転生モブ一家は乙女ゲームの開幕フラグを叩き折る

月野槐樹

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第2章

第251話 久しぶりの絵

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「手紙」の魔道具だけでも薬師のおばあちゃんのお店の工房に一つ置いてもらえたら、連絡しやすくなりそうだよね。
後で、母様に相談してみよう。ゲンティアナ中に置きたいって言ってたから、考えてくれるんじゃないかな。

魔石を小さくしたと言っても扱えない大きさじゃないから、最近細かい字を見づらそうにしている薬師のおばあちゃんだって、文字が読み取れないなんてことはないんじゃないかな。
それでも、文字が小さすぎるって言われたら、メガネみたいに拡大できる機能をつけたら良いかな。
メガネって、物を大きく見せたりできるけど、魔法じゃないんだよね。
魔法だったら魔法陣を参考にできるんだけどなぁ……。

あ、単に「大きく表示」だったら文字を表示している魔法陣をいじれば実現できるかもしれない。
一つの魔石で一文字表示しているけど、まとまった四つの魔石で一文字にするとか選べれば良いね!九個で一文字でも良いかもしれない。

可能なだけ小さく均等に切った魔石に雷の魔石で魔法陣を書き込み、ピンセットで枠の中に並べる。
バラバラにならないように表面に透明な樹脂を流し込んで固めた。樹脂は透明なんだけどちょっと黄色いから表示部分が全体的に黄色っぽくなってしまった。

それでも大人の人だったら掌の中に収まりそうな大きさになった。
何回も連続でメッセージを受け取った時、前のメッセージが消えちゃうと読めなくなっちゃうから、下に書き加えていくみたいな表示にしておこう。
前のメッセージも覚えておいて表示するようにしたいけど、それはまた今度かな。

メッセージを送る側の魔道具は、入力する文字の魔石を並べた部分と、入力内容を表示する部分を作る。
これも指で選択できるギリギリくらいの大きさに魔石を小さくする。魔力を通す素材のペンとかを使っても良さそうだな。

両方合わせて持ち歩くと、ちょっと重いかもしれないけど、お知らせを受け取りたい時は、メッセージを受け取る方の魔道具だけを直ぐ取り出せる場所に持っておいて、メッセージを送る方の魔道具は鞄の奥底や「収納」に閉まっておいても良いよね。

片手でも持ち運びできそうな大きさに出来たので、とりあえず家族分を量産してみた。

小型の「手紙」の魔道具ができたけど、最初に作ったのと区別するために「メッセージ」の魔道具って呼ぼうかな。

「メッセージ」の魔道具を作っている間も「灯り」の魔道具は大活躍だ。明るくて手元が良く見える。
普段は細かい魔法陣とかはランプのすぐ傍に寄って描いてたんだけど、「灯り」の魔法陣魔石をいくつかおいているとわざわざ灯りに近寄らなくても十分明るいんだ。

明るいし、ちょっと絵を描こうかな。
このところ、魔道具作りの方に力を入れていたから絵を描くのは久しぶりな気がする。と言っても、何日か前には描いたけど。

殿下達四人の絵を描こう。
四人並んだ絵を描いて、記念に殿下達にプレゼントとか出来たら良かったんだけど、
絵は家族以外の人には見せないようにって言われてたんだ。
うっかり「未来の光景」みたいな絵を見せちゃっても良くないのだけど、
目立って気に入られても困ることが多いんだって。
角兎のソテーが気に入られて大勢でやってきちゃうくらいだからね。

だから絵は見せたりしなかったんだけど、記念というか記録というか来た人達の絵を描いておこうと思う。
ネイサン殿下、ハロルド君、シェリル嬢、リネリア嬢が並んで笑顔でいる絵を描く。
辺境伯様やオーキッド伯爵の絵も描いておこう。あと、レオノールさんとゴーシュさんも描く。

絵の下に滞在した期間とか描いておくと、後で思い出した時に確認できるかな。
起きたことも色々描いておこう。スライム狩りと魔魚のバーベーキュー。
背びれイタチ狩り。思い出しながら、描いていく。
お祝いの宴は毒事件があったからなぁ。
どの場面を描くのが良いかな。

描く場面に迷っていたら、久々に脳裏に何か光景が浮かんできた。
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