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第1章
第194話 岩場は大丈夫だったのに
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岩場を後にするとき、前回狙われていたことをちょっと思い出してしまった。警戒して周囲に意識を向けた。
岩場で狩りをしている人達は三組ほどいるけど、こちらに「害意」が向けられている気配は感じない。
ホッと小さく息を吐く。
馬に跨って凸凹の道を進んで、平原の近くに差し掛かった時、魔獣らしい魔力が固まって移動してくるのを感じた。
目を向けると、冒険者らしき人が走ってくる。その後ろをポーン、ポーンと数羽の団子兎が跳ねながら追いかけてくる。
「え?こっちに来る!?」
「何だ?」
馬を止めて様子を見ていると、僕達が居る場所に向かってくるように見えた。
走っていた冒険者らしき人が顔を上げた。目が合ったと思ったらギョッとした様子で、左に方向転換した。
団子兎の半数位は冒険者らしき人を追って向かう方向を切り替えたけど、五羽がそのままこっちに向かってきた。
まん丸の団子兎が、跳ねながら牙を向けてきた。
ターゲットを僕達に切り替えたようだ。兄上が少し馬を前に進めて、僕と距離を空けた。ボブはもうナイフを投げるところだ。
できれば耳の穴を狙いたいと思ったんだけど、団子兎は耳の位置がわかりにくい。
仕方なく眉間に狙いを定めて矢を放った。矢が中央にいた団子兎の眉間に突き刺さった。命中だ!
その後ろから来ていた団子兎の胸を槍で突き刺した。
串刺しになった団子兎の胸の切り口からボトっと魔石が出てきた。
「……どこまでが頭かわからないな」
兄上は馬を降りて、地面に転がった団子兎の様子を覗き込んだ。団子兎は真っ二つになっていた。
ボブの方も無事に仕留めたらしい。ナイフに括り付けた細いロープを引っ張って、団子兎を釣り上げていた。
二羽とも目にナイフが突き刺さっていた。流石だ。
「ああ!?殺っちまったのか!?」
丈の高い草をかき分けて、先ほどの冒険者らしき人が丈の高い草をかき分けて僕達の方を睨んでいた。
「生捕りできなきゃ、意味ないじゃないか!どうしてくれる!」
「害意」の気配を纏っている。
え?何で怒ってんの?
「あと少しだったんだぞ!」
ぐわっと「怒気」を吹き上げて、僕達の方に向かってきた。
「ひゃぁ!」
何?怖い!!
咄嗟に「収納」から「穴掘り」の魔法陣を刻んだ土魔石を掴み出して、冒険者らしき人の足元に放った。
ズサ!
「は!?」
土魔石から魔法陣が浮かびでて、地面に穴が開いた。
冒険者らしき人の腰から下が穴の中に落ちていた。落ちた時にどこかぶつけたのか顔をしかめている。
今のうちだ!
風魔法を発動させて、「収納」に入れておいた砂をぶつける。
「うわっぷっ」
相手が怯んだ様子になったのを確認して兄上の方に振り向いた。
「兄上!」
「ああ!」
「今のうちに逃げよう」と言わないうちに兄上は頷いて、馬にヒラリと飛び乗った。
岩場で狩りをしている人達は三組ほどいるけど、こちらに「害意」が向けられている気配は感じない。
ホッと小さく息を吐く。
馬に跨って凸凹の道を進んで、平原の近くに差し掛かった時、魔獣らしい魔力が固まって移動してくるのを感じた。
目を向けると、冒険者らしき人が走ってくる。その後ろをポーン、ポーンと数羽の団子兎が跳ねながら追いかけてくる。
「え?こっちに来る!?」
「何だ?」
馬を止めて様子を見ていると、僕達が居る場所に向かってくるように見えた。
走っていた冒険者らしき人が顔を上げた。目が合ったと思ったらギョッとした様子で、左に方向転換した。
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ターゲットを僕達に切り替えたようだ。兄上が少し馬を前に進めて、僕と距離を空けた。ボブはもうナイフを投げるところだ。
できれば耳の穴を狙いたいと思ったんだけど、団子兎は耳の位置がわかりにくい。
仕方なく眉間に狙いを定めて矢を放った。矢が中央にいた団子兎の眉間に突き刺さった。命中だ!
その後ろから来ていた団子兎の胸を槍で突き刺した。
串刺しになった団子兎の胸の切り口からボトっと魔石が出てきた。
「……どこまでが頭かわからないな」
兄上は馬を降りて、地面に転がった団子兎の様子を覗き込んだ。団子兎は真っ二つになっていた。
ボブの方も無事に仕留めたらしい。ナイフに括り付けた細いロープを引っ張って、団子兎を釣り上げていた。
二羽とも目にナイフが突き刺さっていた。流石だ。
「ああ!?殺っちまったのか!?」
丈の高い草をかき分けて、先ほどの冒険者らしき人が丈の高い草をかき分けて僕達の方を睨んでいた。
「生捕りできなきゃ、意味ないじゃないか!どうしてくれる!」
「害意」の気配を纏っている。
え?何で怒ってんの?
「あと少しだったんだぞ!」
ぐわっと「怒気」を吹き上げて、僕達の方に向かってきた。
「ひゃぁ!」
何?怖い!!
咄嗟に「収納」から「穴掘り」の魔法陣を刻んだ土魔石を掴み出して、冒険者らしき人の足元に放った。
ズサ!
「は!?」
土魔石から魔法陣が浮かびでて、地面に穴が開いた。
冒険者らしき人の腰から下が穴の中に落ちていた。落ちた時にどこかぶつけたのか顔をしかめている。
今のうちだ!
風魔法を発動させて、「収納」に入れておいた砂をぶつける。
「うわっぷっ」
相手が怯んだ様子になったのを確認して兄上の方に振り向いた。
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「今のうちに逃げよう」と言わないうちに兄上は頷いて、馬にヒラリと飛び乗った。
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