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8-12 歓迎会の誘い
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17時―
ミカエルとウリエルの専属メイドになったアリアドネが、今夜開かれる歓迎会に出席する2人の為に支度をしていた。
「はい、お2人とも。とても素敵ですよ?」
フォーマルスーツに身を包んだ2人を見て、アリアドネはにっこり微笑んだ。
「ありがとう」
「リアッ!ありがとう!」
ミカエルとウリエルはアリアドネに礼を述べた。2人とも、自分たちの面倒をよく見てくれるアリアドネをすっかり気に入っていた。
「フフフ…ありがとうございます」
アリアドネが笑みを浮かべた時、扉をノックする音が聞こえてきた。
「あら?誰かしら?」
アリアドネは扉に向かうと声を掛けた。
「どちら様でしょうか?」
『ロイだ』
扉の奥で返事が聞こえた。
(ロイ…?あの騎士の方だわっ!)
慌てて扉を開けると、目の前にロイが立っていた。
「これはロイ様。どの様なご用件でしょうか?」
アリアドネはお辞儀をし、ロイを見上げた。
「…」
しかし、ロイは無言のまま青い瞳でじっとアリアドネを見つめている。
「あ、あの…?」
(困ったわ…どうしてこの方はこんなに見つめてくるのかしら…?)
まるで女性のようにも見える美しい外見のロイに見つめられ、戸惑っているとようやくロイが口を開いた。
「何故、まだメイド服のままなのだ?お前は何故着替えをしていない?」
「え?着替え…ですか?」
よく見るとロイは騎士の正装姿をしていた。
「あの…ロイ様、着替えと言われましても…何故私が着替えをする必要があるのでしょうか?」
「様付けは必要ない。それに敬語も」
「え?」
「俺はお前に敬語を使って話すつもりは無い。だからお前もそうするんだ」
その態度は有無を言わさないものだった。ロイは何を考えているのか分からない人物である。そこでアリアドネは素直に言うことをきくことにした。
「わ、分かったわ、ロイ。でも着替えってどういうこと?」
「今夜の歓迎会はお前も俺も、それにオズワルド様も参加することになっているのだ。まさか…。そのメイド服で歓迎会に出るつもりか?」
「え?歓迎会っ?!メイドの私がっ?!」
アリアドネは突然のロイの言葉に驚いた。
「え?リアも歓迎会に参加するの?!」
「わーい!リアも一緒だ!」
するとミカエルとウリエルが2人の会話を聞きつけて、やってきた。
「い、いえ。私はただのメイドですから歓迎会に参加するなど恐れ多いことです」
ましてや、オズワルドにはアリアドネの正体を知られている。エルウィンの前で何か余計なことを話されてはたまったものではない。
しかし、ロイは首を振った。
「駄目だ、オズワルド様はお前も必ず歓迎会に出席するように話しておられるのだ。そもそもお前がメイドになれたのはどなたのお陰だ?」
「そ、それは…オズワルド様のお陰です…」
(私からメイドにしてくださいと頼んだわけでも無いのに…)
あまりに理不尽だと思いつつ、アリアドネは返事をした。
「なら、オズワルド様の命令を聞くのは当然だろう?」
「リアも参加しようよ」
「ここのお料理は美味しいんだよ~」
2人の会話を聞いていたミカエルとウリエルが交互に声を掛けてくる。
「で、ですが…」
(困ったわ…私は貴族の嗜みとしてのテーブルマナーを学んだことが無いのに…)
ミカエルとウリエルからは歓迎会に参加するように強請られ、ロイからは無言の圧力を掛けられる。
そして、ついにアリアドネは観念した。
「わ、分かりました。参加致します。ですが…給仕をするメイドとして参加させ下さい!」
アリアドネはミカエルとウリエルに頭を下げた―。
ミカエルとウリエルの専属メイドになったアリアドネが、今夜開かれる歓迎会に出席する2人の為に支度をしていた。
「はい、お2人とも。とても素敵ですよ?」
フォーマルスーツに身を包んだ2人を見て、アリアドネはにっこり微笑んだ。
「ありがとう」
「リアッ!ありがとう!」
ミカエルとウリエルはアリアドネに礼を述べた。2人とも、自分たちの面倒をよく見てくれるアリアドネをすっかり気に入っていた。
「フフフ…ありがとうございます」
アリアドネが笑みを浮かべた時、扉をノックする音が聞こえてきた。
「あら?誰かしら?」
アリアドネは扉に向かうと声を掛けた。
「どちら様でしょうか?」
『ロイだ』
扉の奥で返事が聞こえた。
(ロイ…?あの騎士の方だわっ!)
慌てて扉を開けると、目の前にロイが立っていた。
「これはロイ様。どの様なご用件でしょうか?」
アリアドネはお辞儀をし、ロイを見上げた。
「…」
しかし、ロイは無言のまま青い瞳でじっとアリアドネを見つめている。
「あ、あの…?」
(困ったわ…どうしてこの方はこんなに見つめてくるのかしら…?)
まるで女性のようにも見える美しい外見のロイに見つめられ、戸惑っているとようやくロイが口を開いた。
「何故、まだメイド服のままなのだ?お前は何故着替えをしていない?」
「え?着替え…ですか?」
よく見るとロイは騎士の正装姿をしていた。
「あの…ロイ様、着替えと言われましても…何故私が着替えをする必要があるのでしょうか?」
「様付けは必要ない。それに敬語も」
「え?」
「俺はお前に敬語を使って話すつもりは無い。だからお前もそうするんだ」
その態度は有無を言わさないものだった。ロイは何を考えているのか分からない人物である。そこでアリアドネは素直に言うことをきくことにした。
「わ、分かったわ、ロイ。でも着替えってどういうこと?」
「今夜の歓迎会はお前も俺も、それにオズワルド様も参加することになっているのだ。まさか…。そのメイド服で歓迎会に出るつもりか?」
「え?歓迎会っ?!メイドの私がっ?!」
アリアドネは突然のロイの言葉に驚いた。
「え?リアも歓迎会に参加するの?!」
「わーい!リアも一緒だ!」
するとミカエルとウリエルが2人の会話を聞きつけて、やってきた。
「い、いえ。私はただのメイドですから歓迎会に参加するなど恐れ多いことです」
ましてや、オズワルドにはアリアドネの正体を知られている。エルウィンの前で何か余計なことを話されてはたまったものではない。
しかし、ロイは首を振った。
「駄目だ、オズワルド様はお前も必ず歓迎会に出席するように話しておられるのだ。そもそもお前がメイドになれたのはどなたのお陰だ?」
「そ、それは…オズワルド様のお陰です…」
(私からメイドにしてくださいと頼んだわけでも無いのに…)
あまりに理不尽だと思いつつ、アリアドネは返事をした。
「なら、オズワルド様の命令を聞くのは当然だろう?」
「リアも参加しようよ」
「ここのお料理は美味しいんだよ~」
2人の会話を聞いていたミカエルとウリエルが交互に声を掛けてくる。
「で、ですが…」
(困ったわ…私は貴族の嗜みとしてのテーブルマナーを学んだことが無いのに…)
ミカエルとウリエルからは歓迎会に参加するように強請られ、ロイからは無言の圧力を掛けられる。
そして、ついにアリアドネは観念した。
「わ、分かりました。参加致します。ですが…給仕をするメイドとして参加させ下さい!」
アリアドネはミカエルとウリエルに頭を下げた―。
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