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第1章
第124話 逃げ作戦その2
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帰り道も特に大きな問題は起きんかった。森の外に出たところで行きと帰りの途中で狩った魔獣の処理をする。
鳥系とか猪系とか肉が美味しい魔獣は良いんだけど、それ以外は角とか魔石以外はあまり価値がないものが多い。
価値がありそうな部位だけとって、不要な部位は穴に埋めた。
まだ明るい時間帯なので泉のところで狩った魔獣も解体してしまう。
「収納」は大きいものを出し入れする時の方が沢山魔力を消費しそうだから、大きい魔獣は一体だけ出してみた。
「魔力が大丈夫そうだったら、一気に『収納』から出しても大丈夫かな?」
「うーんやめておいた方が良いだろう。この辺にいない魔獣を山積みにしたら目立つ」
「何かあった時に置いて逃げることになるかもしれないでさぁ。」
「収納」の中にストックしていた魔獣を一気に出すのは兄上もボブも反対みたいだ。
派手派手しい色の鳥はちょっと目を引くし、それが山積みになっていたら確かに目立つかもしれない。
どこで狩ってきたんだって話になるし、「収納」のスキルのことも他人に知られそうな気がするから、目立たないやり方が良いんだろうな。
置いて逃げるってどんな状況かな。河原にいたみたいな人達が「寄越せ」って言ってきたりした時だろうか。
「……河原にいた人達、捕まったかな」
「どうだろう、逃げそうな感じじゃなかったから、捕まってるんじゃないかな」
「鹿の魔獣とか大きい魔獣を解体しているときに、同じような人達に『寄越せ』って言われたらどうしよう。解体途中のやつは置いて逃げる?」
「一体かそこらなら解体途中でも『収納』に入れられるかもな。まあ、状況によりけりだと思うけど」
「状況って?」
「もっと乱暴な連中がいて、いきなり攻撃してきたりとかさ」
「何それ、怖い。」
「もしもの話だよ。でも、本当に危険そうな時は、荷物とか気にせず逃げるんだぞ」
兄上は少し目を細めて真剣な顔で僕を見つめた。僕は頷きながら落とし穴の魔法陣のことをちょっと考えた。
解体途中の魔獣を置いて逃げるのは仕方ない。ちゃんと安全に逃げるのが大事だよね。
そうなると、逃げる時の手段として落とし穴を作る土の魔法陣魔石とかは用意しておいた方が良い気がしてきた。
「クリス?また何か考えてる?」
「何かの時のために、穴掘りの魔法陣魔石は用意しておいた方が良いかなって。
ボブが飛び越えるのが無理そうなら、後ろに放れば良いかな」
「……危ない状況にならないのが一番だけどな。まあ、もしもの時の手段を用意しておくに越したことはないだろうな。逃げるなら……ドロンって煙幕とか……」
「ドロン?」
「うーん、煙で相手の視界を遮って、その間に逃げるんだ」
「煙は火魔法かな。火魔石で作るとすると……」
「……火魔石は火事が心配だからやめておこう。逃げた後が森の沼地みたいに黒焦げになったら困るだろう?」
兄上は煙を起こして逃げる方法を提案してくれたけど、火事が心配だからやめておこうって言ってきた。
確かにちょっとでも火がつくと、森の中とかでは使えないよね。草原とかでも草が乾燥してたら燃えちゃうかもしれないんだよね。
何か良い方法はないかなと考えながら、解体を終えて、血で汚れた道具や手を水魔法で洗い流した。
シャワーの水を出す練習を兼ねてお湯を出してみた。微妙にボトボトと出てしまったけどちゃんとお湯が出て
ふわっと湯気が立ち上った。
湯気を見て閃く。
「湯気!沢山出たら煙みたいになるかな」
「湯気というか、霧なら視界を遮るだろうな」
「おお!」
湯気や霧なら水魔法で作れる!火魔法だと魔石に頼らないといけないけど、水魔法なら僕の魔法でいける!
