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第2章
第257話 急な戦闘
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「魔獣がいる……?」
手前に木が茂っていて見えない。でもはっきり魔力を感じた。魔獣か、それとも人がいるのかもしれない。
意識を広げて気配を探っていくと、複数の魔力の存在を検知した。一つは急激に上昇して旋回した。鳥系魔獣か?
鳥系魔獣がクルクルと旋回しながら下降して、別の魔力の存在に近づいた。
次の瞬間、急激に「害意」のような気配を感じた。
「え……?」
「害意」?あの鳥系魔獣が上空からコチラに気がついて、狙われている?
どうしよう。一番早い方法は……。
首からぶら下げていた指輪を手にしようとして指で弾いてしまって、革紐を通した指輪がブラブラと揺れた。
落ち着かなくちゃ。息を吸い込み、ブラブラと揺れていた指輪をパッと掴む。
もう一方の手で腕輪に手を触れ魔力を通した。
指輪から声が聞こえてきた。
『もしもし?』
「上流に『害意』!魔獣か人かは不明!」
『え?』
少し離れた位置にいた兄上が立ち上がるのが見えた。「収納」の魔法陣が出て近くに置いていた荷物が消えた。
僕は気配があった方を指で指し示してから「収納」から弓と矢を取り出した。
兄上とボブが武器を手にしてこちらの方に賭けてくる。
もう一度気配を探ろうとした瞬間、「害意」の気配が強くなったように感じた。
魔力の位置を確認しながら弓を構えた。
鳥系魔獣らしき気配が急上昇していく。木の上まで飛んだその姿がはっきり見えた。魔鷹か何かか?
上空まで飛んで旋回してから一気に下降してきた。僕の方に向かって凄い勢いで滑空してくる。
僕が放った矢が魔鷹の羽根を掠めたが、魔鷹の勢いは大して変わらない。
螺旋の風を放つ直前、魔鷹の羽根に何かが突き刺さり、魔鷹の進路が大きく逸れた。
魔鷹は螺旋の風に煽られて後退し、体勢を立て直すように旋回した。
飛んできた石が魔鷹の羽根に辺り、魔鷹の動きが乱れた。
「クリス!」
兄上の声が聞こえた。コチラに向かって駆けてくるのがわかる。
僕がもう一度射った矢が魔鷹の羽根に刺さった。
魔鷹がバランスを崩して減速したところを狙って風刃で切り付ける。
風刃が魔鷹を切り付け、右の翼を切り裂くと、魔鷹は錐揉み状態になり地面に落ちた。
留めを刺しに向かおうとしたとき、別の「害意」を感じて踏みとどまった。
また何か来る!
突風のような勢いで黒い何かがコチラに向かって突進してくる。
狼系魔獣か?
すかさず矢を射ると、魔獣の前足に突き刺さった。
ギャン!
バランスを崩して倒れそうになりながら叫び声を上げたのは狼系の魔獣だった。
一度横に飛んでから、ギロリとした目をコチラに向け、再び向かってきた。
螺旋の風をぶつけたら、後ろに飛び退いた。
そこに兄上が飛びかかっていって炎を纏った剣が魔獣を切り裂いた。
手前に木が茂っていて見えない。でもはっきり魔力を感じた。魔獣か、それとも人がいるのかもしれない。
意識を広げて気配を探っていくと、複数の魔力の存在を検知した。一つは急激に上昇して旋回した。鳥系魔獣か?
鳥系魔獣がクルクルと旋回しながら下降して、別の魔力の存在に近づいた。
次の瞬間、急激に「害意」のような気配を感じた。
「え……?」
「害意」?あの鳥系魔獣が上空からコチラに気がついて、狙われている?
どうしよう。一番早い方法は……。
首からぶら下げていた指輪を手にしようとして指で弾いてしまって、革紐を通した指輪がブラブラと揺れた。
落ち着かなくちゃ。息を吸い込み、ブラブラと揺れていた指輪をパッと掴む。
もう一方の手で腕輪に手を触れ魔力を通した。
指輪から声が聞こえてきた。
『もしもし?』
「上流に『害意』!魔獣か人かは不明!」
『え?』
少し離れた位置にいた兄上が立ち上がるのが見えた。「収納」の魔法陣が出て近くに置いていた荷物が消えた。
僕は気配があった方を指で指し示してから「収納」から弓と矢を取り出した。
兄上とボブが武器を手にしてこちらの方に賭けてくる。
もう一度気配を探ろうとした瞬間、「害意」の気配が強くなったように感じた。
魔力の位置を確認しながら弓を構えた。
鳥系魔獣らしき気配が急上昇していく。木の上まで飛んだその姿がはっきり見えた。魔鷹か何かか?
上空まで飛んで旋回してから一気に下降してきた。僕の方に向かって凄い勢いで滑空してくる。
僕が放った矢が魔鷹の羽根を掠めたが、魔鷹の勢いは大して変わらない。
螺旋の風を放つ直前、魔鷹の羽根に何かが突き刺さり、魔鷹の進路が大きく逸れた。
魔鷹は螺旋の風に煽られて後退し、体勢を立て直すように旋回した。
飛んできた石が魔鷹の羽根に辺り、魔鷹の動きが乱れた。
「クリス!」
兄上の声が聞こえた。コチラに向かって駆けてくるのがわかる。
僕がもう一度射った矢が魔鷹の羽根に刺さった。
魔鷹がバランスを崩して減速したところを狙って風刃で切り付ける。
風刃が魔鷹を切り付け、右の翼を切り裂くと、魔鷹は錐揉み状態になり地面に落ちた。
留めを刺しに向かおうとしたとき、別の「害意」を感じて踏みとどまった。
また何か来る!
突風のような勢いで黒い何かがコチラに向かって突進してくる。
狼系魔獣か?
すかさず矢を射ると、魔獣の前足に突き刺さった。
ギャン!
バランスを崩して倒れそうになりながら叫び声を上げたのは狼系の魔獣だった。
一度横に飛んでから、ギロリとした目をコチラに向け、再び向かってきた。
螺旋の風をぶつけたら、後ろに飛び退いた。
そこに兄上が飛びかかっていって炎を纏った剣が魔獣を切り裂いた。
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