高校生の作曲家

美嶺愛

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1 今日も大忙し

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 徹夜で仕上げた曲。杏奈は聴いていた。

「うーん…ダメだ…徹夜の意味なかったな~」

ため息をついて着替えた。もう時間は待ってくれない。
「まずい!行ってきま~す」

そこに母がやって来た。

「ご飯は食べないと。あとさ、また昨日も寝てないでしょ?そんな生活は駄目。もし無理だったら言って。アシスタントを探してあげるから」

杏奈は、電車の中でおにぎりを食べて学校へ行った。寝不足の目に光が差し込んでいく。その時、急激に溜まっていた疲労が出て、足が重く感じた。

 学校に着いた。そこに、クラスメイトの朱莉がやって来た。朱莉は、幼馴染みで親友。クラスでただ1人、杏奈が杏仁豆腐という名前で作曲をしていて、動画投稿アプリに投稿していることを知っていた。
「杏奈おはよ~昨日も寝てないの?体気を付けて」
杏奈は心配していた。そして、
「まさか、また作曲に打ち込み過ぎて気付いたら朝だったり?」
そう言われた。いつもはそうなのだが、今日は違う。今日は、本当にあせっていて、終わるまでずっと作業していた。結局終わったのは朝4時だった。

「杏奈、無理しちゃだめよ」

授業が頭に入って来なかった。

 給食後、倒れそうになったところ、先輩が助けてくれた。その先輩は、快青だった。その先輩は、曲に歌詞をつけていた。ということを杏奈は知らなかった。

「大丈夫?顔色悪いし。無理しないで」

こうなった理由は分かっている。杏奈は、作曲に打ち込み、ほぼ寝ておらず、睡眠不足だった。それが連日続き、限界がきてしまったということだ。

「先輩…」

杏奈は喋る事も出来なかった。

理由は、先輩だったからだった。
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