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9-14 苛立つ2人の男
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エルウィンが地下鍛錬場にやってくると、既にそこには先客がいた。
その人物はスティーブだった。
「あれ?大将じゃないですか?珍しいですね。こんな時間に」
スティーブは練習用の剣を置くと尋ねてきた。
「あ?ああ。ちょっと色々あってな…。それよりお前の方こそ珍しいじゃないか。いつもなら午前中の内にここで鍛錬しているはずなのに」
エルウィンは練習用の剣が並べられている棚へ向かった。
「ええ。そうなんですが…何しろオズワルドの部隊がここで剣術の練習をしていましたからね。しかも驚いたことに指南していたのはロイでした。いや…あれは指南て物じゃなかったな。まるで一方的な攻撃でした。あの様子では訓練を受けた者達は大変だったでしょうね」
その言葉にエルウィンは反応した。
「何?あ…そう言えばそうだったな…。昨日、オズワルドから部隊の訓練スケジュールを受け取っていたのだった。ロイが訓練担当になったともわざわざ伝えに来たし…。だとしたら妙だな…」
「どうしたんです?大将。先ほどからブツブツ何言ってるんですか?」
「ああ…オズワルドが何を考えているか分からなくて…」
するとスティーブが呆れ顔で言った。
「はぁ?何を言ってるんですか、大将。オズワルドの考えを理解できるような人間がこの世にいるとは俺はとても思えませんね。でも何故突然そのような事を言うのですか?」
「いや、実は今日リアがメイドによって怪我をさせられて…」
「何ですってっ?!リアがメイドに怪我をさせられたですって?!一体何て名のメイドがリアにそんな嫌がらせをっ?!」
「メイドはゾーイだった」
エルウィンは忌々し気に唸った。
「ゾーイ…?ゾーイですってっ?!ミカエル様とウリエル様の専属侍女だった?大将に媚薬を飲ませ、下着姿でベッドに潜り込んでいた、あのゾーイですか?!」
「その話はやめろっ!思い出させるな!気分が悪くなってくる!」
「あ…申し訳ございませんでした…」
「全く…どこまでも不快な女だった。挙句にリアに怪我をさせたのだからな」
イライラしているエルウィンに構わず、スティーブは尋ねた。
「そう!それですよ。ゾーイはどんな方法でリアに怪我をさせたのですか?」
「あの時俺はミカエルとウリエルの様子を見に行こうと思って廊下を歩いていたんだ。その時、何か割れたような大きな音が聞こえてきたから慌てて駆けつけて見ると、割れた食器の上にリアが倒れていた。しかもあの女…リアの背中を踏みつけていやがった…」
「な、何ですって?!ゾーイがリアの背中をっ?!」
「ああ、そのせいでリアは破片で手首や手のひらを怪我するし。足首は捻挫するしで…そこで俺はすぐにリアを抱き上げて、医務室へ連れて行ったのだが…」
「何です?まだ何かあるのですか?!」
2人の興奮は止まらない。
「怪我の手当てが終わって部屋に戻ろうとしていた時…訓練中だったはずのロイが医務室に現れたんだ。それもオズワルドからリアが怪我をしたと聞かされたからだと言ってきた」
「え?そうだったのですか?!」
「ああ…だから俺はロイにリアを任せて…ここへ来たんだ」
エルウィンは力なく答えた―。
その人物はスティーブだった。
「あれ?大将じゃないですか?珍しいですね。こんな時間に」
スティーブは練習用の剣を置くと尋ねてきた。
「あ?ああ。ちょっと色々あってな…。それよりお前の方こそ珍しいじゃないか。いつもなら午前中の内にここで鍛錬しているはずなのに」
エルウィンは練習用の剣が並べられている棚へ向かった。
「ええ。そうなんですが…何しろオズワルドの部隊がここで剣術の練習をしていましたからね。しかも驚いたことに指南していたのはロイでした。いや…あれは指南て物じゃなかったな。まるで一方的な攻撃でした。あの様子では訓練を受けた者達は大変だったでしょうね」
その言葉にエルウィンは反応した。
「何?あ…そう言えばそうだったな…。昨日、オズワルドから部隊の訓練スケジュールを受け取っていたのだった。ロイが訓練担当になったともわざわざ伝えに来たし…。だとしたら妙だな…」
「どうしたんです?大将。先ほどからブツブツ何言ってるんですか?」
「ああ…オズワルドが何を考えているか分からなくて…」
するとスティーブが呆れ顔で言った。
「はぁ?何を言ってるんですか、大将。オズワルドの考えを理解できるような人間がこの世にいるとは俺はとても思えませんね。でも何故突然そのような事を言うのですか?」
「いや、実は今日リアがメイドによって怪我をさせられて…」
「何ですってっ?!リアがメイドに怪我をさせられたですって?!一体何て名のメイドがリアにそんな嫌がらせをっ?!」
「メイドはゾーイだった」
エルウィンは忌々し気に唸った。
「ゾーイ…?ゾーイですってっ?!ミカエル様とウリエル様の専属侍女だった?大将に媚薬を飲ませ、下着姿でベッドに潜り込んでいた、あのゾーイですか?!」
「その話はやめろっ!思い出させるな!気分が悪くなってくる!」
「あ…申し訳ございませんでした…」
「全く…どこまでも不快な女だった。挙句にリアに怪我をさせたのだからな」
イライラしているエルウィンに構わず、スティーブは尋ねた。
「そう!それですよ。ゾーイはどんな方法でリアに怪我をさせたのですか?」
「あの時俺はミカエルとウリエルの様子を見に行こうと思って廊下を歩いていたんだ。その時、何か割れたような大きな音が聞こえてきたから慌てて駆けつけて見ると、割れた食器の上にリアが倒れていた。しかもあの女…リアの背中を踏みつけていやがった…」
「な、何ですって?!ゾーイがリアの背中をっ?!」
「ああ、そのせいでリアは破片で手首や手のひらを怪我するし。足首は捻挫するしで…そこで俺はすぐにリアを抱き上げて、医務室へ連れて行ったのだが…」
「何です?まだ何かあるのですか?!」
2人の興奮は止まらない。
「怪我の手当てが終わって部屋に戻ろうとしていた時…訓練中だったはずのロイが医務室に現れたんだ。それもオズワルドからリアが怪我をしたと聞かされたからだと言ってきた」
「え?そうだったのですか?!」
「ああ…だから俺はロイにリアを任せて…ここへ来たんだ」
エルウィンは力なく答えた―。
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