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第1章
第125話 盗み聞き?
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屋敷に帰り着いたら、なんとなく騒がしい気配がするのを感じた。
正門から敷地内に意識を巡らせると本館の奥の辺りから感じるようだ。
「あれ?」
「うん?どうした?」
「何か騒がしい感じがして」
「川辺にいた連中が捕まったんじゃないか?」
騒がしい気配に注意を向けていたら、兄上が見に行こうと言ってくれた。
一旦、馬を厩舎に戻して、本館の玄関に駆け込んだ。
出迎える人はいなかった。食堂や厨房に気配はあるからマーサやジャックは夕食の支度をしているんだろう。
後は本館の奥の方に人が集まっているようだ。
早足で廊下を進んで行ったけど怒鳴り声のような声が聞こえてきて思わず速度を緩めた。
響き渡るような音量じゃないけど、怒鳴っているのがわかる。
兄上が僕を制して廊下の角で立ち止まった。壁に沿って立ってその先の様子を伺う。
何か秘密っぽくてドキドキする!
「……訓練で来てるんだ!火魔法を使って何が悪い!」
めちゃめちゃ怒っているような興奮しているような気配だ。聞こえてくる内容からすると川の近くで僕達に絡んできた人達はやっぱり沼地を荒らした犯人らしい。でも訓練って言い張っているのかな。
訓練のつもりで沼地を燃やしたってこと?
「俺らに文句言うなら、あの冒険者の奴らにも文句を言えよ!」
尋問?している人の声はよく聞こえなくて怒鳴っている人の声だけが聞こえてくる。
冒険者の奴らって何のことだろう。
兄上を見上げたら、「シーッ」と口の前に指を立てていた。
「俺らはあいつらと火魔法の撃ち比べをしてただけだ!俺らが咎められるんならあいつらも同罪だろうが!」
沼地を荒らした人が他にもいるってことなのかな。冒険者って……ゲンティアナの冒険者だろうか?
そんなことする人いるのかな。ゲンティアナにいる冒険者ってチャラチャラしたりイキリ立ったような感じの人は少なくて、渋いおじさんが多いイメージなんだけどな。とは言っても僕は冒険者ギルドには直接行かないから、冒険者ギルドの近くとかで見かけたり、薬師のおばあちゃんのところに薬を買いに来たりする冒険者風の格好をした人達を見た印象なだけだ。
「盗み聞きかしら?」
冒険者のことが気になってしまってもっと詳しく聞こうと耳を澄ませていたら突然声をかけられてギョッとしてピクンと少し飛び上がってしまった。
振り向くと、レオノールさんが立っていた。
涼しげな表情で僕達を見ている。
盗み聞きしていると思われちゃった。どうやって答えようかと思ってちょっと慌てていたら、兄上が僕を庇うように立ってレオノールさんに向き直った。
「自分の家ですので別に盗み聞きではありません。取り込み中のようなのでタイミングを見計らっていただけです」
緊張した声で兄上が言い切る。
「あら、そうだったの」
レオノールさんが目元だけで微笑んだ。貴族っぽい微笑みだなぁ。まつ毛長い。
兄上は盗み聞きじゃないって主張したけど、状況的には盗み聞きな気がしないでもない。でも自分の家の中だし、聞いちゃいけないってことはないと思う。家に取って重要なことだと思うし、父上や母様から聞いちゃダメとはまだ言われていないからね。
正門から敷地内に意識を巡らせると本館の奥の辺りから感じるようだ。
「あれ?」
「うん?どうした?」
「何か騒がしい感じがして」
「川辺にいた連中が捕まったんじゃないか?」
騒がしい気配に注意を向けていたら、兄上が見に行こうと言ってくれた。
一旦、馬を厩舎に戻して、本館の玄関に駆け込んだ。
出迎える人はいなかった。食堂や厨房に気配はあるからマーサやジャックは夕食の支度をしているんだろう。
後は本館の奥の方に人が集まっているようだ。
早足で廊下を進んで行ったけど怒鳴り声のような声が聞こえてきて思わず速度を緩めた。
響き渡るような音量じゃないけど、怒鳴っているのがわかる。
兄上が僕を制して廊下の角で立ち止まった。壁に沿って立ってその先の様子を伺う。
何か秘密っぽくてドキドキする!
「……訓練で来てるんだ!火魔法を使って何が悪い!」
めちゃめちゃ怒っているような興奮しているような気配だ。聞こえてくる内容からすると川の近くで僕達に絡んできた人達はやっぱり沼地を荒らした犯人らしい。でも訓練って言い張っているのかな。
訓練のつもりで沼地を燃やしたってこと?
「俺らに文句言うなら、あの冒険者の奴らにも文句を言えよ!」
尋問?している人の声はよく聞こえなくて怒鳴っている人の声だけが聞こえてくる。
冒険者の奴らって何のことだろう。
兄上を見上げたら、「シーッ」と口の前に指を立てていた。
「俺らはあいつらと火魔法の撃ち比べをしてただけだ!俺らが咎められるんならあいつらも同罪だろうが!」
沼地を荒らした人が他にもいるってことなのかな。冒険者って……ゲンティアナの冒険者だろうか?
そんなことする人いるのかな。ゲンティアナにいる冒険者ってチャラチャラしたりイキリ立ったような感じの人は少なくて、渋いおじさんが多いイメージなんだけどな。とは言っても僕は冒険者ギルドには直接行かないから、冒険者ギルドの近くとかで見かけたり、薬師のおばあちゃんのところに薬を買いに来たりする冒険者風の格好をした人達を見た印象なだけだ。
「盗み聞きかしら?」
冒険者のことが気になってしまってもっと詳しく聞こうと耳を澄ませていたら突然声をかけられてギョッとしてピクンと少し飛び上がってしまった。
振り向くと、レオノールさんが立っていた。
涼しげな表情で僕達を見ている。
盗み聞きしていると思われちゃった。どうやって答えようかと思ってちょっと慌てていたら、兄上が僕を庇うように立ってレオノールさんに向き直った。
「自分の家ですので別に盗み聞きではありません。取り込み中のようなのでタイミングを見計らっていただけです」
緊張した声で兄上が言い切る。
「あら、そうだったの」
レオノールさんが目元だけで微笑んだ。貴族っぽい微笑みだなぁ。まつ毛長い。
兄上は盗み聞きじゃないって主張したけど、状況的には盗み聞きな気がしないでもない。でも自分の家の中だし、聞いちゃいけないってことはないと思う。家に取って重要なことだと思うし、父上や母様から聞いちゃダメとはまだ言われていないからね。
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