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冒険者~極秘任務~

足止め

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フェリーチェたちを乗せた馬車は特に問題なく進んでいたが、目的地…ラーゼン・ファウストが住む町の手前で、武装した集団に足止めをされてしまっていた。
乗客たちは身を寄せ合い不安そうにしている…一部を除いて。

「盗賊かな?」
「いや……おそらく冒険者だろう」
「盗賊にしては装備が良いもんね」
「結構人数がいるな。何かあったのか?」
「ガイ……」
「ん?…あぁ、冒険者なら俺が聞いてきた方が良いか。ちょっと待ってろ」
「気をつけてね」
「おう」

心配するフェリーチェに片手を上げてから、馬車を降りたガイが軽い足どりで冒険者と思われる集団に近付いて行くと一人の男が出てきた。

「止まれ!ここより先は通せん!」
「…俺は冒険者のガイだ。通せない理由を教えてくれ」
「それは話せん!」
「はぁ?こっはちは依頼で来てるんだ。理由も分からず、はいそうですかで帰れるか」
「通せんものは通せん!引き返せ!」
「話にならねぇな……責任者は誰だ?」
「うるさい!さっさと引き返せと言ってるだろうが!」
「おい…いい加減に…」
「何を騒いでいる!」

話の通じない相手にガイが苛立ち殺気が漏れ出たとき、相手の後ろにいる集団が左右に割れ、その中を小柄で可愛いらしい少女が一人、悠然と歩いて来ていた。

「あ、姐さん!」
「ギルドマスターと呼びな!」
「姐さん!こいつかいくら行っても引き返さねぇんだ!」
「ギルドマスターだ!」
「どおすればいいんだ!姐さん!」
「だからっ……もういい!」

いくら訂正しても【姐さん】と呼ばれ涙目で膨れっ面をする少女に庇護欲を掻き立てられ、思わず目尻を下げる冒険者らしき集団だったが、直後こんどは恐怖に顔を引き吊らさせることになった。

「茶番は終わったか?だったらさっさと俺の質問に答えろ。こっちは予定が詰まってんだよ。さっさと足止めの理由を言いやがれ」
「「ヒッ!?」」

無表情で殺気を滲ませながら淡々と話すガイによって。






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