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小話~〇〇の日記~

うちの息子がやらかした

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私はクロード・ファウスト、ディアネス共和国の宰相をしている。
今日は6歳になった娘フェリーチェの『鑑定』をする事になっている。
『鑑定』の日が決まってから、息子のアルベルトが‘僕は!?僕も6歳だよ!’と煩い。
お前は6歳じゃないし、本性は黒龍なんだから能力値も桁違いだろうが!
『鑑定』なんてした日には、鑑定する魔道具が絶対に壊れてしまう。
いくらすると思ってるんだ!
そうルイスと一緒に諭すと、‘分かったよ……分かりました~’と言って引き下がった。
しかし、だてに1年ちょっと父親として無駄に過ごしていたわけじゃない。
お前が諦めていない事は分かっている。
だから、しっかり周りに根回しをしてから当日を迎えた。
そして、此処は王宮の一室。
私とルイスとフェリーチェしかいない。
アルベルトは今頃、オースティンの息子の子守をしているはずだ。
本来、『鑑定』は教会で行うものだが、1年ちょっと前に教会の治癒師が起こした事件をたてに、ルイスが特別に許可をもぎ取って来たのだ。
フェリーチェは緊張していたが、丸い水晶型の魔道具に触れるだけなので直ぐに終わった。
『鑑定』結果は、まぁ予想通りというか……いや予想外のものもあったな。

「フェリーチェは魔力も高いですが、ユニークスキルが特殊ですね」

「使い方次第だな。他は……体力と攻撃力がまだ低いな。来週から稽古だろ?」

「うっ……頑張ります。……あれ?コレ何?」

フェリーチェの視線の先には《加護》の項目だった。
そこには、‘龍神の寵愛’と記されていた。

「‘龍神の寵愛’?‘龍神の加護’じゃないの?」

「‘寵愛’は、あれだ………アル――フィアフルは今、保護者では無く婚約者だからな。‘加護’じゃなくて‘寵愛’になっているのだろう」

「そうなんだ~」

「クロード……」

フェリーチェ、私が言うのもなんだが、少しは疑う事を覚えなさい。
ルイスも、そんな呆れた目で見るなら、お前が言えばいいだろ!
その日は何事もなく終わり、油断していた。
『鑑定』の次の日に魔道具をしまうため、ルイスが持ち上げた瞬間、真っ二つに割れた。
そして、ルイスの額には見事な青筋が…………
その日、逃げ回る息子と、娘(人質&転移係)を抱えながら追いかけるエルフが目撃された。

「人質なんてズルいよ!」

「悪い事をして謝りもせず、逃げ回るのはズルくないんですか!」

「何で頷いてるのフェリ!?どっちの味方なんだよ!」

「え?それ聞くの?」

「いい加減、観念しなさい!」

「ひどい!?ちょっと触ってみたかっただけなのに!子どもの失敗なんだから、そんなに怒んないでよ!」

「「いやいや……子どもって……」」

結局、壊れた魔道具は娘が魔法で元に戻したが、息子はもちろん父親の私も説教された。
少し昔を思い出したが、アイツの事も思い出したので、説教が終わったら弄りに行こうと決めた。
お前は1週間、フェリーチェと接触禁止だからなアルベルト!

 
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