いつか、あの日の戦場で。

くらーぐ

文字の大きさ
5 / 6

病室

しおりを挟む
目が覚めると、病院、と、思われる場所のベットの上だった。傍には両親がいた。

聞くに、ここは、自国の軍の療養所だと言う。

あの後、倒れていたところを通常の病院に搬送されたらしいが、
非常事態警報が出され、そのまま軍に来たという。
その「非常事態」がなんなのかは明かされなかったらしい。

右手が痛む。公園のことを思い出す。

胸が苦しくなる。涙がこぼれ落ちる。

親に「大丈夫?」とかなりの心配をさせてしまう事になった。涙を拭い、「うん」と、それだけ答え、悲しみを堪える。

病室のドアが開き、30歳ぐらいのダンディな男が入ってきた。男は、両親に会釈し、
「やあ、体調はどうだい?」
と、聞いてきた。

スーツに、階級章のようなものをつけている。
軍の人なのだろう。

「はい、良くなりました」と、答える。
とても、元気とは言えなかった。

その後、男は両親に席を外すように頼んだ。
両親は、それに従う。

男は両親が出たのを確認して、さっきまでのお気楽そうな挨拶とはうってかわり、真面目な顔でこちらを向いて言った。

「申し訳ないが、これから君は、軍に入ってもらいたい。」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

わたくしを追い出した王太子殿下が、一年後に謝罪に来ました

柚木ゆず
ファンタジー
 より優秀な力を持つ聖女が現れたことによってお払い箱と言われ、その結果すべてを失ってしまった元聖女アンブル。そんな彼女は古い友人である男爵令息ドファールに救われ隣国で幸せに暮らしていたのですが、ある日突然祖国の王太子ザルースが――アンブルを邪険にした人間のひとりが、アンブルの目の前に現れたのでした。 「アンブル、あの時は本当にすまなかった。謝罪とお詫びをさせて欲しいんだ」 現在体調の影響でしっかりとしたお礼(お返事)ができないため、最新の投稿作以外の感想欄を一時的に閉じさせていただいております。

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

【完結】精霊に選ばれなかった私は…

まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。 しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。 選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。 選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。 貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…? ☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

処理中です...