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第1章
第126話 ミッションクリア
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一呼吸分位の沈黙が周囲を満たした後、レオノールさんがニコリと微笑んだ。
「それはそうと、解毒剤をありがとう。本当に助かったわ!」
「ああ……、毒キノコに当たった方、大丈夫だったんですか?」
「ええ。毒に当たった騎士達はもう回復しているわ。本当にありがとう!
……急な事だったので、あの解毒剤が効きそうだったから使わせてもらったけど
あれは……もしかして『呪いの毒』の解毒剤だったのかしら……」
レオノールさんは「呪いの毒」についての話になった時、急に声を顰めた。
「……『呪いの毒』について、父から話があったのですか?」
兄上が少し目を彷徨わせてからゆっくりと慎重な口調でレオノールさんに尋ねた。レオノールさんが「呪いの毒」ってワードを言ったということは、父上か母様から説明があったんだろうと思うけど、どんな風に話したんだろう。
「ええ。今朝、上司のゴーシュと共にゲンティアナ男爵から伺ったわ。
森に『呪いの毒』に毒された魔獣が出たって。広まる可能性があるから急ぎ解毒剤を作っていると。
特殊で危険な毒だっていう話なのに、その希少な解毒剤を違う毒の為に使ってしまったわね」
「目の前に苦しんでいる人がいて、効く薬があるなら使うのは当然ですよ」
「ありがとう。そう言ってもらえると気が軽くなるわ」
兄上の言葉にニコリとレオノールさんが頬を緩めた。
父上が「呪いの毒」の危機が訪れるかもって、上手い感じで話してくれたみたいだ。
ここは!解毒治癒玉を渡すチャンス!
僕はさっと腰に身につけていた巾着に手を伸ばしたけどちょっと慌てちゃって巾着を床に一回落としてしまった。
解毒治癒玉はいつでも渡せるように「収納」にも入れずに持ち歩いていたんだ。
「レオノールさん。これ、どうぞ」
僕が「レオノールさんに渡すセット」を差し出したらレオノールさんは目をぱちぱちと瞬かせた。
「……これはもしかして治癒玉?それと解毒剤?そんなに頂くわけにはいかないわよ」
「あの……夢で見て!心配なんです!ご家族の分もあります。これ、一回だけ解毒もできる治癒玉です!」
「解毒もできるって……『呪いの毒』の?解毒剤と同じ効果があると言うことなの?」
「そうです」
「それって希少なものでしょう?」
レオノールさんは遠慮した様子で僕が差し出した「レオノールさんに渡すセット」をなかなか受け取ってくれなかった。
「……レオノールさん。弟は心配性で、レオノールさんに渡さないと落ち着かないって言うんで、どうか受け取ってもらえませんか?」
兄上が僕の背中に手を添えて後押ししてくれた。
レオノールさんは少し困った顔をした後で、身を屈めて僕の目を見つめて手を差し出してくれた。
「……わかったわ。でも代金はちゃんと払うわね」
「え」
「先日の解毒剤の分もね」
「あの‥…売りつけるつもりじゃ……」
「ダメよ。ちゃんと代金は受け取らないと。それともしも解毒剤の数に余裕があるなら売ってもらいたいの」
何とかレオノールさんに解毒治癒玉を渡すことができたんだけど、押し売りみたいになっちゃった。更に、光水をもっと買いたいって話になった。
僕としては今回のはご贈答で、追加注文分はお買い上げって感じが良いと思ったんだけど、全部代金を支払うって言う。
まあ、代金とかはともかく、レオノールさんに解毒治癒玉を受け取って貰えたならミッションクリアかな。
「それはそうと、解毒剤をありがとう。本当に助かったわ!」
「ああ……、毒キノコに当たった方、大丈夫だったんですか?」
「ええ。毒に当たった騎士達はもう回復しているわ。本当にありがとう!
……急な事だったので、あの解毒剤が効きそうだったから使わせてもらったけど
あれは……もしかして『呪いの毒』の解毒剤だったのかしら……」
レオノールさんは「呪いの毒」についての話になった時、急に声を顰めた。
「……『呪いの毒』について、父から話があったのですか?」
兄上が少し目を彷徨わせてからゆっくりと慎重な口調でレオノールさんに尋ねた。レオノールさんが「呪いの毒」ってワードを言ったということは、父上か母様から説明があったんだろうと思うけど、どんな風に話したんだろう。
「ええ。今朝、上司のゴーシュと共にゲンティアナ男爵から伺ったわ。
森に『呪いの毒』に毒された魔獣が出たって。広まる可能性があるから急ぎ解毒剤を作っていると。
特殊で危険な毒だっていう話なのに、その希少な解毒剤を違う毒の為に使ってしまったわね」
「目の前に苦しんでいる人がいて、効く薬があるなら使うのは当然ですよ」
「ありがとう。そう言ってもらえると気が軽くなるわ」
兄上の言葉にニコリとレオノールさんが頬を緩めた。
父上が「呪いの毒」の危機が訪れるかもって、上手い感じで話してくれたみたいだ。
ここは!解毒治癒玉を渡すチャンス!
僕はさっと腰に身につけていた巾着に手を伸ばしたけどちょっと慌てちゃって巾着を床に一回落としてしまった。
解毒治癒玉はいつでも渡せるように「収納」にも入れずに持ち歩いていたんだ。
「レオノールさん。これ、どうぞ」
僕が「レオノールさんに渡すセット」を差し出したらレオノールさんは目をぱちぱちと瞬かせた。
「……これはもしかして治癒玉?それと解毒剤?そんなに頂くわけにはいかないわよ」
「あの……夢で見て!心配なんです!ご家族の分もあります。これ、一回だけ解毒もできる治癒玉です!」
「解毒もできるって……『呪いの毒』の?解毒剤と同じ効果があると言うことなの?」
「そうです」
「それって希少なものでしょう?」
レオノールさんは遠慮した様子で僕が差し出した「レオノールさんに渡すセット」をなかなか受け取ってくれなかった。
「……レオノールさん。弟は心配性で、レオノールさんに渡さないと落ち着かないって言うんで、どうか受け取ってもらえませんか?」
兄上が僕の背中に手を添えて後押ししてくれた。
レオノールさんは少し困った顔をした後で、身を屈めて僕の目を見つめて手を差し出してくれた。
「……わかったわ。でも代金はちゃんと払うわね」
「え」
「先日の解毒剤の分もね」
「あの‥…売りつけるつもりじゃ……」
「ダメよ。ちゃんと代金は受け取らないと。それともしも解毒剤の数に余裕があるなら売ってもらいたいの」
何とかレオノールさんに解毒治癒玉を渡すことができたんだけど、押し売りみたいになっちゃった。更に、光水をもっと買いたいって話になった。
僕としては今回のはご贈答で、追加注文分はお買い上げって感じが良いと思ったんだけど、全部代金を支払うって言う。
まあ、代金とかはともかく、レオノールさんに解毒治癒玉を受け取って貰えたならミッションクリアかな。
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