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93日目―沈む(後編)―
しおりを挟む「ちょっと!」
主からの唐突な提案に、あかりは素っ頓狂な声を上げた。
梓の陰核にパッドを張って、適当に果てさせていたあかりは、スイッチを放り出してアイリーンに詰め寄る。
「何言ってんですか何言ってんですかお姉ちゃんとまぐわえと⁉」
「いっつもあなたが責めてるじゃない。たまには奉仕されてみなさいよ」
「だからって……」
「それに」
アイリーンの手が、あかりの陰部に伸びる。
服越しにくい、と恥肉を押されて、あかりは湿った声を漏らした。
「あっ……」
「お姉ちゃんの痴態で興奮してるの、バレてないとでも思ったの?」
「で、もぉ」
くにくにと弄ばれながらも抵抗を続けると、アイリーンは残念そうにため息をついた。
「ああそう。じゃあ蛍さんはこのままそこに沈められるしかないわねぇ」
「そ、んなっ!」
いまだに自慰を続けたままの蛍が、悲痛な声を上げる。
何度も電撃を受けて、真っ白な液を膣から尻穴、床へと垂らしながら、涙声で喘ぎ続ける姉を見て。
正直に言うと興奮していたあかりは、大きくため息をついた。
「…………しょうがないですね、もう」
■■■
―――しまったこれ、思った以上に恥ずかしい……っ。
下を脱ぎ、そろそろと太ももを開いて床に座ると、蛍がもぞもぞと股座に顔を寄せてくる。
髪が太ももにこすれて、あかりは思わず声を漏らした。
「ひゃ……」
「あらあかり、良い声で鳴くじゃない」
「くすぐったかっただけですっ!」
というか、本当に? お姉ちゃんに舐められるの? あそこを?
ここまで来ても信じられないような気持ちだったが、蛍は何のためらいもなく舌を伸ばした。
ぺろり、と、陰唇に沿うように下から舐めあげられ、陰核をぴん、とつつかれる。
「ぁ……あ、う」
「あ、そうだ」
嫌な予感のする笑顔で、アイリーンは言った。
「蛍さん。あかりをたくさんイかせてあげなさい。最低10回ね。それ以下なら逆戻りだから」
「ちょっと主様、ぁぁあ……⁉ ああ、んっ!」
悪ふざけを嗜めようときっと睨んだが、直後にあかりの視界の縁が弾けた。
ちろちろと、様子見のように動いていた蛍の舌がいきなりあかりの膣の奥まで伸びてきて、ぐいぐいとGスポットを押してくる。
―――上手、すぎ……ない……っ⁉
あかりが逃げるように腰を浮かせると、陰核に吸い付かれる。
焦らすように舐められたかと思えば、音を立てて吸い上げられて、軽く歯を立てられる。
どこで覚えたのか、姉が生み出す快楽の奔流に呑まれて、あかりは太ももをきゅうう、と縮こまらせた。
「う、そもう……っ、イっーー~~~~~~っ!」
びくびくびくっ! と元気に腰を戦慄かせて、イかされる。
ぎゅうう、と目を閉じて快楽を受けるあかりだったが、動き回る腰を肩で押さえて、蛍はさらに口淫を続けた。
「ま、ってお姉ちゃん……っ! ちょ、っと休ませてっ!」
「あら、だめよ。あなたが抵抗したらやりようがないじゃない」
「主さ、まぁ……あ、だめっ! またイく、イっちゃう……っ」
ちゅー、と陰核を吸われ、舌で何度も弾かれて、早くも二度目の絶頂を迎える。
とろとろと愛液が漏れ始めてきて、あかりは羞恥心から、固く目を閉じ続けた。
■■■
梓で遊んでいたアイリーンは、頃合いを見てぱんぱんと手を叩く。
「はいお疲れー。じゃあ、そろそろ帰りましょうか」
「あ、ぅ………は、い」
「はあ、はあ…………ぁあ」
天井に顔を向けたまま、真っ赤になったあかりと、口まわりを濡らして荒く息をする蛍。
さて、とアイリーンはあかりに言う。
「じゃあ、また蛍さんはあの中に」
「ちょっと待ってよ! ちゃんとやったじゃないっ!」
蛍は目を見開く。
媚毒に漬け込まれるのはもう絶対に嫌だったから、妹を責めてまで許しを請うたのだ。すんなり受け入れるわけがない。
だが、アイリーンはというと、意地の悪い顔で笑うだけだった。
「あんなの嘘に決まってるじゃない。なんで敵に塩送るようなことしないといけないのよ」
風前の灯火となった蛍に、慈悲などいらない。
これから一気に落としていく。
絶望に染まっていく蛍を、あかりは軽々と持ち上げた。
「まったく、よくもまあ、あんなにしてくれたね。お姉ちゃん」
「いやだ、いやだぁぁあああああっ! 助けてよ、あかり、あかりぃ、助けてぇぇええええええええっ!」
「えいっ」
とぽん、とゆりかごに落とされて、その上から梓も入れられる。
かちゃかちゃ、と首輪をゆりかごにつなげられて、じわじわとせりあがってきた快楽に悶える蛍は、アイリーンが薬を手に近づいてくるのを見て、壊れた顔で懇願する。
「お願い、許して………絶対、壊れる、死んじゃう、から……」
「ふふ、大丈夫よ。壊れても私が直してあげるから」
―――もちろん、私に都合良くね。
そして、無効化薬を飲まされて、蛍は狂乱に戻された。
「ひゃ……ああっ! イぐ、イっぐイぐぅうううっ! あ“あ”あ“っ! っが、あああああああああああああああああっ!」
寸止めを一秒に何回も繰り返させられるようなペースで電撃を喰らう蛍を尻目に、アイリーンとあかりは牢屋を出る。
次に来るのは、来週の土曜日、それまではあのままだなあ、と思いながら。
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