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第7話 入学式
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王立アカデミ―『フローレンス』の入学式当日―
真新しい制服を着て、入学式に参加する為に両親と一緒に講堂に入ろうとした時のことだった。
「おい!アリーナッ!」
突然人混みの中から私の名を叫ぶ少年の声が響き渡った。
「あ…あの声は…」
「ええ、そうですわね…」
両親が怯えたように顔を見合わせる。
「アルフォンソ王子のようですね」
振り返ると、やはりアルフォンソ王子が腕組みをしてふんぞり返るように立っていた。
背後に控えている人達は恐らく王子の付き添い出来た家臣達だろう。
「よくもこのような人混みの多い場所で私を見つけ出すことが出来ましたね」
辺りには大勢の人々でひしめき合っているのに、すごい執念だ。
「あ!お前…僕のことをまた迷惑だと思っただろう!」
王子は真っ赤な顔で眉を吊り上げ、再び人のことを指さしてきた。
「ところで一体何の御用でしょうか?これから私は両親と一緒に入学式に参加する為に講堂へ行くのですが?」
隣に立つ両親を交互に見た。
「王太子様!こんにちは。このようなところでお会いするとは奇遇ですね」
「王太子様、ご機嫌麗しゅうございます」
父と母は引きつった笑みを浮かべながら頭を下げた。
「講堂に行くことくらい僕だって知ってる!僕も入学式に出るんだから。ところでお前っ!」
あ…とうとうアルフォンソ王子は私の名前すら呼ぶのがいやになったかもしれない。
「はい、何でしょう?」
「いいか、今後学校で俺に会っても話しかけるなよ?お前と知り合いと思われたくないからな?」
そして王子はフフンと鼻で笑い、腕を組んだ。
小心者の両親はオロオロしている。
しかし、私は…。
「え?本当ですか?」
「何?」
王子は腕組みを解き、私を見た。
「ああ、良かったです~。私も周囲の人達からアルフォンソ王子の知り合いだと思われたくなかったんですよ。分かりました。私の方からは決して話しかけたり致しませんので、王子も絶対に私に話しかけたりしないでくださいね?」
満面の笑みを浮かべて王子を見た。
本当に良かった!学園で一番関わりたくない人から知り合いだと思われたくないと言われるなんて、こんなに嬉しいことはない。
「ア、アリーナッ!な、何ということを…!」
「そ、そうよ!早く謝りなさいっ!」
父と母は青ざめた顔でオロオロしているし、王子は顔を真っ赤にしてブルブル身体を震わせている。
そして背後にいる彼の家臣達は体を震わせ、口元を押さえている。
…ひょっとするとアレは笑いを堪えているのかも知れない。
「お、お、おま…お前っ!ほ、本気でそんなこと言ってるのかっ?!」
「はい、あ…でも全く無視というわけにはいきませんよね。どうしても必要に迫られる会話ならするかもしれませんが…それはお互い様ですからね。では入学式に出ますのでこれで失礼致します」
口をぽかんと開けている王子に頭を下げると、父と母を促した。
「さ、お父様。お母様、参りましょう?」
「あ、ああ。分かったよ…」
「い、行きましょうか?」
父と母は顔を見合わせると、王子に頭を下げた。
「「それでは失礼致しますっ!」」
そして両親は左右から私の腕を掴むと、逃げ出すように講堂へ連れて行かれた。
でも、本当に良かった。
これで私は学園で王子と関わることは無いだろう。
後は試験を頑張って、常に王子よりも良い成績を取り続け、卒業すればよいだけだ。
こうして私の学園生活は幕を開けた―。
真新しい制服を着て、入学式に参加する為に両親と一緒に講堂に入ろうとした時のことだった。
「おい!アリーナッ!」
突然人混みの中から私の名を叫ぶ少年の声が響き渡った。
「あ…あの声は…」
「ええ、そうですわね…」
両親が怯えたように顔を見合わせる。
「アルフォンソ王子のようですね」
振り返ると、やはりアルフォンソ王子が腕組みをしてふんぞり返るように立っていた。
背後に控えている人達は恐らく王子の付き添い出来た家臣達だろう。
「よくもこのような人混みの多い場所で私を見つけ出すことが出来ましたね」
辺りには大勢の人々でひしめき合っているのに、すごい執念だ。
「あ!お前…僕のことをまた迷惑だと思っただろう!」
王子は真っ赤な顔で眉を吊り上げ、再び人のことを指さしてきた。
「ところで一体何の御用でしょうか?これから私は両親と一緒に入学式に参加する為に講堂へ行くのですが?」
隣に立つ両親を交互に見た。
「王太子様!こんにちは。このようなところでお会いするとは奇遇ですね」
「王太子様、ご機嫌麗しゅうございます」
父と母は引きつった笑みを浮かべながら頭を下げた。
「講堂に行くことくらい僕だって知ってる!僕も入学式に出るんだから。ところでお前っ!」
あ…とうとうアルフォンソ王子は私の名前すら呼ぶのがいやになったかもしれない。
「はい、何でしょう?」
「いいか、今後学校で俺に会っても話しかけるなよ?お前と知り合いと思われたくないからな?」
そして王子はフフンと鼻で笑い、腕を組んだ。
小心者の両親はオロオロしている。
しかし、私は…。
「え?本当ですか?」
「何?」
王子は腕組みを解き、私を見た。
「ああ、良かったです~。私も周囲の人達からアルフォンソ王子の知り合いだと思われたくなかったんですよ。分かりました。私の方からは決して話しかけたり致しませんので、王子も絶対に私に話しかけたりしないでくださいね?」
満面の笑みを浮かべて王子を見た。
本当に良かった!学園で一番関わりたくない人から知り合いだと思われたくないと言われるなんて、こんなに嬉しいことはない。
「ア、アリーナッ!な、何ということを…!」
「そ、そうよ!早く謝りなさいっ!」
父と母は青ざめた顔でオロオロしているし、王子は顔を真っ赤にしてブルブル身体を震わせている。
そして背後にいる彼の家臣達は体を震わせ、口元を押さえている。
…ひょっとするとアレは笑いを堪えているのかも知れない。
「お、お、おま…お前っ!ほ、本気でそんなこと言ってるのかっ?!」
「はい、あ…でも全く無視というわけにはいきませんよね。どうしても必要に迫られる会話ならするかもしれませんが…それはお互い様ですからね。では入学式に出ますのでこれで失礼致します」
口をぽかんと開けている王子に頭を下げると、父と母を促した。
「さ、お父様。お母様、参りましょう?」
「あ、ああ。分かったよ…」
「い、行きましょうか?」
父と母は顔を見合わせると、王子に頭を下げた。
「「それでは失礼致しますっ!」」
そして両親は左右から私の腕を掴むと、逃げ出すように講堂へ連れて行かれた。
でも、本当に良かった。
これで私は学園で王子と関わることは無いだろう。
後は試験を頑張って、常に王子よりも良い成績を取り続け、卒業すればよいだけだ。
こうして私の学園生活は幕を開けた―。
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