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第1章
第111話 毒の心配
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誰かが今も殿下を狙っているかもしれない。
我が家がお取り潰しになっちゃうかもしれない。
どうしよう。どうしよう……。
「……落ち着こ……」
ぐるぐると色々な考えが浮かんできちゃうんだけど、落ち着いて考えよう。
脳裏に浮かんできた光景を見たから色々考えちゃっているわけだけど、そもそも僕があの光景を見たということは、「回避すべし」ってことじゃないかな。
メイリの言う通り、毒鑑定と同じような感じで、何か危機を察知したのかな。
誰が灰色キノコを厨房に持ってきたのかはゴーシュさんが調査してくれてわかるかな。
「は~ぁ。どうしよう~……」
ベッドの上でゴロゴロ転がる。ゴロゴロゴロゴロ……。
「やっとレオノールさんの毒対策ができたと思ったのに~。うーん……、また毒かぁ……」
毒対策というと、結局光水しか思いつかない。
光水の効能を見る限りでは、「呪いの毒」以外の解毒もできそうだったよね。
「……解毒か……。毒耐性か……。」
目が冴えちゃってしょうがない!って思っていたのに、ブツブツ呟いている内に、いつの間にか眠ってしまったらしくて気がついたら朝だった。
玄関を出たところで早朝鍛錬に出ようとしていた兄上を待ち伏せした。
「毒?」
僕が話を始めようとしたら兄上は周囲を見回した。陰になるところまで移動してから声を顰めて僕に訊き返した。
「前の夢とは別の毒の夢を見たのか?」
「うん。昨日の灰色キノコがそれかはわからないけど、僕が見た夢みたいなやつだと、田舎領主が毒の責任を負わされて、家が取り潰しになっちゃうんだ。その領主の長男は学園に行けなくなっちゃったって」
「次男はどうした?」
「え?そこ?」
「田舎領主っていうのがウチの家ってことなんだろう?そうしたら長男だけじゃなくて次男と長女がいるじゃないか」
「長男のことしか話題に出なかったよ」
「そうか……」
コソコソと話をしてから、本館の厨房に足を運ぶ。
兄上はしばらく難しそうな顔をしていたけど、厨房の手前で立ち止まって僕の方を向いた。
「光水は解毒と毒耐性の効果があるんだろう?
それ、飲み水とか料理に使う水に混ぜたらどうだ?」
光水の効果については実際に試したことがあるわけではないから、どの位効くのかがよくわからない。
薬師のおばあちゃんの鑑定でも同じ結果だったから、効能としては間違っていないのだろうけど、どのくらいの量を飲んだら良いのかとか、全くわからない。
解毒の時も正しい量はよくわからないけど、毒の症状が治るまで飲めば良いんじゃないかと思っているんだけどね。
でも新しい毒には毒耐性で対応ができて、すでに受けてしまった毒とかには解毒が使えるという事になるなら光水があれば対策できるってことかな。
厨房で朝食の準備をしていたジャックに、毒の心配について伝えた。
兄上がお客様の食事に毒が混じっていたりしたら当主が責任を取らされることになるから何か対策を考えようという話をした。
ジャックも毒キノコが混じっていたばかりだから真剣な顔をして聞いていた。
「坊っちゃん達が気がついて下さらなかったら毒キノコを調理してしまっていたかもしれません」
「ジャックだったら、使ったことないキノコは使わなかったでしょう?お客様滞在中は気をつけようっていうだけだよ」
ジャックは背中を丸めてしゅんと項垂れたけど、ジャックは何も悪くないよね。
我が家がお取り潰しになっちゃうかもしれない。
どうしよう。どうしよう……。
「……落ち着こ……」
ぐるぐると色々な考えが浮かんできちゃうんだけど、落ち着いて考えよう。
脳裏に浮かんできた光景を見たから色々考えちゃっているわけだけど、そもそも僕があの光景を見たということは、「回避すべし」ってことじゃないかな。
メイリの言う通り、毒鑑定と同じような感じで、何か危機を察知したのかな。
誰が灰色キノコを厨房に持ってきたのかはゴーシュさんが調査してくれてわかるかな。
「は~ぁ。どうしよう~……」
ベッドの上でゴロゴロ転がる。ゴロゴロゴロゴロ……。
「やっとレオノールさんの毒対策ができたと思ったのに~。うーん……、また毒かぁ……」
毒対策というと、結局光水しか思いつかない。
光水の効能を見る限りでは、「呪いの毒」以外の解毒もできそうだったよね。
「……解毒か……。毒耐性か……。」
目が冴えちゃってしょうがない!って思っていたのに、ブツブツ呟いている内に、いつの間にか眠ってしまったらしくて気がついたら朝だった。
玄関を出たところで早朝鍛錬に出ようとしていた兄上を待ち伏せした。
「毒?」
僕が話を始めようとしたら兄上は周囲を見回した。陰になるところまで移動してから声を顰めて僕に訊き返した。
「前の夢とは別の毒の夢を見たのか?」
「うん。昨日の灰色キノコがそれかはわからないけど、僕が見た夢みたいなやつだと、田舎領主が毒の責任を負わされて、家が取り潰しになっちゃうんだ。その領主の長男は学園に行けなくなっちゃったって」
「次男はどうした?」
「え?そこ?」
「田舎領主っていうのがウチの家ってことなんだろう?そうしたら長男だけじゃなくて次男と長女がいるじゃないか」
「長男のことしか話題に出なかったよ」
「そうか……」
コソコソと話をしてから、本館の厨房に足を運ぶ。
兄上はしばらく難しそうな顔をしていたけど、厨房の手前で立ち止まって僕の方を向いた。
「光水は解毒と毒耐性の効果があるんだろう?
それ、飲み水とか料理に使う水に混ぜたらどうだ?」
光水の効果については実際に試したことがあるわけではないから、どの位効くのかがよくわからない。
薬師のおばあちゃんの鑑定でも同じ結果だったから、効能としては間違っていないのだろうけど、どのくらいの量を飲んだら良いのかとか、全くわからない。
解毒の時も正しい量はよくわからないけど、毒の症状が治るまで飲めば良いんじゃないかと思っているんだけどね。
でも新しい毒には毒耐性で対応ができて、すでに受けてしまった毒とかには解毒が使えるという事になるなら光水があれば対策できるってことかな。
厨房で朝食の準備をしていたジャックに、毒の心配について伝えた。
兄上がお客様の食事に毒が混じっていたりしたら当主が責任を取らされることになるから何か対策を考えようという話をした。
ジャックも毒キノコが混じっていたばかりだから真剣な顔をして聞いていた。
「坊っちゃん達が気がついて下さらなかったら毒キノコを調理してしまっていたかもしれません」
「ジャックだったら、使ったことないキノコは使わなかったでしょう?お客様滞在中は気をつけようっていうだけだよ」
ジャックは背中を丸めてしゅんと項垂れたけど、ジャックは何も悪くないよね。
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