魔法陣魔石でポンと投げて発動するのでも良い。
相手の周りにだけ視界を遮るように霧が起こせれば良いのかな。
使わなきゃいけないような事態が起きない方が良いんだけど
新しい魔法の使い方を考えるのは面白い。
解体の後片付けをしながら、ちょっとワクワクしてきちゃったよ。
鳥系とか猪系とか肉が美味しい魔獣は良いんだけど、それ以外は角とか魔石以外はあまり価値がないものが多い。
価値がありそうな部位だけとって、不要な部位は穴に埋めた。
まだ明るい時間帯なので泉のところで狩った魔獣も解体してしまう。
「収納」は大きいものを出し入れする時の方が沢山魔力を消費しそうだから、大きい魔獣は一体だけ出してみた。
「魔力が大丈夫そうだったら、一気に『収納』から出しても大丈夫かな?」
「うーんやめておいた方が良いだろう。この辺にいない魔獣を山積みにしたら目立つ」
「何かあった時に置いて逃げることになるかもしれないでさぁ。」
「収納」の中にストックしていた魔獣を一気に出すのは兄上もボブも反対みたいだ。
派手派手しい色の鳥はちょっと目を引くし、それが山積みになっていたら確かに目立つかもしれない。
どこで狩ってきたんだって話になるし、「収納」のスキルのことも他人に知られそうな気がするから、目立たないやり方が良いんだろうな。
置いて逃げるってどんな状況かな。河原にいたみたいな人達が「寄越せ」って言ってきたりした時だろうか。
「……河原にいた人達、捕まったかな」
「どうだろう、逃げそうな感じじゃなかったから、捕まってるんじゃないかな」
「鹿の魔獣とか大きい魔獣を解体しているときに、同じような人達に『寄越せ』って言われたらどうしよう。解体途中のやつは置いて逃げる?」
「一体かそこらなら解体途中でも『収納』に入れられるかもな。まあ、状況によりけりだと思うけど」
「状況って?」
「もっと乱暴な連中がいて、いきなり攻撃してきたりとかさ」
「何それ、怖い。」
「もしもの話だよ。でも、本当に危険そうな時は、荷物とか気にせず逃げるんだぞ」
兄上は少し目を細めて真剣な顔で僕を見つめた。僕は頷きながら落とし穴の魔法陣のことをちょっと考えた。
解体途中の魔獣を置いて逃げるのは仕方ない。ちゃんと安全に逃げるのが大事だよね。
そうなると、逃げる時の手段として落とし穴を作る土の魔法陣魔石とかは用意しておいた方が良い気がしてきた。
「クリス?また何か考えてる?」
「何かの時のために、穴掘りの魔法陣魔石は用意しておいた方が良いかなって。
ボブが飛び越えるのが無理そうなら、後ろに放れば良いかな」
「……危ない状況にならないのが一番だけどな。まあ、もしもの時の手段を用意しておくに越したことはないだろうな。逃げるなら……ドロンって煙幕とか……」
「ドロン?」
「うーん、煙で相手の視界を遮って、その間に逃げるんだ」
「煙は火魔法かな。火魔石で作るとすると……」
「……火魔石は火事が心配だからやめておこう。逃げた後が森の沼地みたいに黒焦げになったら困るだろう?」
兄上は煙を起こして逃げる方法を提案してくれたけど、火事が心配だからやめておこうって言ってきた。
確かにちょっとでも火がつくと、森の中とかでは使えないよね。草原とかでも草が乾燥してたら燃えちゃうかもしれないんだよね。
何か良い方法はないかなと考えながら、解体を終えて、血で汚れた道具や手を水魔法で洗い流した。
シャワーの水を出す練習を兼ねてお湯を出してみた。微妙にボトボトと出てしまったけどちゃんとお湯が出て
ふわっと湯気が立ち上った。
湯気を見て閃く。
「湯気!沢山出たら煙みたいになるかな」
「湯気というか、霧なら視界を遮るだろうな」
「おお!」
湯気や霧なら水魔法で作れる!火魔法だと魔石に頼らないといけないけど、水魔法なら僕の魔法でいける!
魔法陣魔石でポンと投げて発動するのでも良い。
相手の周りにだけ視界を遮るように霧が起こせれば良いのかな。
使わなきゃいけないような事態が起きない方が良いんだけど
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解体の後片付けをしながら、ちょっとワクワクしてきちゃったよ。
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