20 / 90
新たな決意
しおりを挟む
「………………」
「………………」
話が終わり、暫くの間二人を沈黙が包んだ――
「……ごめんね、こんな話……」
「いえ大丈夫です……その……ちょっと驚いただけです」
ちょっと……ではない。明らかにルカの顔は強張っていた。ナオキの話を聞けば当然そうなるだろう。
軽蔑されても嫌われてもいい……それだけのことをオレはしたんだ……
静寂な時が流れたが、ルカが話し始めた。
「玲さんにとってナオキさんはホントに大切な親友だったんですね。私、二人が羨ましい……」
「え? 羨ましい? なんで……玲はオレに裏切られて悩んで苦しんで自殺したんだ。それの何が羨ましいんだよ」
話の後半は声が大きくなっていた。身体の中が熱くなっていくのが分かる。
「すいません、あの……これは私の解釈なんですけど……多分、玲さんはナオキさんに裏切られたなんて思ってなかったと思うんです」
「え?」
「ナオキさんが玲さんと距離を置くようになったのは自分が原因だから当然のことだと思ってたんじゃないでしょうか……ナオキさんが身も心も傷ついていくのを知って、玲さん自身どうしたらいいのか分からなくて……ずっと悩んで自分の行動を後悔していたんだと思います」
「アイツは悪いことなんてしちゃいない。悪いのは逆恨みしたアイツらだ。そして玲の傍にいてやらなかったオレなんだ。アイツは悪く無かった……」
「確かに、玲さんの行動はなかなかできることじゃ無いです。すごく勇気のいる素晴らしい行動です。でもそれがきっかけで人から恨みを買って、自分ではなくて大切なナオキさんを傷つける結果になった。ひょっとしたらナオキさんが玲さんを恨んでいるんじゃないかって、そんなことも考えていたかもしれません」
「そんな……オレは玲を恨んじゃいない」
「勿論、ナオキさんは玲さんのことを恨んでないと私は知ってます。でも玲さんはずっと悩んでいたんじゃないでしょうか。そしてナオキさんがこれ以上傷つかなくていい方法……それは自分がいなくなることだと思ったんじゃないでしょうか」
「そんな……アイツはそんなことする必要なんかなかったんだ……でもアイツ……玲は……」
「この結果はとても悲しいです。でも玲さんにはそんな方法でしかナオキさんに謝罪し、救う道が無いように思えてしまったんだと……そして玲さんはそれを選択してしまった。玲さんにとってとても大切な存在のために……」
「オレのために……オレはそんなことしてもらえるような存在じゃない……オレは卑怯で、臆病で、弱くて、いざって時何もできないそんなクソみたいな奴だ……玲が命を絶ってまで救おうとする価値なんてこれっぽっちもないクズで最低な人間なんだ。それなのに……それなのに……」
いつの間にかナオキは泣いていた。あふれた涙が頬を伝い、その雫は止まることなく流れ落ちている。
「そんなことありません」
「ナオキさんはこんなにも玲さんを思って苦しんでいるじゃないですか。そんな思いやりのある人が最低な人間な訳ないです」
「でも……あの時はただただ怖くて……今を逃げ出したくて必死だった。それこそ玲のことなんて気にする余裕も無かった。自分が助かる道を選んだんだ。だけどあの時、本当はどうすれば……」
過ぎてしまったことを今更考えても過去は変わらない。わかってはいるが考えずにはいられなかった。
「それは……わかりません。多分、正解なんて誰にも分からないんです」
「じゃあ……どうすれば……」
「でもナオキさん。過去を変えることはできませんが、これからのことはナオキさん自身で選べます。そして、玲さんはナオキさんに何を望んでたんでしょう……」
「玲がオレに望んだこと? でも玲は……」
「確かに玲さんはもういません。でも玲さんが望んだであろうことをしていけば、ナオキさんの今の悩みも苦しみも少しは癒されるんじゃないですか?」
「…………」
「勿論、ナオキさんはナオキさんです。ナオキさんの生き方があります。でもその生き方の中にほんの少しでも玲さんを思う気持ちがあったら、玲さんもきっと天国で笑ってくれるんじゃないでしょうか?それに、ナオキさんが悲しくて苦しむ姿を玲さんが望んでいると思いますか?」
「……いや……そんなことは無い……と思う……」
