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14 残酷な男
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案内された部屋は扉が大きく開け放たれていた。
「リリスッ!」
部屋に飛び込み、思わず私は息を呑んだ。
室内は薄暗く、ガウン姿で椅子に座るクリフの姿があった。
「……来たのか、フローネ」
私は返事をせず、室内を見渡した。すると大きなベッドが目に止まった。
ベッドのシーツは乱れ、キルトは床に落ちている。
「そ、んな……」
その様子を見て、私は察してしまった。
クリフは……無理やりリリスを奪ってしまったのだと。そして肝心のリリスの姿がない。
「リリス……リリスは何処!?」
すると背後から、アドニス様が声をかけてきた。
「フローネ、落ち着くんだ。リリスなら、ベッドの下にうずくまっている。酷く怯えていて……近づこうとすると叫びだすんだ。だから誰も近寄ることが出来ないんだよ」
「え……?」
すると、確かにベッドの下からブランケットがはみ出しているのが見えた。
「リリス……」
声をかけながら近づく。
「無理だ、声をかけても無駄さ」
クリフがポツリと呟くも、私は構わずにゆっくりとベッドに近づく。
「!」
するとブランケットを頭から被って姿を見せないリリスの肩がビクリと跳ねる。
「大丈夫よ……リリス。私よ、フローネよ……」
すると、ブランケットからリリスが顔をのぞかせた。
「!」
その姿に私は思わず悲鳴が出そうになってしまった。
リリスの美しい髪はボサボサに乱れ、目は泣きはらしたかのように真っ赤になっている。
「あ……」
リリスはか細い声を出すと、次の瞬間私に抱きついて激しく声を上げ、子どもの様に泣き出した。
「大丈夫……もう大丈夫。悪い人から助けに来たわ」
リリスはブランケットの下は何も着ていなかった。
彼女の素肌を誰にも見られないようにブランケットで覆い隠すと、私はいつまでも泣き続けるリリスを抱きしめ……頭をそっと撫でた――
****
――40分後
泣きつかれて眠りについたリリスをバーデン家のメイドたちに任せて、私とアドニス様は応接室でクリフと対峙していた。
「クリフ……無理やりリリスを自分の物にしたのね?」
私が尋ねると、クリフが私に非難の目を向けてくる。
「それがどうした」
「それがどうしたって……」
全く反省の意を見せないクリフが信じられなかった。
「何か文句でもあるのか? リリスは僕の妻なんだ。妻なら夫の要求に応えるのが義務だろう? 大体身分が低いくせに、対等に僕と口を利くな。これだから貧乏人はいやなんだ」
そこへアドニス様が口を開いた。
「クリフ・バーデン。フローネに乱暴な口を利かないでもらおうか?」
「あなたのことは知っていましたよ。アドニス・ラインハルト侯爵。大学では有名でしたからね。ですが、侯爵。フローネは僕の家のメイドだったのですよ。貧しい男爵家のくせに、僕たちと幼馴染だということで対等な身分だと勘違いしている愚かな女です。何も庇い立てする必要はありませんよ」
クリフは残酷な言葉を口にする。
以前の私なら酷く傷ついたかも知れないが……今は違う。
「確かに身分は違うかもしれませんが、リリスは私の大切な幼馴染です。その幼馴染を自分の欲のまま手にかけて、壊してしまうなんて……貴方は人として最低です!」
「何だとっ! 身分をわきまえろ! フローネのくせにっ!」
「わきまえるのはお前の方だ! クリフ・バーデンッ!」
そこへアドニス様が声を荒げた――
「リリスッ!」
部屋に飛び込み、思わず私は息を呑んだ。
室内は薄暗く、ガウン姿で椅子に座るクリフの姿があった。
「……来たのか、フローネ」
私は返事をせず、室内を見渡した。すると大きなベッドが目に止まった。
ベッドのシーツは乱れ、キルトは床に落ちている。
「そ、んな……」
その様子を見て、私は察してしまった。
クリフは……無理やりリリスを奪ってしまったのだと。そして肝心のリリスの姿がない。
「リリス……リリスは何処!?」
すると背後から、アドニス様が声をかけてきた。
「フローネ、落ち着くんだ。リリスなら、ベッドの下にうずくまっている。酷く怯えていて……近づこうとすると叫びだすんだ。だから誰も近寄ることが出来ないんだよ」
「え……?」
すると、確かにベッドの下からブランケットがはみ出しているのが見えた。
「リリス……」
声をかけながら近づく。
「無理だ、声をかけても無駄さ」
クリフがポツリと呟くも、私は構わずにゆっくりとベッドに近づく。
「!」
するとブランケットを頭から被って姿を見せないリリスの肩がビクリと跳ねる。
「大丈夫よ……リリス。私よ、フローネよ……」
すると、ブランケットからリリスが顔をのぞかせた。
「!」
その姿に私は思わず悲鳴が出そうになってしまった。
リリスの美しい髪はボサボサに乱れ、目は泣きはらしたかのように真っ赤になっている。
「あ……」
リリスはか細い声を出すと、次の瞬間私に抱きついて激しく声を上げ、子どもの様に泣き出した。
「大丈夫……もう大丈夫。悪い人から助けに来たわ」
リリスはブランケットの下は何も着ていなかった。
彼女の素肌を誰にも見られないようにブランケットで覆い隠すと、私はいつまでも泣き続けるリリスを抱きしめ……頭をそっと撫でた――
****
――40分後
泣きつかれて眠りについたリリスをバーデン家のメイドたちに任せて、私とアドニス様は応接室でクリフと対峙していた。
「クリフ……無理やりリリスを自分の物にしたのね?」
私が尋ねると、クリフが私に非難の目を向けてくる。
「それがどうした」
「それがどうしたって……」
全く反省の意を見せないクリフが信じられなかった。
「何か文句でもあるのか? リリスは僕の妻なんだ。妻なら夫の要求に応えるのが義務だろう? 大体身分が低いくせに、対等に僕と口を利くな。これだから貧乏人はいやなんだ」
そこへアドニス様が口を開いた。
「クリフ・バーデン。フローネに乱暴な口を利かないでもらおうか?」
「あなたのことは知っていましたよ。アドニス・ラインハルト侯爵。大学では有名でしたからね。ですが、侯爵。フローネは僕の家のメイドだったのですよ。貧しい男爵家のくせに、僕たちと幼馴染だということで対等な身分だと勘違いしている愚かな女です。何も庇い立てする必要はありませんよ」
クリフは残酷な言葉を口にする。
以前の私なら酷く傷ついたかも知れないが……今は違う。
「確かに身分は違うかもしれませんが、リリスは私の大切な幼馴染です。その幼馴染を自分の欲のまま手にかけて、壊してしまうなんて……貴方は人として最低です!」
「何だとっ! 身分をわきまえろ! フローネのくせにっ!」
「わきまえるのはお前の方だ! クリフ・バーデンッ!」
そこへアドニス様が声を荒げた――
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