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小話~〇〇の日記~
どうしたら ……
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俺はブレイク、狼の獣人だ。
A級冒険者でもある。
今日はパーティーの仲間とファウスト家に来ていた。
フェリーチェが6歳になり、『鑑定』も終わったので来週から本格的な修行に入る事になっている。
だからその前に、どの程度の動きができるか見る事になっていた。
数値だけでは分からんからな。
そして現在、俺たちは困っていた。
フェリーチェよ何故だ……何故100メートルも走らないのにバテる?
それは、ジャンプしているのか?
背伸びじゃないよな?
子ども用の木剣を5回振っただけで、何故プルプルしている?
アルベルトよ、見えない速度で走るな。
どこまで跳ぶつもりなんだ?見えなくなったぞ。
どうやったら、腕を振った風圧で木剣が木っ端微塵になるんだ?
両極端だなお前たち。
他のメンバーに目を向けると‘どうしよう’という顔をしていた。
フェリーチェは体力と筋力……いや、まずは体力を集中してやろう。
アルベルトは手加減なんだが、皆で悩んでいるとフェリーチェが腕輪を差し出してきた。
「あのね、これは装着した人の力を制御できる魔道具なの。何割で制御するかは設定できるよ」
また、とんでもない物を作ったな。
他のメンバーを横目で見ると、遠い目をしているルイスとメイソン……諦めてるな。
満足そうに頷いているクロード……安定の魔術バカ(親バカ)か。
‘スゲェな!’と言っているオースティン……器がでかいのか、何も考えていないのか……分からん。
取り合えず、50%にしてみた。
結果は、さっきと変わらなかった。
次に、30%……10%……0.5%……まだか?
そして、0.00001%でようやく許容範囲になった。
「何か動きづらいね。これくらいが普通なの?」
「俺が冒険者になった時はそれくらいだったぜ?」
アルベルトの質問に答えたのはオースティンだった。
人族の彼が言うなら大丈夫だろう。
例え、走る時に残像が見えても、5メートル近く跳んでいても、木剣が10回振って半分になっていても、きっと普通なんだな。
アルベルトの方は解決したから、フェリーチェの訓練内容を考えないと。
最初はひたすら走らせるしかないか?と考えていたら、今度はアルベルトがある提案をしてきた。
何?まさか……そんな方法で大丈夫か?
信じられない俺たちに、自信満々に笑ったアルベルトが変化した。
フワフワの耳と尻尾を持った獣人に。
そして、フェリーチェの前で尻尾を振ると、走り出した。
「……っつ、待って~!触らせて~!」
「捕まえたらね~」
突如、2人の追いかけっこが始まった。
フェリーチェ、さっきより速いし100メートルはとっくに過ぎているぞ!
そんなに好きなのか……モフモフが。
俺は採用しようと思ったが、他のメンバーに胸焼けがすると言われたので、他を考えようと思う。
オースティンだけは、微笑ましそうに見ていたんだがな。
その後、力尽きたフェリーチェが倒れて眠ったので、解散になった。
さぁ、しっかりフェリーチェを鍛えて、アルベルトを‘普通の人間’にしないとな。
A級冒険者でもある。
今日はパーティーの仲間とファウスト家に来ていた。
フェリーチェが6歳になり、『鑑定』も終わったので来週から本格的な修行に入る事になっている。
だからその前に、どの程度の動きができるか見る事になっていた。
数値だけでは分からんからな。
そして現在、俺たちは困っていた。
フェリーチェよ何故だ……何故100メートルも走らないのにバテる?
それは、ジャンプしているのか?
背伸びじゃないよな?
子ども用の木剣を5回振っただけで、何故プルプルしている?
アルベルトよ、見えない速度で走るな。
どこまで跳ぶつもりなんだ?見えなくなったぞ。
どうやったら、腕を振った風圧で木剣が木っ端微塵になるんだ?
両極端だなお前たち。
他のメンバーに目を向けると‘どうしよう’という顔をしていた。
フェリーチェは体力と筋力……いや、まずは体力を集中してやろう。
アルベルトは手加減なんだが、皆で悩んでいるとフェリーチェが腕輪を差し出してきた。
「あのね、これは装着した人の力を制御できる魔道具なの。何割で制御するかは設定できるよ」
また、とんでもない物を作ったな。
他のメンバーを横目で見ると、遠い目をしているルイスとメイソン……諦めてるな。
満足そうに頷いているクロード……安定の魔術バカ(親バカ)か。
‘スゲェな!’と言っているオースティン……器がでかいのか、何も考えていないのか……分からん。
取り合えず、50%にしてみた。
結果は、さっきと変わらなかった。
次に、30%……10%……0.5%……まだか?
そして、0.00001%でようやく許容範囲になった。
「何か動きづらいね。これくらいが普通なの?」
「俺が冒険者になった時はそれくらいだったぜ?」
アルベルトの質問に答えたのはオースティンだった。
人族の彼が言うなら大丈夫だろう。
例え、走る時に残像が見えても、5メートル近く跳んでいても、木剣が10回振って半分になっていても、きっと普通なんだな。
アルベルトの方は解決したから、フェリーチェの訓練内容を考えないと。
最初はひたすら走らせるしかないか?と考えていたら、今度はアルベルトがある提案をしてきた。
何?まさか……そんな方法で大丈夫か?
信じられない俺たちに、自信満々に笑ったアルベルトが変化した。
フワフワの耳と尻尾を持った獣人に。
そして、フェリーチェの前で尻尾を振ると、走り出した。
「……っつ、待って~!触らせて~!」
「捕まえたらね~」
突如、2人の追いかけっこが始まった。
フェリーチェ、さっきより速いし100メートルはとっくに過ぎているぞ!
そんなに好きなのか……モフモフが。
俺は採用しようと思ったが、他のメンバーに胸焼けがすると言われたので、他を考えようと思う。
オースティンだけは、微笑ましそうに見ていたんだがな。
その後、力尽きたフェリーチェが倒れて眠ったので、解散になった。
さぁ、しっかりフェリーチェを鍛えて、アルベルトを‘普通の人間’にしないとな。
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