玲の最後のメールにもそんなことは書かれていなかった。
「じゃあ考えましょうよ。玲さんのために。そしてナオキさん自身のために。私も協力しますよ」
ナオキの手を握っていたルカの手は暖かくそしてとても力強いものだった。
――そうだ。前に進まなきゃ。玲のためにもそしてオレ自身のためにも。
「……ルカちゃん……ありがとう。オレ、ホント自分のことばっかりだった。玲の気持ちを全然気にしてやれなかった。今からでも玲の気持ちに応えられるように生きていくよ」
「ナオキさんならできますよ。って何か私、偉そうなことばっかり言っちゃって、すいません」
急に恥ずかしくなったのだろう。ナオキの手を握っていた自身の手を離し、下を向いた。
「そんなことないよ。ルカちゃんすごくしっかりしてて、真っすぐで、オレのほうが年上なのに……どうしようもなくガキっぽくて恥ずかしいよ」
「そんなことないですよ! 私だって昔の話聞いてもらって、お陰で心の中のシコリが取れたみたいに気持ちが軽くなりました。本当にありがとうございます。明日からの訓練は……やっぱり怖いけど少し頑張れそうな気がします」
「ルカちゃんの力になれたなら良かった。ぶっちゃけオレも明日の訓練はまだ不安しか無いけど、ルカちゃんにカッコ悪いとこ見せないように頑張るよ」
そうだ。年下のルカちゃんがこんなに前向きに頑張っているのにオレがクヨクヨなんかしてられない。
「ナオキさん……あの……お願いがあるんですけどいいでしょうか……」
「何? オレに出来ることなら何でも言ってよ」
「その……ナオキさんのこと『センパイ』って呼んでもいいですか?」
「え? 先輩?」
「だ、駄目でしょうか……」
「いやいや。全然いいよ。お願いって言うからもっと難しいものかと思ったけど」
「ほんとですか? あの、私、人付き合いが全く無かったんで、その……年上のそれも男の人と接することが無かったんでナオキさんみたいに相談できる人って憧れてたんです。それでセンパイって呼んでみたくて……」
恥ずかしそうにするルカの姿がたまらなく愛おしく見える。自分に妹がいたらこんな感じなのだろうか……まぁ一人っ子だけど。
「そうだったんだ。好きに呼んでかまわないよ」
先輩なら八京さんのほうが適任な気がするけど……
「はい! その……これからもよろしくお願いします……センパイ」
は、恥ずかしい……この呼ばれ方ヤバいかも
二人の間に今までとは違った空気が流れる。しかしその空気は気まずいものではなく、とても心地の良いモノだ。
「あ、あ~。話し込んだら少し明るくなってきたねぇ。明日っていうかもう今日か。今日は朝に出発だし部屋に戻って少し休もうか」
東の空にはうっすら光が指し始めている。
「ほんとだ。いつの間にか随分時間が経ってたんですね。でもあっという間でした。センパイあの……また二人でお話ししてもいいですか?」
凄くルカが可愛く見える。センパイと呼ばれるたびに胸の奥がむず痒い。
「う、うん勿論だよ。また話そう」
それを聞いたルカが満面の笑みを浮かべ――
「はい。よろしくお願いします。じゃあ私部屋に戻ります。ありがとうございました。センパイおやすみなさい」
お辞儀をしてルカは自分の部屋の方へ小走で向かっていった。ルカの表情が澄んで見える。
ルカちゃん、良い子だなぁ……そう言えばオレと話してた最後の方は全然オドオドしてなかったな。それだけオレに心を開いてくれたってことかも。
自分を慕ってくれる後輩が出来て悪い気はしなかった。だが、玲のことはナオキの中で解決したわけでは無い。むしろここからが始まりなんだと感じた。
――玲の望んだナオキ――
それを考えながら進んでいこうと心に誓った。
「あ~あ。部屋に戻っても寝れそうにないなぁ」
一人呟きながらナオキも部屋へ歩き出した
「………………」
話が終わり、暫くの間二人を沈黙が包んだ――
「……ごめんね、こんな話……」
「いえ大丈夫です……その……ちょっと驚いただけです」
ちょっと……ではない。明らかにルカの顔は強張っていた。ナオキの話を聞けば当然そうなるだろう。
軽蔑されても嫌われてもいい……それだけのことをオレはしたんだ……
静寂な時が流れたが、ルカが話し始めた。
「玲さんにとってナオキさんはホントに大切な親友だったんですね。私、二人が羨ましい……」
