないの。直撃して話を聞くだけでは証拠として残せないでしょう? こうやってカメラに収めることでフリッツの弱みを握ることに繋がるのよ」
「……陰険だなぁ……」
「何? 今、何か言った?」
ジロリと睨むと、デニスが震える。
「い、いえ! 何でもありません! お姉様、どうぞお気をつけて言ってらっしゃいませ!」
「ええ。行ってくるわ!」
そして私は部屋を出ると、コソコソと物陰に隠れながら誰にも見られること無く脱出に成功したのだった……。
「確か、10時に噴水広場の前で待ち合わせだったわよね」
屋敷を出た私は懐中時計を取り出した。
「今は9時過ぎね……屋敷の馬車を使うわけにはいかないし……こうなったら辻馬車を拾って行くしか無いわね!」
慣れない革靴で私は辻馬車乗り場を目指した。
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――9時半
辻馬車が噴水広場で停車した。
「どうもありがとうございました」
辻馬車を降りて御者に代金を支払うと、早速私はフリッツとメラニーの姿を探した。
「あの2人はどこかしら……? それにしてもすごい人だかりね。何かイベントでもあるのかしら? これじゃ探すのに手間が掛かりそうだわ。あら? あそこにいるのは……!」
その時私は人混みの間から、めかしこんだ姿でベンチに座るフリッツの姿を発見した。
「何? あの格好……ベストにジャケット……それに蝶ネクタイまでしてるじゃない! 随分気合を入れているのね……あ! 立ち上がって手を振っているわ! 誰か来たのね!」
すると、予想通り現れたのはメラニーだった。
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「あの格好……間違いないわ。絶対これからデートをするつもりだわ!」
カバンからカメラを取り出すと首からぶら下げた。
「フッフッフッ……今日は1日あなた達に張り付いて、証拠写真を何枚も収めてやるんだから……あ、手を繋いで移動を始めたわ。追いかけなくちゃ!」
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