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6-19 訪ねて来た人 1
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休日、午前9時過ぎ――
眩しい朝日が騎士団施設の中庭に降り注ぐ中、メイド服姿のサフィニアがいた。
サフィニアはじょうろを両手で支えながら、花壇の花に水を上げている。
麦わら帽子を目深にかぶったサフィニアの長い髪が太陽の光に照らされて光り輝いていた。
鼻歌を歌いながら花々に水を上げているサフィニアは楽し気で、穏やかな時間が流れていた。
その時。
「こんにちは、サフィニア様。今日も良い天気ですね」
背後から声をかけられ、振り向くとセザールが立っていた。
太陽の光を背にしたセザールは、いつも通り口元に笑みを浮かべている。
セザールは王宮での業務服ではなく、淡いベージュのシャツに濃紺のベストを重ねをジャケットを羽織っていた。
「セザール、どうしたの? 今日は、お仕事はお休みの日でしょう?」
「はい、そうです。なので今日はサフィニア様に城下町を案内してあげようかと思って伺いました。よかったら僕と一緒に出掛けませんか?」
突然の誘いに戸惑うも子供だった頃、セザールと町へ買い物に行った記憶が蘇る。
「でも私一人では決められないわ。だって、基本的にメイドにお休みは無いもの。メイド長のマーサさんに尋ねないと」
「分かりました。では御一緒にマーサさんの処へ伺いましょう」
「……分かったわ」
サフィニアはほんの少しだけ目を伏せて頷いた。
そこで二人は一緒にマーサの元へ向かった――
****
騎士団施設の一角にメイド長マーサ専用の小部屋――管理室があった。
木の棚には帳簿が並び、窓から吹き込む風がカーテンを揺らしている。
マーサは机に向かい帳簿をめくっていたそのとき。
――コンコン
部屋にノックの音が響いた。
「どうぞ」
すると扉が開き、セザールが姿を見せる。
その後ろには、帽子を胸元で抱えたサフィニアが立っていた。
「お忙しいところ、すみません。少しだけお時間をいただけますか?」
セザールは丁寧に頭を下げ、管理室に入って来た。
「……失礼いたします」
サフィニアもついて来たが、視線は伏せられ、どこか居心地悪そうにしている。
セザールはマーサの前に立つと、早速切り出した。
「メイド長、今日は休日ですし天気も良いので……ソフィアさんを少し城下町へ案内できればと思いまして、許可をいただきに参りました」
「セザールさんが、ソフィアちゃんを?」
突然の申し出にマーサは目を丸くし、眉を上げる。
その後ろではサフィニアが帽子を抱えたまま、気まずそうに目を伏せている。
マーサの視線が向けられると、さらにサフィニアは肩をすぼめた。
「実はソフィアさんとは、以前から少し話す機会があったのです。ソフィアさんはまだ一度も城下町を訪れたことが無いそうですね。いつも真面目に働いているので、時にはお休みも必要ではないでしょうか? 今日は休日なので、メイドの仕事もあまりないですよね? そこでソフィアさんに町を案内してあげたいと思ったのです。外出許可をいただけないでしょうか?」
セザールの話をマーサは腕を組み、じっと聞いていた。
サフィニアは何も言わず、ただ視線を床に落としたまま。
するとセザールが続ける。
「もちろん、僕が責任を持ってソフィアさんをお連れします。無理にとは言いません。ですが、ソフィアさんが少しでも外の空気に触れられるなら、それだけでも意味があると思うんです」
少しの間マーサは沈黙していたが……。
「……そうね。確かにソフィアちゃんは真面目すぎるくらいで、息抜きも必要かもしれないわね。でもセザールさんが一緒なら安心ね」
立ち上がったマーサは棚へ向かい、引き出しの奥から布包みを取り出すとサフィニアに声をかけた。
「ソフィアちゃん」
「は、はい!」
サフィニアは顔を上げた――
眩しい朝日が騎士団施設の中庭に降り注ぐ中、メイド服姿のサフィニアがいた。
サフィニアはじょうろを両手で支えながら、花壇の花に水を上げている。
麦わら帽子を目深にかぶったサフィニアの長い髪が太陽の光に照らされて光り輝いていた。
鼻歌を歌いながら花々に水を上げているサフィニアは楽し気で、穏やかな時間が流れていた。
その時。
「こんにちは、サフィニア様。今日も良い天気ですね」
背後から声をかけられ、振り向くとセザールが立っていた。
太陽の光を背にしたセザールは、いつも通り口元に笑みを浮かべている。
セザールは王宮での業務服ではなく、淡いベージュのシャツに濃紺のベストを重ねをジャケットを羽織っていた。
「セザール、どうしたの? 今日は、お仕事はお休みの日でしょう?」
「はい、そうです。なので今日はサフィニア様に城下町を案内してあげようかと思って伺いました。よかったら僕と一緒に出掛けませんか?」
突然の誘いに戸惑うも子供だった頃、セザールと町へ買い物に行った記憶が蘇る。
「でも私一人では決められないわ。だって、基本的にメイドにお休みは無いもの。メイド長のマーサさんに尋ねないと」
「分かりました。では御一緒にマーサさんの処へ伺いましょう」
「……分かったわ」
サフィニアはほんの少しだけ目を伏せて頷いた。
そこで二人は一緒にマーサの元へ向かった――
****
騎士団施設の一角にメイド長マーサ専用の小部屋――管理室があった。
木の棚には帳簿が並び、窓から吹き込む風がカーテンを揺らしている。
マーサは机に向かい帳簿をめくっていたそのとき。
――コンコン
部屋にノックの音が響いた。
「どうぞ」
すると扉が開き、セザールが姿を見せる。
その後ろには、帽子を胸元で抱えたサフィニアが立っていた。
「お忙しいところ、すみません。少しだけお時間をいただけますか?」
セザールは丁寧に頭を下げ、管理室に入って来た。
「……失礼いたします」
サフィニアもついて来たが、視線は伏せられ、どこか居心地悪そうにしている。
セザールはマーサの前に立つと、早速切り出した。
「メイド長、今日は休日ですし天気も良いので……ソフィアさんを少し城下町へ案内できればと思いまして、許可をいただきに参りました」
「セザールさんが、ソフィアちゃんを?」
突然の申し出にマーサは目を丸くし、眉を上げる。
その後ろではサフィニアが帽子を抱えたまま、気まずそうに目を伏せている。
マーサの視線が向けられると、さらにサフィニアは肩をすぼめた。
「実はソフィアさんとは、以前から少し話す機会があったのです。ソフィアさんはまだ一度も城下町を訪れたことが無いそうですね。いつも真面目に働いているので、時にはお休みも必要ではないでしょうか? 今日は休日なので、メイドの仕事もあまりないですよね? そこでソフィアさんに町を案内してあげたいと思ったのです。外出許可をいただけないでしょうか?」
セザールの話をマーサは腕を組み、じっと聞いていた。
サフィニアは何も言わず、ただ視線を床に落としたまま。
するとセザールが続ける。
「もちろん、僕が責任を持ってソフィアさんをお連れします。無理にとは言いません。ですが、ソフィアさんが少しでも外の空気に触れられるなら、それだけでも意味があると思うんです」
少しの間マーサは沈黙していたが……。
「……そうね。確かにソフィアちゃんは真面目すぎるくらいで、息抜きも必要かもしれないわね。でもセザールさんが一緒なら安心ね」
立ち上がったマーサは棚へ向かい、引き出しの奥から布包みを取り出すとサフィニアに声をかけた。
「ソフィアちゃん」
「は、はい!」
サフィニアは顔を上げた――
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