「え? 羨ましい? なんで……玲はオレに裏切られて悩んで苦しんで自殺したんだ。それの何が羨ましいんだよ」
話の後半は声が大きくなっていた。身体の中が熱くなっていくのが分かる。
「すいません、あの……これは私の解釈なんですけど……多分、玲さんはナオキさんに裏切られたなんて思ってなかったと思うんです」
「え?」
「ナオキさんが玲さんと距離を置くようになったのは自分が原因だから当然のことだと思ってたんじゃないでしょうか……ナオキさんが身も心も傷ついていくのを知って、玲さん自身どうしたらいいのか分からなくて……ずっと悩んで自分の行動を後悔していたんだと思います」
「アイツは悪いことなんてしちゃいない。悪いのは逆恨みしたアイツらだ。そして玲の傍にいてやらなかったオレなんだ。アイツは悪く無かった……」
「確かに、玲さんの行動はなかなかできることじゃ無いです。すごく勇気のいる素晴らしい行動です。でもそれがきっかけで人から恨みを買って、自分ではなくて大切なナオキさんを傷つける結果になった。ひょっとしたらナオキさんが玲さんを恨んでいるんじゃないかって、そんなことも考えていたかもしれません」
「そんな……オレは玲を恨んじゃいない」
「勿論、ナオキさんは玲さんのことを恨んでないと私は知ってます。でも玲さんはずっと悩んでいたんじゃないでしょうか。そしてナオキさんがこれ以上傷つかなくていい方法……それは自分がいなくなることだと思ったんじゃないでしょうか」
「そんな……アイツはそんなことする必要なんかなかったんだ……でもアイツ……玲は……」
「この結果はとても悲しいです。でも玲さんにはそんな方法でしかナオキさんに謝罪し、救う道が無いように思えてしまったんだと……そして玲さんはそれを選択してしまった。玲さんにとってとても大切な存在のために……」
「オレのために……オレはそんなことしてもらえるような存在じゃない……オレは卑怯で、臆病で、弱くて、いざって時何もできないそんなクソみたいな奴だ……玲が命を絶ってまで救おうとする価値なんてこれっぽっちもないクズで最低な人間なんだ。それなのに……それなのに……」
いつの間にかナオキは泣いていた。あふれた涙が頬を伝い、その雫は止まることなく流れ落ちている。
「そんなことありません」
「ナオキさんはこんなにも玲さんを思って苦しんでいるじゃないですか。そんな思いやりのある人が最低な人間な訳ないです」
「でも……あの時はただただ怖くて……今を逃げ出したくて必死だった。それこそ玲のことなんて気にする余裕も無かった。自分が助かる道を選んだんだ。だけどあの時、本当はどうすれば……」
過ぎてしまったことを今更考えても過去は変わらない。わかってはいるが考えずにはいられなかった。
「それは……わかりません。多分、正解なんて誰にも分からないんです」
「じゃあ……どうすれば……」
「でもナオキさん。過去を変えることはできませんが、これからのことはナオキさん自身で選べます。そして、玲さんはナオキさんに何を望んでたんでしょう……」
「玲がオレに望んだこと? でも玲は……」
「確かに玲さんはもういません。でも玲さんが望んだであろうことをしていけば、ナオキさんの今の悩みも苦しみも少しは癒されるんじゃないですか?」
「…………」
「勿論、ナオキさんはナオキさんです。ナオキさんの生き方があります。でもその生き方の中にほんの少しでも玲さんを思う気持ちがあったら、玲さんもきっと天国で笑ってくれるんじゃないでしょうか?それに、ナオキさんが悲しくて苦しむ姿を玲さんが望んでいると思いますか?」
「……いや……そんなことは無い……と思う……」
玲の最後のメールにもそんなことは書かれていなかった。
「じゃあ考えましょうよ。玲さんのために。そしてナオキさん自身のために。私も協力しますよ」
ナオキの手を握っていたルカの手は暖かくそしてとても力強いものだった。
――そうだ。前に進まなきゃ。玲のためにもそしてオレ自身のためにも。
「……ルカちゃん……ありがとう。オレ、ホント自分のことばっかりだった。玲の気持ちを全然気にしてやれなかった。今からでも玲の気持ちに応えられるように生きていくよ」
