転生モブ一家は乙女ゲームの開幕フラグを叩き折る

第２章

第269話 緊急連絡魔道具

薬師のおばあちゃんのところに、魔石を届けに行って、屋敷に戻ってきてから
漸く、乳白色の魔石を使った魔道具の作成の取り掛かる。

帰る途中で考えていたので完成のイメージはだいぶ出来ている。
……分身じゃない。
分身も気になるけどね。

白い蛇の魔獣が分身魔法を使った時の魔法陣をちょっと作り変えてイメージしたものを形に表す魔法陣にする。
風魔石に周囲の気配を探る魔法陣を刻む。周囲の魔力、建物や木、山とかの位置や大まかな形状を把握してイメージにする。
光魔石の魔法陣と連結させてみると、目の前に地図みたいなのが浮かび上がった。
僕がいる場所を中心にして、大まかに輪郭線みたいになって離れや本館、町の建物、森とか平原の位置がわかる。

「……これはこれで使えるね」

最終的に作りたいものは、危険な時とかに連絡をしたら、連絡した相手に居場所がわかるようにする魔道具だ。
今はまだ実験だから、自分がいる場所を地図で表してみたんだけど、これはこれで道に迷った時とかに使えそうな気がする。

「緊急」の連絡を受けた時に相手がいる場所を中心にした地図じゃなくて、
自分の場所を中心にして、「緊急」の連絡をした相手の位置がわかるようにできれば良さそうだ。
目の前に地図が出てくると、歩く時に前が見づらいから「メッセージ」の魔道具を大きくしたみたいなボードに表すようにしようか。
ついでに「メッセージ」の魔道具の機能も入れて、「メッセージ」を受け取って表示できるようにしておこう。

「緊急」を知らせる魔法陣魔石には、登録番号と、連絡をする相手の登録番号、登録した相手に通知をする魔法陣を刻む。
「緊急」の連絡を受け取る魔法陣魔石は、送った相手の場所を探る魔法を発動させる。
相手の位置や周囲の様子などのイメージが出来上がったら、乳白色の魔石でボードに図を表示するんだ。

地図を表示するボードの材料を探していたときに、以前ルドおじさんからもらった、魔力に反応したところが色が変わる紙を見つけた。
暫くしたら消えちゃうらしいけど、居場所の地図を紙に写す出すことができそうだ。
「手紙」の魔道具に使ったら、「手紙」の内容を紙に写すこともできるね。
紙に写して次の「手紙」を受け取ることができる。便利そうじゃない？

手紙屋さんができちゃいそうだよね。シャル叔父さんが来たら提案してみようかな。

思わず「手紙」の魔道具の改良までしてしまったけど、「緊急連絡」の魔道具の作成も上手く行きそうだ。
ただ、幾つも作ろうとしたら魔石が足りないんだよね。もっと白い蛇魔獣を狩りたいな。

危険な時とかに魔力を通したら「緊急」のお知らせをする「緊急連絡」の魔道具は、風魔石で作る。風魔石のストックは結構あるから何個か作って使ってみてもらおう。
「緊急」の連絡を受けたら地図を表示するボード型の「位置表示」魔道具はとりあえず一個だけ作って、「緊急連絡」の魔道具と合わせて使ってみてもらうことにする。
もう一つ作って、本館と離れに置いても良いな。