「ナオキさんならできますよ。って何か私、偉そうなことばっかり言っちゃって、すいません」
急に恥ずかしくなったのだろう。ナオキの手を握っていた自身の手を離し、下を向いた。
「そんなことないよ。ルカちゃんすごくしっかりしてて、真っすぐで、オレのほうが年上なのに……どうしようもなくガキっぽくて恥ずかしいよ」
「そんなことないですよ! 私だって昔の話聞いてもらって、お陰で心の中のシコリが取れたみたいに気持ちが軽くなりました。本当にありがとうございます。明日からの訓練は……やっぱり怖いけど少し頑張れそうな気がします」
「ルカちゃんの力になれたなら良かった。ぶっちゃけオレも明日の訓練はまだ不安しか無いけど、ルカちゃんにカッコ悪いとこ見せないように頑張るよ」
そうだ。年下のルカちゃんがこんなに前向きに頑張っているのにオレがクヨクヨなんかしてられない。
「ナオキさん……あの……お願いがあるんですけどいいでしょうか……」
「何? オレに出来ることなら何でも言ってよ」
「その……ナオキさんのこと『センパイ』って呼んでもいいですか?」
「え? 先輩?」
「だ、駄目でしょうか……」
「いやいや。全然いいよ。お願いって言うからもっと難しいものかと思ったけど」
「ほんとですか? あの、私、人付き合いが全く無かったんで、その……年上のそれも男の人と接することが無かったんでナオキさんみたいに相談できる人って憧れてたんです。それでセンパイって呼んでみたくて……」
恥ずかしそうにするルカの姿がたまらなく愛おしく見える。自分に妹がいたらこんな感じなのだろうか……まぁ一人っ子だけど。
「そうだったんだ。好きに呼んでかまわないよ」
先輩なら八京さんのほうが適任な気がするけど……
「はい! その……これからもよろしくお願いします……センパイ」
は、恥ずかしい……この呼ばれ方ヤバいかも
二人の間に今までとは違った空気が流れる。しかしその空気は気まずいものではなく、とても心地の良いモノだ。
「あ、あ~。話し込んだら少し明るくなってきたねぇ。明日っていうかもう今日か。今日は朝に出発だし部屋に戻って少し休もうか」
東の空にはうっすら光が指し始めている。
「ほんとだ。いつの間にか随分時間が経ってたんですね。でもあっという間でした。センパイあの……また二人でお話ししてもいいですか?」
凄くルカが可愛く見える。センパイと呼ばれるたびに胸の奥がむず痒い。
「う、うん勿論だよ。また話そう」
それを聞いたルカが満面の笑みを浮かべ――
「はい。よろしくお願いします。じゃあ私部屋に戻ります。ありがとうございました。センパイおやすみなさい」
お辞儀をしてルカは自分の部屋の方へ小走で向かっていった。ルカの表情が澄んで見える。
ルカちゃん、良い子だなぁ……そう言えばオレと話してた最後の方は全然オドオドしてなかったな。それだけオレに心を開いてくれたってことかも。
自分を慕ってくれる後輩が出来て悪い気はしなかった。だが、玲のことはナオキの中で解決したわけでは無い。むしろここからが始まりなんだと感じた。
――玲の望んだナオキ――
それを考えながら進んでいこうと心に誓った。
「あ~あ。部屋に戻っても寝れそうにないなぁ」
一人呟きながらナオキも部屋へ歩き出した
0
あなたにおすすめの小説
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~
かくろう
ファンタジー
【ためて・放つ】という地味スキルを一生に一度の儀式で授かってしまった主人公セージ。
そのせいで家から追放され、挙げ句に異母弟から殺されかけてしまう。
しかしあらゆるものを【ためる】でパワフルにできるこのスキルは、最高ランクの冒険者すらかすんでしまうほどのぶっ壊れ能力だった!
命からがら魔物の強襲から脱したセージは、この力を駆使して成り上がっていく事を決意する。
そして命の危機に瀕していた少女リンカニアと出会い、絆を深めていくうちに自分のスキルを共有できる事に気が付いた。
――これは、世界で類を見ない最強に成り上がっていく主人公と、彼の元へ集まってくる仲間達との物語である。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる